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(*´з`)大脳性運動失調の話


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( *´艸`)題名:大脳性運動失調の話

●大脳の解剖・生理

大脳の位置

大脳は頭蓋骨内の前方・両側方・後方の大半に位置します。

 

大脳の構造

大脳は正中部を縦走する大脳半球裂で左右の半球に分けられます。

大脳半球は内部に脳室があります。

解剖学的には基底核・白質・皮質(灰白質)の3部に分けることが出来ます。

灰白質はニューロンの細胞体の集合した部分で、特に密集した部分を神経核ないし核といいます。

白質は軸索からなり、機能的に脳へ向かう神経路を上行路(感覚路)、脳から脊髄へ向かうものを下行路(運動路)といいます。

脳の区分は、発生学的に前脳、中脳、菱脳の3部に分けられます。

前脳は終脳と間脳に分けられ、終脳は更に大脳皮質と大脳基底核に、間脳は視床と視床下部に分けられます。

中脳は大脳脚、四丘体、被蓋に分けられます。

菱脳は後脳と延髄に区別されます。

後脳は橋と小脳からなります。

また、脳を外套、脳幹、小脳の3部に分ける事もあります。

外套は大脳皮質と髄質からなり、脳幹は間脳、中脳、橋、延髄をまとめていい、特に中脳、橋、延髄を下位脳幹といいます。

1)基底核

基底核は半球深部に位置する大きな灰白質で、尾状核、被殻、淡蒼球、扁桃体、黒質、視床下核などです。

尾状核と被殻を合わせて線条体といい、被殻と淡蒼球を合わせてレンズ核と言いいます。

2)白質

大 脳半球の内部は基底核を除いて、主に有髄神経線維からなる白質で満たされています。

これらの線維は、①皮質と皮質下核や脊髄とを結ぶ投射線維、②左右半球の皮質間を結ぶ交連線維、③同側半球皮質間を結ぶ連合線維に分けられます。

投射線維はまとまって内包を形成し、皮質下核の間(内側は視床、外側は被殻と淡蒼球)を通ります。

内包からの線維は扇状に広がり大脳皮質に上行します。

脳水平断面で内包はV字型となり、前から後ろへ前脚・膝・後脚と呼びます。

前脚には視床から前頭葉へ、前頭葉から同側橋核への線維があり、膝には皮質運動野から脳幹運動神経核への線維があり、後脚には皮質脊髄線維、視床からの皮質感覚野への線維、頭頂葉・側頭葉・後頭葉から橋核への線維、視放線、聴放線があります。

