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( ☆∀☆)半月板損傷と運動療法の話


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( *´艸`)題名:半月板損傷と運動療法の話

●解剖

関節半月は、多くの膠原線維質と、軟骨様細胞をもつ結合線維からなっている。これらの膠原線維には、2つの走行が目立って認められる。より強力な方の線維は半月の形にしたがって付着部の間を走っている。弱い方の線維は、ある想定された中心に対して放射状に走り、上記の縦走線維と交織している。軟骨細胞に似た細胞はたいていは半月の表面近くに見られる。半月は、横断面では内部に向かうにつれて扁平になっている。半月の外面では関節包の滑膜と癒着している。半月はしかしながら、その支台つまり脛骨に対しては可動性を示す。血管支配は中膝動脈と下膝動脈によって行われ、これらの動脈は一緒になって半月周囲の辺縁動脈弓を作る。

●内側半月

半月状で内側側腹靭帯と癒着している。その付着部は比較的互いに離れている。この半月は前よりも後ろの方が広い。内側半月は外側半月に比べはるかに可動性が少ない。下腿外旋の際、内側半月は最も強くずれ動きに無理に引っ張られる。しかし、内旋時には負荷は免れる。

●外側半月

ほぼ環状を呈する。その付着部は互いに近接しており半月の幅も大体同じである。外側半月は内側半月に比べ可動性が大きい(外側側副靱帯と癒着していないため)。この半月は可動性が大きいために種々の運動に対しても負荷は僅かである。半月の後角から一つまたは二つの靭帯が出て、大腿骨の内側顆へいく前半月大腿靭帯がそれで、それぞれ後十字靭帯の前と後ろにある。

 

半月板の機能

1.半月板を衝突から保護する。

2.関節形状の適合を良好にし、安定性に寄与する。

3.大腿骨と脛骨の形状不適合を補い、可動性をよくするワッシャーの役を果たす。

4.潤滑を良好にする。

 

半月板損傷

成人に起こる膝内症のうちで最も一般的なものである。半月板が損傷されるのは必ずしもスポーツ活動中とは限らないが、発症または症状増悪はスポーツ中に多く、スポーツ活動の支障となることが多い。半月板損傷の正確な頻度は明らかではないが、スポーツ外傷を母集団にとると、全外傷の0.2%となっているが、膝内症(0.2%)と膝靱帯損傷(0.4%)に合併するものを加えれば、もっと頻度は高いと思われる。

半月単独損傷は165半月、前十字靱帯と合併するものが145半月と極めて多くなっている。また半月損傷を伴わない前十字靱帯損傷は37例とむしろ少数である。内側半月損傷は159半月、外側半月損傷は176半月であり、外側がわずかに多い。内側半月損傷の78%、外側半月損傷の25%に前十字靱帯損傷の合併がみられる。半月板損傷に合併する前十字靱帯損傷の頻度は、施設により、また診断率によって変わってくるかもしれないが、半月板損傷をみたならば前十字靱帯損傷の有無を必ずチェックしておかなければならない。

半月板損傷の治療方法は近年大きく変化した。過去絶対的な治療法であった関節切開法による半月(亜)全切除術が、鏡視下部分切除術にとってかわられ、さらには半月の修復機転が解明されるにつれて、修復術あるいは保存療法が部分的にではあるが臨床的に行われるようになってきた。

 

半月板損傷の受傷機転

膝の屈伸時に半月板は前後にわずかながら移動するが、最大屈曲位近くでは、半月板の後方は大腿骨顆と脛骨上端に挟まれる。このままの屈曲位で大腿骨が内旋されれば、内側半月板の後角は膝の中心の方向へ押しやられるので、急に立ち上がるなど膝が伸展されれば、半月板は中央に引っ張られるため、辺縁部に断裂が生ずる。これが後角の辺縁断裂(marginal tear)である。内側半月板は内側側副靱帯後方と密に連結しているので、移動の比較的自由な外側半月板よりもこの種の断裂が起こりやすい。

半月板は脛骨に付着していて、大腿骨が上方から力を加えるようになるので、まず半月板の下面に断裂が起こる。また大きいものほど損傷を受けやすく、とくに円板状半月の場合がこれに該当する。

