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(○゚▽゚○)変形性膝関節症の話


(^0_0^)題名:変形性膝関節症の話

 関節構成体とくに関節軟骨の破壊性疾患で、関節に加わるいろいろな負荷とこれに耐える関節の受容力の不均衡により、関節全体に退行性変化と増殖性変化を起こし症候性となった状態である。
関節軟骨は硝子様軟骨で、その基質はプロテオグリカン、水、コラーゲンからなっている変形性関節症は、軟骨のコラーゲン繊維の破壊やプロテオグリカンの軟化、消失などによって発生するが、その原因は様々で全身的因子、加齢的因子、体質的因子、機械的因子、局所的因子、環境的因子などがある。また、たんに加齢(退行性変性)に基づくものであるという考え方と、加齢的変化とは独立したものであるという考え方がある。いずれにしても原因は単一ではなく、加齢的因子を含めて数多くの因子が相乗して変形性関節症という一つの病態をつくりあげている。特に膝関節症は、複雑な構造と運動機能を有する荷重関節のため、中年以降の関節疾患として最も頻度が高いといえる。
膝関節に既存障害がまったくなく生じたものを一次性または原発性変形性膝関節症といい、以前に外傷や半月板損傷などなんらかの障害があり、それに続発したものを二次性または続発性変形性膝関節症という。一般に、たんに変形性膝関節症という場合には、一次性をさすことが多い。一次性は加齢的変化として発症し、肥満、内反膝、過激な労働などの静力学的な荷重の増大によって発生しやすい。

病態アセスメント

 変形性膝関節症の原因は様々であり、また徐々に発症し進行性の経過をたどる。しかもその症状は長時間にわたって持続し、患者の苦悩は大きく、屈折した心理状態にあることが多い。ことに慢性の疼痛に悩む患者は、疼痛が性格に影響を与えるだけでなく、患者の性格が痛みの現れ方を修飾することが少なくない。このような患者の心理を理解し、個々の患者の性格にも注意を払うことが必要である。また高齢者が多いため、内科的合併症の有無や歩行障害によるセルフケア不足の状態を理解する。

症状

 自覚症状

1.疼痛

 患者の訴えが最も多いのは疼痛である。特に初期の場合は、動作開始時痛といわれ、立ち上がりなどの動作を始めたときに疼痛があり、動作を続けていると疼痛が軽快または消失する。症状が進行するにしたがい動作中の疼痛に変わる。日本人の場合はO脚が多いので、荷重痛は関節の内側部に最も強い。大腿膝蓋関節症の場合は、坂や階段の昇り降りで大腿膝蓋関節、膝蓋骨周辺に疼痛を訴える。

2.腫脹

 腫脹があると関節のこわばりを訴えることが多い。

3.運動障害

 疼痛や拘縮により膝関節運動が障害される。

4.変形

 特に内側型(大腿脛骨関節の内側が主に変形する)では、O脚変形が多い。

5.異音

 関節運動時に音を発する。疼痛を伴うことも伴わないこともある。

 他覚症状

1.腫脹

 関節水腫と滑膜肥厚(増殖)によるものがあり、変形性膝関節症の場合は前者によることが多い。膝蓋跳動を認め、通常、関節穿刺により腫脹は消失する。関節液は淡黄透明色である。時には膝蓋下部を中心に滑膜脂肪体の腫脹、増殖を見ることもある。

2.圧痛

 関節裂隙、とくに内側関節裂隙から前内側膝蓋部にかけて圧痛を認める。大腿膝蓋関節症の場合には、膝蓋骨後面(関節面)に圧痛がある。

3.轢音

 膝関節を動かすと関節内で雑音がする。膝関節前面にあてた手掌にこの雑音を感ずることもあり、また周囲の人に聞こえるほど大きな音を出すこともある。この雑音と病態とは必ずしも一致しない。