交連線維の多くは左右半球の同一部位を結んでいます。

脳梁、前交連、後交連、海馬交連、手綱交連があります。

連合線維は同側皮質間を走る線維群であるが、長い線維群と短い線維群があります。

3)皮質

大脳皮質は大脳半球を覆う灰白質で、神経細胞およびその軸索と樹状突起、神経膠、血管などで成り立っています。

大脳半球の表面にはたくさんの溝と盛り上がりがあり、溝を脳溝、盛り上がりを脳回といいます。

溝の特に著しいものにより、大脳半球の表面は前頭、後頭、側頭、頭頂の各葉に分けられます。

さらに側面から見て、前方下面から斜め上後方に走る脳溝(シルビウス裂)によって前頭葉と側頭葉を分けています。

側面の中央で上下に斜め前方に向かう脳溝(中 心溝)により、前頭葉と頭頂葉が分けられます。

中心溝の前方の脳回が中心前回、後方が中心後回です。

中心前回は随意運動の中枢であり、これを運動領といいます。

中心後回は感覚の中枢で、これを感覚領といいます。

視覚の中枢は後頭葉に、聴覚の中枢は側頭葉にあります。

頭頂葉と後頭葉、側頭葉を分ける脳溝にはハッキリしたものは無いです。

※神経膠:中枢及び末梢神経系の非神経細胞成分。

ニューロンと共に神経組織の二大構成要素をなしています。

中枢膠神経には上衣細胞・星状膠細胞・稀突起膠細胞・小膠細胞があり、末梢神経膠細胞には神経節膠細胞と鞘細胞(髄鞘)がある。

4)大脳の血管

脳 の血流は左右の内頚動脈と椎骨動脈によりまかなわれている。

内頚動脈は総頚動脈から分かれて上行し、頚動脈管を通って頭蓋腔内にはいり、前大脳動脈と中大脳動脈に分かれる。

椎骨動脈は鎖骨下動脈起始部から分かれて頚推の横突孔の中を上行し、大後頭孔を通って頭蓋腔内に入る。

ついで左右の椎骨動脈が合流して 1本の脳底動脈となる。

これは左右の後大脳動脈に分かれる。

脳の底部で前・中・後大脳動脈は交通枝により吻合し、トルコ鞍の周囲で大脳動脈輪 (Willis動脈輪)を形成する。

この動脈輪の存在意義の1つは、主幹動脈が閉塞したときの側副血行路の供給源となる事である。

しかし、構造としては血流がぶつかり合ったり急角度の分岐があったりして、負担がかかるせいか脳動脈瘤の好発部位であるという一面も持ち合わせている。

前大脳動脈 は大脳半球内側面の皮質に分布。

また内部に小枝を出して視床下部にも分布する。

中大脳動脈は大脳半球外側面の皮質に分布。

一部の枝は内部に入り、大脳基底 核と内包に分布する。

後大脳動脈は大脳半球後部の皮質に分布する他,内部に入り、視床にも分布する。

脳底動脈は脊髄、延髄、橋、小 脳に分布する枝を出す。

5)基底核回路

基底核は大脳皮質、間脳と連結して運動に重要な役割を果たす(錐体外路系の中枢とされる)。

運動制御と関連する基底核回路は尾状核、被殻、淡蒼球、視床の外側腹側核と前腹側核、黒質、視床下核およびそれらを結ぶ線維である。

線条体は皮質、黒質、視床髄板内核からの線維を受けて、淡蒼球と黒質に線維を送っている。

淡蒼球からの線維は視床を経て皮質に送られ(上行路)、一部の線維は視床下核、赤核、脳幹網様体にも送られ、脊髄下行路に影響を与えている(下行路)。

大脳基底核に異常があると、特徴的な不随意運動が起こる。

6)上行性伝導路(感覚性伝導路)

温痛覚、触圧覚共に、3つの神経元からなる。

①温痛覚

感 覚受容器から入り、後根を通って後核に入る(第1ニューロン)。

その後第2ニューロンにシナプスし、後核から白交連を通って対側の前側索に入り、脊髄を上 行して脳幹被蓋に入って視床(腹側核)まで上がる。

この後第3ニューロンにシナプスし、視床から内包(後脚)に伝わり、大脳皮質感覚中枢に終わる。

②触圧覚

感覚受容器から入った刺激は、後根に伝わり、後索からそのまま上行する。

頚髄および延髄で薄束、楔状束をつくり、延髄上部において延髄の後索核で終わる(第 1ニューロン)。

ここから第2ニューロンにシナプスする(このニューロンは後索核から延髄視床路をつくり、内側毛帯の主成分である)。

シナプス後、内弓状 線維を形成し、内腹前方に進み、正中線で縫線の一部を作りながら交叉し、延髄で対側のオリーブ核の内側に位置して毛帯オリーブ間層をつくって上行する。

橋では橋背部の腹方をしめ、中脳では被蓋の腹方を走るが、その上部では被蓋の外側部をしめ、視床(腹側核)に終わる。

視床で第3ニューロンとシナプスする が、その経路は温痛覚と同様である。

7)下行性伝導路(運動性伝導路)

錐体路と錐体外路に大別される。

両者が同じ運動細胞を制御する事により円滑な運動が可能になる。

両伝導間には密接な連絡路があり、常にフィードバックが行われているので、両伝導路は独立して別々に機能しているわけではない。

錐体外路系に障害が起こると本人の意志とは無関係に異常運動が起こる(パーキンソン症候群、舞踏病など)。

また錐体路が障害されると、運動麻痺が起こる(脳出血の際の半身不随など)。

 

