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(;´д`)骨折の話


( ´▽`)題名:骨折の話

●骨折の定義

骨組織が外力によってある部分の生理的連続性を絶たれた状態を骨折という。

 

●骨折の分類

原因による分類

疲労骨折:比較的弱い外力が骨の同一部位に繰り返し加わると、金属の疲労現象のごとくその部位に起こる骨折。

病的骨折:骨自体に腫瘍、骨髄炎など何らかの病変があって、正常な骨であれば骨折しない程度の外力によって生じる骨折。

 

外力の加わり方による分類(外傷性骨折の分類)

直達性(直接):直接外力の作用部分に骨折が起こる場合。

介達性(間接):外力に対して間接的部分に骨折が生じた場合。

 

骨折線の入り方による分類

骨折線の入り方からみると、まず完全骨折と不完全骨折に分けられる。すなわち、骨折線が骨の全周にわたり、完全にその連続性が絶たれたときが完全骨折であり、部分的な場合が不完全骨折である。

 

骨折のタイプによる分類

横骨折、斜骨折、らせん骨折、若木骨折、重複骨折、粉砕骨折、竹節骨折、圧迫骨折、陥没骨折(頭蓋骨などの扁平な骨が圧迫された陥凹した形状の骨折)などがある。

 

骨折端の転位による分類

骨折端の転位には、以下のようなものがある。

屈曲転位(軸転位)

横転位(側方転位)

回旋転位(周転位)

縦転位(離開転位、短縮転位)

嵌入転位

があり、いずれも末梢骨片の態度により表現される。一般に、骨折線の転位はこれらの組み合わせにより表現されるが、粉砕骨折のような場合の転位は複雑で表現ができない。

 

整復位の安定性による分類

整復位の安定性から、安定骨折と不安定骨折とに分けられ、また骨折とともに脱臼が生じたような場合には脱臼骨折と呼ばれる。脱臼骨折は肩関節や股関節などで起こりやすい。

 

骨折部位による分類

部位により骨幹部骨折、骨幹端骨折、骨端部骨折または関節内骨折に分けられる。

 

骨折部の外界との交通の有無による分類

皮下(閉鎖)骨折(closed fracture):受傷部の皮膚が損傷されていない骨折。

開放骨折(closed fracture):骨折部の皮膚が損傷され、この皮膚創傷と骨折部が交通する骨折。

 

●開放骨折について

定義

・骨折部の皮膚が損傷され、この皮膚創傷と骨折部が交通するものを開放骨折という。

・開放骨折は、感染の危険性が高く、骨折修復過程にも不利な点が多い(閉鎖骨折よりもリスクが高い)。

※開放骨折と複雑骨折、閉鎖骨折と単純骨折は同義語である。骨折線がどのように複雑であっても、外界との交通がなければ単純骨折であるが、このような表現はともすれば混乱を招くので、複雑骨折、単純骨折という名称は用いほうが良い。

 

治療

最大の目的は感染の防止であり、なるべく縫合または植皮などで創を閉鎖する。

①創傷の洗浄:まず滅菌したガーゼで創を覆い、大量の滅菌生理的食塩水を使って、汚染された創の周囲をブラシなどで機械的に洗浄し、剃毛して消毒する。次いでガーゼを外し、創内を同様に大量の生理的食塩水とガーゼなどで機械的に洗浄し汚染物質を除去する(cleaning and brushing)。

②皮膚欠損があったり創縁皮膚に緊張が生じる場合には、減張切開や各種の植皮術(中間層植皮、回転皮弁など)を行い、創を閉鎖する。

③骨折の処理:golden hour内でdebridement(デブリードマン)(創傷部の清掃)が完全に行われた後は、原則的には皮下骨折と同様に直ちに固定しても感染の危険はほとんどない。しかし骨折部に大きな固定材料を残すことは好ましくないので、しばしば創外固定法が行われる。

④golden hourが過ぎ、しかも汚染が著名な場合には、debridementの後、開放創のままにとどめ、二次的に創を閉鎖する。このような場合にも、創外固定法は有用である。

減張切開:組織の張力を減らすための切開のこと。創傷が大きいとき、創縁の一側または両側に創縁と平行して減張切開を行う。二つの皮膚欠損部にはその間にY字形の切開を行う。

golden hour:受傷後6~12時間以内に完全な創処置をすれば感染を起こすことは少ない。この安全時間のことを指す。

 