4.屈曲拘縮

 病態が進行すると膝関節の完全伸展が障害されるようになる。伸展を強制すると疼痛を訴える。

5.動揺性

 変形性変化がかなり進行した場合でも前後方向の動揺性はみられないが、側方動揺性は著名となる。この動揺性は主に骨の形態変化によるもので、若年者にみられる靭帯性動揺とは異なる。

6.変形

 日本では85%以上に内反変形(O脚)がみられるが、欧米では逆に外反変形(X脚)を呈することが多い。内反変形には通常、脛骨中枢部の外旋変形を伴っている。また屈曲拘縮があると屈曲変形を呈する。内反変形では大腿脛骨関節の内側関節面の負荷が増大し、内側関節面の破壊が進行するためにさらに内反変形が増大するという悪循環がある。

検査

  • 関節穿刺
  • 単純X線撮影
  • 断層X線撮影
  • 関節鏡
  • CTスキャン
  • 生化学検査及び血液一般検査
  • 動脈血ガス分析(術前・術後酸素投与終了後)
  • 術前の肺機能検査
  • 肺血流スキャン・肺換気スキャン(術前・術後)

治療

 1.保存的療法

 日常生活動作指導、食事療法による体重のコントロール、自宅で行う膝関節筋群(大腿四頭筋など)強化訓練、杖・サポーター・装具・足底板の使用、理学療法、消炎鎮痛薬の投与、ステロイド剤関節内注入など。

 2.観血的療法

 関節内デブリドマン(滑膜切除、半月板トリミング、骨棘切除、軟骨形成)、脛骨高位骨切り術(HTO)、補形的関節形成術、人工膝関節置換術(TKA)など。

 TKA

 関節破壊の強い汎関節型変形性膝関節症で保存療法が無効な症例に対しては、TKAが適応となる。近年、膝関節のバイオメカニクスの研究と素材の進歩により、骨切除が少なく、正常な膝関節に近似した運動を誘導する人工関節も開発され、術後成績も安定するようになったが、原則的には60~65歳以上の高齢者が適応となる。慢性関節リウマチ(RA)が基礎疾患にあり、関節破壊が進行して重大な機能障害により日常生活が困難な患者にとっては、この手術療法は大きな福音である。

術後(TKA)の経過と管理

 手術後は膝関節の動揺消失時(約2週間)までKnee braceを装着する。術後3日間のベッド上安静の後にリハビリ(可動域訓練、筋力増強訓練)を開始する。安静度もその頃より拡大し車椅子許可となる。可動域訓練の一つのCPMは医師の指示のもと0°~60°程より開始する。歩行器歩行は3週目から、またT字杖は4週間目から開始となりその頃に退院となる。

 1.精神的サポート

 術直後より注意しなければならないのは、TKAを受ける患者は高齢者が多く、その場合一度寝込むと急速に体力が低下し、刺激がないといわゆるボケの状態になりやすい。刺激を与え、目標を持つようにして、意欲をかりたてるように努めることである。

 また、リハビリが開始となる時期はまだ腫脹があり、疼痛の訴えも強いため、運動への意欲を失いがちになるので、介助をしながら激励し積極的に運動が進められるようにする。

 2.疼痛の管理

 術後の疼痛は、個人差が大きいが、創部の痛みに加え、Knee brace固定やスポンジによる患肢挙上での体動制限が原因となることも多い。特に高齢者の場合は、疼痛は心血管系に負担をかけ、血圧の上昇や不整脈を誘発することもあり、十分な除痛が望まれる。最近では、手術時に硬膜外カテーテルを留置し、術後に持続的に麻酔薬を注入することが多く効果的である。

 3.ドレーンの管理

 術後の出血を少なくするために、術直後から2時間は指示によりドレーンをクランプして置くことが多い。その後クランプを解放するがその時の圧の設定も医師の指示に従い、出血量に注意する。

 4.創部の管理

 ドレーンをクランプしているときは、創部よりの出血に注意しガーゼ汚染の有無をチェックする。また感染には十分に注意し、ガーゼ交換時の滅菌操作、ドレーンの管理、清潔保持に努める。手術創の観察をし、発赤・浸出液の有無をチェックする。

