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(“⌒∇⌒”)脳血管障害患者の話


(^◇^)題名:脳血管障害患者の話

脳血管障害患者の中には麻痺側上肢に浮腫、鮮紅色の皮膚色調などの症状を示す肩手症候群を合併する場合が ある。

本症候群が進行すると肩関節に疹痛や拘縮をもたらし、理学療法を進める上で阻害因子となるため、早期から正確 な評価と治療が重要となってくる。

本症候群は反射性ジストロフィ―の一つと考えられており、発生機序は脊髄介在ニューロン群を中核とする反射の悪循環と して理解されている。

しかし、未だ病態生理を含めて責任病巣、高位自律神経中枢の関与など不明な点が多い。

現在、検査方法と して指尖脈波、皮膚温測定などが用いられているが何れも補助的検査法の域を出ていない。

交感神経皮膚電位(Sympatheticskinresponse;SSR)は汗腺の活動による皮膚表面の電位変化であり、交感神経節後線維の評価法と位置づけられている。

現在までに節後線維の障害である糖尿病性末梢神経障害、アルコール性末梢神経障害などでSSRの振幅が低下や反応の消失が確認されており、症状の改善に伴い反応も増大することが知られている。

本症候群は血流増大を主とした血管運動異常であるため、これを合併する患者ではSSR波形に変化が生じると考えられるが報告は少ない。

脳血管障害患者では亜急性期から慢性期にかけて本症候群が約20%の頻度で合併 し、性差、左右差がないことが知られている。

本症候群はSteinbrockerらにより頚腕症候群と独立した臨床概念と位置づけられ、その発生機序には交感神経、を介した神経血管反射性異常である反射性ジストロフィーと考えられている。

反射性ジストロフィーは脊髄の介在ニューロン群に脳病変部位からの求心性インパルスが入り、closedchainにおいて自己を再強化するような形で反射の異常が持続する。

そして、そのインパルスは脊髄の側角や前角細胞に伝達され交感神経遠心路を興奮させるために血管運動異常や異栄養症を生じさせるという仮説がある。

SSRは体性自律神経反射の中で、汗腺反射を示しており、反射経路として求心路にAβかAγが、遠心路に無髄C線維が考えられている。

SSRの異常は反応経路に障害が生じれば起こり得るが、臨床的に診断意義があるのは遠心路(脊髄側索、中間外側核、脊髄前根、白交通枝、脊髄神経節、節後無髄線維)の異常についてである。

しかし、節前性障害である脊髄損傷、脊髄血管障害などや高位中枢神経疾患である脊髄小脳変性症、ParkinsonismでもSSR波形の異常が認め られている。

従来から、本症候群に対して交感神経ブロックや切除が行われてきており、その有効性を認める報告も多いが第1期の早期に限られている。

脳血管障害における本症候群の発生機転と して、発症直後に麻痺肢の末梢血流の増大と冷覚―血管運動反射の低下で特徴づけられる血管運動異常がみられると報告されている。

さらに、肩関節の亜脱臼、臥床時の肩、上腕の沈下などで関節周囲に微細損傷が繰り返し加わるため、体性―交感神経系をループとする反射性ジストロフィー症が発生するのではないかと推測されている。

(^_-)参考文献

上田 敏 ・他:リハビリテーション基礎医学.pp233-243,医学書院,東 京,1983.

江藤文夫:片麻痺における肩手症候群(第1報). 日老医誌,15:421-428,1978.

江藤文夫:片麻痺における肩手症候群(第2報). 日老医誌,15;429-435,1978.

Davis SW, et al.: Shoulder-hand syndrome in a hemiplegic population; A 5-year retrospective study. Arch Phys Med Rehabil, 58: 53-356, 1977.

Chu DS, et al.: Shoulder-hand syndrome: importance of early diagnosis and treatment. J Am Geriatr Soc, 29: 58-60, 1981.

Shahani BT, et al.: Sympathetic skin response-a method of assessing unmyelinated axon dysfunction in peripheral neuropathies. J Neurol Neurosurg Psychiatry, 47: 536-542, 1984.

渡引康公:Sympathetic skin response(SSR)の臨床応用に関する研究(第1報).臨床神経,27:442-448,1987.

Yokota T, et al.: Sympathetic skin response in patients with multiple sclerosis compared with patients with spinal cord transection and normal controls. Brain, 114: 1381-1394, 1991.

Soliven B, et al.: Sympathetic skin response in diabetic neuropathy. Muscle & Nerve, 10: 711-716, 1987.

Niakan E, et al.: Sympathetic skin response in diabetic peripheral neuropathy. Muscle & Nerve, 11: 261-264, 1988.

原行弘・他:肩手症候群を呈する脳卒中患者におけるSympathetic skin responseの検討.総合リハ,19;431-434,1991.


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