●疲労骨折について

・比較的弱い外力が骨の同一部位に繰り返し加わると、金属の疲労現象のごとくその部位に骨折が生じる。これを疲労骨折という。

・スポーツなどの繰り返し外力による骨折がある。

・X線像では、骨折線と同時にその周囲に反応性骨硬化像が現れる。

・好発部位は脛骨、腓骨の骨幹部、中足骨、肋骨である。

 

●症状と診断

全身症状

①外傷直後の疼痛や、出血によりショック症状がみられることがある。おおよそ骨盤骨折では1500ml~2000ml、大腿骨骨折で1000ml、下腿骨骨折で500mlぐらいの出血が起こる。

②重大な副損傷があれば全身状態が悪化する。

③骨折後数日間38℃前後の発熱(吸収熱、軽度の白血球増加、赤沈値亢進をみることもある。

吸収熱:創傷、手術、出産などの物理的障害の後、細菌感染がない場合にもしばしば体温の上昇をみることがある。これを無菌熱、創傷熱、吸収熱などと称している。この体温の上昇は組織破壊に伴う非特異的炎症と、壊死病巣や出血の吸収などが関与している。手術などの翌日に現れ、2~3日で消失することが多く、全身障害は少なく無害である。

 

局所症状

①疼痛

骨折部に激しい疼痛を生じる。骨折部を動かすことにより疼痛は増強する。骨折部に限局した圧痛があり、これはMalgaigne(マルゲーニュ)の圧痛点と呼ばれる。たとえば嵌入骨折や不完全骨折では自発痛は少ないが、骨折局所の圧痛点は必ず存在する。その他に、健常部に加えられた力が骨折局所に働いて介達痛を起こすこともある。たとえば肋骨骨折の時、胸郭を圧迫すると骨折部に疼痛を訴える。

②皮下溢血

皮下に近い骨折の場合、被覆皮膚に皮下溢血斑が生じる。受傷直後よりも2~3日後に著明になる。

③機能障害

骨折発生と同時に機能障害も多少起こる。たとえば長管骨に完全骨折が生じた時は、疼痛を伴うと同時に使用は不可能となる。

機能障害の程度は骨折転位の程度とだいたい平行し、不完全骨折では機能障害は軽度である。

④変形

骨折部には血腫による腫脹と同時に、骨片転位による変形を認める。

⑤異常可動性とコツコツ音

骨が完全に離断され、しかも噛み合わさっていない時には、異常可動性と共に骨折端が互いにこすれあうコツコツする感じが得られる。この検査を不用意に行うと、疼痛が増したり転位を増強して周囲組織を傷つける恐れがあることを知っておく必要がある。

 

●骨折の合併症

皮膚損傷、感染

閉鎖骨折であっても受傷部の皮膚が挫滅されている場合、被覆皮膚が壊死に陥り、その結果開放骨折となるこもある。開放骨折では感染の危険性が大きい。

 

神経損傷

骨折部近くを神経が走る場合、骨折と同時にその神経が損傷を受けることがある。たとえば上腕骨骨幹部骨折時における橈骨神経の関係などがあげられる。受傷後できるだけ神経損傷の有無を確認しておく必要がある。

 

血管損傷

鋭利な骨片により血管が損傷されることがある。

主幹動脈損傷の場合には末梢部の壊死の危険性があり、急性阻血症状に注意しなければならない。

急性阻血症状:5P、すなわち疼痛(pain)、蒼白(pale)、しびれ感などの異常感覚(paresthesia)、脈拍消失(pulsless)、運動麻痺(paralysis)である。

 

脂肪塞栓

・体内にある脂質が何らかの原因により脂肪滴となり、栓子化し、血管・毛細管を閉塞することを脂肪塞栓という。

・豊富な脂肪を含有する骨髄の損傷により、遊離した脂肪が肺や脳血管などに塞栓を起こすことがある。本症発生には骨髄損傷のほか、出血、ショックその他の病態生理学的変化が関与するものと考えられている。

・受傷後第1病日~第3病日目までの間に起こることが多く、全骨折例の1%内外に生じるといわれている。

・臨床的に診断不能の軽症から、死にいたる急性重篤な症例まである。

・臨床症状として、発熱、頻脈、点状皮下出血(主として頚部から前胸部の皮下、眼瞼結膜)、肺X線像で吹雪状の変化(snow town effect)、脳症状などがみられる(Gurdの大症状)。

