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(´∀`)温熱療法の話


(´;ω;`)題名:温熱療法の話

1.熱の移動による分類

①伝導性:高温になるほど分子が振動し、物質の移動なしに熱エネルギーが高温部から低温部へ伝導される現象

②対流性:気体もしくは液体が温められると分子の振動が激しくなって膨隆し、密度が小さくなる。よって熱の起こる交換作用をいう。

③変換性(輻射):電気、超音波、超短波などのエネルギーを熱エネルギーに変換して与えるもの。

輻射:変換熱で媒介物を必要としないもの

 

2.乾熱と湿熱

①乾熱:乾いた空気を介して熱が伝わるもの

②湿熱:皮膚表面はそれほど高くなく、深部が温かい

 

3.表在熱と深部熱

①表在熱:皮膚表面が一番熱が高く内部ほど低くなる

②深部熱:皮膚表面はそれほど高くなく、深部が温かい

 

温熱と作用

6大作用

1. 皮膚温の上昇

2. 血管拡張

3. 循環の促進

4. 新陳代謝亢進

5. 筋緊張低下

6. 鎮痛・鎮痙

 

生理学的作用

1.体温・末梢循環に及ぼす影響

①交感神経性反射作用

・毛細血管透過性の亢進

・組織の再活性化し、治癒を促進

②A-V shunt(動静脈吻合)

[機能]

・局所的および全体的な体温調節

・血圧の調節

・圧力受容器

[多い部分]

・手足、鼻、口唇、外耳の皮膚

・消化管の粘膜、尾骨、性器勃起組織

・舌、甲状腺、交感神経節

③加温による血液の粘性の低下

④反射性血管拡張作用

・一側肢の加熱により他側肢の循環を向上させる

・一側下肢の加温が同側上肢の循環を向上させる

・背部や腹部の加温により下肢の循環を向上させる

 

2.新陳代謝に及ぼす影響

①vant hoffの法則→体温1℃上昇すると代謝13%亢進

②Arrheniusの法則→組織温度が10℃上昇するとその代謝率は2~3倍増加

③Alntschurtsの法則→組織温度を10℃減少させると代謝は1/2に低下する

 

3.皮膚への内臓からの血液流入

全血液量=ほぼ一定

①胃腸系に及ぼす影響

・腹壁に加温→蠕動・分泌は抑制酸素量・代謝低下

・経口的に加温→蠕動・分泌促進

②腎臓に及ぼす影響

身体の一部を加温→腎血流量低下→抗利尿ホルモンの分泌増加

糸球体濾過値低下

*肝臓については温熱によって働きが変わるとは限らない

*他所臓器は3-①②と同様である

 

新陳代謝に及ぼす影響

Vont Hoffの法則 ―― 体温(核心温度)1℃上昇すると、代謝は13%亢進

Arrheniusの法則 ―― 代謝の亢進は加温された組織の負担を強いる

組織温度が10℃上昇すると代謝率は2~3倍増加

Alntschurtsの法則 ―― 組織温度を10%減少させると代謝は1/2に低下

 

4.発汗に及ぼす影響

皮膚温=36℃(安静時)

これを越えるとエクリン腺より発汗

 

5.末梢血管透過性に及ぼす影響

温度上昇によって透過性は増す(血管拡張する為)

 

6.疼痛に及ぼす影響

・緩和な温熱→一般的に痛みを和らげる

・痛み受容器の閾値→温熱刺激により閾値は下がる

 

・温覚(30℃付近 ~ 50℃まで)

・冷覚(7℃ ~ 43℃まで)

・感冷痛覚(受容器)~ 15℃まで

・熱性痛覚(受容器)45℃ ~

 

≪痛覚受容器の興奮に関与する物質≫

①サブスタンスP、CGRP、ソマトスタチン

・脊髄神経節に存在

・逆輸送により神経末端より組織中に放出(脊髄神経節から末梢へ)

