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(*≧∀≦*)廃用性筋萎縮の話


(・.・;)題名:廃用性筋萎縮の話

●病態

不動(関節固定などにより筋活動の有無に関係なく動かない)または不働(麻痺などにより筋の働きが生じない)により二次的に生じる廃用症候群は、さまざまな原因疾患によりもたらされるが、脳血管障害などによる運動麻痺に代表される中枢神経の障害、関節拘縮や筋萎縮による運動器そのものの障害、さらに循環障害、自律神経障害など、さまざまな修飾因子が複雑に絡み合う。

使用しない機能は当然のことながら低下していく。

筋も例外なく廃用により筋力低下が生じる。

下に各者研究報告を記す。

 

●各研究報告

Mullerにより最大筋力の20~30%の筋活動があれば筋力は維持され、20%以下では筋力は低下することが報告されている。また絶対安静の状態で筋収縮を行わなければ、一日に1~1.5%の筋力低下をきたすことが報告されている。

MacDougallらは、肘関節を5~6週間ギプス固定した後、上腕三頭筋筋力を計測した結果41%減少したと報告されている。また筋生検でタイプI線維で25%、タイプII線維で30%の減少を観察し、タイプII線維でやや高度に筋萎縮がみられたことを報告した。

Gogiaらは、健常男性15人に、5週間臥床(排泄時を除く)を指示し、等運動性筋力を測定した。その結果、足関節底屈26%、膝伸展19%、膝屈曲8%、足底屈8%、肘屈曲7%とおのおの有意な減少を認めたと報告した。

 

筋萎縮の構造変化は光学顕微鏡では筋線維の萎縮像のみであるが、電顕レベルでは筋線維の萎縮程度に応じて、筋原線維の減少、基底膜の不規則性、グリコーゲン粒子の増加がみられる。

 

●予防・治療

治療的電気刺激(TES)は、個々の筋や筋群の筋力低下や筋腹の減少の予防や改善に有効である。筋収縮が認められない(MMT0)場合やギプス装着により不動となっていて随意的に筋収縮を行うことが困難な場合、小児で訓練の指示にうまく従えない場合などに有用である。

筋電図バイオフィードバックは、筋力低下のある筋に表面電極を装着し、筋活動を視覚あるいは聴覚などの外受容器からのフィードバックを通じて利用し、筋力強化をはかるものである。筋力がまだ弱く(MMT1~2)、随意的に筋収縮がうまく誘発できない場合に、筋収縮のコツを習得し、スムーズに随意的な筋収縮を生じさせる目的で用いる。

筋力がMMT2以上であれば、自動介助・自動関節可動域訓練や抵抗訓練による筋力増強訓練が行われる。訓練はその筋収縮様式によって、等尺性・等張性・等運動性に分類される。運動の強度と繰り返し回数は訓練の目的(筋力増強か筋持久力増強か)により異なる。筋力の増強を目的とする場合には、最低でも最大筋力の60~65%の運動強度で、4~10回繰り返す必要がある。一方、筋持久力増強の場合には、12~20回繰り返すことのできる程度の運動強度とする。負荷強度が大きくなり過ぎると血流量が少なくなり、最大筋力の60%以上になると血流が遮断されてしまう。一方、20%以下では疲労せず訓練効果が得られないことから、最大筋力の20~30%程度が最も効果的といわれている。

等尺性筋収縮は負荷となる抵抗の位置の移動がない収縮様式(筋の長さは一定でない)である。関節運動を伴わないので、関節に痛みのある場合やギプス固定中などで不動を余儀なくされている場合の筋萎縮の防止や筋力の維持に適する。その筋力増強効果は高く、毎日訓練を行うことが最も有効であるといわれる。1日数秒間の最大筋力の20~30%の等尺性筋収縮によりその筋力を維持することができ、最大筋力の2/3の強度で毎日6秒間筋収縮を行うと1週間で5%程度の筋力増強効果が得られる。等張性筋収縮は負荷となる抵抗の強さが一定である収縮様式(筋張力は一定ではない)である。古典的には、DeLormeによる漸増抵抗運動や漸減性抵抗運動がある。等運動性筋収縮は、関節運動が一定の角速度で行われる筋収縮様式である。全可動域にわたって最大の筋力を出すことができるが、等運動性筋力測定装置を要するので簡便さに欠ける。原則として、最大下、の負荷でやや低速度で訓練を開始し、速度を変えずに負荷を増量し、負荷量が最大まで達したら、速度を速めた訓練へ進む。

筋力増強訓練に伴う注意点を以下にあげる。等尺性筋力増強訓練や負荷の大きな抵抗運動では、「息こらえ」により、胸腔内圧の上昇から血圧の上昇を生じるので、呼気時に負荷に抵抗するようにする。筋疲労や筋の痛みにも注意する。疲労が回復していない場合や痛みが消失しない場合には訓練は行わない。また、決まった関節位置でのみ筋収縮を行うと、その効果はその関節位置でしか発揮されず全可動域には及ばないことにも注意すべきである。収縮様式についても、訓練で行った収縮様式以外では、訓練効果が発揮されない。したがって、目的とする活動に適した関節角度や筋収縮様式を取り入れなければならない。

筋持久力の向上に関してIkaiらは、最大握力の1/3の負荷で毎秒1回、持ち上げる運動を毎日持続不能になるまで12週間続けたところ、前腕血流量や筋酸素摂取量の増加とともに、作業回数も約80回から260回へと上昇したという。動静脈酸素較差には変化がみられなかったことから、筋持久力の向上は、当該活動筋の毛細血管密度および血流量に依存すると考えられている。筋内の血流量が増加すると酸素や栄養分の運搬量が増加し、筋持久力が改善される。

廃用性筋萎縮に陥った筋の回復のためには、萎縮に要した時間よりもかなり長時間を要することを理解する必要がある。

また筋線維タイプ別の特徴をふまえ疾患の特性を理解したうえで、適切な運動療法を選択し施行することが、筋力回復のために効果を効率的に得ることができる手段であるといえる。

下に各者研究報告を記す。

 

●各研究報告

Rutherfordらは、一側下肢外傷後1~5年経過した患者の大腿四頭筋に筋力増強を施行し、3ヵ月後には等尺性筋力が健側比で67.7%であったものが79% (健側は8%)増大した。またCTによる筋断面積も30%増大したと報告した。

Muninらは、発症後20~40年経過したポリオ患者7名でキンコムを用いて大腿四頭筋筋力測定を行い、6ヵ月ごとに3年間の追跡を行った結果、等尺性筋力で1年に患側は29%、健側でも14%の増加を示し、疲労を残さない程度の訓練が重要であると報告した。

(~_~メ)参考文献

医療学習レポート.廃用性筋萎縮


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