スポンサード・リンク

(^◇^)球麻痺症候の話


「球麻痺症候」の画像検索結果

①概念

球麻痺(真性球麻痺):延髄から出る運動性脳神経orそれにより支配される筋群の麻痺をいう。

偽性(仮性)球麻痺:上位運動ニューロンである皮質延髄路の病変による核上性障害をいう。

主症候はいずれも構音障害と嚥下障害。

咀嚼筋を支配する三叉神経運動枝や顔面筋を支配する顔面神経も一緒に障害されることもある。

 

②球麻痺

構音と嚥下障害:脳神経のⅨ(舌咽神経)、Ⅹ(迷走神経)、ⅩⅡ(舌下神経)の主として両側性病変(核の病変も含む)ないし、咽頭筋、舌筋の病変で起こる。咀嚼筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋麻痺を伴うこともある。

発語は不明瞭。抑揚が乏しい。音量は小さく、鼻声または嗄声となる。

嚥下困難。初めに固形物が飲み込みにくくなる→やがて流動物も飲み込めず、鼻腔への逆流が見られるようになる。肺への誤飲も起こりやすい。

脳神経病変⇒舌の萎縮。繊維束性収縮を認め、挺舌も困難に。咽頭反射、下顎反射も低下or消失する。

球麻痺の原因疾患は表に示す。

 

③仮性(偽性)球麻痺

皮質延髄路は延髄の疑核(舌咽・迷走神経の運動核)と顔面上部を支配する顔面神経核に対しては両側性支配で、これらの核は交叉、非交叉の線維を半々に受けているので一側の病変では出現しない。これに対し、舌下神経核と顔面下部を支配する顔面神経核に至るものは大部分が交叉性であるため、一側病変でも症状が出現する。したがって、明確な構音・嚥下障害を呈する仮性球麻痺は両側皮質延髄路に病変がないと出現しない。

非交叉の線維を半々に受けているので一側の病変では出現しない。これに対し、舌下神経核と顔面下部を支配する顔面神経核に至るものは大部分が交叉性であるため、一側病変でも症状が出現する。したがって、明確な構音・嚥下障害を呈する仮性球麻痺は両側皮質延髄路に病変がないと出現しない。

球麻痺とは違い、構音障害は軽いものでは低音で音量が小さく不明瞭で球麻痺と似ている。が、漸次円滑さを欠き、音量調節が悪く、うなったり叫んだりする力の入った努力性発語となり、ときに吐き出すような初語になる。

嚥下障害も初めは液状物の方が飲みにくくなる傾向がある。些細な刺激で急に感情を伴わずに泣いたり(強制泣き)、笑ったり(強制笑い)する情動失禁が見られる。

 

・球麻痺と仮性球麻痺の原因となる主な疾患

球麻痺(真性球麻痺) 仮性(偽性)球麻痺
筋疾患…先天性筋ジストロフィー筋強直性ジストロフィー、多発筋炎

重症筋無力症

下位運動ニューロン病変

筋萎縮性側索硬化症*

球脊髄性筋萎縮症

ウェルドニッヒ・ホフマン病

ギラン・バレー症候群

延髄病変…脳幹脳炎、延膜炎

ワレンベルグ症候群

実質内および周辺の腫瘍

脳血管障害…両側性脳出血・脳梗塞

多発性脳梗塞

変性疾患…進行性核上性麻痺

多系統萎縮症

筋萎縮性側索硬化症*

脱髄性疾患…多発性硬化症

その他…脳炎、脳梅毒、脳腫瘍、正常圧水頭症など

 

*複合型球麻痺

 

・球麻痺と仮性球麻痺の相違点

球麻痺 仮性球麻痺
病変部位 脳神経Ⅸ、Ⅹ、ⅩⅡor舌、咽頭筋 両側性皮質延髄路
構音障害嚥下障害

舌萎縮

情動失禁(強制泣き・笑い)

下顎反射

口とがらし反射

低音、単調、鼻声、嗄声先に固形物が障害されやすい

あり

なし

 

低下

なし

音量調節不全、努力性でうなり叫ぶ先に液状流動物が障害されやすい

なし

あり

 

亢進

あり

「球麻痺症候」の画像検索結果


スポンサード・リンク