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(*´▽`*)阻血の話


(*^_^*)題名:阻血の話

○末梢循環系の病変

末梢循環系は、動脈系、静脈系、リンパ管系の3系に大別され、各系それぞれに病変が発生しうる。

また、これらの系に複合して発生する病変もある。

動脈系の障害は、塞栓症、急性血栓症、外傷性損傷など急性の障害、閉塞性血栓性血管炎(thromboangitis obliterans, TAO)や閉塞性動脈硬化症(arte-riosclerosis obliterans, ASO)にみられる慢性の閉塞症、レイノー病や外傷性動脈攣縮のような神経反射を介する機能的障害、器質的・機能的障害の複合である凍傷のような病変があげられる。

静脈系の障害として、静脈弁の不全に起因する静脈瘤,血栓形成および静脈炎を伴う血栓性静脈炎ならびに静脈血栓症.閉塞性動脈硬化症などがある。

 

○抹消循環障害の症状

阻血、乏血:動脈血の組織への流入が停止した状態が阻血であり、急性阻血の症状して疼痛、蒼白、脈拍欠如、麻痺、知覚異常があげられる。阻血が6~8時間程度持続すると、筋組織、ついで末梢神経の非可逆的変化が生ずる。さらに時間が経過すれば、皮膚の水庖形成、循環断絶部分の皮膚潰瘍、ミイラ化壊疸が起こる。小児の上腕骨骨折などに続発するフォルクマン拘縮であり、前腕、手の筋などが傷害されると、治療困難な著しい機能障害がもたらされる。骨折治療のさいに注意すべきである。慢性閉塞性動脈疾患では、病変の進展に伴う血流減少は徐々に起こるため側副血行路形成が同時に進行し乏血とよぶのが妥当な状態となる。

レイノー症候群:閉塞性動脈疾患、強皮症や全身性エリテマトーデス、その他膠原病、胸郭出口症候群、外傷後遺症などにさいして・寒冷刺激・過労、感情動揺などをきっかけに指先、趾先の皮膚色調が蒼白ないし暗紫色に変化するレイノー症状がみられる。レイノー症状は、器質的変化に乏しい四肢末端の小動脈、細動脈が発作的に収縮するために起こる。レイノー症状を呈する疾患をレイノー症候群と総称する。初期には、指趾の発作的色調変化が主症状であり、進行すると患指趾の知覚異常、傷み、指末節の腫脹、指趾先・爪の萎縮性変化、指趾先の小潰瘍形成をみることがある。発作時には、指先皮膚温低下、指尖脈波の平坦化が認められる。

疼痛:閉塞性血栓動脈炎の潰瘍や壊疸、急性動脈閉塞、急性動脈炎、静脈炎、リンパ管炎、阻血性神経炎などでは、持続性疼痛が認められる。レイノー症候群における外界温度変化による寒冷刺激、慢性閉塞性動脈炎での一定以上の筋労作、慢性静脈障害での長時間起立などでは、間欠性疼痛がみられる。

間欠性皺行:慢性動脈閉塞の場合に初期から認められる。筋肉運動に対して、十分な血流が供給されず、疼痛、筋痙攣、筋疲労感といった症状が起こり、跛行を呈し、しばらく歩行不能となる。下腿三頭筋に症状のみられることが多く、他の下腿、足、大腿、殿部の筋にも症状が起こる。このような症状は、歩行を中止し休息一必ずしも座位での休息を必要としないーすると回復し、再度歩行可能となる。しかし一定距離の歩行後は、症状が再現し跛行を呈する。速足歩行、上り坂歩行で症状が現れやすい。病変に伴い乏血状態が進行し、歩行可能距離が短くなり、短時間で疼痛が出現するようになり、ついには休息時にも疼痛が出現する。腰部脊椎管狭窄症にみられる馬尾や神経根の圧迫、循環障害に起因する神経性間欠性跛行と上述の血管性間欠性跛行の鑑別は重要であり、神経性間欠性跛行では特徴的な腰痛、下肢痛、神経症状が認められ、脊椎後屈で症状増悪し下り坂歩行がむしろ困難であり・前屈位または座位での歩行休止で症状改善をみる。

