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(“⌒∇⌒”)頚髄損傷と家庭復帰の話


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((+_+))題名:頚髄損傷と家庭復帰の話

頚髄損傷者は、下肢及び体幹が全く機能せず上肢の残存機能も少ないため、家屋環境によって生活の自立度が大きく異なってくる。頚髄損傷者の住宅改造の特徴としては、介助量の多い重度のケースより、ADLの自立が物理的な環境に左右されるような比較的軽度のケースの方が、住環境との適合を慎重にすべきであるが、この場合どうしても大幅な改造になってしまう。前者の場合は介助者を中心とした住環境を考慮すればよく、近年では移動介助機器などの開発、改良やこれに対する公的助成の適応範囲の拡大により、あまり大幅な改造をせずに在宅生活を送ることが可能になってきている。しかし後者の場合、わずかな寸法の間違いで生活の自立度が大きく変化してしまうので、シビアなシミュレーションを実施したうえでの改造計画が必要であり、また入院中に在宅生活をイメージした訓練を実施する必要がある。またADLの獲得には長期的なアプローチを要することもあるため、段階的な改造プランを考慮する場合もある。

こうした住環境で、車椅子使用者が利用するためには、技術的にも経済的にも容易ではない。住環境整備は一度着手するとその費用は数百万円に及ぶことも珍しくない。計画段階で本人及び家族のニーズ、身体機能、ADL能力、予後、家族状況、生活状況、経済状況を十分把握して改造案を立案する必要がある。

 

1)居室

和室と洋室:車椅子使用者は、畳の床は改造して木質床のフローリング材や絨毯などのカーペット材にすることが望ましい。また、車椅子使用者の多くは、長年の生活習慣から時々車椅子からおりて畳上で坐位になることを好む。しかし、四肢麻痺者は畳面への移動に介助者の負担が大きいうえ、和室上では著しく行動が制限される。和室への出入りを容易にするために、車椅子の座面と同じ高さまで床面の高さをあげる例もある。しかし、これは同居者には負担になる。こうした状況をよく判断し、和室の設置の有無を含め、慎重に考慮すべきである。

冷暖房:脊髄形の疾患をもつ者をはじめとして、四肢麻痺・対麻痺者は、外気温の変化に適応することが難しい。したがって、気温の急激な変化や激しい寒暖の差は身体的な負担が大きく、冷暖房機器の導入が必要であるこれも、身体の一部に風があたる局所的なものでなく、室内全体が均等な温度となるようにする。

 

2)通路とドア幅

車椅子の寸法と操作者の技術によって決まるが、手動車椅子、電動車椅子ともに、一般にドア幅は完全に開いたときの有効幅で800mm以上、通路・廊下などの幅も内のりで900mm以上あれば十分である。できれば、実際に使用する車椅子に本人が乗って計測することが望ましい。

なお、最近では住宅の状況を考慮したコンパクトな車椅子が処方されることが多くなった。こうした、装具や補装具からも、住環境を考慮したアプローチが望まれる。

 

3)段差

敷居などの小さな段差:住宅の中には、玄関や各部屋の出入り口など、様々な場所に多くの段差がある。これらはわずかであっても、車椅子使用者は移動が妨げられる。こうした段差はできるだけ除去すべきであるが、建築構造の関係で困難なことが多い。そこで、おおむね50mm以下の段差には、断面がくさび形の木片を敷居などの下において、車椅子の通行に支障がないようにする。また、可能ならば段の一部を削り取ることによっても同様の効果がある。敷居の高さは20mm以下、通行頻度の高いところは10mm程度になるように設定する。

スロープ:一般に単独で手動車椅子を操作して、実用的な移動ができるレベルのものであれば1/12程度の勾配以下とする。手動車椅子の操作が難しい者は、ゆるい勾配でも自力では昇降できないこともあり、調べた上で設計する。障害部位をC6とした場合、登坂走行は2°~4°が可能とされている。

 

4)垂直方向への移動

数十センチの段を上がる:玄関などにスロープをつける十分なスペースがないときは、車椅子に乗ったままで昇降できる段差解消機の設置が有効である。段差解消機は最大400~1600mm程度の昇降が可能である。

1階から2階への昇降:車椅子使用者の室内の上下移動には、住宅用エレベーターを設置できると非常に便利で安全である。これまで一般の住宅にエレベーターを設置することは費用や維持費もかかり、現実的ではなかった。しかし、最近では住宅使用に限定したエレベーターが市販されるようになり、必要面積も車椅子が乗れるタイプで1畳半ほどあれば可能であり、敷地の狭い市街地の住宅では今後多く用いられるようになるだろう。また、エレベーターが設置できない住宅も、階段に斜行型のリフトを取り付ければ、住宅の改造も大掛かりでなく、比較的安価な改善で上下移動が可能となる。

 

5)水平方向への移動

床移動型リフト:自分だけでは移動が困難な重度障害者を、通常2本のベルトで吊り上げ、室内を移動させたり、車椅子、ベッド、便所、浴室、といった各所における移動・移動動作を補助する機器である。原則として介助者が操作し、吊り上げや移動も手動による。介助者が高齢などのため、介助に負担が多い場合に使われることが多い。しかし、本機の移動用キャスターは小さく、移動範囲に少しでも段差があると移動できなく、畳では表面を傷める。