 5.呼吸器系の管理

 術後に生じる動脈血酸素分圧の低下は、肺塞栓症が考えられ、低酸素血症につながる場合もあり注意を要する。

 6.患肢の観察

 足背動脈を触知し、皮膚色、皮膚温を観察する。Knee braceなどにより腓骨小頭が圧迫されていないか確認し、患肢の痺れの有無、母趾・足関節の背屈が可能かチェックする。また下腿や膝の異常な腫脹に注意する。

術後合併症

 1.肺合併症(肺塞栓症)

 低酸素血症の原因は明らかではないが髄内ロッドの使用やタニケットの解放により肺に微小塞栓が起こり、血流が途絶えるための死腔効果以外にも血管の攣縮や気管支の攣縮によって換気、血流比の不均衡が生じるためと思われる。従って、常に術後の低酸素血症に注意し、その対応に遅れを取らないようにする必要がある。

 2.静脈血栓

 下肢の静脈血栓は、骨盤、股関節、下肢の手術の後で起こりやすい。下肢の静脈血栓を予防するには、手術直後から足部の運動を積極的に行わせ、静脈血の鬱滞を防ぐことが大切である。足背動脈微弱、下腿以下の皮膚温の低下などに注意する。

 3.感染

 感染の予防には術前・術中・術後をとおして最大の注意をはらう必要がある。抗生物質の予防的な投与が5~7日間行われることが多い。それでも感染を完全に予防することはできないので、術後の発熱と疼痛が異常に長く続くときは、感染の疑いのもとに適切な処置が取られなければならない。

 いったん感染を起こすと長期間の抗生物質の与薬や局所の持続洗浄、再置換が必要となって、患者に大きな損失を与えることを認識すべきである。とくに慢性リウマチ患者の場合は、副腎皮質ホルモン剤を使用しているため、抵抗力が弱いので配慮を要する。

 4.腓骨神経麻痺

 長時間の腓骨小頭の圧迫などにより発症する。患肢の外旋予防に努め良肢位を保持し、またKnee braceの支柱による圧迫を防ぐ。

 5.人工関節のゆるみ(退院後)

 体重負荷時の疼痛、支持性の悪化などが現れる。予防のため、体重の調整をはかる、杖を使用する、重量物の運搬を避けることを注意し、定期的に受診させる。

看護計画(術前)

Ⅰ.病態アセスメント(術前)

 全身麻酔で手術が行われることが多いため、全身状態の評価が必要である。高齢者も多いので、一般状態、諸検査の結果より、内科的疾患の合併の有無について十分観察し既往歴や機能の低下には十分注意する。
変形性膝関節症は、中年期以後の女性が多く、肥満傾向にある人が多いので、まず体重調節の必要性を理解させることが大切である。
変形性膝関節症やRAは、膝関節の腫脹・変形・疼痛を伴うため、ADLに支障をきたしやすい。そのため、生活行動や身体・精神面への影響を把握することが大切である。末期症状である歩行障害や変形、年齢からくる筋力低下がみられるため、術前の運動機能を評価し把握することが大切である。
RAは、易疲労性、食思不振、貧血、微熱などの症状がある。摂食状況と倦怠感、疲労感などの自覚症状を把握する。客観的な評価指標として、体重の変化や血液検査に着目する。

看護計画(術後)

Ⅰ.病態アセスメント(術後)

 股関節の術後に比べ、早期に離床できるのが特徴である。しかし、手術の対象者が高齢者に多いため、呼吸状態の観察が重要である。
膝関節の支持性の増大と疼痛の軽減を図るために、大腿四頭筋の筋力増強訓練が有効である。また、膝関節への荷重を軽減するために体重コントロ-ルが必要である。
術後は、筋力トレ-ニングや体重減少のための努力が継続され、積極的な姿勢で取り組むことができるように援助していくことが大切である。さらに、RA既往の患者も多く、感染を予防するための観察と看護が大切である。

(^_-)参考文献

医療学習レポート.変形性膝関節症


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