・治療は対症療法のみ。すなわち、循環血流量の減少とそれによる低酸素症(hypoxia)に対する処置が基本である。

・予後は悪く、致命率も高い。

(骨折に伴う)脂肪滴:外傷後,特に骨折を伴う症例の血中や尿中,喀痰中にみとめられる脂肪の塊のこと。

内臓損傷

肺、膀胱などの内臓損傷が合併し、重篤な経過をとることもあるので、副損傷の存在の有無には注意しなければならない。

 

●遷延治癒と偽関節

骨折治癒遷延因子

①感染

感染の有無が、骨癒合が得られるか否かに大きく関与している。開放骨折の治療にあたっては感染防止が第一の目標である。また、閉鎖骨折を手術する場合、手術で感染を起こさせないような十分な配慮が必要である。

②骨折端の状況

大きな骨欠損部があったり、骨折端に筋肉などの軟部組織が介在して骨折端が互いに相接することができないような場合は、骨折治癒が障害される。

③骨折線の状況

骨折線に適当な圧迫力が加われば骨折治癒は促進され、骨片間に離開、ずれ、回旋力、剪断力が作用するような時は治癒が遅延する。また長管骨横骨折のように、骨折部の接触面積が少ない時にも治癒は遅い。

④骨折部血行状態

解剖学的に骨折部血行が遮断されやすい部位、たとえば大腿骨頚部、脛骨中下1/3、手舟状骨、距骨などの骨折では治癒が遅延することが多い。

⑤整復・固定が不適当

整復が不完全であったり、固定が不十分である場合にも骨癒合が遅れる。

⑥過度・長期にわたる牽引

牽引特に直達牽引を過度に長期にわたって行うと骨折端に圧迫力が加わらないために治癒機転が阻害される。

⑦不適当な手術

手術操作が不適当な場合、たとえば骨膜や軟部組織に対する過度の損傷、固定力不十分な内固定材の使用、術後感染などすべて骨折治癒を阻害する。

⑧その他

これら局所的要因に加え、全身状態が悪ければ骨折治癒も悪い。

 

変形治癒骨折

・骨折治癒機転が遅れた状態をいうが、まだ骨癒合の可能性はある。前述の骨折治癒阻害因子のいずれかが存在し、骨化傾向が遅れる。

・強固な固定がなお続けられたり、骨折端の骨穿孔術などの適切な処置を行えば、骨化機転が進行して骨癒合が得られる可能性がある。

・しばしば偽関節に移行する。

骨穿孔術:骨にドリルやKirschner鋼線で孔を空けることによって、血流増加や骨形成の促進などの生物学的効果を期待するものであり、骨折の遷延治癒、骨端炎などに対して行なわれる。しかしその効果は必ずしも一定しておらず、あくまでも補助的な方法である。

 

偽関節(pseudoarthrosis)

・骨折端に骨癒合機転がまったく消失した状態をいう。

・骨折端の間は瘢痕組織で埋まり、骨性の連絡が絶たれ、骨髄開口部は閉鎖していたり、断端が萎縮・硬化している。

・異常可動性がみられ、断端が結合組織性の関節包様組織で包まれ、中には滑液様の液体も存在し、あたかも新関節が形成されているかの状態のことである。

・何らかの手術的療法が必要である。骨折端切除、骨髄腔再開、強固な内固定と自家骨移植などが行われる。また血管柄付き自家骨移植は大変有用である。

・好発部位は遷延治癒骨折と同じく、大腿骨頚部内側骨折、脛骨中下1/3の骨折、前腕両骨骨折、手舟状骨骨折なである。

 

変形治癒骨折

・骨片治癒を残したままで骨癒合が完了した状態。

・変形の程度と機能障害は必ずしも平行しない。外観上の変形とともに隣接関節の運動障害などの機能障害を残すことが多い。

 

過剰仮骨形成

・骨折治癒過程で余剰にできた化骨が吸収されない状態。

・原因として仮骨形成刺激が大きなためである。たとえば広範囲に骨膜が剥離された時や固定が不十分で骨折部に力学的刺激が繰り返し加わるような時、慢性の炎症機転が存在する時などである。

・過剰仮骨形成は、骨折治癒に何らかの悪条件が存在することを示唆するもので、早急に適切な対策を立てる必要がある。

 