外側半月板の場合は上記と逆に、屈曲位で大腿骨が外旋したときに半月板後方が膝の中央に押しやられるが、外側半月板の移動性が大きいので縦断裂は起こりにくい。この状態から膝を伸展すると半月板は前後に引きのばされ、中心近くの横断裂か斜断裂をきたす。

結局のところ屈伸と内・外旋が半月板損傷の成立に重要である。屈曲位から伸展位になるときに大腿骨はある程度内旋するが、実際には脛骨は地面に固定されていて、大腿骨の急な内旋、外旋に半月板がついていけないためである。

半月板損傷は動きの激しいスポーツ活動によって受傷することが多い。その種目はバスケットボール、器械体操、サッカー、野球、テニス、柔道などジャンプ‑着地、ひねり、カット・サイドステップ、ストップなどスポーツ特有の上・下、左・右、前・後方向への急激な動作を伴う種目では何の種目でも起こりうるといえる。

前十字靱帯損傷がジャンプ‑着地に多いのにくらべ、半月板損傷ではひねり、内・外反の要素が強いようである。半月板損傷はスポーツ動作以外でも当然起こり、段差を踏み外したり、道の凹凸に足をとられたり、あるいはしゃがみこんだ位置から急に立ち上がる時バランスをくずして捻ったりした場合など、荷重された膝にひねり、あるいは内・外反などが加わったときに起こりやすい。

屍体膝で屈曲角度、回旋角度を変えて荷重し、実験的に半月板損傷を作り出した実験では、伸展位、屈曲位では内・外側半月板損傷の頻度はほぼ等しいが、浅い屈曲位では外側半月板損傷が内側のそれの4倍であった。また伸展位では前節に、屈曲位では後節に損傷が多く、内・外旋では半月板損傷の発生に差がなかった。

 

臨床症状・所見

1)疼痛

半月板損傷は内側または外側関節裂隙に疼痛を覚えることは当然であるが、円板状半月の場合は疼痛よりも後述する運動制限やclickのほうが愁訴の主体となる。急性期の関節血腫または慢性期の関節水腫、滑膜炎の合併があれば自発痛、鈍痛、安静時痛もあるが、一般には運動時痛であり、多くは屈曲、回旋の動作時に疼痛があり、患者もそれを熟知している。また靱帯損傷、関節内骨折などの副損傷がある場合には、そのための症状も加わるため複雑な愁訴となる。中年以降の症例では変形性膝関節症を合併してくるため、歩行時痛、階段の昇降時痛など、さらには正座ができないなどの疼痛が加わってくることがあるので鑑別が重要である。

2)嵌頓症状 locking

半月板損傷では最も主要な症状の1つである。通常は運動時、損傷端が大腿骨関節面と脛骨関節面の間に急に挟まれて完全伸展不能となる。初回の外傷時には必ずしもlockingはないが、これは最初の損傷が後方のみに限られているためである。数回の損傷を繰り返すうちに次第に損傷部は前方に拡大して、断端は関節内を移動し、関節裂隙の中央より前方にて大腿骨と脛骨の関節面に挟まれて膝の伸展が制限される。Smillieの統計では、1,000例中595例にはlockingの既往がなく、残りの40%のうち178例は初回の膝損傷時にlockingの発生を認め、227例は初回にlockingはなく、その後の何回かの再損傷時に発生したとしている。

3)膝くずれ giving way

凹凸道や歩行中の急な回転時に、半月板損傷端が大腿骨と脛骨間に挟まり、膝くずれの感じがするものと考えられる。大腿四頭筋筋力の低下している症例にみられる。半月板損傷では重要な症状の1つである。

4)関節水腫と腫脹

膝関節の腫脹、関節水腫(血腫)は最初の損傷時にはほとんど必発する。これは半月板そのものの損傷よりも滑膜や靱帯との付着部の損傷によるものである。九性期に来院して、関節水腫(血腫)による膝蓋跳動を触知しない場合は関節外出血が考えられる。

