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(´∇`)片麻痺と疼痛の話


(・_・;)題名:片麻痺と疼痛の話

●肩の痛みと対策

発症早期から麻痺側肩関節の他動的関節可動域訓練と、良肢位の保持とを行い、麻痺手管理を怠らないことが肩関節の痛みに対する最も大切な予防方法である。

関節可動域訓練を行う前には、関節周囲筋の緊張を和らげる目的で、温熱療法を与えることが望ましい。家庭では、温シップや懐炉などの使用があるが、知覚障害がある場合には低温火傷を起こさないように十分気をつける。鎮痛目的には寒冷刺激のほうが効果があるが、血圧変動が予想される片麻痺の場合は適応に慎重を要する。

(1)他動的関節可動域訓練にあたっては以下の配慮を欠かしてはならない

①上腕ことが関節窩から逸脱しないように十分に骨頭を保持しながら行うこと

②肩外転を行う場合は、80°を越えたらから関節を外転して行うこと

③訓練では決して痛みを起こさせてはならず、痛みの起こらない範囲の可動域にとどめること。

④肩関節周囲は全て発痛起因組織になる可能性があるので、筋の慎重は決して性急に行わず、長時間をかけて気長に行うこと。

(2)自動介助運動による関節可動域訓練にあたっては以下の指導を欠かしてはならない。

①非麻痺側手で、麻痺側手を持ち上げる運動を行う場合には、麻痺側の手掌が必ず顔に面する肢位(肩外旋位)を取るように非麻痺側で麻痺側の手掌を持ち、ゆっくりした動作で、痛みの起こらない範囲内で行うこと

②プーリーを用いた肩関節の外転運動は行わせないほうが良い(特に外旋制限があると、肩外転時に肩峰と上腕骨大結節との間に棘上筋腱がはさまれて起こりやすいインピンジメントを防止するため。)

2.注射療法を関節包拡大療法(パンピング療法)

関節腔内(肩甲上腕関節)または肩甲下滑液包内に、注入坐位としてステロイド剤、と局所麻酔剤、あるいは高分子ヒアルロン酸ナトリウムを注射する。関節包ない注射で効果がなかった症例に対しパンピングが有効であったという報告がある。

3.肩甲上神経ブロック

肩甲上神経は、肩甲上関節の上部と肩峰下滑液包の知覚をつかさどっていつので、当該神経のブロックは肩の痛みには効果的である。片麻痺は肩甲帯筋群に麻痺があるため、ブロックの確認は自覚的な殻の痛みの軽減を目安とする。効果は確実であるが、一次的であり、効果期間内に関節可動域訓練を行うことが重要でる。

4.肩甲下筋モーターポイントブロック

片麻痺患者の関節拘縮に対する肩甲下筋モーターポイントブロックは、他動的関節可動域の改善とともに肩の痛みに対しても有効である。過他の痛みと可動域制限とは相互に関連して悪循環をつくるが、悪循環を断ち切る手段として当該治療の有用性は評価できる。

5.低出力半導体レーザー照射

低出力レーザーはペインクリニックで汎用され、鎮痛・和痛が認められている。片麻痺の肩の痛みに対し、疼痛局所に低出力レーザーを適用し疼痛と可動域拡大効果を確認したという報告がある。副作用が少なく適応が広いことが当該方法の特徴である。

6.アームスリング

亜脱臼を伴う場合はアームスリングを着用し、回旋筋腱板ならびに関節包の異常な伸展によって起こる痛みを予防する。着用にあたっては、上腕骨骨頭を正しく関節窩に保持した上で、さらに翼状肩甲や手関節の屈曲拘縮を起こさないように配慮する。着用は原則として歩行時のみとするが、麻痺ならびに亜脱臼の程度により異なるので、装具の選定を含めて理学療法士の指導と介助を受けることが望ましい。

 