・順輸送により一次ニューロンから二次ニューロンへの痛覚情報の伝達物質として作用

②サブスタンスP、CGRP

・侵害刺激によりポリモーダル受容器から末梢組織中に放出

③ブラジキニン、プロスタグランジン、ヒスタミン

・末梢組織中や遊離されている化学物質 → ポリモーダル受容器を刺激

『 ブラジキニン』

・血管内皮細胞に対して収縮作用(血漿蛋白が流出)→ 浮腫

『 プロスタグランジン 』

・ブラジキニンに働きかけ、ブラジキニンの反応を増強

『 ヒスタミン 』

・肥満細胞から遊離され、血管拡張作用を起こし血管透過性亢進

(ヒスタミンが血管へ流入)

 

※ 炎症反応や痛みがある時 ―→ 温熱を加えることは禁忌

炎症反応や痛みが引いた時 → 温熱を加えることにより血流量を増加させ、血管に残った発痛物質を流す

 

7.筋トーヌスに及ぼす影響

・高温・短時間の温熱→筋トーヌス亢進

・緩和な温度・長時間の温熱→筋トーヌス低下

 

8.軟部組織の伸展性に及ぼす影響

・軟部組織の伸展性上昇

 

禁忌

1.相対的禁忌

①あらゆる疾患の急性期→痛みや浮腫などを増加させてしまう

②出血傾向のあるもの→血流量を良くしてしまう為、出血を促す

③知覚障害のある部位→火傷を起こしてしまう

④末梢循環傷害のある部位→循環不良の部分に熱がこもってしまう

⑤悪性腫瘍→循環促進によって腫瘍を活性化させ、増悪・転移を起こす

⑥高度の浮腫

⑦激しい全身衰弱→代謝の亢進によって体力を消耗する

⑧心疾患→血流量をふやす(末梢)ため、心拍出陵・心拍数上昇することにより負担がかかる

 

2.特殊禁忌(伝導性温熱)

①開放創の部位

②皮膚疾患の部位(症状悪化の可能性あり)

 

3.特殊禁忌(高周波温熱療法)

①ペースメーカー

②体内挿入金属部位

 

ホットパック

・温かい物質で患部を覆うことによって、その部の組織を加熱して治療に役立てようとする温湿布の総称(広義)

・シリカゲル(珪酸)を厚い木綿の袋に入れ、パック状にしたものを熱水に浸し、身体の一部に温熱刺激として加えることにより、身体の表面を温める方法(狭義)

  • 熱の移動形態:伝導
  • 手段:湿熱法(乾熱法)
  • 必要な装置:hydrocollator

材質・・内槽、外装ともにステンレス

下面に断熱材使用

●その他機器材料:HP

ピックアップバー

タオル(ビニール)

  • 水温の調節:サーモスタット
  • 適用温度:80~85℃
  • 適応時間:約20~30分

 

○実施法

1.準備

①パックを入れる前に加温槽に3/4程度水を入れる

②パックを軽く振ってから入れる

③加温槽を80~85℃にセットする

 

2.患者に対して

①オリエンテーションをする

②治療部位に合わせたホットパックを取り出す

③室温(21~23℃)と他の部の保温に留意しながら、患者の治療部位を露出させてベッドに寝かせる

④水切りしたパックをバスタオルで7~8枚(10枚)重ねにし、パックのフック賭けの紐を中に織り込む

④″ビニールで包み込み、バスタオルで2~3枚重ねにする

⑤治療部位の皮膚上にバスタオル面が均等に接するようにパックを置く

⑥許容限界温度である皮膚温44℃を越えない様、約20~30分行う

⑦再利用時は加温槽に15分程浸してから適用する

 

3.適応例

①疼痛緩和(変形症、リウマチ、断端痛、関節周囲炎、腰痛症など)→炎症が治まったのに痛いとき=二次痛→発痛物質を流せば痛み取れる

②筋スパズムの緩和

③中枢神経麻痺による痙直緩和

④血行改善、局所栄養改善、レイノー病

⑤理学療法施行の前処置

⑥殺菌作用(皮膚真菌症、非定型的好酸菌感染症)

*いずれにも急性期は禁忌

 

4.禁忌

①あらゆる疾患の急性期

②炎症症状の強い時

③刺激症状の強い時

④悪性腫瘍(腫瘍の活性化・転移を起こす)

⑤出血傾向のある時

⑥知覚障害のある時(高度な知覚障害)

⑦循環障害のある時

⑧開放創のある部分

⑨妊娠の時の腹部(中心部の熱が取られる為)