5)弾発現象 click, snapping

外側円板状半月に起因するものが多く、膝屈伸の際、大腿骨顆部が不整なものの上を越えていくときに、なめらかでない動きまたは振動を触知するか、あるいは音として聞く。ときにはなめらかでない動き(弾発現象)を観察できる。通常、患者は「膝に軋音がある」、「振動を感ずる」などを愁訴として来院する。この場合疼痛を伴うことも、伴わないこともある。円板状半月の場合には、半月板が大きくかつ厚いため、大腿骨外側顆は屈伸に際して、車が障害物を乗り越えていくようになるためsnappingが発生する。

膝の屈伸以外に回旋も加えればclickはよく発生する。

代表的な症状として以上のようなものがあるが、急性期の症状としては疼痛、腫脹、可動域制限、歩行障害であり、慢性期には膝くずれ(giving way)やひっかかり感(catching)、嵌頓症状(locking)関節水腫が出現することもある。

症状の中でも頻度の多いものは痛み、とくに運動時痛である。運動も階段昇降時痛やしゃがみこみの動作などやスポーツ動作で疼痛を感じる。

 

診断

半月板には正常型、不完全円板状半月、完全円板状半月がある。円板状半月は日本人に多く(16.6%,渡辺正毅 1978)、ほとんど外側であり、左右両膝にあることが多い。大きいもの、損傷のあるものは外側に疼痛をきたす。円板状半月障害を除外した場合には、半月板損傷は内側に多く、に示すように種々の損傷型に分けられる。どの損傷型の頻度が高いかについては報告により異なるが、調査対象の年齢が高いほど、横断裂や半月板後角の複雑な損傷の頻度が高くなる。

また半月板には嚢腫が発生することがあり、とくに外側半月板に多い。これは外傷とそれに続く変性によるものである。

半月板損傷の診断には臨床症状、所見を的確にとらえることが必要である。なかでもlocking, snappingおよび誘発テストの陽性所見は重要である。確定診断のためには関節造影または関節鏡視を行う。

関節造影では半月板損傷部に造影剤の流入を認める。完全断裂でははっきりした陽性像を示すが、不完全断裂、水平断裂では判然としないことも多い。バケツ柄断裂では

半月板は幅が狭く、円板状半月では広く大きい。

半月損傷があるとスポーツ活動は制限されるが、しかしまったくやれないわけではない。スポーツに打ち込む度合いが高いほど半月板損傷があってもスポーツを続ける者が多い。しかし半月板損傷時におけるスポーツ動作の困難性を詳細に検討すると、ひねり、カット、ジャンプ‑着地、ストップ動作などで、やはり困難性が強いことがわかる。一方前十字靱帯損傷の合併があるとスポーツをやめてしまう者が多く、対照的である。

臨床徴候では当該関節裂隙の圧痛、膝過伸展テストによる疼痛、McMurreyテストなどが診断価値がある。

補助診断として関節造影、関節鏡、さらに最近ではMRIも使用されている。関節造影法は正確な手段によって行えば円板状半月、内側半月の縦断裂の診断は比較的容易であるが、外側半月板損傷の診断は膝窩筋腱および膝窩筋裂孔の存在により困難なことがある。また十字靱帯、関節軟骨など他の関節構成体の造影は難しく診断価値がない点が致命的である。一方、内視鏡である関節鏡によって半月板損傷の診断はほぼ完璧に行いうる。麻酔の問題は、局所麻酔下関節鏡により、十分外来検査として行いうる。またバケツ柄断裂などの簡単な半月切除も局麻関節鏡で行うことができる。十字靱帯や関節軟骨も同時に鏡視できること、鏡視下手術として治療用具としても使用できることは関節鏡の大きなメリットである。現在では関節鏡なしには半月板損傷の診断治療は行いえないといっても過言ではない。MRIによる診断は、関節鏡と比較した報告では、関節鏡に近い診断能力があるとするものから、45%程度で関節鏡のはるかに及ばないとするものがある。無侵襲という優れた特性のあるMRI診断は、器械および手技の改良と器械の普及によって将来性ある診断法といえる。

 