皮膚の色調:血行がはやいと微小血管の緊張は亢進し、皮膚は淡紅色を呈する。炎症や薬剤の作用で血管が拡張すると、皮膚の色は赤色となる。レイノー現象では細動脈が収縮して血流が少なくなって皮膚が蒼白となり、毛細血管での血流停滞では血球から組織に移行する酸素量が多くなって還元ヘモグロビンが増加し、皮膚は暗紫色のチアノーゼ調の色調を呈するが、発作後に細動脈、細静脈ともに拡張して血流量が過度に多くなると皮膚は赤色調を呈する。血栓性静脈炎では、血液が静脈に停滞して皮膚はチアノーゼを呈し、急性動脈閉塞では、血液流入がないので皮膚は蒼白となる、慢性閉塞性動脈性疾患では、四肢挙上で血流減少による皮膚の蒼白が起こり、降下で閉塞の度合、血管病変の状況に応じたチアノーゼあるいは赤色調を呈する。

皮膚温の変化:皮膚温は皮膚血流量の増加で上昇、血流量の減少で低下する。対側の同部位に比して片側の部位が冷たければ、冷たい部分の血行障害が疑われる。

潰瘍、壊疸:慢性閉塞性動脈疾患の壊疸は、足趾や手指に起こることが多い。慢性静脈全によって起こる潰瘍は、足関節のすぐ近位の内側部、ときに足関節のすぐ近位、外側に好発し、難治である。急性動脈閉塞では、副血行の撃縮が伴うと広範な壊疸が発生しうる。壊疸は、一般に末梢側により多発する。

腫脹、浮腫:腫脹、浮腫は、脈管内と周囲組織とのあいだの静水圧、浸透圧の乱れによって発生する。深静脈の血栓性静脈炎、慢性静脈不全、リンパ水腫、慢性閉塞性動脈疾患などの場合に浮腫がみられる。乳癌などでの乳房切除後には、手術側の上肢に浮腫がしばしばみられる。

外部から知りうる血管病変:腕動脈、僥骨動脈、大腿動脈、膝窓動脈、足背動脈、側頭動脈、頚動脈などは、外部から触知できる。動脈閉塞があると閉塞部位に応じてこれらの動脈が触知不能あるいは微弱になるので、閉塞部位を知る手がかりとなる。硬化した動脈壁の感触は外から触知しうるし、静脈瘤が盛り上がっているのは外部から観察できる。

 

○閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症(ASO)の病態生理は、狭心痛に相当する間欠跛行という症状を示すので虚血性心疾患に似ている。症状は血液で運搬される酸素と栄養素の需要と供給の不均衡による筋肉の虚血の結果である。虚血と間欠跛行の程度は、動脈硬化による動脈狭搾の程度と、動脈閉塞部位により遠位側の骨格筋によって行われる仕事の大きさと量に関係する。閉塞性動脈硬化症は四肢の動脈の動脈硬化により血管内腔の狭窄・閉塞を生じ、虚血にともなったさまざまな症状を呈する疾患である。好発年齢は50~60歳代であり、圧倒的に男性に多い傾向がある。高血圧・高脂血症・糖尿病・喫煙などによる血管の内皮機能障害・内膜損傷をきっかけとして血管透過性が亢進し、脂質や炎症細胞の侵潤・血小板付着が起きる。これらを処理するためのマクロファージや平滑筋細胞の増殖がくり返され、内膜が肥厚してくる。同時に中膜では平滑筋の萎縮・消失、膠原線維の増生か起こり、血管の弾力性が低下し、硬化してくる。これらの病態を動脈硬化とよび、全身の血管にさまざまな機能障害を引き起こす。大多数の下肢動脈硬化症患者が、足指先端、足、下腿,大腿,殿部に痛みを訴える。下肢の閉塞性動脈硬化症の初発症状は労作(通常は歩行)による下腿、または足の間欠跛行である。普通、筋自体の重い感じ、しびれ感、脱力感、疼痛、またはけいれんとして跛行が表現されることが多い。腓腹筋の跛行は、大腿、膝窩動脈の血流障害を意味するが、一方、大腿、または殿部の跛行は、大動脈、腸骨動脈に疾病のあることを意味する。重症の閉塞性動脈硬化症ほど(軽症に比べ)跛行が容易に起こり、長く持続する。肢行は、患者が休むか、またはさらにゆっくり歩けば消失する。末梢神経の虚血性障害によって、虚血性ニューロパシーや壊死、または前壊死状態が起こるので、足指に非常な不快感が生じる。このような不快感は安静時にも起こり、この症状は閉塞性動脈硬化症患者の末期近くにあらわれることが多い。閉塞性動脈硬化症患者の予後は、合併した虚血性心疾患のあるなしにより大きく左右される。