骨化性筋炎

・骨折に伴う筋や靱帯などの軟部組織の挫滅が著しく、出血が大でこれが器質化して異所骨形成をきたす。

・骨癒合後、拘縮除去のために暴力的な矯正が行なわれ、軟部組織が損傷され出血が生じて器質化し、異所骨形成をきたすことがある。最もよくみられるのが小児上腕骨下端部骨折後、粗暴な徒手矯正を受けた場合である。

・異所性骨化が関節運動を制限している時は異所的骨化機転の沈静を待って(少なくとも1年以上)異所骨を手術的に除去する。

 

Sudeck(ズデック)骨萎縮

・骨折や外傷後、X線上で急速に骨萎縮が出現することがあり、急性反射性骨萎縮症と呼ばれる

・手関節の外傷、骨折に誘発することが多い。

・自律神経障害をきたすこともあり、温熱療法や運動療法、交感神経ブロックで血液循環をよくする。

 

●骨折の治癒機転

骨折の治癒過程

年齢、骨折自体の状態、全身状態などにより左右され、条件がよければ治癒機転は促進され、条件が悪ければ治癒は遅れて偽関節になる。

 

骨折修復過程

外傷性炎症機転が生じ、次いで肉芽が形成され骨新生が行われ、未熟な骨から成熟した骨へと進み、骨折部の治癒が完成する。

①炎症期:骨折発生と同時に出血が起こり、局所に血腫が形成され、速やかに凝固する。凝血周囲に炎症反応が起こり、肉芽が形成されていく。

②修復期:肉芽組織に盛んな新性血管の侵入が起こり、線維芽細胞による線維網形成により骨折断端が互いに連結される。

③改変期:壊死に陥った骨は吸収され、閉塞された骨髄腔に新性血管が進入して骨髄が再生されていく。過剰な化骨は吸収され、強固な骨へと置換され骨癒合が完成する。

 

未熟な線維骨が層状構造を持つ成熟した骨へと置換し、X線所見でもよく形成された骨により骨折部が架橋されてくれば、骨折部は患肢の自由な使用に耐えられる十分な強度となっている。

骨癒合に必要な条件

充分な血流、適度な垂直圧縮力、阻害因子(屈曲・回旋・剪断力)が働いていないことが必要である。

骨癒合の異常

変形治癒、偽関節(大腿骨頚部、舟状骨、下腿下1/3に多い)、遷延治癒などがある。

成人で癒合までの期間(目安)

 

中手骨:2週

肋骨:3週

鎖骨:4週

前腕部:5週

上腕骨:6週

上腕骨頚部:7週

下腿(脛骨):8週

大腿骨幹:8~10週

大腿骨頚部:12週

 

●治療

治療の原則として、整復(reduction)・固定(fixation,immobilization)・リハビリテーション(rehabilitation)がある。また、初期症状にはRICE処置を行う。治療法は、大別して保存的療法と観血的療法があるが、骨折治療は原則として保存的療法が優先されるが、関節内骨折では解剖学的整復と早期可動訓練を可能とすることなど関節機能の温存を考慮して観血的療法が選択されることが多い。その他職業など社会的適応も考慮される。

 

整復

ある程度の転位がある場合に行われる。整復には、以下のようなものがある。

・徒手整復:徒手による整復。

・介達牽引による整復:徒手整復不可能なときや、整復してもその姿位を保持することが困難な場合は数日および数ヶ月間の持続牽引を行うことがある。牽引力が弱くてよい(2~3kg以下)場合は、絆創膏、フェルト、ストッキネット、弾性包帯などを用いて牽引する。

・直達牽引による整復:強固な牽引が必要な場合に、はストッキネットや鋼線による牽引治療、頸椎骨折にはクラッチフィールド頭蓋牽引、骨盤輪の離開骨折や腰椎圧迫骨折にはキャンバスつり上げ牽引がしばしば用いられる。

・観血的整復:Kirschner(キルシュナー)鋼線、スクリュー、軟鋼線、髄内釘(キュンチャー)、プレート、ステープルなどを用いて観血的に固定する。

 

固定

固定は外固定、内固定、創外固定に分かれ、以下のようなものがある。

・内固定:プレート、キュンチャー、Kirschner鋼線、スクリューなど。

・外固定:ギプス、包帯など。

・創外固定:開放骨折の場合に使用する。

 

