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( ´△`)正常歩行の話


(p_-)題名:正常歩行の話

【歩行の定義】

歩行は「随意運動であり、重力に対して姿勢を保ちつつ左右の下肢が交互に運動を繰り返すことによって全身を移動させる動作である。」

 

【歩行のメカニズム】

人間の二足歩行を生体力学的要因からとらえると、立位を維持する抗重力機構、動的な姿勢制御と足の踏み出し機構に分けることができる。二足歩行による移動では歩行運動において力学的に平衡を失ったり、元に戻ったり、規則的に反復して前進移動が行なわれている。身体を一つの鋼体とすると、歩行は重心の上下、及び左右への移動を伴う前進運動であり、歩行を機械的エネルギー(位置エネルギーと運動エネルギー)から評価することもできる。

歩行は随意運動であるが、前進の筋活動がなんらかの関与をする。常に重力に対して立位姿勢を保持しながら、全身を移動させるという複雑な動作である。随意的な要素以外に、種種の反射的要素、不随意的要素が多分に加わった精巧な動作である。人間の歩行は促底と地面との摩擦を支えとして身体を前進させる運動であるが、左右の下肢が交互に支店となるため、重心の位置が上下、左右に動揺する。特に重心の上下移動は重力に抗する仕事であるため、歩行運動によるエネルギー消費量の相当の部分を占める。  ①②

 

【歩行の基礎項目】

一歩:右踵が接地し、次に左踵が接地するまでの動作のことをステップ(step)と言い。その長さを歩幅(step length)という。

重複歩:踵が接地して、次に同側の踵が再び接地するまでの動作を重複歩(stride)とよび、この一連の動作を歩行周期(walking cycle)という。

歩調(cadense):一分間当たりのステップ数、通常成人の歩調は90~110。  ③

 

【歩行周期】

立脚相(stance phase):踵接地(heel contact)、促底設置(foot flat)、立脚中期(mid stance)、踵離床(heel off)、足趾離床(Toe off)

遊脚相(swing phase):加速期(acceleration)、遊脚中期(mid swing)、

減速期(deceleration)  ①

 

【正常歩行の特徴】   図1、2参照

重心の上下移動:約5cmのサインカーブを描く。  頂点:立脚中期、低点:踵接地

骨盤の側方移動:立脚側へ2,5cmずつ、合計5cm動く。 立脚中期に支持側に最大移動

骨盤の水平面での回旋:左右に4°ずつ、合計8°回旋する。最大内旋位は踵接地期、最大外旋位は遊脚期初期に起こる。

骨盤の傾斜:遊脚期の骨盤が5°下がる。

立脚期の膝屈曲:踵接地では膝は完全に伸展、全足低接地に膝は約15°屈曲、完全荷重の立脚中期で再度伸展、遊脚期に屈曲。

骨盤の側方移動:立脚股関節が内転位となり、骨盤が水平面上を左右に揺れる。 ①④

図1                        図2

 

【各々の関節の動き】

1).骨盤

骨盤は重心の移動として捉えることができる。重心は骨盤内で第二仙骨の前面にある。骨盤の上下移動の位置は立脚中期が最も高く、踵接地期が最低となる。この上下の振幅は約4,5cmである。また、側方移動は約3cmであり、立脚中期に最も側方への変位が大きくなる。回旋は、片側で4°両側で計8°生じる。最大内旋位は踵接地期で最大外旋位は遊脚相初期に起こる。最後に、骨盤の傾斜は、立脚中期に遊脚相の骨盤が水平位置から約5°下方へ傾く。

2).股関節

股関節の屈伸運動は最大屈曲が遊脚相の中期に約20°、最大伸展が踵接地期に約20°生じる。内外転運動は、最大外転が踵接地期に6°、最大内転が足底接地期に4°起こる。

3).膝関節

膝関節の屈伸運動は最大屈曲が遊脚中期に約65°、最大伸展は踵接地期の0°である。しかし、Double Knee Actionにより、立脚相の初期(踵接地)と後期(踵離地)でほぼ膝は伸展しているが、立脚相の中期には約15°屈曲している。

4).足関節

足関節の底背屈運動は踵離地で最大背屈約15°、足趾離地で最大底屈約20°が生じる。

 

【臨床観察からの歩行評価の方法】

観察に基づく歩行分析が臨床的かつ実際的である。

①     歩行観察には見通しの良い10mほどの場所が必要となる。

②     観察は前後から、また側方から見ていくことが必要である。

③     観察は全体から局所に絞っていく。

④     歩行スピードを変化させて観察する。

 

【観察部位】

①     下肢骨関節の動き:骨盤、股、膝、足関節、足部

②     重心移動

③     体幹

④     上肢

⑤     頭部

 

【歩行分析】

歩容の観察に先立って起立姿勢の移乗の有無、バランスの安定性を検討しておかなければならない。

歩容の観察には、衣服は軽装にして関節運動の制約にならぬこと、体幹や四肢の運動が明らかにわかるように注意すること。素足にして自然な歩き方のとき、前後・左右から観察する。詳細な観察には歩行距離は10m以上、10歩以上は必要である。


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