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( ´∀`)変形性股関節症の話


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“(-“”-)”題名:変形性股関節症の話

変形性股関節症とは

 関節の機能は関節にかかる力と、これに抗する軟骨と軟骨下骨の生理的な支持力のバランスにより維持されている。
変形性関節症では、関節軟骨だけでなく海綿骨を含めた骨全体の負荷伝達機構の異常により、関節に過剰なストレスがかかるようになる。関節軟骨が耐えられる荷重範囲は20~25㎏/㎝であり、実際のひとの股関節では臼蓋の形態や骨頭の位置により、この10倍ものストレスがかかる。正常な力学環境が保たれ、損傷が回復すれば関節機能は維持される。損傷が増大すると関節の力学的状態を正常に維持できなくなり、軟骨に対する負荷はさらに増大する。軟骨基質の摩耗や亀裂はさらに拡大する。機械的な損傷が軟骨下骨から海綿骨に及ぶと骨棘や骨嚢胞が生じ、関節の変形が明らかとなる。関節軟骨の摩耗・亀裂などが生じ、大腿骨骨頭や臼蓋が変形し関節機能が消失する疾患が変形性股関節症である。

 変形性股関節症には一次性股関節症と二次性股関節症があり、関節軟骨が軟骨自体の病変により、生理的負荷に耐えられなくなり摩耗・消失する病態を一次性変形性股関節症という。外傷、炎症、先天性または後天性の骨・関節の形態異常などにより軟骨の変性が二次的に生じる場合を、二次性変形性股関節症という。一般に一次性関節症は進行が緩徐であるが、二次性の場合は、急激に進行する場合もあり、手術のタイミングが重要となる。

代表的二次性変形性股関節症

臼蓋形成不全を放置することにより荷重部関節軟骨の摩耗が進行(関節が前期、初期、進行期、末期と進行

慢性関節リウマチの炎症による変形性股関節症

ペルテス病

 原因は不明であるが、大腿骨頭への血流障害が起こり、そのために骨頭骨核が壊死に陥る。そこにかかる体重負荷のために大腿骨頭は圧潰され、扁平化し横に広がる。一部の骨壊死に留まるものから、全骨核の壊死まである。4~10歳の男子に多い

大腿骨頭すべり症

 思春期の男児で成長がさかんな頃に、骨端成長軟骨を境に骨頭が頸部に対し後内方に転位する疾患。しばしば両側に発生し、肥満児に多く、なんらかのホルモンの関与を思わせる。

大腿骨頭壊死

 小児のペルテス病のごとく、成人の大腿骨頭に血流障害による骨壊死を生じるものである。特発性といわれ、原因、誘因と思われるものが全くない人もいるが、なんらかの疾患のためにステロイドを服用した人、もしくはアルコール中毒また愛飲者に多い。ふつう男性に多いが、ステロイド関連性のものは男女比が同じく、壊死範囲も広く、修復反応は少ない。

病態アセスメント

 変形性関節症は直接生命に関わる疾患ではないために、自覚症状が軽いうちは手術を拒否することが多く、薬理・理学療法で過ぎることが多い。変形、関節の拘縮あるいは強直、歩行障害、跛行などによる運動障害と患部の疼痛とにより行動を制限され、基本的な日常生活行動にさえ支障をきたすようになるまで、治療を受けず我慢する事が多い。そのため、患者は家庭生活、職業・社会生活全般にまで影響を及ぼされることとなり、そのことが歩行障害による行動の不自由さとともに、精神面の負担をますます重くしている。したがって、疼痛による苦痛、および運動障害などから派生する患者の日常生活上の不自由さを具体的にイメージすることや、今後残るかもしれない障害に適応していく上で、どのような調整が必要かを把握することが大切である。

症状

 臼蓋形成不全(変形性股関節症)

 前期股関節症

 全く症状もなく元気にスポーツなども行えるが特に股関節に痛みを感じることがある。しかし、安静ですぐ痛みはとれ、普通の生活にもどるのであまり気にしないことが多い。

 初期股関節症

 股関節痛が増し、歩行能力が低下する。

 進行期股関節症

 持続性の痛みと跛行がある。

 末期股関節症

 可動域制限が著しくなり、日常の生活は著しく障害される。

 ペルテス病

 男子が女子の4~5倍、初発症状は股関節部の痛みであるが、小さい児は膝が痛いと表現することもある。痛みの程度は様々であり、多くは少し安静にすると消失するくらいから始まる。外転のみが制限されることが多い。

 大腿骨頭すべり症

 急性型では少し骨折に似た鋭い痛みをきたすことがあるが、慢性型では、軽い股関節痛(安静で軽快することが多い)や疲労感などで始まり、すべりの程度が増すにつれて、頻回に股関節痛発作を繰り返すようになる。骨頭の位置に従った下肢外旋位をとり、運動の制限(外転と内旋の制限が多い)もみられ、少し下肢長の短縮が起こる。

