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(´・ω・`)認知症の話


(^O^)題名:認知症の話

「一度獲得した知的機能(記憶、認識、判断、学習など)の低下により、自己や周囲の状況把握・判断が不正確になり、自立した生活が困難になっている老人の状態」ということができる。つまり、知的機能低下によってもたらされる生活障害が認知症である。

 

認知症の原因

認知症の原因には、脳そのものの病変による一次的要因と、脳以外の身体的、精神的ストレスによる二次的要因に分けられる。

・一次的要因・・・脳萎縮性変化(アルツハイマー型痴呆、びまん性レビー小体病、前頭側頭型痴呆)、血管性変化(血管性痴呆)、内分泌・代謝性・中毒性疾患(甲状腺機能低下症、アルコール性痴呆など)、感染性疾患(クロイツフェルト・ヤコブ病、進行麻痺など)、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍などがある。

・二次的要因・・・環境の変化、人間関係、不安・抑うつ・混乱、身体的苦痛などがある。

認知症の症状は一次的要因と二次的要因がさまざまに関与しあって出現するものである。

入院・入所や転居などの環境の変化で認知症が出現することはよくある。骨折や貧血など体の変化により認知症がひどくなることがある。配偶者の死や定年退職をきっかけに認知症が始まった例に事欠かない。このように脳の神経細胞の直接的な変化以外の原因が二次的要因と呼ばれるものである。二次的要因をみつけて適切な対策をとるのが実は最も重要で有効な方法なのである。

早期診断、早期治療

 一次的要因には、早期の診断と適切な治療により治療できる疾患があるので見逃さないことが重要である。

 正常圧水頭症(痴呆、歩行障害、尿失禁が3徴候。頭部CTで脳室の拡大が著明)、慢性硬膜下血腫(頭部外傷の既往がない場合も少なくない)、脳腫瘍などは脳外科的な治療によって軽決、あるいは治癒が可能な疾患である。

 甲状腺機能低下症による認知症症状は、高齢では老化現象と受け止められて診断が遅れることがある。この疾患はホルモン補充により非常によく改善するので、見逃しのないように甲状腺ホルモンの測定などを実施するようにしたい。

 老人性うつ病は認知症と紛らわしいが、記憶力、計算能力などは衰えていないことなどを参考にして、精神科専門医に紹介する。

主な認知症疾患

・アルツハイマー型痴呆、アルツハイマー病

 脳の神経細胞の萎縮と老人斑と呼ばれる神経細胞の変性が特徴である。頭部CTやMRIでは脳のびまん性萎縮が認められる。アルツハイマー病は40歳後半から65歳未満に発症して、若年期認知症の原因として最も多いものである。症状は、記憶障害から始まり徐々に進行していく。アルツハイマー型痴呆は65歳以上の高齢者に同じような神経細胞の変性が認められる。初期の段階であれば記憶力を改善する薬(アリセプトなど)が使われるようになったが、脳の萎縮そのものを治すものではない。認知症が進行すれば1~2年で効果がなくなる。

・前頭側頭痴呆(ピック病)

 前頭葉や側頭葉を中心とした脳の萎縮が特徴的である。発症年齢はアルツハイマー病とほぼ重なっている。出現頻度はアルツハイマー病の1/10から1/15といわれている。初期症状としては人格障害が目立ち、非活動的、無関心になり、興味が失われ、自発性が減退するときもあるが、逆に多動、徘徊、多弁、周囲への過干渉など活動性が亢進することもある。抑制がとれ、性的逸脱行為、窃盗なども認められる場合もある。記憶力は初期の段階では比較的保たれている。

・クロイツフェルト・ヤコブ病

 急速に記銘・記憶障害、失見当識(人物・場所・時間などの見当がつかなくなること)が進行し、ミオクロニーや舞踏病様(手足などが震えること)の不随意運動を伴って、1年以内に死亡することが多いといわれている。原因は感染性蛋白質であるプリオンと考えられている。

・その他

・甲状腺機能低下症・・・新陳代謝の中心的な働きをする甲状腺ホルモンが少なくなると、全身倦怠感、気力低下、物忘れ、体のむくみなどが出現する。診断ができて甲状腺ホルモンを服用すると劇的に改善する。

・外傷性痴呆

・モヤモヤ病

・進行麻疹(脳梅毒)

