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(*´∇`*)膝関節靭帯損傷の話


O(≧∇≦)O題名:膝関節靭帯損傷の話

●膝関節は静的、動的にきわめて大きな負荷、衝撃を受けるが、その支持性はもっぱら靭帯を主体とした軟部支持機構に依存している。それゆえ膝関節の靭帯は他の靭帯に比較してより大きな役割を担っているといってもよく、その損傷は非常に重大な機能障害を招くことがある。

 

●靭帯の特徴と役割⇒脛骨前顆間区~大腿骨外側顆内側面後部に走行する

①前十字靭帯(ACL)

・大腿骨に対する脛骨の前方移動防止(85%関与している)

・過伸展防止

・脛骨内旋に抵抗

・大腿骨顆部の転がり(rolling)と滑り(sliding,spinning)を調整する

・屈曲30°~60°でストレスは最小

 

②後十字靭帯(PCL)⇒脛骨後顆間区~大腿骨内側顆内側面後部に走行する

・大腿骨に対する脛骨の後方移動予防

・過伸展防止

・前十時靭帯と共に膝伸展の回旋を誘導

・回旋安定の補助的役割

・膝で最も強靭

・全ての線維が緩む肢位はない

 

③内側側副靭帯(MCL)⇒大腿骨内側上顆~脛骨内側顆へ斜め下前方に走行する

・外反外力に対して抵抗

・完全伸展位:前後部線維ともに緊張

・中間位:後部線維が緊張

・屈曲位:前部線維が緊張

 

④外側側副靭帯(LCL)⇒大腿骨外側顆~腓骨頭へ斜め下後方の走行する

・内反外力に抵抗

・伸展位:完全伸展位でのみ緊張

・屈曲位:センサーとしての機能⇒ゴルジ腱器官・自由神経終末の存在⇒緊張・痛み対するセンサーとなる

 

●膝関節運動の特徴

・大腿骨顆が脛骨顆上を転がり(rolling)と滑り(sliding,spining)の複合運動である。

・転がり運動(rolling)の範囲

内側 0°-10~15°

外側 0°-20°(内側顆より速い)⇒これ以降、転がりと滑りが同時の行われる。

・終末強制回旋運動(screw-home movement)⇒ACLが伸展終末時のタイミングの良い回旋を誘導。伸展の終わりに自動的に脛骨が外旋・完全伸展から屈曲初期に内旋する。これらの回旋運動は5°程度であり、locking mechanismとも呼ばれる。

 

●外傷機転

靭帯の損傷は大腿に対し下腿が外反、外旋を強制される場合、逆に内反、内旋を強制される場合、過伸展を強制される場合、および膝屈曲位で脛骨上端に後方に向かう直達外力が働く場合などがある。

靭帯損傷と全く同一の機転で靭帯の骨付着部剥離骨折を生ずることもある。

下腿外反、外旋機転は日常のスポーツ、労働災害などで最も頻繁に受けやすい外力である。

この場合最も高頻度に発症するのは内側側副靭帯損傷である。

しかし、ときには前十字靭帯単独損傷(外反力が小さく外旋、屈曲力が強くは働いた場合)や内側側副靭帯・前十字靭帯複合損傷(各方向への力が非常の強大に働いた場合)なども発症する。

内側半月板損傷を合併する場合もある。

内側側副靭帯損傷、内側半月板損傷、前十字靭帯損傷の三者が同時に損傷したものはunhappy  triad とか serious  triadと呼ばれる。

膝関節外側は外側側副靭帯の他に腸脛靭帯、大腿二頭筋腱、などで補強されているので構造的に内側に比較して強い。

しかも下腿内反、内旋を強制される機会は比較的少なくので、膝関節外側の靭帯損傷は内側に比較して少ない。

その中ではオートバイの転倒事故のよるものが高い。

損傷そのものは高度なことが多い。しばしば腓骨神経損傷を合併する。

過伸展の強制、あるいは直達外力による脛骨上端の後方への押し込みなどにより、後十字靭帯断裂が生じる。

 

●靭帯損傷の分類

靭帯はその弾性限界を超えて伸張された場合に損傷されるが、その損傷程度はAMA(American Medical Association)によりⅠ~Ⅲ度に分類される。

Ⅰ度:靭帯内に部分的損傷は見られるが、不安定性は生じておらず、機能的にはほぼ正常と考えられるもの

Ⅱ度:靭帯の大部分が損傷し、不安定性も認められるが、一部線維が連続しており終点(end point)の確かなもの

Ⅲ度:完全に断裂、不安定性強度のなったもの

 