 大腿骨頭壊死

 必ずしも股関節痛ではなく下肢放散痛、腰仙部痛、膝痛なども多く、他覚所見においても特徴的なものは明らかではない。この痛みは虚血のためか、陥没時のためか不明である。

検査

  • 単純X線
  • 断層X線
  • CTスキャン
  • RI検査
  • 関節造影
  • 血管造影
  • MRI
  • 血液生化学検査及び血液一般検査

治療

 臼蓋形成不全(変形性股関節症)

患者の年齢及び股関節の状態により手術の適応が決定される。

前期股関節症・初期股関節症

寛骨臼回転骨切り術、骨盤骨切り術、筋解離術

進行期股関節症・末期股関節症

関節固定術、外反骨切り術、人工股関節置換術

 ペルテス病

大腿骨頭の陥没変形を最小限に保ち、変形性股関節症の予防を目的とする。

骨盤骨切り術、内反骨切り術

 大腿骨頭すべり症

慢性型では、すべった骨頭の保存的な整復や整復位保持が難しいので、手術的に行われること多い。

大腿骨頭前方回転骨切り術

 大腿骨頭壊死

 目標は骨頭の陥没変形の防止である。

壊死が限局性

 大腿骨頭回転骨切り術、内反骨切り術

壊死が広範囲

 人工骨頭置換術、人工股関節置換術

術後の経過と管理

 Ⅰ.寛骨臼回転骨切り術

 3週間は外転枕を使用し股関節外転位で、ベッドアップ30゚~45゚の床上安静とする。その後車椅子許可とし、術後8週間でキルシュナー鋼線を抜去し、両松葉杖使用下の部分荷重歩行を開始する。術後3ケ月で片松葉杖歩行とし、筋力の増強とともに杖をとっていく。

 Ⅱ.人工股関節置換術

セメントレス人工股関節置換術

 術後3週間は外転枕を使用する。術後2週間でベットサイド坐位・車椅子許可とする。8週間目より1/2荷重・松葉杖歩行を開始し、10週間目に全荷重・杖歩行開始となる。

セメント人工股関節置換術

 術後7日間は外転枕を使用する。2日目より起立台にて全荷重・起立訓練をし、10日目より車椅子開始、術後2週間で杖歩行開始となる。

人工骨頭置換術の場合も(セメントレス、セメント)同じプログラムで行う。

 Ⅲ.大腿骨頭回転骨切り術

 基礎疾患の状態、特にステロイドを長期間使用している場合には、手術前後の全身管理に万全を期すことを怠ってはならない。ヒドロコルチゾンを術前2日から術後5~6日まで静脈投与を行うのが一般的である。股関節の角度を保つため下肢持続牽引(2㎏)を3週間行うが、術後1週間目よりベッドフレームを組み、股関節屈曲・下肢伸展挙上運動を行う。車椅子は3週間目より開始し、12週目より1/2荷重・松葉杖を開始する。6ケ月後に全荷重・杖歩行となる。

 Ⅰ~Ⅲ全てにおいて、可動域訓練・筋力増強訓練は必要であり、それは長期にわたる。

 1.精神的サポート

 股関節の手術を受ける患者の不安は、術後ベット上安静による体動・行動制限への不安、手術そのものへの不安、手術後や退院後の予期的不安がある。不安の内容や程度、表出の仕方など個人によって異なるが、精神的・身体的・社会的側面から統合した情報で、患者各人の訴えを判断することが大切である。手術のみならず、手術後の長期間にわたる治療(リハビリ)に対して、しっかりとしたサポートシステムをつくっておく必要がある。

 2.疼痛の管理

 手術後の創部痛に関しては、個人差は大きいが、医師の指示に基ずいて行い、あまり我慢させないようにする。また腰背部痛に対しては、腰椎の生理的湾曲を維持するようにし、仰臥位による苦痛は、肩から臀部までの除圧用具を用いて緩和する。特に高齢者の場合、疼痛は心血管系に負担をかけ、血圧の上昇や不整脈を誘発することもあり、十分な除痛が望まれる。手術時に硬膜外カテーテルを留置し、術後に持続的に麻薬を注入することは術後2日目までの痛みに対し効果的である。

 3.呼吸器系・循環器系の管理

 一般手術と同様である。

 4.股関節の安静

 患肢の良肢位保持(股関節外転15゚~20゚、股関節外旋内旋中間位)のため、外転枕と抑制帯を使用する。この時、術前から開排制限の強かった者に対しては十分配慮する。体位変換時も、患肢は股外転、股内・外旋中間位を維持しなければならない。両側同時の手術の時以外は、患肢が上になるようにする。また、患肢牽引を行っている時は、牽引が(角度・指示の重錘量・スピードトラックの巻かれ方)正しく行われているか確認が必要である。