大脳の役割

大脳の働きは大雑把に運動機能の発動と、あらゆる知覚情報の収集・分析とに分けられる。

これらは部位ごとにある程度まとまっており、この様な機能配置を機能局在という。

またブロードマンは皮質細胞の構築状態の局所的な相違から大脳皮質を52領野に分類している。

1) 前頭葉の働き

前頭葉の皮質の働きを羅列すると、運動機能、眼球の随意的共同運動、言語中枢、感情・判断力・想像などの精神活動が挙げられる。

前頭葉の中心前回には運動の中枢があり、運動領野と呼ばれている。

ここはブロードマン第4野に相当する。

大脳皮質が神経細胞の種類により6層に分けられる事 は前述したが、この第4野(特に第5層)には他の大脳皮質には存在しないBetz錐体細胞があり、これから出た神経線維が手足に運動指令を与える錐体路の 一部を構成している。

これは手足や顔面の細かな巧緻的動作を支配している。

運動領野の前方に前運動領野といわれる部位がある(ブロードマ ン 第6野に相当)。

ここは大雑把な運動に関係している。

ここから反対側の小脳皮質と連絡している連合線維は、反対側の小脳の協調運動調節を司っている。

この線維が障害されると、病巣と反対側の運動失調が起こり、手足の動きがぎこちなくなる。

これを前頭葉性失調という。

また、運動領野と前運動領野の下方に運動性言語中枢(Broca言語中枢)があり、発語を司っている(ブロードマン44野に相当)。

2) 頭頂葉の働き

頭頂葉の働きは、優位半球では知覚や思考の認識・統合で、非優位半球では身体位置の空間的認識(姿勢や手足の位置、関節の屈曲程度を認識する能力)である。

頭頂葉の中心後回に感覚の中枢が存在し、体性感覚領野といわれている。

これはブロードマン第3・1・2野に相当する。

ここに伝達された感覚刺激は、識別、認識され、必要に応じて他の皮質の神経細胞に伝えられる。

3)側頭葉の働き

感覚性言語中枢または聴覚認識中枢で、記憶という働きをしている。

感覚領野の下方に感覚性言語中枢(Wernicke言語中枢)があり、言葉の理解を司っている。

ここが障害されると、話の内容が理解できない感覚性失語症になる。

4)後頭葉の働き

視覚と眼球運動に代表される。

5)視床の働き

視床は中脳と大脳基底核の間にあり、第3脳室の両側壁を構成する2個の楕円球体の神経核群。

Y字型の髄板により、大きく内側核群、外側核群、前核群の3群に 分けられ、更に髄板内核群を加えた4群からなる。

機能的には脳幹網様体からの連絡を受ける核群、感覚の中継地となる核群、これらの情報を相互に交換する為の核群に分けられる。

視床の機能は、以下のような事である。

①感覚情報の中継所として体内外の全ての感覚情報を処理し、下位中枢や大脳皮質感覚野に伝え る。

②視床、小脳、大脳基底核との情報交換により、運動を統合し巧緻動作や姿勢などの運動機能を調整する。

③脳幹網様体を介する部割製の求心性インパルスは、視床を経て大脳皮質全体へ投射し、意識レベルを高める。

6)視床下部の働き