●症状

急性期には膝関節周囲筋は反射性に痙縮する。

膝は軽度屈曲位をとり、膝運動は疼痛のため制限される。

関節内出血のため腫脹、膝蓋骨躍動などもしばしば見られるが、損傷が非常に高度の場合かえって疼痛性筋痙縮や運動制限が少なく、関節内の血液が関節包の断裂部から外に漏れ出して腫脹が少ないことがある。

 

●靭帯再建術

急性損傷では端々縫合し、縫合糸または縫合鋼線をそれぞれ大腿骨または脛骨に固定する。

剥離骨折を伴うものは骨片を固定できるので手術はむしろ容易である。

陳旧性の靭帯損傷に対する靭帯再建術には種々の術式・手術方法が報告されている。

しかし、いずれも固定を完全にして強力な再建を望めば、その分だけ可動域は犠牲になる。

靭帯を再建するにはこの事を十分に理解して、再建術の適応・選択を決めるべきである。

 

①Sharpey screwのよる前十字靭帯再建術(inside-out rootによるBTB法)

前十字靭帯(ACL)損傷を再建する手術で骨付膝蓋腱(BTB)を用い、Sharpey screwで固定する。

従来型のinterference screwに比較して、固定力は強力であり、抜釘は容易である。

腱幅が30mmあれば膝蓋骨採取幅は9~10mm、それ以下のときは腱の1/3とする。

ノミとbone sawで採取する。

刃は60°に入れ三角柱に採取する。

ついで脛骨骨孔は脛骨付着部中心かやや後方に置き、大腿骨孔はPCL、lateral wallの中間を通るようにする。

Notch plastyは平および丸ノミやシェーバーを用い、再建靭帯がPCLとlateral wall.loofの間に余裕をもって入るように行う。

Isometerかsmootherを用いて、length patternを確認および補正しisometricity を確かめる。

骨片の固定はSharpey screwを用いる。

大腿骨側は骨片を後方に、脛骨側は前方に置きスクリュウ-固定する。

 

②Modified BHBによる前十字靭帯再建術

内側ハムストリングを採取し、これを二重折としてその両端に脛骨粗面内側より採取した海綿骨付皮膚骨片(幅10mm、長さ20mm、厚さ7mm)を縫着し、再建用靭帯とする方法である。

通常半腱様筋腱と薄筋腱の両方を使用し、両側の骨片の固定にはinterference screwなどを使用するが、脛骨側の固定にはステープルを1本使用すると初期固定力は増す。

本法は、関節内の再建靭帯部分を最短に調節でき、また骨トンネル内にて再建靭帯の両側に固定した骨片とトンネル壁とでbone to bone fusionができる利点がある。

 

③半腱様筋腱、薄筋腱による後十字靭帯再建術

半腱様筋腱、薄筋腱を用いて後十字靭帯を再建する。

脛骨トンネルは、脛骨前面やや内側よりで脛骨粗面から約2cm、関節面から約3cmの部位で脛骨後方の後十字靭帯不着部に向けて骨トンネル(8~9mmのドリルを用いて)を作成する。

その際、膝ヵ部の組織を損傷しないよう注意が必要である。

大腿骨の骨トンネル作成のために膝蓋骨内側の内側広筋付着部を上方に反転する。

大腿骨内顆の関節縁より関節内後十字靭帯付着部の向け8~9mmのドリルでトンネルを作成する。

半腱様筋腱、薄筋腱は遠位端は剥離せずそのままとし、筋位端をヘルニア鉗子やテンドンリーダー用いて脛骨トンネル内を通し関節後方の引き出す。

再建靭帯の端をコッテルなどで把持し、膝関節を屈伸しisometricityを確認後、膝関節30°屈曲位でステープルで二重に固定し周囲の軟部組織にも縫合する。

 

ACLについて

●評価項目

Ⅰ.一般情報

1.カルテ他部門からの情報収集

・基本的情報

・X線像所見

・Dr.プログラム・ゴールセッテイング

・Dr.から整復状態、禁忌となる運動、全身状態、局所状態

2.面接・問診

・受傷機転となった動作、不安を感じる動作や苦手な動作、疼痛部位の確認

 

Ⅱ.理学療法評価

1.膝関節不安定テスト

・前方引き出しテスト:仰臥位に寝かせ、股関節屈曲45°膝関節90°屈曲位にし、足部を検者の臀部で固定し、検者は両手を下腿上端にあてて下腿を前方に引き出す。これにより脛骨上端が1cm以上前方に出ると陽性、5mm以上1cm未満の間は偽陽性とする。

