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(´・ω・`)認知症と予防の話


(^ω^)題名:認知症と予防の話

高齢化に伴い認知症を有する高齢者が年々増加している。

65歳以上の認知症高齢者は、2008年の段階で150万人ほど(65歳以上の人の7%前後)であったが、2020年代には300万人を超え、65歳以上の人の約10%に達すると推計されている。

75歳以上の年代で病率が増加し、75歳以上ではおよそ5人に1人が認知症であることを報告している。

要介護認定を受けた 2 人に 1 人は認知症である可能性が高いと報告されている。

認知症は中核症状と周辺症状に分けられる。

中核症状は記憶、見当識、言語、行為、構成、注意、判断、抽象構成、計算など様々な認知機能の障害であり、周辺症状は、認知機能の障害に加えて、妄想、幻覚、興奮、うつ、不安、異常行動などがある。

アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞の減少、脳の萎縮、脳への老人斑・神経原線維変化の出現し、側頭葉に位置する海馬の脳神経細胞の減少から現れることが特徴的である。

βアミロイドと呼ばれるタンパク質の蓄積がアルツハイマー型認知症の原因の一つとされており、βアミロイドが脳全体に蓄積し、タウの異常リン酸化の過程を経ることで、健全な神経細胞を変化・脱落させ、脳萎縮を進行させると言われている。

脳血管性認知症は、脳出血や脳梗塞により脳血流障害を引き起こし、大脳皮質や海馬の神経細胞が損傷されるため、認知・記憶障害などの認知症状が損傷部位に応じて生じる疾患である。

廃用型認知症は、使用頻度の減少に伴う脳の廃用性からおこるもので、特に前頭前野の機能である注意力や判断力などワーキングメモリが関連する情報処理能力の低下が目立つ。

廃用型認知症に関しては、早期に介入することで症状の改善および安定が期待できる。

MMSEは前頭葉、頭頂葉、側頭葉の機能を幅広く検査できる。

認知症は前頭葉機能の低下から始まり、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の機能低下にまで症状が進行する。

神経外科と神経学病棟に入院している 126名の患者を評価し、正常と異常のカットオフ値を23点とし、感度は76%としている。

一般的に、MMSE による認知症の評価基準は、24点以上を健常高齢者、23点以下を認知症の疑いとする判定が用いられ、感度、特異度はそれぞれ0.76-0.87、 0.82-0.97と報告されている。

MMSEの妥当性に関して、ウェクスラー成人知能検査(Wechsler Adult Intelligence Scale; WAIS)との基準関連妥当性が評価され、言語性IQと相関係数0.78、動作性IQと相関係数0.66の相関が示されている。

脳の障害領域とMMSE 得点の関係について、対照群と右側大脳半球障害者の MMSE 点数はともに 28 点で差はなかったが、両側大脳半球障害者または左側大脳半球障害者では対照群よりも低値で23点前後であった。

MMSEの検査は右大脳半球よりも左側大脳半球の機能をより反映していると報告されている。

認知症の疑いのある対象者に対して、頭部 CT 撮影を用いて脳萎縮の程度とMMSE との関係性を検討し、脳の萎縮が顕著に見られる症例ではMMSE得点が18点だったことも報告されている。

MMSE は廃用型認知症で低下すると言われる前頭前野領域の機能を反映していないという報告もある。

前頭前野機能を測定すると考えられる計算、図形模写の項目で、正常と認知症の両方において誤答が生じており、前頭前野機能障害の重症度に対しては敏感ではないことが示されている。

30,895名の認知症高齢者のMMSE結果を因子構造化し、第1 因子(物品呼称、文の復唱、即時想起、書字指示)、第2因子(時間の見当識、場所の見当識、遅延再生)、第3因子(計算、口頭指示、自発書字、図形模写)の3つに分類した。

第1因子は側頭連合野、第2因子は海馬、第3因子は前頭前野機能を反映するワーキングメモリに関連した項目群であると報告されている。

第1因子は、認知症が重度化しても維持されている項目(群)である。

単純な記憶課題は認知症重度の段階でも維持されていることが報告されている。

また、これらの課題は、認知機能低下に対して敏感でない事も報告されている。

遅延再生は「新情報の処理や非言語的なことの記憶」、時間の見当識は「日付への注意/集中」、場所の見当識は「地形上の学習」に関連した能力であると報告している。

また、これらの課題は、海馬や側頭葉、前頭葉背外側部との機能的な関係も報告されている。

中央実行系モデルによると、ワーキングメモリは複雑な認識機能の実行、新情報の学習、情報の一時的な記憶、情報の同時処理など目標となる課題を達成するために注意を方向づけたり割り付けたり、課題を遂行するのに必要な処理資源を確保することに関わる制御機構である。

「注意集中、言葉の理解」、「構造上の実習」において、ワーキングメモリは重要な役割を果たすことが報告されている。

近年、有酸素運動により海馬のサイズが増大し、記憶力が改善することや、運動することで海馬のVEGF(血管内皮細胞増殖因子)が増えることが報告されている。

運動により、注意・処理速度、遂行機能、記憶の能力が高まったと報告されている。

余暇活動を週に数回行うことで脳が活性することを報告している。


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