視床下部は脊髄や脳幹と連絡する約5gの 小さな脳で、視床の前下方にあり、第3脳室壁と底の一部をなし、視床とは視床下溝で分かれている。

矢状断面では前端は視索前野、後端は乳頭体で漏斗の先は下 垂体に連なる。

また、外側は内包と大脳脚に囲まれており、前、中、後核群の3つに分けられる。

生体の外部や内部環境に関する情報は、末梢の受容器や視床下部自体にある受容器に入力され、視床下部で統合処理され、自律神経系、体性神経系、内分泌系を介して出力する。

視床下部の機能としては以下 のようなものがある。

①内分泌の調節、②自律神経系の統合 、③体温調節、④本能行動、⑤情動行動の発現

7) 脳幹の働き

①中脳

中脳は間脳と橋に挟まれた長さ約2cmの部分である。

中脳には四丘体(上丘・下丘)、被蓋(動眼神経核・滑車神経核・赤核・黒核)、大脳脚がある。

大脳皮質、間脳、延髄、小脳への伝導路の中継地点であり、眼球運動と姿勢反射の中枢がある。

②橋

橋は中脳と延髄に挟まれた部分で、橋の背側には第4脳室がある。

腹部には橋核があり、橋核から反対側の中小脳脚を介して小脳と結合している。

ここには脳神経核(三叉・外転・顔面・内耳神経)がある。

③延髄

延髄の下部は円錐状であるが、橋に近づくと背部が広がっている。

脊髄との境の腹側で錐体路が交差する。

また脳神経核(舌咽・迷走・副・舌下神経)後索核、オリーブ核がある。

延髄には自立神経反射と姿勢反射の中枢があり、生命維持には不可欠な部分。

 

●大脳性運動失調による疾患

大脳性運動失調(症)の特徴

1)視床病変

深部感覚を伝える線維が、対側の視床へ達しニューロンを変えるから、視床病変によって、深部感覚障害性運動失調は起こりうる。

しかしこの場合、運動失調そのものが比較的軽いとされている。

一方、視床病変により明らかな小脳性運動失調を伴う場合があり、その鑑別には注意を要する。

視床病変によるいわゆる深部感覚障害性運動失調を呈する原疾患としては血管障害が最も多く、ごくまれに腫瘍による場合もある。

いずれにせよ、脊髄病変、末梢神経病変の場合と異なり一側性のことがほとんどである。

2)大脳皮質病変

ごくまれに、大脳皮質特に頭頂葉前部の病変によって、閉眼でより増強するいわ ゆる深部感覚障害性運動失調をみることがある。

これは深部感覚の認知領域の障害によると考えられるが、奇妙にも深部感覚の障害があまり著しくないにもかかわらずこの形の運動失調をみることもある。

原因疾患としては、血管障害や主張があるが、視床病変の場合と同様一側性のことがほとんどである。

 

大脳性失調症起因病変・・・前頭葉型

1)穹隆部髄膜腫

大脳穹隆部(大脳の上に凸の彎曲面)の髄膜に原発する脳腫瘍(髄膜腫)。

以下は髄膜腫に関して表記する。

髄 膜腫はクモ膜、及びクモ膜顆粒の表層細胞から発生する組織学的良性腫瘍、髄膜がある部位ではどこでも発生する。

全脳腫瘍の約20%を占め、成人に好発し (特に40代~60代に好発し、この年代の脳腫瘍の約30%を占める)、女性に多い(19歳までは性差はないが、成人以降に性差が著明になる)。