・Lachmanテスト

・Nテスト

・外反ストレステスト:膝関節を軽度屈曲させて外旋方向にストレスを加えて、示指や中指で関節裂隙の離開程度を評価する。

・lateral pivot shift テスト

・KT1000 Arthrometer

2.関節可動域テスト(ROM-T)

3.筋力検査(MMT)

4.大腿周囲径

5.下肢長(TMD、SMD)

6.痛みの判定(VAS、問診)

7.姿勢分析

8.動作分析(立ち上がり、歩行)

 

●問題点

Impairmentレベル

#1.再建靭帯の保護

#2.疼痛

#3.膝関節の不安定性

#4.膝関節可動域の制限

#5.筋力低下(筋の萎縮)

Disabilityレベル

#6.起立困難―#1,#2,#3,#4,#5

#7.歩行困難―#1,#2,#3,#4,#5

Handicapレベル

#8.家庭(職場)生活の制限

 

●ゴール設定

短期目標:膝関節可動域の拡大、下肢筋力の強化

長期目標:膝不安定性の改善、起立動作、歩行の獲得

最終目標:家庭(職場)復帰

 

●治療プログラム

観血的療法

A.ACL再建術前

Ⅰ.RICE処置

Ⅱ.愛護的な関節可動域訓練:膝用CPM

B.ACL再建術後

ACL再建術後1~2週間後より、関節可動域訓練・筋力強化運動を開始。

完全免荷期間は3週間、全荷重は6週間。

 

Ⅰ.物理療法:温熱療法(#2,#6,#7)

※炎症症状が強い時は、アイシングが主体のRICE処置。

 

Ⅱ.可動域運動:(#4,#6,#7)

最終可動域の獲得は、安定性に留意しながら行なう。

股関節や足関節にも可動域制限が生じる事があるので必要に応じてストレッチする。

1.wall side

2.heel side

3.rocking motionを利用した簡易的膝矯正器

4.ストレッチングボードの利用

 

Ⅲ.装具・荷重:(#1,#2,#3,#6,#7)

1.装具具:両側支柱で伸展角度を任意で設定

2.歩行訓練:1/3の部分免荷より全荷重へ

3.固定自転車:ペダリング動作は再建靭帯にかかる負担が極めて少ない為、術後早期より開始出来る。サドルの高さで膝の運動範囲が調整可能(関節可動域拡大にも用いる)。

4.スクワット:両足の接地から片足、さらにダンベルなどの負荷を加えたスクワットを段階的に従って実施する。体幹を前傾させたハーフスクワットは膝屈筋の筋活動が増大し負荷の少ないトレーニングである。また、階段などを利用したスクワットも下肢全体の筋力に有効である。

5.膝屈曲位歩行:患肢の全過重が許可された段階から、膝を曲げた状態での歩行、さらに速歩のトレーニングを行なう。膝の屈曲した状態を維持しているので安全なトレーニングであり、かつ体重を負荷した状態で膝周囲筋群や殿筋群などの筋力強化、下肢のバランス向上に有効である。

 

Ⅳ.筋力増強訓練(#5,#6,#7)

・CKC(スクワット、レッグプレス)とOKC(レッグエクステンション、レッグカール)の2種類に大別される

・筋力増強訓練では、OKCが有効

・OCKでは筋の同時収縮は難しい

・大腿四頭筋の筋力強化訓練は、膝関節の前方剪断を減少させる

1.レッグエクステンション(チューブトレーニング):膝伸展のトレーニングでは、大腿四頭筋の収縮力によって下腿が前方に引き出される力が働き、ACLに大きな負荷がかかる。この為下腿の近位に強くチューブを巻き、これに抵抗してトレーニングを行なう。膝を伸ばすに従ってチューブが緊張して負荷が増し、同時に下腿が前方へ引き出される力を反対方向へ制動する。また、内側広筋の収縮には電気刺激を利用するのも良い。膝屈筋のトレーニングは椅子座位にてチューブに踵を引っかけ、膝屈曲をする抵抗運動を行なう。

2.サスペンションレッグプレス:股関節の伸展でハムストリングスの収縮と、大腿四頭筋の同時収縮が得られる。ベッド上に長座位になり、両手でベッドの端を握り骨盤を固定する。100kg用バネばかりを介したパッドに大腿遠位部に入れ、股関節伸転位でバネばかりを引き下げる。

3.レッグカール:ハムストリングスの単独収縮は膝屈曲角度にかかわらず常に後方引き出し力として作用する。弾力性のあるバンドを使用する。筋力強化のレベルによりマシンを使用したものに移行する。