●反射性交感神経性ジストロフィー(肩手症候群)への運動療法・他

肩の痛みと運動制限,および同側の手の障害。 原因には外傷,心血管障害,脳卒中,およびある種の薬物(例,バルビツール酸)がある。隠された前提条件が論議されているが,病因は完全には判っていない。 3つの病期がある。
1期は,手の背側における急性のびまん性の浮腫と圧痛の発症と,特に動きによって増強する肩と手の痛みを伴う,手掌の血管運動性の現象により特徴づけられる。初期には手のX線所見で,侵された手に点状の骨粗鬆化がよくみられる。
2期では浮腫と局所の圧痛は減少し;手の痛みは続くが,重症度は軽減する。
3期は手の腫脹,圧痛,および疼痛は解消するが,指が硬くなり,線維性の手掌の屈曲拘縮が起こるために手の動きが制限され,デュピュイトラン拘縮に症状が似る。この病期でのX線所見では,びまん性の骨粗鬆化がみられる。

1.医学的治療

この病気を引き起こすような原因(例,バルビツール酸)は取り除くべきである。拘縮は通常,早期のリハビリテーションと,交感神経ブロックやコルチコステロイドの使用による適切な治療によって予防できる。通常は,間欠的星状交感神経節ブロックとそれに続く理学療法が疼痛を軽減し,再就労や必要な活動への復帰に導くが,何週間,何カ月と繰り返して神経ブロックを必要とすることがある。代替治療としては,コルチコステロイドの大量療法(例,当初プレドニゾン40~50mg/日を経口投与し,反応や忍容性に従って漸減)が試みられる。              ※以上メルクマニュアルより引用

2.対処(ポジショニング)

車椅子坐位では手の重さ自体が直接肩にかからないようにテーブル、クッションの上に麻痺側上肢を乗せておく。
手関節は掌屈位で症状が悪化するため軽度背屈位に保たれるように留意する。自己管理が困難な場合(麻痺側無視・不注意を有する症例)はキャスト・ギブスによる手関節の保護が有効である。
また、この症状は肩甲帯周囲が未だ低緊張である症例に起こりやすいので、車椅子の幅、アームレストの高さにはとりわけ注意が必要である。アームレストの高さは肘がその上に来るか、もしくは上肢がアームレストと身体の間で圧迫されないような座面の広さを持った車椅子が必要である。

3.対処(運動療法)

運動療法においては肩症候群と手症候群は切り離して考え対処する必要がある。(フローランス・クラウス上級講習会より)
この時期の麻痺側肩関節の亜脱臼は肩甲帯周囲の低緊張と前胸筋を含む下制筋群の過緊張の合併によって引き起こされる場合が多い。すなわち肩甲帯は挙上しながら下角が不安定となり関節窩が下方に向いてしまう事に起因する。正常では肩関節周囲の関節包・靱帯は関節窩が前上方を向いている状態で張りを保つ構造をしているため、関節窩が下方を向いたままで放置されると上腕骨を下方に引く筋群の過緊張や上肢そのものの重さにより亜脱臼を引き起こす危険が高い。(亜脱臼がある=痛みにつながる、肩症候群に陥るという事ではない。)運動療法では肩甲骨内側及び上部の筋群の過緊張を軽減させながら全体(特に下角部分)の安定性を促す。肩甲帯の安定性を阻害する要因としては前鋸筋の機能不全も挙げられるが、前鋸筋は起始部が腹斜筋の働きで固定されていないと機能しにくい特性を持ち、また、その腹斜筋も腹直筋に付着しているため両側で腹斜筋が機能していないと固定を失う。すなわち肩甲帯周囲の安定性のためには骨盤・下部体幹周囲の低緊張に対する治療を同時進行的に行う必要があるといえる。
一方、肩甲骨の機能的な後退による安定性のためには上部体幹の伸展が不可欠であり、胸椎の伸展と胸郭の可動性を確保しておく事も忘れてはならない。
手関節の問題は浮腫と背屈不全が主なものであり、放置しておくと浮腫に伴いMP関節の拘縮や手指の運動性障害、皮膚の粘弾性の欠如が加わってくる。治療としては全般的な上肢の治療に加えて前腕の橈骨・尺骨間の運動性を維持し、特に前腕の機能的な回内の可動域を失わせないようにする。手関節そのものに対してはモビライゼーション(手根-橈尺関節・手根管・手根横靱帯部分)を併用して橈背屈を促し、同時進行的に手内筋の活動を促してMPの屈曲を促通する。また、手指のActiveで機能的な把握・探索活動を促すことで筋のポンプ作用を起こさせ浮腫の軽減を目指す。

( ̄ο ̄)参考文献

医療学習レポート.片麻痺と疼痛


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