常染色体 22番に異常をきたしている割合が多い。

好発部位は円蓋部、蝶形骨縁、傍矢状洞部、大脳鎌の順。テント上に約85%が発生する。

※大脳鎌:頭蓋腔の正中面上で、大脳縦裂の中に鎌状に張り出して進入している硬膜の板。脳梁近くまで入り込んでおり、左右の大脳半球を隔てて固定を助けている

ⅰ)円蓋部髄膜腫

髄 膜腫の約20%を占め、大脳半球円蓋部クモ膜(硬膜)のどの部位からも発生しうるが、正中近く、冠状縫合直下、前頭―側頭葉境界などに多く、後頭部には少ない。

前頭部腫瘍では精神症状と片麻痺が最も多い。

頭頂部腫瘍では片麻痺が約70%にみられ、焦点性けいれん、知覚障害がそれに続く。

全身けいれん発作が 発生部位を問わず20~30%に出現する。

腫瘍直上の頭蓋骨が反応性に、あるいは腫瘍浸潤により肥厚する事が少なくない。

手術全摘出率が最も高い(90% 以上)が、取り残すと再発は避けられない。

ⅱ)蝶形骨縁髄膜腫

全髄膜腫の10~20%を占める。

発生部位を蝶形骨の外・中・内1/3にわけて考えるが、典型的な外1/3、内1/3以外は明確に識別できない。

蝶形骨縁に骨浸潤すると眼球突出が見られるが、運動失調は呈さない為、今回詳述は省く。

ⅲ)傍矢状洞部および大脳鎌髄膜腫

傍矢状洞部髄膜腫は上矢状静脈洞壁から発生し、全髄膜腫の12%前後を占める。

大脳鎌髄膜腫は大脳鎌より発生し、全髄膜腫の12%前後を占める。

両者を合わせた発生頻度は全髄膜腫の25~35%、全摘出率は約80%である。

両者の症状は類似する(片麻痺・精神症状・知覚障害・視野障害・焦点性痙攣・全身性痙攣)が、大脳鎌髄膜腫の方が下肢障害の程度が強く、両側性に見られる。

ⅳ)テント髄膜腫

全髄膜腫の7%を占める。

テントのどの部位からも発生しうる。

これはテント上にもテント下にも発育するが、通常テント下に大きく発育する。

頭蓋内圧亢進症状が主体をしめ、小脳症状、視野障害を30~40%に呈する。

全摘出率は約60%である。

2) 正常圧水頭症

以下の4項目を認めるものを正常圧水頭症という。

①歩行障害(平衡障害を主とする)・痴呆(記銘力低下に始まる)・尿失禁

②脳室系の拡大

③正常範囲の髄液圧

④髄液短絡術による劇的な症状の改善

原因不明のものと、クモ膜下出血・頭部外傷・髄膜炎・脳腫瘍に続発するものとがある。

前者は初老期に多い。

脳萎縮による脳室拡大との鑑別が重要。

 

大脳性失調症起因病変・・・頭頂葉型

1) 腫瘍

脳 腫瘍の発生頻度は順にグリオーマ、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫で、これらで全脳腫瘍の約80%を占める。

組織学的悪性腫瘍は、髄内発生のグリオーマだけで、髄外発生の他3つは適正な手術摘出を行えば回復する良性腫瘍である。

脳腫瘍の発生原因は不明である。

遺伝的・家族発生するものは極僅かで、外因の外傷・放射線・化学物質・ウイルスなどが考えられている。

脳腫瘍の発生部位は主要腫瘍により次のような特徴がある。

下垂体腺腫や神経鞘腫はおのおの下垂体部・第8脳神経に殆どが発生し、グリオーマと髄膜腫は頭蓋内随所に発生する。

腫瘍が出来る事で、局所的神経の脱落症状や頭蓋内圧亢進が起こる。

2)血管障害

脳血管障害には出血性疾患と梗塞性疾患がある。

これらは更に前者が高血圧性脳内出血とクモ膜下出血、後者は脳梗塞と一過性虚血性疾患に分けられる。

脳血管障害では脳動脈の閉塞にしろ破裂にしろ、その血管の支配領域の脳組織を損傷する。

梗塞はは脳組織への血流を止め、組織の虚血をもたらす。

出血は脳組織を圧迫し、頭蓋内圧亢進をきたし、脳ヘルニアを起こす可能性もある。

ⅰ)高血圧性脳内出血

年をとったり、高血圧を来たしたりしていくうちに、脳血管の細動脈や小動脈に線維化や融解などの変化が起きる。

この血管の変化は血管壊死といわれている。

血管壊死を生じると、ついで動脈瘤を形成する。

この微細な動脈瘤の破綻から脳出血が起こるとされている。

主要血管のどこにでも出血は起こりえるが、そのうち最も出血しやすいのは中大脳動脈から分岐して大脳基底核を灌流するレンズ核線条体動脈と、後大脳動脈から分岐して間脳(視床)を灌流する視床膝状体動脈などの細い枝である。