損傷半月の修復機転

半月板の解剖学的特徴のひとつは辺縁滑膜付着部を除き無血管性であることである。このことは古くから臨床的には知られており、Kingはすでに1936年イヌでの半月板損傷の実験から3つの重要な結論を引き出している。すなわち①半月実質部だけの損傷は治癒しない。②半月周辺部の損傷は治癒する。③損傷の一部が周辺滑膜部とまだ連絡しているとそこから結合組織が入り込み治癒しうる。その後約40年間にわたって臨床的には結論①のみが尊重され半月切除術のみが定式化していた。1960年代から出始めた半月切除術の長期成績が必ずしも良好ではなかったことや、その頃から行われ始めた半月の機能に関する生体力学的な研究などから半月の意義が再認識されはじめた。また1970年代から一般化した鏡視下半月部分切除も半月の病理や機能に対する認識を高めた結果、半月切除術に対する反省がおこり、その結果半月の修復機序についての関心が高まった。

Heatley,Cabaud,Arnoczkyらの実験的研究によりKingの3つの結論、とくに滑膜組織の半月断裂部に対する修復機能が再認識された。さらにArnoczkyらは半月実質部の縦断裂でもその断裂から周辺滑膜部へ新たな断裂を人為的に設けておくと、その断裂部がvascular access channelとして働き、それによって血行を滑膜組織が断裂部まで到達し線維性に半月断裂は癒合することを明らかにした。また半月断裂の治癒過程の早期の2週位までは、断裂部の間隙はまずフィブリン凝血塊で充填されることにヒントを得て、血行のない半月実質中央部に丸い欠損部を設け、そこにあらかじめ用意した自家フィブリン凝血塊を充填しておくと4週までに繊維性組織で満たされることを見出した。

 

治療

現在の半月板損傷の治療法は大別して保存的療法と外科的療法がある。外科的療法はさらに①切除術と②修復術(縫合術)に分けられる。

手術的療法の適応は、①ADLまたはスポーツ活動に支障となるような疼痛、Lockingまたは再発するlocking、③習慣的なclickまたはsnapping(弾発現象)である。

手術方法には種々なものがあるが、最近では関節鏡による半月板手術も行われている。これにも縫合術、部分切除および全切除がある。

縫合術には二つの方法がある。それはinside-out法とoutside-in法である。後者は注射針のみで行うことができる。一般に側副靱帯よりも前方の断裂の対してはoutside-in法、

後方の断裂に対してはinside-out法を用いて縫合する。

Inside-out法ではまず補助皮切が必要である。内側では内側側副靱帯後縁に沿った皮切を行う。外側では前十字靱帯再建術で外側皮切を加える場合は、遠位方向に皮切をのばすようにし、単独の場合には外側側副靱帯直上に皮切を加える。腸頸靱帯を線維方向に切開し、外側側副靱帯の後縁から腓腹筋の外側頭関節包の間を鈍的に剥離する。

Outside-in法では補助皮切を内、外側ともに側副靱帯の前縁におく。

 

検査・評価

1)問診

受傷機転が明確な場合はその発生状況を詳しく確認する。さらにcatching,lockingなどの症状を念頭に自覚症状を聴取する。

2)徒手検査

膝関節裂隙を中心に、圧痛点を確認する。関節の炎症所見である腫脹や熱感についても評価する。半月板損傷に対する徒手テストは数が多いが代表的なものを以下に紹介する。

a.Jonesテスト

背臥位で膝関節を過伸展させ疼痛の出現を確認する。

b.McMurrayテスト

背臥位で股・膝関節を最大屈曲させ、一方の手で足部を保持し、他方の手で関節裂隙を触診する。半月板損傷が後節にある場合は深屈曲位でclickを触診するが疼痛が誘発される。損傷が中節周囲の場合は90°付近で同様の症状が観察される。

c.Apleyテスト

腹臥位で膝関節90°屈曲位とし、両手で足部を保持して下腿を大腿顆部に圧迫しながら内外旋する(compression grinding test)。反対の下腿を牽引しながら内外旋を行う(distraction rotating test)。半月板損傷の場合は圧迫時に疼痛が発生し、牽引時に消失する。これらの徒手テストは半月板に直接ストレスを与える手技であるので、治療過程における施行は慎むべきである。

陳旧例では大腿四頭筋の萎縮がみられることがあるので大腿周径の測定が必要である。さらに受傷原因が1回の外傷でなく反複繰り返しが原因と推察される症例では下肢のアライメントの異常が発生要因になることがあるのでそのチェックも重要である。

