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(⌒ー⌒)o脳卒中のリスク管理と合併症の話


(^O^)題名:脳卒中のリスク管理と合併症の話

●急性期合併症

合併症は生命予後の悪化と、リハビリテーション開始の遅れによる二次障害につながる。脳卒中患者の死亡原因は発症後1~2週は脳実質損傷や脳浮腫によるものが多く、それ以降は合併症による死亡が増える。

・肺炎:脳卒中急性期はベッド上での臥床時間が長くなりがちで、体位性の肺うっ血が胸背側に生じる。また、麻痺に伴い肺換気量が減り無気肺を生じやすいし、喀痰排出力は弱い。それに嚥下障害や免疫能の低下などが加わる。以上の因子が重なり、下気道感染症の併発は実に多い。

・体液バランス異常:加齢に伴いナトリウム保持能低下と尿希釈障害が潜在する。

・消化管出血:脳卒中発症後、2~3週以内に、上部消化管出血が起こりやすい。吐血や下血、貧血、血圧低下

・心疾患:冠動脈疾患や不整脈、心不全など、脳卒中のリスクは虚血性心疾患のリスクと重なるところが多いので、冠動脈イベントが合併しても不思議でない。

・高血糖:脳卒中急性期の高血糖は、血中カテコラミン放出が原因とされ、数トレスのあらわれである。

・排尿障害、尿路感染、便秘:脳卒中発症後数日以上にわたって排便が見られないことが多い。便秘は排便時の血圧上昇をいっそう強め、宿便となれば対応に苦労する事態となるため、4~5日となれば、摘便を施行。脳卒中急性期であっても、尿閉でもなければカテーテルを膀胱に留置しなければならないことは少ない。膀胱カテーテルが留置されることによって尿路感染症を起こしやすくなる。

▫留置導尿に替えて間欠導尿への導入へ

▫膀胱収縮があれば、尿器、オムツ、時間排尿

・痙縮:気導の確保に留意、重積状態にはジアゼパムをゆっくり静注。

 

<廃用症候群>

廃用症候群の定義:『長期臥床などで活動しなかったり、ギプスその他で固定されていることで生じる合併症である筋萎縮、関節拘縮、骨萎縮、心肺機能や消化機能の低下とともに、知的・精神機能の低下なども認められることがある。』である。

廃用症候群の原因:寝たきりの原因として、身体的要因、心理的要因、環境的要因がある。身体的要因は病気、外傷による過度の安静、加齢変化である老衰、慢性疾患などによる運動障害などである。心理的要因には、意欲の低下、障害の受容ができていないことがあげられる。環境的要因には、人的、物理的、社会資源の要因がある。人的な要因とは、介護者の有無、および介護方法の問題である。

廃用症候群の症状:廃用症候群の症状は“安静の害”として出現し、筋骨格系、呼吸循環系、消化器系、泌尿器系、神経系など多くの組織の異常として出現する。具体的な症状として、骨萎縮(骨粗鬆症)、筋萎縮(筋力低下)、関節拘縮、呼吸循環機能低下(体力低下、起立性低血圧、浮腫、沈下性肺炎、血栓性静脈炎)、褥瘡、消化器障害(食欲低下、便秘)、精神神経障害(痴呆、協調運動障害)、泌尿器障害(失禁、尿路感染)、その他(肩などの痛み)がある。

脳卒中と廃用症候群:脳卒中片麻痺の早期理学療法の目的は、安静臥位に伴う二次的な廃用症候群の予防にある。それは、①それまで持っていた呼吸、循環、筋力などの生理的機能や精神的機能の低下を予防することと、②肺炎、褥瘡、拘縮などのような新たな問題の発生を予防することである。片麻痺患者の身体活動水準は低下している場合が多く、常に廃用性の体力低下や筋力低下が起こる危険性が存在している。特に筋力に関しては、麻痺側・非麻痺側ともに筋力低下や筋萎縮を起こしやすい。いずれも日常の身体活動量の影響が運動麻痺の影響よりも大きく、体力・筋力の維持・向上のために身体活動量の確保は必須である。

麻痺側の画一的な運動の繰り返しは拮抗運動方向への可動域の減少を招きやすい。また、四肢の末梢部は痙縮の影響を受けやすく、管理が不十分だと拘縮の原因となる。さらに、常にバランスをとるために力むため、健康なときとは異なり画一的な姿勢をとっていることが多い非麻痺側でも関節可動域制限をおこす危険があり、注意が必要である。このほかにも、骨萎縮や起立性低血圧、褥瘡などが廃用症候群として上げられる。活動性の改善は、二次的におこるこれらの問題の予防のためにも必要である。

