スポンサード・リンク

(*^▽^)縦隔腫瘍と看護計画の話


(p_-)題名:縦隔腫瘍と看護計画の話

 縦隔内に発生する腫瘍と嚢種である。通常、縦隔内管腔臓器(心臓、大血管、気管、食道)や横隔膜から発生するものは含めない。胸腺、甲状腺、リンパ節などに由来するものが主である。その種類は多様であり、悪性度もまちまちである。胸骨角と第5胸椎の上縁を結ぶ水平面で上縦隔と下縦隔に分け、気管・気管支前額面から心膜前後を通る曲面で前縦隔と後縦隔、心膜腔の部分を中縦隔とし、発生部位を大別する。発生部位と組織型には強い関連性がある。縦隔の部位と好発する腫瘍を以下に示す。

 1.前縦隔

胸腺腫、奇形腫(胚細胞性腫瘍)、縦隔内甲状腺腫

 2.中縦隔

リンパ腫、先天性嚢胞

 3.後縦隔

神経原性腫瘍

良性腫瘍の場合は緩慢に発育するので長期間、無症状であることが多い。腫瘍の増大や悪性変化に伴って、圧迫症状が出現し予後不良となる。悪性化した場合、ほとんど一年以内に死亡する。縦隔腫瘍の中では、胸腺腫の発生頻度が最も高い。胸腺腫は悪性変化の頻度が高く、重症筋無力症を合併することがある。胸腺腫に重症筋無力症が合併する頻度は30%である。逆に、重症筋無力症に胸腺腫が合併する頻度は、30%である。

 縦隔には、心臓、大血管、気管、食道などの生命と直結する重要な臓器があり、腫瘍の発生・増大によって、これらの臓器を圧迫し重大な影響を及ぼし、予後は極めて不良である。縦隔腫瘍は自覚症状に乏しく、発見された頃には腫瘍が増大・悪化し、種々の圧迫症状、随伴症状が出現していることも多い。患者には圧迫症状・随伴症状による苦痛、症状に伴う悪化への予期的不安、生命への危機感や手術への不安があると考えられる。逆に、自覚症状がほとんどなく、検診により発見された場合では、聞き慣れない病名から疑心暗鬼となる可能性がある。いずれにしても、患者・家族の受け止め方を知り、疾患・手術への不安が軽減され手術に臨めるよう援助していくことが重要である。また、腫瘍の増大に伴う圧迫症状・随伴症状による苦痛や増悪防止への援助、生活行動範囲の縮小やセルフケアの低下への援助、術後合併症予防への援助が必要である。

●症状

 一般に自覚症状は少なく、検診などで発見されるまで無症状のことも多い。しかし、腫瘍の発生部位と増大・悪性変化に伴い、周辺臓器への圧迫症状が出現する。また、腫瘍によっては特殊な随伴症状を伴う。

 1.一般症状

食欲不振、倦怠感、体重減少、発熱など

 2.圧迫症状

腫瘍の大きさ、浸潤性の有無に関連する

  1)呼吸系症状

咳嗽、胸痛、呼吸困難、胸膜炎の併発による諸症状がある

  2)循環器系症状

上大静脈圧迫による顔面・上肢の浮腫、頸部・上胸部の静脈怒張、チアノ-ゼがある

下大静脈圧迫による肝腫大、腹水、下肢浮腫がある

その他、心タンポナ-デ、不整脈をみることもある

  3)消化器系症状

食道の圧迫による嚥下障害がある

  4)神経系症状

胸背部痛、胸部圧迫感がある。反回神経麻痺による嗄声。交感神経麻痺によるホルネル症候群(眼裂狭小、瞳孔縮小、眼球陥没)。横隔神経の圧迫刺激による吃逆や横隔膜麻痺による横隔膜挙上。肋間神経の圧迫による放散痛、胸痛。脊髄圧迫による麻痺症状が上げられる。

 3.特殊症状

縦隔腫瘍のなかには特殊な随伴症状を示すものがある

  1)胸腺腫

重症筋無力症が合併している場合は、筋無力症状として、眼瞼下垂、複視、嚥下障害構音障害、四肢脱力がみられる。赤芽球癆が合併している場合は、高度の貧血がみられる。その他、クッシング症候群、低γ-グロブリン血症が合併している場合がある

  2)神経性腫瘍

高血圧及びそれによる頭痛、心悸亢進が見られる

●検査

 X線検査で発見されることが多く、圧迫症状・随伴症状から選択的に検査を行う

 1.X線検査

単純撮影、食道透視、気管支造影、心血管造影、食道造影、CT、MRI

 2.内視鏡検査

縦隔鏡、気管支鏡、食道鏡

 3.RI検査

67-Ga、201-Tl、123-I

 4.超音波検査

 5.組織学的検査

針生検、リンパ節生検、試験開胸

 6.生化学検査及び血液一般検査、各種腫瘍マーカー

●治療

 良性と考えられても、腫瘍の増大により圧迫症状や悪性変化をきたしやすいので手術療法が望ましい。しかし、摘出不能や不完全摘出では化学療法や放射線療法を行う。

 1.手術療法

前縦隔腫瘍に対しては胸骨生中切開による腫瘍摘出術、後縦隔腫瘍に対しては後側方切開による腫瘍摘出術を行う。縦隔腫瘍は多様であり、術前に確定診断(組織診断)されにくく、術中迅速病理診断によって、最終的な術式が決定されることもある。腫瘍が血管、胸膜あるいは肺、神経へ浸潤している場合には合併切除を行う。

胸腺腫では、拡大胸腺摘出術を行う。重症筋無力症では、胸腺腫がなくとも胸腺摘出を行う場合が多い。

 2.化学療法

組織型に応じて行う。悪性リンパ腫には抗癌剤、副腎皮質ホルモンを投与する。重症筋無力症を合併する胸腺腫には抗コリンエステラーゼ薬、副腎皮質ホルモン、免疫抑制剤を用いる。血漿交換療法

 3.放射線療法

摘出不能や不完全摘出で術後再発が考えられる場合に行う。胸腺腫は、術後再発が多いので術後照射を行う。

●看護計画(術前)

 縦隔腫瘍は大きくならないと自覚症状が現れない。ここでは胸腺腫のことを述べる。症状は、貧血、眼症状(眼瞼下垂、複視、持続開眼時間の短縮)、球麻痺症状(嚥下困難、流涎、咀嚼困難、呼吸困難、言語不明瞭)、筋力(上肢挙上の持続困難、握力低下、四肢脱力感)、その他クッシング症候群、低γ-グロブリン血症がある。
患者は症状からくる苦痛、悪化への予期的不安、生命への危機感や手術への不安、また聞き慣れない病名から疑心暗鬼となる可能性がある。以上のことから、患者・家族の疾患手術などの受け止め方を知り、不安が軽減された状態で手術に臨めるよう援助していくことが重要である。また腫瘍の増大に伴う圧迫症状・随伴症状による苦痛や増悪防止への援助、生活行動範囲の縮小やセルフケアの低下への援助、術後合併症予防への援助が必要である。

●看護計画(術後)

 胸腺摘出後の早期の合併症としては、出血、呼吸パターンの変調、呼吸器合併症に注意する。

(* ̄○ ̄)参考文献

医療学習レポート.縦隔腫瘍と看護計画


スポンサード・リンク