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(;´д`)切断術後とケアの話


(。-∀-)題名:切断術後とケアの話

切断術後の早期の合併症には、皮膚創部の壊死、皮膚縫合部の遷延治癒、感染、浮腫などがある。

【皮膚創部の壊死】

切断では断端の皮膚縫合部の壊死が起こりやすく,特に循環障害による切断の場合に生じやすい皮膚の壊死をつくらないためには、手術時に組織を愛護的に操作することと、縫合部の過度の緊張を避けることである。いったん壊死に陥った皮膚は切除して再縫合するか、さらに高位での再切断が必要になる。

【皮膚縫合部の遷延治癒と創の哆開(裂開)】

皮膚縫合部の遷延治癒も循環障害による切断の場合に起こりやすく、その上に早すぎる抜糸や荷重、さらに感染が加わると創の哆開を生じる。循環障害例では、創にかかる緊張を最小にするような手術操作をし、さらに粘着テープなどで緊張を減少させ、抜糸は術後3週以後より遅くし、荷重開始も遅くする。

【感染】

感染を防ぐためには、良好な全身状態の確保、無菌的な手術、愛護的な手術操作によって組織の損傷を最小限とし、完全な止血とドレーンを入れて血腫を防止することである。感染を発見したら即時の切開排膿と、感受性のある抗生物質を投与する。

【浮腫】

切断手術による外部刺激や循環障害は断端に浮腫を生じさせるが、浮腫は循環障害の原因となり悪循環となって、創の治癒過程を傷害するとともに、早期の義肢装着を妨げる要因となる。切断の術後管理では浮腫を予防し、義肢装着に適した断端をできるだけ早く獲得することが非常に重要であり、

断端に圧を加えて浮腫の予防と治療を図ろうとするsoft dressing法や環境コントロール法などの断端管理法が行われる最も大きな理由である。

【心理的問題】

自殺企図の背景に精神分裂病やうつ病、精神的な不安があることが多いことに加えて、切断による心理的なダメージが精神的な不安定を生じることがある。

 

●切断と合併症(義肢装着後の場合)

断端の皮膚は義肢装着により今まで経験しなかった新しい環境におかれるため、種々の医学的な問題を起こしてくるのが普通である。以下に断瑞の皮膚がおかれる新しい状況と、その合併症について述べる。

①生理的環境の変化

発汗:密閉された義肢のソケット内では蒸散が行なわれないので、汗が溜りやすい。また汗の固形質(0.5〜1%)がソケット内に蓄積されると細菌の培地となり、断端の感染の原因となることもある。

反射性発汗は、体の一部が一定の温度(31℃)以上となると全身からの発汗が起こる状態をいい、義足歩行をする切断者によく見かける。

摩擦:皮膚は皮革・プラスチック・木綿・合成繊維などとの間で必ず摩擦を起こしている。皮膚より落屑したケラチンの小片が、汗腺や皮脂腺の開口部に栓のように詰まり嚢腫の形成をみることがよくある。小さな裂傷があるとなかなか治癒せずに、苔癬化していることもある。

pH:皮膚は強い酸性(pH4.2〜5.6)である。これを酸性膜と呼ぶこともあり、細菌感染を防止していることが知られている。皮膚が長時間水に浸されたり、濃い塩類溶液に潰かっている場合や、湿疹、脂漏性皮膚炎その他の炎症性皮膚疾患のある場合、この酸性度が著しくアルカリ性に傾くことが知られている。したがって、これらの問題が起こらないように注意しなければならない。

②皮膚の合併症

a.接触皮膚炎

接触皮膚炎は原因となる刺激物や、アレルギー源となる物質と皮膚との接触によって起こる皮膚炎をいう。この皮膚炎には急性、亜急性、慢性の各場合があるが、たいてい痒みがある。急性および亜急性の場合は、びまん性の紅斑、浮腫、漿液のにじみ出ているもの、痂皮形成がその主な症状で、さらに水疱をみることが多い。慢性のものでは紅斑、鱗屑および苔癬化が主症状である。

ソケットは内側は二スまたはラッカー、外側はプラスチックやレジンで仕上げがされている。またソフトソケットの内部は合成皮革や皮革、外部はスポンジゴムや発泡プラスチックでできている。これらの有機物や有機化合物に過敏な人には接触皮膚炎の原因となりうる。この過敏性は“うるし”などによるものと全く同じで、起こる反応は装着者の体の状態、外界の熱・湿度および接触の度合いにより変わる。皮膚炎自体は断端のみに起こり、他とは鑑別しやすい.

