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Σ(-∀-;)進行性筋ジストロフィーと福祉機器の話


(~_~;)題名:進行性筋ジストロフィーと福祉機器の話

・筋ジストロフィー症のリハビリテーションを遂行するうえで日常生活動作をいかに維持するかという問題は非常に重要である。

・筋力低下の防止や拘縮、変形予防のために機能訓練が必要なことはいうまでもなく、それと同時に、患者および家族のニーズにあったリハビリテーション機器は、

①患者自身の運動機能や日常生活能力の維持・改善

②介護者の介護労作の軽減

という2つの大きな目的が上げられる。

 

Ⅰ.車いす

1.適応

・stageⅣ、Ⅴでは手動を使用する

・Ⅵは手動(体幹の代償により実用的駆動可能)と電動の併用

・Ⅶ、Ⅷでは電動車椅子を使用する

2.手動車椅子処方上の留意点

・体幹変形が進みやすい時期なので、駆動性とともに変形予防を重視する。

・変形予防のために座幅を安楽さを損ねない範囲で狭くする。

・必要に応じて座位保持装具を併用する。

3.電動車椅子

・洗面台やテーブルに近づきやすいように座面の高さやコントロールボックスの位置に注意する。

・排尿介助は殿部を前方にずらして行うことが多いので、手動クライニングと頭部支持の延長が必要。

・車椅子上で腰を持ち上げて除圧したり、衣服を上下することもあり、介護者が車椅子に密着しやすいように後方の突出物を少なくする。

・変形の進行や座位・車椅子操作能力の低下に対応できるように、肘台の高さとコントロールボックスの位置を可変式にする。

4.座面の工夫

・長時間の座位で生じる痛みやしびれは、自ら体幹を動かし、除圧できる間はフロテーションパッドなどで対応する。

・体幹バランスが不良となり、除圧できなくなったら、石膏モールドを用いる。この上にフロテーションパッドを重ね、体幹保持装具やインサートと組み合わせることにより、座圧分布が均一になるとともに座面での支持性も向上し、殿部の位置決めが容易になる。

 

Ⅱ.上肢装具

1.伸張用装具

ADLに支障をもたらす手指の拘縮に対し、ターンバックル付手指伸展装具が用いられる場合がある。

2.BFO

肩と肘の動きにより手を任意の位置に移動できるBFOは、上肢ADLの向上に有用とされるが、近位筋の障害が強いDMDでは実用的でない。

 

Ⅲ.下肢装具

1.歩行用装

膝固定式長下肢装具、膝伸展補助付長下肢装具、その他にわけられる。

(1)膝固定式長下肢装具

[特徴]

・股・股関節伸展位での歩行となる。

・立脚期に体幹の側屈で重心移動が行われる。

・下肢の変形・拘縮が強いと適応が難しいが、手術的矯正後に装着されることが多い。

[治療成績について]

・装具の種類

・装具歩行開始時期

・下肢手術を行うか否か

・装具歩行の実施時間と回数

・生活環境(在宅か入院・入所か)

などにより差が出てくるものと思われる。

(2)膝伸展補助付長下肢装具

1)徳大式ばね付長下肢装具

[特徴]

・膝屈曲制動と踵補高によるアライメントの調整および膝前面のばねによる膝伸展力の補助

・残存する膝屈筋、足底屈筋、体幹筋を活用して歩行を再獲得させる。

・屈曲25°制動の膝継手により、立脚期に膝を屈曲位に保持して骨盤前傾を矯正し、腰椎前彎を減少。

・足継手は90°後方制動とし、遊脚期の尖足を防ぐとともに、尖足の程度に応じて踵補高を調節し、重心線が足部中央を通るように調整。

・膝前面の2条のばねにより、立脚期から遊脚期にかけて弱化した膝伸展筋力を補助。

・ばねの強さは、片側につき体重の約30%を基準とし、尖足、腰椎前彎の程度、残存筋力、体重などを考慮して決定。

・オルソレン製大腿上位半月は、幅10cmと広くし、スポンジを入れた半月後面で体重を支持。

・両側支柱は、強度とばねとりつけのために鉄製の筋金を使用。

・足底板は尖足予防と残存する足底屈筋の活用のために踵より中足趾関節までとし、足部は軽量の靴型で、内反にはTストラップを使用。

[適応]

・起立動作不能

・物につかまり起立

・歩行距離5m以下

・転倒の危険性増加

・手の介助、伝い歩きなど不安定な歩行

・起立位での肢位の左右差増悪あるいはバランス不良

[装具歩行の限界]