●小児骨折の特徴

・小児では骨質がやわらかいので不完全骨折の型をとることがしばしばあり、若木骨折と呼ばれる。

・小児で骨端軟骨が存在する場合、この部で骨折を起こすことがしばしばあり、これを骨端線離開(epiphyseal separesion)と呼ぶ。この場合、力学的にもっとも脆弱な肥大軟骨細胞層に離開が起こり、多くの場合、図のごとく骨幹端に三角形の骨片がみられる。

・骨端線損傷を伴う骨折でも、必ずしも成長障害は生じない。

・小児では骨再造形能(remodeling)が大きいので、骨折後の変形のうち回旋変形をのぞいて、よく自家矯正する。たとえば15~20°の屈曲転位は自然に矯正される。

・成人の場合と異なり、骨折の固定によって関節拘縮をきたすことが少ない。

 

●骨折のリハビリテーション

骨折・脱臼のリハビリテーションの考え方

骨癒合、脱臼整復後の軟部組織の修復のためには、局所の安静・固定は不可欠の処置である。骨折を保存的に治療する場合、上下の関節を含めて外固定(immobilization)するのが原則であり、骨癒合後、続発する関節拘縮・筋の廃用性萎縮・循環不全などが患肢の機能障害の原因となる。このような観点から骨折部のみを内固定(fixation)して早期に隣接関節の運動を開始し関節拘縮・筋萎縮を防止して機能障害を最小限にするために骨接合術が行われるようになった。しかし骨接合術では、外傷による損傷以外に手術侵襲を軟部組織や骨に加え、新たな癒着や瘢痕を作ることになるので、最小限の侵襲で最大限の固定力を得る手技的な工夫をする必要がある。また強固な内固定を行うことによって、外固定を併用せず早期の十分なリハビリテーションが可能になる。

 

リハビリテーションの目的

外傷と手術によって損傷された組織の退行変性を最小限に抑え、組織の修復を促進し、血行を改善し、関節拘縮を防止することによって可能な限り早期に患肢の機能を再獲得することである。

 

●骨接合術後のリハビリテーション

骨折は外傷が多く、緊急手術として始まることが多いので、患者に十分な情報を提供できないことが多い。しかしリハビリテーションに関しては一般的なプログラムだけでなく、その患者自身における特殊な問題など詳細な情報を提供して不安を取り除き、患者本人が参加する意欲を持たせ、協力を求めることが円滑なリハビリテーションの遂行に不可欠である。

骨折術後のリハビリテーション処方は、患者の年齢、性別、骨折部位と骨折型、内固定法および外固定性、骨癒合の進行状況などを考慮して個々の患者に合わせた処方が行われるべきである。

 

下肢骨折の場合

一般に等尺性運動→自動介助運動(continuous passive motion;CPM、suspension therapyなど)→自動運動→抵抗運動や理学療法士による他動運動→起立・座位バランス訓練・部分荷重訓練→平地歩行、階段昇降訓練→全荷重と進めていくが、医師とは密に連絡をとり、各段階での評価に基づいてプログラムを適宜変更する必要がある。

・等尺性運動・自動介助運動:関節拘縮を防止し、筋萎縮を防止するとともに、局所の循環を改善して組織の退行変性を予防するために術翌日から開始する。

・CPMによる運動:関節軟骨に対する好ましい影響だけでなく、疼痛に対する恐怖・不安感を取り除き、等尺性運動から以後のプログラムに進む自信を持たせるためにも有用である。術後早期の段階では、手術創への刺激をさせると同時に、感染・創の離開の有無など創の状態の観察を怠ってはならない。

 

関節部骨折

早期の荷重に耐えられるような強固な固定性が得られにくく、また関節拘縮を残しやすいので、理学療法士による他動的可動域訓練を要することが多い。無理な他動的訓練は疼痛や恐怖心をあおりリハビリテーションの進行の妨げになるので、部位によってホットパック、渦流浴、パラフィン浴などの温熱療法を併用するなど適切な除痛と精神的な苦痛を取り除く工夫が必要である。

・荷重訓練(歩行訓練):足底の荷重感覚を獲得し、メカノレセプタの機能を損なわない為にも、歩行器などで立位バランスがうまく取れるようになったら、部分荷重を可能な限り早期に開始する。10~20kgの部分荷重は骨折部内固定にほとんど影響しない。荷重歩行が可能になったら退院し、定期的に外来で患肢の機能回復の状態、X線検査による骨癒合の状態、合併症の発生の有無などを観察する。

( ´▽`)参考文献

医療学習レポート.骨折


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