・アルコール性痴呆

・低酸素後脳症 などがある。

認知症の症状の理解の仕方

 認知症を理解し上手な対応が可能になるように、筆者が工夫してまとめた認知症高齢者の特徴をまとめる

認知症をよく理解するための8大法則・1原則

・記憶障害に関する法則

 記銘力低下・・・話したことも見たことも行ったことも、直後には忘れてしまうほどのひどい物忘れ、同じことを繰り返すのは、毎回忘れてしまうため

 全体記憶の障害・・・食べたことなど体験したこと全体を忘れてしまう

 記憶の逆行匪喪失・・・現在から過去にさかのぼって忘れていくのが特徴。昔の世界に戻っている

・症状の出現強度に関する法則

 より身近なものに対して、認知症の症状がより強く出る

・自己有利の法則

 自分にとって不利なことは認めない

・まだら症状の法則

 正常な部分と、認知症の症状として理解すべき部分が混在する。初期から末期まで通してみられる。常識的な人だったらしないような言動をその人がしているため、周囲が混乱しているときには「認知症問題」が発生しているのだから、その原因になった言動は「認知症の症状」であると捉える

・感情残像の法則

 言ったり、聞いたり、行ったことはすぐ忘れる(記銘力低下の特徴)が、感情は残像のように残る。理性の世界から感情の世界へ

・ほめる、感謝する、

・同情と共感、

・謝る、事実でなくても認める

・こだわりの法則

 一つのことにいつまでもこだわり続ける。説得や否定は、こだわりを強めるのみ。本人が安心できるようにもっていくことが大切

・そのままにしておく

・第三者に登場してもらう

・場面転換をする

・地域の協力理解を得る

・一手だけ先手を打つ

・お年寄りの過去を知る

・長期間は続かないと割り切る

・症状の了解可能性に関する法則

 認知症の知的機能低下の特性からすべての症状が理解・説明できる

・衰弱の進行に関する法則

 認知症高齢者の老化の速度は非常に速く、認知症でない高齢者の約3倍のスピード。正常高齢者グループの4年後の死亡率が28.4%であるのに、認知症高齢者での4年後の死亡率は83.2%

・介護に関する原則

 認知症の人が形成している世界を理解し、大切にする。その世界と現実とのギャップを感じさせないようにする

 

認知症の評価

(質問式知能評価)

・Mini-Mental state(MMS)・・・臨床評価の手引きとして作成され簡便で使いやすい標準化された検査。5~10分程度で志向でき、おおまかな知能障害の有無と程度を判定できる。

・長谷川式-R(HDS-R)・・・国内で使用されているスクリーニングテスト長谷川式の改訂版。5~10分程度で志向でき、おおまかな知能障害の有無と程度を判定できる。

・N式精神機能検査・・・認知症の疑いがある老人を対象として施行することを目的とした検査

・国立精研式スクリーニングテスト・・・認知症の疑いのある老人を早期に検出する目的で標準化されたスクリーニング検査

・Alzheimers Disease Assessment Scale(ADAS)・・・アルツハイマー型の認知症疾患を対象とした臨床治験でよく用いられる検査。認知機能障害と非認知機能の2つの尺度から構成されている。

(観察式行動評価)

・柄澤式スケール・・・日常生活での言動や作業能力をチェックすることで判断する。知能検査が施行できない人も判定可能であるが知能レベルはおおまかな段階付けにとどまる。

・GBSスケール・・・認知症の診断ではなく評価のためのスケールで運動、知能、感情、精神の4つの領域が評価できる。認知症の量的、質的評価が可能

・Functional Assessment Staging(FAST)・・・日常生活の機能を総合的に評価し、特にアルツハイマー型認知症の重症度を評価することを目的としている。

・N式老年者用精神状態評価尺度・・・行動観察によって点数化して重症度を数量的に示すことが可能

・Clinical Dementia Rating(CDR)・・・患者の協力が得られない場合でも臨床症状を全般的に評価することによって重症度を判定することができる

(全般的知能評価)

・WAIS-R・・・言語性6項目と動作性5項目で別に施行することも可能である。言語性、動作性、全IQそれぞれが算出できる

・レーブン色彩マトリシス・・・図版にマッチするカードを選択する。ポインティングするだけで簡易に行える。

・Kohs立方体テスト・・・1つに4色の色が塗ってある立方体の積み木を図版に合わせる検査。IQが算出できる

(゚∀゚)参考文献

医療学習レポート.認知症


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