・筋力:股関節屈曲2+、伸展2-、膝関節屈曲3、伸展2、足関節背屈3、底屈4~5。

・拘縮:股関節伸展-30°、膝関節伸展-20°、足関節背屈-20°まで。

・体幹が安定し、バランスがよいこと。

※体重増加、脊柱後側彎、知能障害、心理的要因は負の影響を与える。

1)東埼玉式装具

・観血療法を前提とせずに、アライメントの調節と膝後方のばねによる伸展補助により歩行を可能にする装具である。

[特徴]

・膝後方のばねにより膝伸展を補助するとともに、シリンダーとシャフトにより屈曲制動。

・ロッド入りクレンザック継手により足関節角度を調節可能とし、さらに踵補高により全体のアライメントを調整。

・ばねの強さは体重の2分の1を目安。

・カフ、膝継手、短靴部分をポリプロピレンにし、大腿部の支柱を省く、踵の補高に発砲ウレタンを用いるなどの工夫により軽量化をはかる。

[適応]

・独歩可能でも歩行が不安定となり1日3回以上転倒する。

・左右の非対称性や尖足・内反傾向がみられる場合。

(2)起立用装具

装具歩行が困難になると、可及的長時間立位をとらせ、廃用性変化を最小限にする目的で起立用装具が処方される。

①東埼玉式起立用装具

[特徴]

・膝後方のターンバックルにより膝角度を調節

・ロッド入りクレンザック継手により足関節角度を調節

・ネジで調節可能な足底板により高さ、前後・左右のアライメントを調節

このような調節機構により下肢の変形が強い例でも良好なアライメントで起立可能で、さらに拘縮・変形の進行に対応しうる。この他、改良点として、

・大腿カフをポリプロピレンとし、上端にフレアをつけ圧を分散し、大腿後面の痛みを軽減

・ハムストリングスのレリーフを考慮して採型し、同部の圧迫を防止

・足部内反による痛みに対し、外果まで覆うソフトインサートを使用

・足趾過伸展による痛みに対し、アブミ板を爪先まで延長

・装具介助が容易なように、ターンバックル上端に取り外し式のピンを追加

などが行われてきた。

[適応]

・装具歩行が困難になれば、アライメントの調整が容易な側彎出現前に処方する。

・1日15分程度の起立訓練を行う。

・条件が整えば在宅でも実施可能な場合がある。

[心肺系への影響]

筋活動に頼ることなくアライメントを保って起立するため、心肺系の負担にならない。

②体幹装具付長下肢装具

これは、長下肢装具に体幹装具を追加して立位をとらせる。

・股継手は膝継手と同じ20°屈曲制動とする。

・左右2条のばねをつける。

・股関節の補助ばねとするかリングロック継手とする。

2)座位保持装具

座位での生活が中心になる頃より、脊柱変形が増悪するため、体幹装具が必要となってくる。

体幹装具は座面から一体となったバケットシート様のものと骨盤から体幹までのものがある。

変形の進行遅延のために装具に十分な矯正力を持たせると胸郭の拡張を妨げて呼吸を阻害し、またADLや介護の妨げとなる。

そこで座位を保持しつつも頚部・体幹の動きを許すために、脊柱変形の型により工夫を行う。

この利点として、

・変形予防や矯正は期待できないが、一定の姿勢保持力がある

・上肢を使いやすくする

・ADLを妨げない

・介護の負担が少ない

・呼吸への影響が少ない

などがあげられる.

(1)伸展型

・体幹が前に倒れるのを防ぐ。

・前傾姿勢を保ちやすいように体幹前面の柔軟性コルセットと車椅子への固定装置を用いる。

・牽引力と方向が調節可能なベルトにより、安楽かつ機能的な姿勢を調整。

(2)側彎型

・体幹側方部や凸側座骨部の痛みを生じやすい。

・三点支持に従い、ポリプロピレン製側方支持部、対側パッド、矯正力を働かせるための長さ調節可能なベルト、骨盤安定用の側方インサートを使用。

(3)後彎型

・仙骨部や背部の痛みを訴える場合が多い。

・体が前方に倒れ、座位が不安定。

後彎矯正用のモールド型背部コルセット、体幹前面の軟性コルセット、側方支持用ポリプロピレン製板、ウレタンフォーム製軟性インサートおよび車椅子への固定用皮ベルトを使用。

(*^。^*)参考文献

医療学習レポート.進行性筋ジストロフィーと福祉機器


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