 

○慢性動脈閉塞性疾患

本症は特発性壊疸(spontaneousgangrene)とも呼ばれ、閉塞性血栓性血管炎〔thromboangiitis obliteransまたはBuerger (バージャー)病〕と閉塞性動脈硬化症(obstructive arteriosclerosis)がほとんどである。Buerger病は原因不明であるが、喫煙者に多いとから、二コチンアレルギー、自己免疫などが考えられている。青壮年の下肢に好発し、再発を繰り返すが四肢以外の動脈には発症しないので生命の危険性は少ない。閉塞性動脈硬化症は40歳以上の中高齢者男性に好発する。ほとんどが下肢におこる。

[臨床症状]四肢の血行障害による症状であり、症状の進行に伴って特有の症状を示す。

・間欠性破行:初期の症状であり、歩行によって下肢の疲労感と筋肉痛が生じる。2~5分の休息によって軽快するのが特徴である。.

・安静時疼痛:進行してくると下肢の血流不足によって持続的な疼痛が出現する。夜間にも出現し睡眠が障害される。

・壊疸 :下肢の阻血が進行すると、指・趾の萎縮、硬化、変色がおこり、軽度の圧迫や感染を契機にして壊死が始まる。

 

○バージャー病

主として下腿の中等大の動脈と表在性静脈を侵す閉塞性血管炎である。本症の誘因がして、喫煙があげられるが、成因はまだ明らかでない。病理組織学的には、動脈の内膜の肥厚と細胞浸潤および血栓による内腔の閉塞がみられる。閉塞性血栓血管炎ともいう。バージャー病は、比較的まれな疾患である。 本症は30~40歳代に多く、性比は25:1と男性に多い。 バージャ-病の症候は、下肢および上肢動脈の閉塞による症候と遊走性血栓静脈炎による症候からなる。動脈の閉塞は、前脛骨動脈あるいは後脛骨動脈に多くみられ、その閉塞によって下肢の疼痛、下肢のしびれ感、下肢冷感、下肢蒼白、間欠性跛行などの症状を示し、下肢脈拍は減弱し、下肢に自発性脱疸を生ずる。約20%の症例では、上肢にも同様の病変を起こすが、症状は一般に軽微で、手指冷感や指先の変色を示す程度で、潰瘍、壊死を生ずることは少ない。約半数の症例では、下肢の表在小静脈に遊走性血栓静脈炎を認め、有痛性の索状物をふれる。1~3週で炎症はおさまり、また別のところに生ずるのが特徴である。

 

○静脈血栓症

血栓性静脈炎と静脈血栓症とは区別しにくい。静脈に炎症が起きれば血栓が生じ、逆に静脈内に血栓が形成されると炎症が生じるためである。一方、表在静脈に生じた場合は血栓性静脈炎(正確には表在性血栓性静脈炎)、深部静脈に生じた場合は静脈血栓症(正確には深部静脈血栓症)とよぶのが慣例ともなっている。

〔病因〕

静脈注射にともなう薬物による刺激や損傷、あるいは静脈内留置カテーテルによ損傷など医原性静脈炎が多い。また静脈瘤によるうっ血によって静脈炎が生じる場合もある。下肢に発赤、浮腫が索状にみられ、疼痛をともなう。

(^ω^)参考文献

実習対策レポート.阻血


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