原因となるものを列挙すればambroid 、C-8 epoxyresin、ポリエチレン、スポンジゴム、合成樹脂のカバーなどがある。原因を発見しにくい場合は皮膚貼付試験(patch test)が有用である。

治療は皮膚科的療法のほかに、もし患者がプラスチックのソケットにアレルギーを持っている場合は木製のソケットに代える等の必要も生じる。

b.外傷後表皮嚢腫

前項でも少し触れたがこの種の嚢腫は、患者が義足を使用しはじめてから数か月は経なければみられない。好発部位は大腿切断者のソケット内側上端に当たる部分の皮膚である。最初は小さなしこりがあるだけで、義足をしばらく用いないと消える。続けて起こる摩擦とソケットによる圧迫で、しだいに大きくなり、痛みを感じるようになる.大きなものでは大豆大になる。この嚢胞が破れ、白色不透明の膿のような液体を排出し、潰瘍をつくる場合がある。痛みがひどくなると義肢を着用できない場合もある。組織の顕微鏡所見では最初ケラチンが栓を形成し、真皮にはいり込みポケットをつくる。後には、この栓はさらに深く真皮下にみられるようになる。細菌感染のための炎症像もみられることもある。

初期にはケラチンの小片を清潔な爪や少し尖ったもので取り除くこともできるが、症状によっては切開、排膿または嚢腫の摘出が必要となる場合もあり、義足のアライメントやソケットの改良が必要な場合もある。

c.毛嚢炎および癤

よくみる合併症の1つである。毛嚢炎は、一般にブドウ球菌などによる細菌感染によるもので、毛嚢に一致して数多く炎症性の小水疱または膿疱をつくる。癤はブドウ球菌または連鎖球菌などによる毛嚢、または皮脂腺などの皮膚付属器の感染で、深部に起こり、範囲も広く痛みも強い。圧痛も強く、皮膚は深紅色を呈し、破れて膿と壊死した組織のかたまりを排出する。

毛嚢炎は毛深い、皮膚に脂気の多い人によくみられ、両者とも義肢を使用することにより悪化する。夏に多く、断端部が不潔であることが多くの場合の原因である。断端の毎日の手入れ、義肢の手入れ、特にソケット内部を清潔に保つことが、最上の予防策である。発生した場台は冷罨法、切開排膿、局所的・全身的な抗生物質の使用などが必要となる.

d.白癬

よくみるものの1つである。ソケットの内部がいつも温かく湿度が高いので、なかなか治癒しにくい。“たむし”といわれているもので、輸状に紅斑ができ、かゆみが強く、一般にソケット内面と接触している部分に生じる。のちに患部周辺が堤防状に隆起し、しばしば苔癬化してくることもある。肉眼的所見で診断がつきにくい場合は、顕微鏡検査により白癬菌の原菌を証明づければよい。治療としては、一般の白癬の治療法に加えて、再度ソケットの清掃および手入れを強調したい。

e.摩擦性皮膚炎

皮膚面が擦れ合い、さらにその間隙に汗が過分泌し汗が溜ったため皮膚が刺激された状態である。大腿切断断端上縁および会陰部に好発し、断端に皮膚の折れ込みがある場合、その部にみられることもある。断端の萎縮のため皮膚の折れ込みが予防できない場合は、パウダーを用いて、できるだけ皮膚を乾いた状態に保つようにしなければならない。

f.断端浮腫症候群

接着式ソケット(いわゆる吸着式ソケット。ソケットと断端の間に空間があり陰圧刺激がくり返し加わる)の義肢を使用しはじめた患者の断端部に、必ずといってよいほどみられるものである。断端部の腫脹、赤褐色の色素沈着、乾燥して荒れた皮膚がその3徴候である。比較的無害な変化である。色素の沈着は血色素によるもので、その他の組織学的所見としては、結合組織の肥厚および血管の異常増殖と拡大などがあげられる。

Levyはこの症候群が血管性のものであるとし、静脈血およびリンパの滞溜が浮腫および血色素沈着の原因と考えた。治療が必要である場合は少なく、浮腫に対しては弾性ソックスや弾性包帯を、義肢非装着時に用いるとよい。

g.全身的な皮膚疾患

湿疹、尋常性座瘡、脂漏性皮膚炎、乾癬などが全身症状の一部として断端にも認められたことが報告されている。

h.胼胝・鶏眼

よくみられるものであるが、多くの場合、治療は必要としない。皮膚の機械的刺激によって起こる限局性の不全角化である。痛みを生じた場合にはスピール膏を用い軟化させたり切除を行なう。

【断端神経腫】

神経線維は切断されるとその末梢部に神経線維の絡み合った腫瘤を形成し、断端神経腫とよばれる。

断端神経腫の形成は神経切断のむしろ自然の経過であり、切断方法にかかわらず形成され、断端神経

腫自体は自発痛を生じず、圧迫などの刺激を受けたときにのみ痛みを発するのであるから、切断手術

時に神経断端に特別の操作は必要でない。

【幻肢(phantom limb)と幻肢痛(phantom pain)】

切断によって失った四肢がまだ残存しているかのように感じるものを幻肢という。この現象は正常

な成人の場合、切断術後創部の痛みがとれるころ、ほぼ全例に出現し、時が経つにつれだんだん薄れ

ていくもので、正常な現象といえる。一方幻肢痛は失われた四肢の一部に痛みを感じるもので異常な

状態である。

幻肢と幻肢痛のあいだには、幻肢痛は幻肢に伴うものであるが、すべての幻肢に幻肢痛が伴うものではない。幻肢がなければ幻肢痛は存在しない。幻肢を強く感じているところに幻肢痛を感じることが多いなどの関係がある。