3)疼痛検査

検査・評価:半月板損傷の評価(痛みを含む)として日本整形外科学会のものを用いる。

 右 側  左 側
長距離歩行後疼痛

(500m以上)

なし

軽度

中等度

激痛

  20

15

10

0

  20

15

10

0

階段昇降時疼痛及び動作 Ⅰ:疼痛なく不自由なし(注1)

Ⅱ:疼痛あるが昇降に不自由なし、または疼痛はないが不自由

Ⅲ:やや疼痛があり昇降不自由

Ⅳ:かなり疼痛があり昇降不自由

  20

15

 

5

0

  20

15

 

5

0

膝伸展強制時疼痛

(注2)

なし

軽度

中等度

激痛

  20

15

5

0

  20

15

5

0

患肢着地(注3)

困難または不可

   5

0

   5

0

McMurray test 軋轢音なし、疼痛なし

軋轢音のみあり

疼痛のみあり

ともにあり

  15

10

5

0

  15

10

5

0

大腿周径(膝蓋骨上10cm) 健肢と同じ

健肢より1cm以上、3cm未満細い

健肢より3cm細い

  15

10

5

  15

10

5

関節裂隙圧痛 なし

あり

   5

0

   5

0

(注1) 不自由とは昇降時手すりを使用するか、一歩一歩か、または手すりを使って一歩一歩(1段2足昇降)する場合をいう。

(注2) 伸展時強制時痛とは、被検者は膝を最大伸展位にして仰臥位で横たわり、片手で足部を支持し、もう一方で膝蓋上部または脛骨上端に徐々に圧迫力を加え(下方)伸展を強制する。

(注3) 患肢着地とは、被検者にその場跳びをさせ、何ら疼痛、問題なく患肢で着地できる場合を可、何らかの疼痛、困難を感じる場合を困難または不可とする。

4)可動域検査

疼痛やcatching,lockingの有無に注意しながら、膝関節の他動的可動域を測定する。下腿の回旋による疼痛や可動域を確認する。

5)筋力検査

受傷側の大腿四頭筋の萎縮が特異的に出現することがある。大腿部の周径を測定するとともに膝関節伸展位で大腿四頭筋の等尺性収縮を行わせ,収縮時の内側広筋の膨張や硬度を視診・疼痛で確認し,健側と比較する。強い疼痛や可動域制限の消失した時期から、等速度運動機器を用いた筋力測定を実施し、最大トルク・仕事量・トルクカーブの形状などを健側と比較する。

6)荷重状態での評価

立位荷重下で、過伸展方向への膝伸展、深い膝屈曲位でのしゃがみ込み、下腿を内旋あるいは外旋させた状態での膝屈伸を行わせ、疼痛や引っかかり感・不安感の有無をチェックする。

 

問題点(予想される問題点を記載する)

1)可動域制限

制限因子としては、疼痛、術後の皮膚の瘢痕・硬化、大腿四頭筋・ハムストリングスの筋萎縮が考えられる。

2)筋萎縮・筋力低下

半月板損傷や膝靭帯損傷後、急激に大腿四頭筋と軽度ではあるがハムストリングスに筋萎縮が起こる。この現象は、関節とそれを制御する筋群との間の神経連結の障害によるものであり、程度は様々である。筋活動の低下は筋萎縮と筋力低下を悪化させる要因にもなる。

3)疼痛

半月板は基本的には内側半月板の薄い周辺層内を除いては神経を含んでいないので、痛みは半月板の靭帯への連結のより感じられることがある。ある程度の半月板損傷後は関節液貯留が通常存在する。関節液の貯留がなければ、痛みや制限の原因として他の種類の損傷を疑わなくてはならない。

4)腫脹

膝関節の関節腔内の炎症、水腫、血腫によるもので、関節裂隙を中心とした紡錘状である。

ゴール設定

一般患者に対しては、全荷重、可動域のfull range獲得、日常生活動作自立。

スポーツ選手に対しては、競技復帰。

治療プログラム

荷重の分散、関節安定性への関与などの半月板の重要な機能を温存するために、観血的治療として半月板の縫合手術が選択されることが多い。しかし、損傷の部位や大きさにより縫合が不可能な場合には切除(全切除、亜全切除、部分切除)の適応となる。術後プログラムにおいては、切除術が比較的早期に進められるのに対し、縫合術は可動域運動や荷重運動などに慎重を要する。

