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(*≧∀≦*)多発性硬化症動作やADLの話


(*´з`)題名:多発性硬化症動作やADLの話

動作やADLの実際の方法や特徴(介助方法を含む)

Ⅰ MS患者の日常生活活動/動作(ADL)能力

日常生活活動/動作(ADL)能力については,約1/3は通常の生活はほぼ可能であるが,1/3は機能障害のために生活様式を変える必要があり,残りの1/3は発症から5年以内にほぼ全介助を要する状態になるといわれている.また,多発性硬化症は髄鞘の脱落部位により様々な症状が出現し,また経過も多種多様なためADL動作を一概に説明するのは困難である.まず症状によるADL動作を記し,実際に症例を記す.

 

Ⅱ 初発症状,神経症候発現頻度

初発症状は視力低下がもっとも多く出現し,以下,運動麻痺,シビレ感,歩行障害,感覚鈍麻,複視,言語障害,眼痛,その他の順である.

また,全経過中で発現頻度が高い症候は運動麻痺がもっとも多く,以下,視力低下,感覚異常,腱反射亢進,病的反射,視神経萎縮,運動失調または企図振戦,膀胱直腸障害,構音障害,複視,眼振,精神異常,嚥下障害,痙攣の順である.その他特徴的な症状として筋力低下,易疲労性,自発運動や外的刺激による有通性強直性痙攣,Lhermitte’s sign(頚前屈による特に背部の電撃痛),Uthoff徴候(温浴や炎天下の外出などで体温上昇により神経障害が悪化し,体温低下でもとに戻る)がみられる.

・予後は必ずしも悪いとは言えず,憎悪して入院期間が早いほど改善率は高い.

Ⅲ 各症状の特徴痙性                            (文献4)

1)痙性

痙性を伴う患者では,たとえそれが筋力低下を伴わない程度の軽いものであったとしても,エネルギー消費は大きくなり,また手足の運動を制御しにくくなるため,歩行,身の回り動作,性行為,就労業務などに影響を受ける.

2)筋力低下

上位運動ニューロンの障害で生じた筋力低下では,痙性や失調症を伴うことが多く,また一方で,体を動かさないことにより生じる廃用性の筋力低下も見られる.

過度の筋疲労により筋力低下の憎悪や体温の上昇などを引き起こすことがある.

3)失調症

四肢失調に対しては,四肢遠位部に軽い重りをつけたり,日常生活用具に少し重いものを使うことによって,その改善が認められる.

4)視覚障害

急性視神経炎による眼のかすみ,ぼやけ,眼球の痛みなどはステロイドによく反応し,また視力は回復しやすいが,疲労や温熱により容易に憎悪する.視野では,中心視力の障害が特徴的で,中心暗点を認めることが多く,周辺部に視野が残っていることがある.

また,視神経そのものの障害はなくとも,脳幹部病変で外眼筋麻痺が生じ,調節障害や複視,眼振のために見にくくなることもある.

視力については,視力検査で両眼で0.2以上であれば,それほど日常生活に困ることはなく,また,複視に対しては,片眼の遮断が有効であるが,遠近感が分かりづらくなる.

5)感覚障害

自発的な異常感覚と,触ったときの錯覚感が出現し,他覚的には表在感覚や深部感覚の低下や脱出として認められる.

振動覚の低下はそれほど問題になることはないが,関節位置覚の低下は著しい機能制限をもたらす.この場合,視覚障害がなければ視覚による代償も可能であるが,MSでは重複することがしばしば認められ,日常生活が著しく制限される.

6)易疲労性

程度はさまざまで,何かをした後に感じる“気だるさ”程度から,基本的な日常生活動作さえも阻害されてしまう程度までいろいろあるが,次の4つのパターンがある.

①1日のうちである一定の時刻に生じるもの(午後や夕方が多い)

②ちょっと動いたあとに感じるもの

③持続的にいつも続いているもの

④動作をした後に機能低下を伴って生じるもの(ちょっと歩いた後に生じる下垂足やちょっと本を読んだあとに生じる目のぼやけなど)

患者や家族には,疲労が生じない範囲で休息を十分に入れながら行う生活の仕方を指導し,さらには環境温度を常に低めに保つことを勧める.

体温が上昇して疲労しているときには,水風呂への入浴などの冷却が勧められる.

7)温熱非寛容

MS患者では周囲の環境温度や体温が上昇すると,疲労感が出現したり,機能低下が見られることがあり,温度上昇により神経の脱髄部において神経伝導が阻害されるために生じると説明されている.

高い温度の環境下で外部から体が温められるときや,風邪で発熱した場合や運動後の場合など,内部から体温が上昇するときに,一時的に視覚障害や筋力低下,異常感覚などの症状の憎悪が出現することがある.

 

Ⅳ 能力低下の特徴

1)移動能力障害

約60~70%の人に何らかの移動能力障害があると言われている.その程度は,少し歩行耐久性が低下している程度のものから,寝返りさえも介助を要するものまでさまざまである.

MS患者の移動能力障害は,下肢の筋力低下,痙性,失調症などによる一時的な原因ばかりではなく,易疲労性,感覚障害,上肢機能障害などによって歩行介助器具の使用が困難になり,代償手段が使えなくなる二次的な要素にも大きく影響される.

2)排尿障害

排尿障害を伴う患者は実際にはかなりいると思われるが,患者自身が直接訴えにくいこともあり,残尿感や尿意切迫,尿意消失,失禁の有無および日中,夜間の尿回数などについて十分聞き出す必要がある.

3)排便障害

脊髄障害に伴って便秘や失禁などの排便障害を伴うことがある.便秘に陥る原因としては,MSによる直接の障害以外に,身体活動量の低下や排便習慣の変化,食事内容の変化,薬剤の影響などが相互に影響しあって起こる.

4)ADL

・身の回り動作に関しては,移動能力に比べ比較的長く保たれるが,次第に時間がかかるようになる.


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