ⅱ)皮質下出血

皮質下とは脳の皮質と髄質の境界部近辺をさす。

出血部は頭頂葉に最も多く、ついで側頭葉、前頭葉、後頭葉とされている。

この出血の原因は血管壊死よりも、微小な血管腫や動静脈奇形などの血管疾患があげられる。

脳 実質内で出血した場合は、流出した血液が周辺の脳組織を剥離、偏位させ圧迫する。

このときに大量の血液が流出していると、頭蓋内圧が亢進し、中央線の偏位がおこり、脳ヘルニアをきたす。

同時に出血の為に、その血管の支配領域下にある脳組織に必要な血液が供給されなくなり、細胞が壊死する。

出血量によっては、血液が脳室にも穿破し、髄液中にもれて脳幹を圧迫する。

大量に出血した場合には昏睡から死に至ることが多い。

ⅲ)クモ膜下出血

ク モ膜下出血は、脳動脈瘤によって生じるが、動脈瘤はウィリス動脈輪や主要枝の分岐部に嚢状の拡張としてみられる事が多い。

破裂すると強い圧力で血流がくも膜下腔に流れ出し、疼痛感受性のある髄膜を刺激して、激しい頭痛、頚部硬直をきたす。

破裂した血管によって支配されていた領域は、血流が低下して虚血状態 になり、脳細胞が壊死する事もある。

クモ膜下出血は動静脈奇形(AVM)が要因となる事もある。

ⅳ)梗塞性脳血管障害(脳梗塞)

脳梗塞は脳血栓と脳塞栓に分けられる。

脳 血栓は血管壁に脂質が沈着し、そこが線維性に肥厚して潰瘍形成などを伴い、粥腫(アテローム)変性を生じるものである。

これは徐々に大きくなり、最終的に は血管を閉塞する。

それにより末梢の脳領域の血流は途絶えてしまう。

アテローム変性は内頚動脈起始部、中大脳動脈起始部、椎骨動脈起始部といった分岐部に 好発する。

動脈の閉塞は段階的に起こることがよくあり、その場合、ウィリス動脈輪を形成する血管に副行路が生じる為、部分的に代償されることがある。

ま た、アテローマがしばしば剥がれ落ちて細動脈や小動脈を閉塞して広範に小さい梗塞を起こす事もある(ラクネ梗塞といい、中大脳動脈の貫通枝に起こりやす い)。

脳塞栓は血栓の小さな破片が血流に乗って流れていき、脳の動脈につまって起こる。

塞栓はどこの血栓からでも生じるが、脳塞栓は心疾 患 に起因するものが多い。

徐々に発達する脳血栓と違い、大きな動脈を突然閉塞する事もあるため、突発的に致命的な閉塞が起こることもある。

微小な梗塞の場合 は通常融解してしまい、永久的な損傷が起こる前に血流は再開する。

症状としては梗塞部位の局所症状、障害側と反対側の片麻痺などが見られる。

 

大脳性失調症起因病変・・・視床型

1) 視床症候群[Dejerine(デジェリーヌ)()Roussy(ルーシー)症候群]

  視床後外側腹側核の障害により、病巣と反対側の麻痺、表在知覚の鈍麻あるいは脱失、深部知覚障害、視床痛、異常感覚、痛覚過敏、軽度の 運動失調、アテトーゼ・舞踏病様運動、同側性半盲などを示す。

2) 血管障害

視床には知覚に関係する全ての刺激が集まる。

この視床に集まった神経線維はすでに交叉している為に、一側の視床が破壊されると反対側に障害が出る。

代表的な疾患は以下に述べる。

視 床は第3脳室に接している為に、血腫が脳室内に穿破する事がある。

これが幸いして頭蓋内圧の上昇が軽かったり、血腫による脳実質の破壊が最小限で済んだりする。

症状としては、脳出血の一般的症状の他、比較的重篤な意識障害、出血と反対側の感覚障害、不全片麻痺、更に両側眼球の内側下方の凝視、縮瞳、垂直方向注視麻痺などの特徴ある眼症状がみられる。

視床膝状体動脈の出血では視床症候群が見られる。

「大脳性運動失調」の画像検索結果

!(^^)!参考文献

医療学習レポート.大脳性運動失調


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