 

●基本方針

①早期に関節可動域の回復を図る。

②膝関節伸筋と屈筋の再教育・強化を疼痛やlockingのない運動範囲から開始し、徐々に拡大する。

③段階的に荷重状態での運動へと進める。

④膝関節の荷重下での回旋ストレスの回避を考慮した運動に習熟させる。

⑤疼痛・熱感・catchingやlockingの有無について注意する。それらの所見が継続する場合は医師に報告し、指示を受ける。

⑥患部外のトレーニングを積極的に取り入れることで基礎体力の低下を防止し、スポーツ競技へのスムーズな復帰を目指す。

●基本手技

1)可動域運動

疼痛のない範囲でのゆっくりとした自動可動域運動から開始し、最終伸展・屈曲域の獲得は慎重に行う。疼痛が生じる場合は、下腿の内外旋を調節し、最も疼痛の少ない肢位で可動域を拡大する。

2)筋力トレーニング

a.SLR運動(電気刺激の併用)

足部に重錘を負荷し、軽度屈曲位から膝を伸展・拳上させる。疼痛がなければ、運動範囲を徐々に拡大する。このとき、内側広筋部への電気刺激に同期して筋を随意的に収縮させる。

b.ゴムチューブでの筋力トレーニング

ゴムチューブの張力を変化させることで抵抗量を変えることが可能であり、下腿近位部に抵抗を加えることにより、下腿の回旋を抑制することが出来る。疼痛が生じる場合は、疼痛のない運動範囲から開始し、下腿に回線方向を疼痛の減少する方向に調節する。

c.等速運動機器を用いた筋力強化トレーニング

膝関節への剪力の少ない中・高速度の運動から開始し、徐々に低速度での運動を加える。開始時は、疼痛のない可動域範囲を設定し、徐々に拡大していく。

3)荷重トレーニング

患肢への荷重が許可されれば、体重を支持した状態でのトレーニングを加える。

4)スポーツトレーニング

a.ツイスティング

踵を床から拳上し、母趾球に重心を乗せた状態で、足尖と膝の方向を一致させて方向転換を行わせる。膝関節に過剰な回旋ストレスが加わらないように注意する。ゆっくりした動作から開始し、習熟に従い速度を上げていく。

b.ステップ動作

ステップにはクロスオーバーステップとオープンサイドステップの2種類がある。クロスオーバーステップは、軸足に体側の下肢を交差させて方向転換するステップで、オープンサイドステップは、転換していく方向と反対側の下肢に荷重をかけて軸足とし、体側に下肢を踏み出すステップである。前述のツイスティング動作の発展型としてクロスオーバーステップへとつなげていく。オープンサイドステップは、軸側の足底が全面接地していると膝関節に過剰な外反や回旋のストレスを生じるので、踵を上げ、足尖を進行方向と一致させる。

c.ランニング

ゆっくりとしたジョギングから徐々にスピードを上げていく。始めは走路面の整った場所での直線走から開始する。疼痛などの症状の悪化がなければ、坂道や8の字走などを取り入れていく。

5)患部外トレーニング

手術侵襲の加わった膝以外の部分の筋力強化は、積極的に行う。

6)テーピング

非荷重・荷重状態で屈曲・伸展や回旋運動について疼痛の発生しない方向へ、テーピングによる制動を行う。伸展を制動する場合は、膝軽度屈曲位で膝蓋腱下方から膝軸の後方を通り大腿後面へと走行するテープを巻く。また、野球のキャッチャーなどのしゃがみ動作で膝窩部の疼痛を訴える場合は、大腿遠位と下腿近位にパッドを挿入することにより、最大屈曲を制限する。回旋については、疼痛の少ない方向へ足尖を向け、膝軽度屈曲位で下腿前面から後面を通り大腿前面に達する回旋テープを巻く。

7)物理療法的手段

術後1日目に寒冷療法としてアイスパックを使用する(熱感・腫脹)。また、exercise後の熱感・腫脹に対し、アイスパック・クロルエチルスプレーを使用する。

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( `ー´)ノ参考文献

医療学習レポート.半月板損傷と運動療法


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