 5.持続吸引の管理

 医師の指示の圧で吸引の状態に保ち、血腫形成や感染の予防、および内圧亢進による疼痛の緩和をはかる。吸引量と性状を経時的に観察し、量の多いときはバイタルサインのチエックをし医師に報告する。また創部からの出血にも注意する。

 6.創の処置

 ガーゼ交換時に手術創をよく観察する。(発赤、離開、血腫の有無等)

 7.排尿管理

 術後尿道留置バルーンカテーテル抜去後は床上排尿となるため、ベッド周囲の環境を整え羞恥心を緩和し、尿器を選び自然排尿を試みる。術前床上排尿に成功しなかった者に対してや、内転筋切離を行った者に対しては、留置カテーテルの期間を長めに設けるときもある。

 8.排便管理

 長期臥床を余儀なくされるため、手術前と比較して排便回数が減少し、便が硬く排泄困難や排泄に苦痛を伴いやすく、排便に努力を必要とする。便秘改善のための援助とともに、排泄の介助が必要である。

 9.清潔の保持

 身体の可動性が阻害されるため、患者の状態・経過に応じて援助が必要である。

 10.廃用性萎縮の防止

 健側下肢・上肢の筋力増強運動や関節の運動、訓練を行う。

 11.患肢の観察

 患肢の腫脹・皮膚の色調・知覚異常の有無、麻痺・しびれ感等、足関節・足趾の底背屈運動の状態に留意する。健肢や術前の状態と比較して異常があれば医師に報告する。

術後合併症

 1.肺梗塞

 人工股関節置換術の重篤な合併症である。深部静脈血栓により、日本人には重篤なものは少ないが、術後に足背の浮腫が発生することは、かなりの頻度でみられる。

 2.血栓性静脈炎

 循環障害が原因であり、患肢の皮膚色、冷感、浮腫、足背動脈の拍動などを健肢と比較する。

 3.腓骨神経麻痺

 腓骨神経(浅、深)の圧迫によりその支配領域に沿って、運動・知覚の異常として現れる。(足関節・足趾の運動状態、下腿外側・足背のしびれ感の有無)

 4.脱臼

 人工股関節置換の場合、手術直後のベッドへの移動時や体位変換時に患肢を股内転・内旋・外旋すると起きやすい。安静拡大後も股内転・内旋を伴う動作や低い椅子に座ることなどで起きやすい。

 5.感染

 人工股関節の場合、皮膚の損傷(外的な汚染)・浸出液の体内貯留・自己免疫機能の低下などにより起こしやすい。いったん感染を起こすと長期間の抗生物質の与薬や局所の持続洗浄、再置換が必要となり患者に大きな損失を与える。

手術操作による骨髄の破壊とそれに伴う出血、栄養状態の低下などにより起こる。

看護計画(術前)

Ⅰ.病態アセスメント(術前)

 全身麻酔で手術が行われることが多いため、全身状態の評価が必要である。高齢者も多いので、一般状態、諸検査の結果より、内科的疾患の合併の有無について十分観察し既往歴や機能の低下には十分注意する。
変形性股関節症の前期、初期では、明らかな症状がなく、10代後半から30代にかけての女性に多く、人生の転換期にあるため、手術を決意しにくい。また、変形性股関節症の進行期、末期や、大腿骨頭壊死では、変形・拘縮による運動障害、関節可動域の制限や、疼痛により日常生活行動に支障をきたしやすい。そのため、生活行動や身体・精神面への影響を把握することが大切である。 末期症状である歩行障害や関節可動域の制限、また年齢からくる筋力低下がみられるため、術前の運動・機能を評価し把握する。

 体重の増加は、関節に過剰な負荷がかかるため、術前から体重調整が必要である。そのため、体重増加予防の食事制限による低栄養状態の傾向になる恐れあり、また、術前に自己血を採取することが多く、貧血傾向になる場合もある。摂食状況と血液検査を把握する。 ペルテス病や大腿骨頭すべり症では、小児に多いため、小児の成長・発達段階を知り、小児と家族に及ぼす影響を把握することが大切である。

看護計画(術後)

Ⅰ.病態アセスメント(術後)

 全身状態が外科的侵襲より回復するまでの術後2~3日は、疼痛と全身状態の管理が最重要となる。術後の体位は、術式にかなうように保持されなければならないが、同一体位は一方で苦痛ともなる。術後の疼痛や苦痛を最小限にし、順調な回復につながる援助が大切である。同時に、術直後から機能訓練を指導し、援助して、筋肉の萎縮や関節拘縮といった副損傷を予防することも大切である。

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(*´з`)参考文献

医療学習レポート.変形性股関節症


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