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( ´ ▽ ` )切断と手技の話


(。-∀-)題名:切断と手技の話

切断術は創治癒のみを目標とするものではなく、義肢の装着に適する強固な支持性を有し、痛みのない安定した断端を獲得することが必要であるから、理想的な切断を実現することは一般に考えられているほど容易なことではない。さらに切断手術では手術操作が乱暴であると組織壊死を生じやすいので、組織を保護的に取り扱う注意が通常の手術異常に要求される。

 

皮膚の処理

義足ソケットと直接接触するのは皮膚であるから、その性状のよしあしは義足装着に大きな影響を与える。良い断端の皮膚の条件としては次のようなものが挙げられる。

①可動性が良いこと

②感覚が正常なこと

③血行が良いこと

皮膚がよく動くということは傷ができにくいということである。瘢痕が強く皮膚が皮下と癒着していると皮膚の動きは悪くなり、何かが皮膚に触れてすれた場合に皮膚が一緒に動かないとすぐに傷をつくるということになる。また瘢痕そのものも正常な皮膚に比べると弱く、傷ができやすい。

感覚がよいことも重要である。感覚が悪いと何かが当たっていたり、圧迫されていても気が付かずに傷や褥瘡をつくりやすい。

断端皮膚の血液循環が悪いと、手術創の治癒が遅延したり、さらに悪い場合には皮膚が壊死を起こし、再手術が必要となることもある。またうまく創が治癒しても皮膚が弱く、ちょっとした摩擦や圧迫で問題を起こしやすくなる。

一般的な皮膚切開法を図[2]に示す。前面の皮膚を短く、後面の皮膚を長く残すと縫合部は前方に、逆に前面を長く、後面を短くすると、縫合線は後方にくる。断端末荷重の断端では荷重部に縫合線がこないように特に注意が必要である。

皮膚縫合時の皮膚の緊張も大切な問題である。あまり緊張が強いと皮膚が引っ張られて血流が悪くなり壊死や縫合部の離開の原因となる。またあまりに緊張がなく緩んでいるのもよい断端とはいえないので、適度な緊張をもつよう皮切を行わなければならない。

 

皮膚切開法の原則

a:前面皮膚を長く残すと縫合線は後方にくる

b:逆に後面の皮膚を長くすると縫合線は前方にくる

 

筋肉の処理

皮膚と皮下組織を切ると次に現れるのは筋肉である。筋組織は大変血流の多い組織なので、よい筋肉を断端に残すことは断端の血流にとって大切なことである。主な筋の処理法には次の四つがある。

ⓐ筋膜縫合法

筋を切断後、筋はそのままとして筋膜だけを縫合する方法である。筋肉が収縮するためには筋肉にある程度の緊張が必要であるが、この方法では切られた筋肉は緊張を失い、退縮してしまい使用することができなくなる。そのため筋の萎縮が起こり、筋肉のボリュームが減じ、血行の悪いやせた断端となる。さらに骨の断端は筋肉ではなく筋膜に覆われることのなるため、骨端部が皮下に突出しやすく、断端痛の原因となり、義足の適合が難しくなるため、この方法は避けるべきである。

ⓑ筋形成術(myoplasty)

筋を切断後、骨の断端を覆うようにそれぞれの拮抗筋同士を切断前と同じような緊張で縫合する方法である。この方法により筋の萎縮を最小限に押さえ、さらに骨断端を筋肉で覆うことにより、血行の良好な断端をつくることができる。

ⓒ筋固定術(myodesis)

切断した筋肉を骨断端に縫合固定する方法である。骨の断端部にドリルで穴を開け、筋形成術と同様な筋緊張下に筋を縫合・固定し、新たな筋停止部をつくり筋の状態をできるだけ生理的な状態に保とうとするものである。

ⓓ形成固定術(osteomyoplasty)

大腿切断などでは大腿骨の太さに比べ、周囲の筋の量が多いので筋固定を行うときにすべての筋肉を骨の縫合することは難しい。そこで一部を骨に縫合し、残りは筋形成術と同様に筋同士を縫合するのがこの方法である。

 

筋肉の処理方法

神経の処理

神経は切断されると再生が起こる。そこで切断された神経の断端同士を縫合すれば中枢から軸索が伸びて末梢に入り、神経の回復が得られる。しかし切断術の場合、同様に軸索が伸びても入っていく先がないため断端で団子状の塊をつくる。これが神経腫(neuroma)であり、切断された神経の断端には必ずできるものである。したがって、これが皮膚の近くや瘢痕組織に埋め込まれて存在すると、断端痛の原因となり、義足装着訓練の障害となる。そのため神経を切断するときは神経を軽く引っ張り、できるだけ中枢で鋭利なメスで切断すると神経は中枢に引き込まれ、生じた神経腫は断端痛の原因とならない。

 

血管の処理

切断時に小血管であろうと止血を確実に行わなければならない。術後血腫をつくると感染の原因となる。また大血管は結紮を確実に行わないと大出血の危険性があるので通常は二重に結紮をしておく。

 

骨の処理

骨の切断により断端の長さがほぼ決まる。骨は骨膜を剥離し骨鋸で切断し、切断面が滑らかになるようにする。骨端に突出や出っ張りがあると後に断端痛の原因となることがある。

 

大腿切断

大腿切断の切断手技の原則は、以上の通りである。

①皮切は前方皮膚弁を後方皮膚弁よりやや長くするのが普通である。もし、グリッチ・ストークス(Gritti-Stokes)、カーク(Kirk)のように断端末に負荷性を与える場合には、前方皮膚弁を長くする。

②筋肉は普通、筋膜を縫合する方法が用いられてきた。しかし、この手技から筋肉を直接骨端部に固定し、なお骨端部を覆うように縫合する方法が最近用いられている。このように、筋肉を切断する前と同様な生理的緊張下に置くことにより、断端の変化を少なくし循環状態を最良に保つことができる。また、筋肉の等尺性収縮により大腿周径が増大しソケットの懸垂が容易となる利点がある。実際には、内側の内転筋群と外側の大腿筋膜張筋、外側広筋を縫合し、次に前側の大腿直筋、内側広筋と後側の半膜様筋、半腱様筋、大腿二頭筋とを縫合する(Dederich)。筋肉の固定縫合法は種々の方法で行われており、最終的に前方の大腿四頭筋で骨端部を覆う方法(Murdoch)や、後方のハムストリングで骨端部を覆う方法(Mooney)などがある。いずれにしても、特に大腿義足歩行および屈曲外転拘縮防止のためには、内転筋、ハムストリング筋の縫合を注意深く行う必要がある。

③骨は横切された後に鋭利な骨端辺縁部にヤスリをかけて丸くする。

特に、あとで装着する大腿ソケット適合のために外側および前側の部位で丸みをつけることが大切である。

④術後は、若年者の場合にはギプスソケットを装着させ術直後義肢装着法を行い、術後2日目より起立、歩行させる。しかし、老人で血行障害の場合には、まず血行を障害せずに良好な創の治癒を得ることと苦痛を与えぬことが大切で、術直後義肢装着法の適用とはならない。弾性包帯やcontrolled environment treatmentなどが用いられるが、筆者は、弾性ギプス包帯を薄く巻いた軽いソケットを用いている。術後、できるだけ早期に離床させ、創の治癒を待ってポリプロピレン製の周径を調整しうるソケットと骨格構造パイロンを用いた仮義足を装着させる。

(*´ω`*)参考文献

医療学習レポート.切断と手技


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