二木らは発症後30日以内の早期に入院した患者群とそれ以後の入院患者群との比較で、早期に開始すれば二次的筋・骨格・関節障害は100%防げるとした。また、二次的障害の発生は年齢の影響を非常に受け、高齢者ほど早期から二次的障害が出現し、70歳以上では理学療法開始が1ヶ月遅れただけで、合併症が4割起こってしまうと述べた。

 

●二次的合併症

①拘縮(contracture)

定義:皮膚、筋などの関節構成体以外の軟部組織(軟部関節構成体)のびょお右偏によって起こる関節の固定または運動の制限。持続的に関節が強制位をとり、軟部組織収縮(短縮)のため関節機能が減少するか、全く消失したもの。

種類:皮膚性拘縮

結合組織性拘縮

筋性拘縮

神経性拘縮

 

②異所性骨化(ectopic ossiffication)

定義:解剖学的に骨が存在してはならない部分に新生骨形成を見る場合を言う。

誘因:関節部の乱暴な取り扱いによる外傷(内出血から慢性炎症へ移行)

好発部位:股関節>膝関節>肩関節>肘関節

 

③肩手症候群(shoulder hand syndrome)

定義:肩と手の疼痛性運動制限と手の腫張(発赤を伴う)・痛みを主徴とする反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)の一種である。原因の明らかでない突発性のものもあるが、臨床的に見られる本症候群の多くは、片麻痺、心疾患、頸部脊椎症、上肢の外傷などに続発する。重症例では上肢機能は廃用(廃用肩、廃用手)となる。

症状:急性期では手部の腫張・熱感・発赤、手指の運動時痛を伴うことが多く、慢性期では手指の関節拘縮と筋萎縮を伴うようになる。

発症時期:発病から3日目~6ヶ月(7割程度は3ヶ月までに発症)

 

④起立性低血圧(orthrostatic hypotension)

定義:判定基準は臥位から起立位をとったときの収縮期圧の低下が20~30mmHg以上である。

症状:臥位から坐位あるいは立位に体位を交換する際、脳血流を一定に保てず低血圧症状を起こし、高度の場合は失神をきたすこともある。

低血圧症状は顔面蒼白、頭痛、めまい、立ち眩み、冷汗、生欠伸など。

 

⑤肩関節亜脱臼

定義:関節を構成する骨の関節面がずれて正常な位置関係ではないが、一部はなお接触を保っている。

原因:三角筋だけでなく棘上筋の筋緊張の低下や筋力低下が原因とされる。

 

(3)外科治療とリスク管理

脳梗塞症例は発症直後血圧が上昇している症例が多いが、このような症例に対しては血圧は下げない方が良い。しかし、術後は正常血圧が望ましい。そのほかの詳細は『7.治療』の項に載せてある。

 

●PTのリスク管理

外科治療においては術前の脳梗塞患者に対する注意事項は、意識状態・麻痺の変化に注意。術後患者において、術後一週間以内は特に意識状態やバイタルサインに注意を払うべきである。一般的な注意として頸部頚動脈の手術後は起立性低血圧を生ずることがあり、仰臥位から坐位になる場合血圧が20mmHg以上低下する場合はリハを中止する。理学療法を実施するにあたってはリハの中止基準を知っておく必要がある。脳血管障害患者のリスク管理では、アンダーソン・土肥の中止基準が広く用いられている。

また、過用症候群といわれる、訓練をしすぎることによる筋の障害や腱の微小な断裂などを引き起こし、逆に筋力低下をきたすこともあるため、注意を要する。

さらにintensive rehabilitationという言葉に表されるように、脳卒中早期リハビリテーションにおいては、従来のようにまったく病状が安定してからリハビリテーションを開始するのではなく、発症直後であるためリスクが高く、各種モニターが必要なにもリハビリテーション医が関わり積極的に行っていくべきである。

理学療法におけるリスク管理は

・理学療法施行時の管理

・施行直後あるいは後日生じてくる悪影響の管理(廃用症候群や過用・誤用症候群)

・理学療法の成果を日常生活に還元させる際の生活指導における管理

の3つに大きく分類できる。

(;¬_¬)参考文献

医療学習レポート.脳卒中のリスク管理と合併症


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