⑩自律神経疾患

⑪閉塞性の血管疾患

 

5.注意点

①知覚障害のある部分(7分位で熱傷の確認)

②極端に衰弱した人、心肺機能の低下した人

③高齢者や幼児(体温調節中枢が未発達の為)

④強度の強い熱は加えてはいけない(発痛物質が増加してしまう)

 

6.利点

①使用が簡単

②パックの種類が多くcase by caseで選択できる

③湿熱のほうが乾熱より鎮痛効果が大きい

④均等な熱を与えられる

 

7.欠点

①肩・股関節への使用が困難

②重い

 

8.生理学的作用

①皮膚温上昇:7分間で約7~8℃上昇 その後、徐々に下降

*皮下組織の温度上昇→20分で5℃上昇

*筋肉の温度上昇→30分で1℃上昇

②血流量の変化:皮膚内の血流量は2倍以上になる

(筋肉などの深部組織は変化なし)

 

パラフィン浴

● 熱の移動形態:伝導

  • 手段:乾熱法、表在熱
  • 装置:手関節用、上肢用、下肢用の3種類

加温槽→ステンレス製

●  その他材料:固形パラフィン:流動パラフィン=100:3

  • 水温の調節:サーモスタット
  • 適用温度:55℃前後(伝導率が低い為、熱くない)
  • パラフィン浴の融点:42~45℃
  • 実施法:間欠法>持続法>塗布法

 

○実施法

1.間欠法(反復法)

①患部を石鹸で洗い、水分を拭き取る

②患部をパラフィンの中にゆっくり(5秒)浸してから引き出す

③固まったら2回目以降は、患部を浸す深さを前回よりも浅くするようにし、②を行う

④8~10回、この過程を繰り返し、厚いパラフィン層を作る

⑤患部をビニールで包んだ後、タオルで全体を覆い、15~20分間保温する

 

2.持続法

①②は間欠法と同じ

③再度、浴槽内に患部を浸し、そのまま15~20分間置く

④間欠法⑤と同じ

 

3.塗布法

①患者を、ゴムシーツを敷いたベッド上に寝かせる

②ブラシなどを用いて浴槽内のパラフィンを数回塗布する

③ビニールとタオルで15~20分間覆う

*腰部など直接浴槽に浸すことができない部分に対し行う方法

 

○注意点

①一旦つけた患部は動かしてはいけない(敗れたところから侵入すると火傷する)

②2回目以降は1回目より末梢にとどめる

③温度に十分注意する(表層と深層の温度が違う為)

④引火性があるので注意

⑤服につくと取れにくいので注意

 

○利点

①凸凹の激しい部位でもほぼ均一な熱エネルギーを与えることができる

②同時に何人かの患者に施行できる

③高温に耐えられない患者でも適応できる

 

○欠点

①浴槽内の沈殿物が多い

②空気中の汚物が入りやすい

③床面にパラフィンのクズが落ちやすい

④治療中に動かせない

⑤浴槽内に殺菌が多い

 

○適応

①リウマチ(変形・拘縮に対して)

②骨関節症

③手部・足部の捻挫、骨折後(打撲にも良い)

④腱鞘炎

⑤関節拘縮

⑥手の外科手術後の後遺症(癒着など)

 

○禁忌

①急性期で炎症症状を呈する部位

②結核・悪性腫瘍の病巣付近

③開放創

④知覚障害部位

⑤感染性皮膚疾患

⑥出血傾向

⑦循環障害

 

○生理学的変化

①皮膚温上昇

・皮膚温:2分間で12~13℃上昇(常に保たれる)

・皮下組織:5℃以上の上昇は見られない

・筋肉:2~3℃上昇

②血流の変化

・施行した皮膚領域にのみ、充血作用が見られる

 

○再生法(濾過法)

①バケツを準備する(2個)

②新聞紙を下にひく

③パラフィン浴を60℃以上に加熱して、1時間以上静止して、浮遊物を沈下させる

④バケツの上にガーゼを1.2枚張り、パラフィンのきれいな上澄み液をその上に落とし、ろ過する

⑤沈殿物をもう一つのバケツに処理する

⑥ろ過したパラフィンを浴槽に戻し、不足分を補給する

(´・ω・`)参考文献

医療学習レポート.温熱療法


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