天井壮行式リフト:基本的には上記の床移動型リフトと同様の機能を持つものであるが、天井に走行レールがあり、移動、吊り上げともに電動で操作できる。リモコンスイッチによって、障害者自身が操作して利用できるが、操作性や安全面の不安などから実際には介助者が操作し、介助者の補助器機として利用されているケースが多い。設置場所はベッドから車椅子への以上に使うため、寝室のベッドまわりなどの居室内に限定していることが多い。しかし、居室から連続して便所や浴室への移動で使用したり、四肢麻痺者がリフトによって身体の一部を上げながら更衣動作を補助しているような使い方もみられ、利用方法に多くの可能性がある。

 

6)排泄

坐位保持困難者や便器への移乗が困難なケースは、ベッド上での排便やポータブルトイレを使用し、便器への移乗可能なケースやリフタ-などの移乗介助機器を設置しているケースではトイレにて実施している。天井走行型リフトを使用する場合は段差の解消は必要ないが、便座周りの手すりの高さは殿部があたらないように配慮する。車椅子やトイレットチェア-での進入は、段差解消、ドアの開き幅や種類などを車椅子の特徴や便座の形状・方向に合わせて進入経路を考慮したうえで決定する。便座への移乗は、ケースの移乗能力を考慮して設定する。また、トイレが狭く進入経路が確保できない場合や前方移乗が可能なケースは、身障者用便器を利用し、能力によってはプラットホームを設置するのも有効である。

 

7)浴室

体幹バランスの悪い比較的重度な四肢麻痺者でも、浴槽の縁を洗い場の床面と同じ高さにすると、坐位姿勢のままで浴槽に入ることができる。また浴槽底は、滑らないように加工されたマットなどを敷くといった考慮も必要である。

 

8)キッチンスペース

調理動作ができるものは、四肢麻痺者では比較的限られるが、調理動作は生活自立に重要な要件となるうえ、調理による精神的向上への効果ははかりしれない。多少の大掛かりな改造になっても台所を使えるようにすることは、生活において重要なことである。

車椅子使用者の利用するキッチンセットは、一般のものより高さを低くし、座った姿勢では身体を調理台に十分に接近できないので、調理台の下部は開けるように改造する。また使用しないときはキッチンワゴンなどをあいたスペースの中に収納するとよい。

 

9)ベッド

頚髄損傷者のためのベッドに要求される点は2つある。1つは、褥瘡予防ができ、安楽な睡眠が得られること、もう1つはベッド・車椅子間の移乗やベッド上での体位交換が楽に行なえることである。感覚障害がある場合の褥瘡予防には、エアーマットなどの圧力分散性の高いものを使用するか、介助者が夜間に頻繁に体位交換することが望ましい。しかし、前者はベッド面の不安定性から坐位やベッド上の移動が行ないにくくなり、後者は介助者の睡眠不足などの原因となり非常に大変なため、各自の移乗能力と褥瘡の好発部位や状況にあったマット類の選択が重要である。

車椅子・ベッド間の移乗が可能な場合は、ベッドに対して直角か側方に車椅子を位置して乗り移る方法を行なう。直角に位置する前方移乗の場合、車椅子とベッド間の隙間がないようにするが、困難な場合は移乗用ボードが必要となる。また、これらの移乗を行なう際、車椅子のずれを防止する車椅子用のストッパーなどが利用できる。

 

10)ガレージ

ガレージでの自動車の昇降で大事な点は「安全性」である。移乗はドアを全開にして行なうため、乗用車の場合には側方のスペース、リフト付きのワゴン車の場合には後方のスペースが必要である。また移乗前後の自宅への動線を考慮して自動車の駐車方向を検討する。駐車場には、排水性をよくするために路面に傾斜や溝をつける場合も多いが、移乗の妨げにならないようにすべきである。また、移乗動作に時間を要することが多いため、日よけ及び雨よけ用の屋根があると便利である。

 

11)コミュニケーション(環境制御装置:ECSを含む)

在宅の頚髄損傷者のコミュニケーション手段としては、電話やFAXや手紙が上げられる。電話は受話器ホルダーを使ったり、また持てなくても話せるものや呼気でかけられる電話もあるため、最も利用される手段である。一方、一般のFAXや手紙は手の不自由な頚髄損傷者には面倒なことが多いようだ。ところが最近のパソコンはFAXやパソコン通信、インターネットなどに接続できるソフトウェアやモデムが装備されており、ワープロソフトで作った文書をFAXや電子メールとして相手に送ることができるため、有効に使用する人も増えている。

ECSは、あらかじめ接続した電気機器を順次移動する表示器で確認しながら呼気スイッチなどで操作するものである。そのため電気機器の緊急性の高い順番に表示器に配置することが重要となる。そして電気機器の1つ季節に応じたものに割り当て、簡単に変更できるようにすることもある。またECSはチャンネル数に限りがあるため、テレビなどの電気製品に付属するリモコンも有効に利用する必要がある。その場合、リモコンの置き場所の工夫やリモコンの発信方向の調整が必要である。加えて、褥瘡予防のための体位交換やベッドの背もたれを変化させた際に、ECSのスイッチ操作やリモコンの位置に支障をきたさないように工夫すべきである。

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(^o^)参考文献

医療学習レポート.頚髄損傷と家庭復帰


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