これらの成因には大きく分けて末梢説と中枢説との二つの説がある。末梢説は神経の切断端に形成される神経腫より異常なインパルスが発射され、幻肢,幻肢痛が発生されるというものである。中枢説は大脳皮質にbody imageが完成されており、突然に体の一部が失われてもその部分のbody imageは消えず、また失われた部位に対応した大脳皮質の局在部位とその周囲の皮質が、その部位の機能を補うように活動するために生ずるとしている。body imageが完成していない6歳以下の小児や知能障害者には幻肢,幻肢痛が認められないこと、これらは髄節性ではなくいわゆる手袋,靴下状であること、切断に脳卒中が合併した症例では幻肢が消失することがあるなどの事実は中枢説を支持するものである。

このほかに、精神的な問題が幻肢幻肢痛と関係が深く、生活や経済不安、精神、身体的不安がその背景にあるとする説もある。義肢装着訓練が順調に進行している者は幻肢、幻肢痛の訴えが少ないことは臨床でよく経験することである。また、断端部に血管運動障害や発汗の異常など交感神経の異常反応を伴うことや交感神経ブロックにより、よい治療効果が得られることがあるなど交感神経の関与も考えられている。

以上述べたように成因はまだ明確に解明されていないが、末梢、中枢、交感神経系が関与し、精神心理的問題がそれを修飾しているものと考えられる。

幻肢痛の痛みの感じ方は多種多様である。患者の痛みの表現の仕方も、ズキズキ、ピリピリ、ジンジン、キリキリ、チカチカ、ジリジリ、ギリギリ、シビレなど様々である。また痛みの性質はで電撃痛、絞扼痛、拍動痛、灼熱痛、圧潰痛、痙攣様、疼痛,刺痛、鈍痛などと表現される。

幻肢痛を誘発したり増悪させるものとして天候(雨)、気圧(低気圧)、寒冷など気象条件や、精神的不安、ストレス、疲労などが挙げられる。また軽い刺激を受けると簡単に強い痛みを引き起こすトリガーポイントをもっていることもある。

治療法としては薬物療法、理学療法、交感神経節ブロック、心理療法などが試みられている。

幻肢、幻肢痛はそれが強いとリハビリテーションの阻害因子となる。発生のメカニズムは解明されていないが種々の因子が関与していることは確かである。したがっていろいろな面からのアプローチが必要である。

Feinsteinは幻肢痛を3つに分類した。

①ひきつけるような痛みcramping painこの3つの中でいちばんよく聞かれるもので、患者は“幻肢がねじれたようだ”とか“指が曲げた位置にひきつけられているようだ”などの説明をする。また、いつも強い圧迫を受けているなどというものもいる。一般に、幻肢を動かすと痛みは消えるといわれている。

②焼けるような痛みburning pain

この痛みは前者とは異なり、幻肢のどの部分が痛むかなどの説明はされない。痛みの程度は変動するが、患者は痛みのため苦しめられる。幻肢を動かしても痛みは消えないようである。

③鋭く、突き刺すような痛みsharp and lancinating pain

一時的なもので、時折訴える。定期的に起こることも多く、いつまでも続いていることは少ない。この痛みの発作は、しばしば断端の筋肉の強い間代性のけいれんを合併することがある。

【断端痛】

術後創が治癒し手術による痛みが消失した後に、断端に自発痛や圧痛を強く訴えるものを断端痛という。骨の突出部や不良瘢痕に痛みを訴えるもの、また局在がはっきりせずに幻肢や幻肢痛との区別が難しいものもある。痛みが強いと断端訓練、義肢装着訓練の支障となる。また先に述べた神経腫が皮膚の直下にできると限局した強い圧痛、ティネル様の先端に響く痛みを訴える。

【拘縮】

大腿切断、下腿切断ではそれぞれ股関節、膝関節に屈曲拘縮が起こりやすい。特に短断端の場合起こりやすく、また発生すると断端が短いため梃子の長さが短く矯正することが難しい。したがって、予防が一番大切である。ベッド上、車椅子乗車、松葉杖歩行中など股関節、膝関節を屈曲位に保つ動作が多いので十分な注意と、拘縮予防のためのROM訓練を初期より積極的に行う必要がある。強い屈曲拘縮が起こり矯正できないと、義足ソケットを強い屈曲位に取り付けなければならず義足の外見は著しく悪くなる。

(・∀・)参考文献

実習対策レポート.切断術後のケア


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