4.スクワット・スウィング:CKCの状態でより強い筋収縮を得る。

5.ハムストリングスの屈曲域訓練:背臥位から患側下肢と両上肢で体重支持して、さらにハムストリングスの収縮を意識させながら膝を深く屈曲することで体重を下肢で支える。他に、ロールを引くように膝を屈曲させながらbridgingを行なわせる方法もあり。

6.ダンベルトレーニング:膝窩部にボールなどを置き膝関節の設定範囲での、膝伸展・下腿挙上・保持・緩やかな下腿の下制により、大腿四頭筋の等張性・当尺性・遠心性の筋収縮トレーニングを行なう。

7.等速度運動機器でのトレーニング:再建靭帯への過負荷を避けるため、運動範囲を制限する。患者のトレーニング中の筋トルク出力を回復の目安としてフィードバックするのは効果的である。

 

●後十字靭帯損傷

1)概要

後十字靭帯損傷(PCL)損傷の治療法として再建術を行うか、保存的に治療するのかの選択は確立されていない。しかし、保存的治療でも大腿四頭筋の筋力が回復すれば高率でスポーツ復帰が可能であり、ACL損傷に比べ二次的な反月板損傷や骨軟骨障害をきたす可能性が低い。そのためPCL単独損傷の場合は第一に保存的治療が選択されることが多い。

 

2)病態

ACLを切断した場合の脛骨前方移動量は15~45°屈曲位で約2倍となるがPCLを切離すると後方移動量は屈曲するほど大きくなり75~90°屈曲位で約3倍となる。臨床上PCL損傷において膝を90°屈曲させて筋を弛緩させると脛骨粗面が後方へ落ち込む現象(posterior sagging sign)が認められるのも前述の結果と合致する。

PCL損傷において膝折れ感(giving way)のような不安定性を訴える者は少ないが、階段を降りる際に、体重を健側に移し受傷側の足をあげる瞬間の不安定性を訴えるのが特徴てきである。また歩行では、PCLは立脚最終期のもっともストレスをうけているといわれる。疼痛としては膝窩部に自発痛や訴える者が多い。

 

3)理学療法評価

①問診:外傷の発生機転を問診することが重要。特に外傷の際の雑音の発生部位や疼痛を感じた部位を確認すること、および皮下出血の認められる部位を確かめることが重要である。また膝周囲の腫脹、関節の腫脹の有無を確認する。

②膝関節不安定テスト(一般には外傷を受けた直後の膝の不安定性をテストすることが重要である。外傷後数時間を経たものはすでに関節周囲の腫脹や膝周囲筋の攣縮が起こってくるため困難となる。)

・後方押し込みテスト:患者を仰臥位に寝かせ、股関節を45°屈曲、膝を90°屈曲位にし、検者は両手を下腿上端に当てて下腿を後方に押し込む操作を加える。これにより1cm以上後方に下がれば陽性(+)とし、5mm以上1cmの間は疑陽性(±)とする。

・脛骨上端後方落ち込み徴候(sagging sign, gravity test):この徴候は脛骨前面の後方への落ち込みを見るもので、後十字靭帯損傷を診断するためのテストである。健側と比較して確認することが必要である。

③MMTテスト

④大腿周囲径

⑤下腿周囲径

⑥ROMテスト

⑦疼痛:膝窩部に自発痛や圧痛を訴える者が多い

⑧SMD

⑨TMD

 

4) 問題点

・Impairment Level

♯1 関節可動域制限

♯2 筋力低下

♯3 疼痛

・Disability Level

♯4 起立動作能力の低下

♯5 歩行動作能力の低下

・Handicap Level

♯6 スポーツ復帰困難

 

5)ゴール(目標)

・短期ゴール:起立動作能力の安定、歩行動作能力の安定

・長期ゴール:スポーツ復帰

 

6)理学療法プログラム

PCL単独損傷の場合、保存的治療が選択されることが多いので保存的治療を例に理学療法プログラムを紹介する。

①RICE処置

炎症症状が認められる急性期は、その早期鎮静化を目的にアイシングを主体としたRICE処置を行う。

②荷重と装具

急性期が過ぎれば、脛骨の後方動揺を制御するために下腿近位部を後方から抑えるストラップを取り付けた膝装を装着させ荷重を開始する。

荷重は特に制限せず、疼痛を目安に部分荷重から全荷重へ進める。

③関節可動域訓練

急性炎症期が過ぎれば、早期に関節可動域を確保する目的に関節可動域訓練を開始する。

PCL損傷の場合、膝屈曲の伴い脛骨が後方に落ち込み、膝窩部に疼痛が出現することがある。

この脛骨の落ち込みを制御するため膝窩部にタオルを挟んで屈曲域に可動域訓練を行うとよい。

④筋力強化訓練とスポーツトレーニング

大腿四頭筋は脛骨の後方動揺を制御する作用があり、PCL損傷の保存的治療後のスポーツ復帰は後方動揺の程度よりも大腿四頭筋の筋力回復により左右される。

このようにPCL損傷の保存的治療のおいて大腿四頭筋の筋力強化は最も重要になる。

筋力の回復程度に合わせて弾性バンドを使用したレッグエクステンションやマシンでのレッグエクステンションを積極的に行う。

非荷重時のハムストリングスの単独収縮は脛骨の後方動揺を生じるのでレッグカールの際は脛骨の後方動揺を抑制するために下腿近位部に強い抵抗をかけて行う。

また、大腿四頭筋だけでなく下腿三頭筋にも脛骨の後方移動を抑制する作用があることが考えられているので足関節を背屈し下腿三頭筋の収縮を意識して行わせる。

著しい筋力低下がなければ荷重時に後方動揺が生じないので荷重が可能となればスクワットなどのCkCでの筋力強化訓練も積極に行わせる。

最終伸展域の筋力強化をCkCで行う場合にはACL損傷後に施行した方法とは違い、弾性バンドを下腿近位部にかける。

ランニングなどのスポーツトレ-ニングは膝装具を除去してもADLでの不安や疼痛が生じなくなった時点を目安にする。

PCL単独損傷の場合、筋力が健側と同等以上であればスポーツ復帰が可能とされる。

 

MCLについて

●概要

・スポーツ外傷において発生頻度が高い

・ACL損傷と内側半月板損傷とあわせてunhappy traid

・保存療法も手術療法も成績に差がない

・早期からの装具による保存療法群のほうが下肢筋力の回復が良い

 

●評価項目

Ⅰ,一般情報

1.カルテ他部門からの情報収集

・基本的情報

・X線像所見

・Dr.プログラム・ゴールセッテイング

・Dr.から整復状態、禁忌となる運動、全身状態、局所状態

2.面接・問診

・受傷機転となった動作、不安を感じる動作や苦手な動作、疼痛(圧痛、膝内側の自発痛)部位の確認

Ⅱ.理学療法評価

1.膝関節不安定テスト

・外反ストレステスト:膝関節を軽度屈曲させて外旋方向にストレスを加えて、示指や中指で関節裂隙の離開程度を評価する。健側と比較して要請の場合は外反動揺が認められる

・立位での外反ストレステスト:不安定感と疼痛の発生の確認

2.関節可動域テスト(ROM-T)

3.筋力検査(MMT)

4.大腿周囲径

5.下肢長(TMD,SMD)

6.痛みの判定(VAS,問診)

7.姿勢分析

8.動作分析(立ち上がり,歩行)

 

●問題点

Impairmentレベル

#1.疼痛

#2.膝関節可動域の制限

#3.内側不安定性

#4.筋力低下(筋の萎縮)

Disabilityレベル

#5.起立困難―#1,#2,#3,#4

#6.歩行困難―#1,#2,#3,#4

Handicapレベル

#7.家庭(職場)生活の制限

 

●ゴール設定

短期目標:膝関節可動域の拡大、下肢筋力の強化

長期目標:膝内側不安定性の改善、起立動作、歩行の獲得・改善

最終目標:家庭(職場)復帰

 

●治療プログラム

Ⅰ.物理療法:温熱療法(#1,#5,#6)

※炎症症状が認められる場合は、アイシングを主体としたRICE処置を行なう

Ⅱ.関節可動域訓練:急性期を過ぎればマイルドな訓練(#2,#5,#6)

1.wall side

2.heel side

3.rocking motionを利用した簡易的膝矯正器

Ⅲ.装具・荷重:(#3,#5,#6)

MCL損傷用装具:外反を制動する為に大腿と下腿の外側と膝関節内側を3点支持したストラップのついた装具。装着して荷重開始。疼痛、腫脹を目安に全荷重へ。

Ⅳ.筋力増強訓練:(#4,#5,#6)

内側広筋の筋力強化が重要。

※疼痛がある場合は、装具装着化にSLR・等尺性収縮訓練

1.レッグエクステンション

2.レッグカール:特に内側ハムストリングスの強化

3.固定自転車訓練:可動域が拡大した後

4.スクワット・CKCでの筋力増強


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