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( ☆∀☆)心臓リハビリテーションの話


(^○^)題名:心臓リハビリテーションの話

1)目的

心臓リハビリテーションには、運動療法のみならず、教育やカウンセリングなどの多要素のアプローチが含まれている。身体機能の回復とともに、心理・社会的な状況の改善や、冠状動脈疾患危険因子の是正、動脈硬化の進展の予防を目的として行われる。心臓リハビリテーションは、心筋梗塞発症から退院までの第1期(急性期)、退院後から社会復帰にいたるまでの第2期(回復期)、社会復帰後生涯を通じて行われる第3期(維持期)に分類される。

第1期は、発症直後から退院までの期間で、日常生活への復帰を目的とする。この期間は、近年の早期離床、早期退院により短縮されてきている。第2期は、退院後から完全な社会復帰にいたるまでの1~3ヶ月がこの期間にあたり、危険因子の是正や、望ましい生活習慣を獲得して最大限の社会復帰を行うことを目的とする。第3期は、社会復帰後に生涯を通じて行われる。回復した良好な身体・精神機能を生涯にわたって維持し、快適な生活を送ることを目的とする。

 

2)看護師の役割

心臓リハビリテーションはチーム医療であり、医師・看護師・理学療法士・栄養士・運動指導士などさまざまな専門職によって実施される。看護師は医療チームのほかのメンバーと協働し、リハビリテーションプログラムの実施や評価、患者教育の実施、評価など、プログラム遂行の重要な役割を果たしている。

 

3)リハビリテーションの区分

(1)急性期

心筋梗塞発症、CCUに入室してから退院までにおこなわれる。この時期は、血栓溶解療法や再灌流療法などの救急治療が積極的に施行されており、また不整脈・心破裂・心不全など、重篤な合併症をおこしやすい。日常生活動作すべてが心臓への負担となるため、合併症の予防やコントロールのもとに段階的に負荷を行い、安全を確認し実施していくことが重要である。リハビリテーションの進行とともに、退院後の再発予防のための日常生活上での注意点、生活習慣改善に向けての患者教育を実施する。退院前には心機能の評価や運動療法継続のための運動負荷試験、ホルター心電図などによる不整脈や心筋虚血の有無についての検査が施行される。

近年、急性期治療期間の短縮に伴い、望ましい生活習慣の獲得や身体活動の維持には、急性期リハビリテーションに引き続いた回復期リハビリテーションでの円滑な継続指導が重要となってきている。

(2)回復期

退院してから、完全な社会復帰までの期間に行われる。この時期は、家庭や社会において身体活動の維持、再発予防のための望ましい生活習慣の獲得を行い、身体的にも精神的にも社会的にも自信をもった社会復帰がなされることを目的として行われる。回復期リハビリテーションは、主として外来や回復期リハビリテーション施設などで行われている。

通常は、週に2~3回の継続した通院や通所が約2~3ヶ月実施される。

(3)維持期

社会復帰後より生涯を通じて行われる。良好な身体・精神機能を維持し、高いQOLを保ちながら再発予防のための生活習慣の維持・継続を目指す。運動療法は、自己管理による継続のほか、地域でのリハビリテーション施設や運動施設において継続して行われるようになることが望まれる。

(4)心筋梗塞の急性期リハビリテーション

心筋梗塞症患者の急性期リハビリテーションプログラム(2週間)

ステージ 病日 負荷試験 病室・

病棟内動作

運動療法 看護および

注意事項

食事 その他

臥床・安静(自動体位変換可)受動座位45度まで

病気・安静の説明食事介助全身清拭、体重測定 絶食(水分のみ) ラジオ可

五分粥 テレビ可

受動座位(90度10分)ECG記録不要、血圧のみチェック 自分で食事・歯磨き可セルフケア可

リハビリ・スケジュールの説明 全粥食 新聞・雑誌可

自動座位(5分) 希望に応じ座位可

病状のさらに詳しい説明、CAG・負荷心筋シンチ申し込み 普通食

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食事指導

立位→室内歩行(2分)ベッド横に立ち、めまいふらつきがなければゆっくり歩く 室内自由、椅子に座り読書・テレビ可、6日以降室内便器使用時ECGチェック いすに座り足踏み 立位体重測定、介助洗髪可
同上

8~10 200m歩行負荷 トイレ歩行可、転棟準備 200m×3回 CCU外検査は車椅子で ロビーで談笑可
500m歩行負荷 500m×3回 CCU外検査、介助歩行可

11~13 マスター試験(シングル) 入浴可、退院前の検査の説明 階段×3回

(1→3F)

トレッドミル試験、ホルター心電図、CAG、負荷心筋シンチグラム 退院指導、服薬自己管理、家族への説明、退院後運動療法の説明

急性期のリハビリテーションは早期離床を目指しているが、心筋梗塞後合併症を予防するためにも、急性期のリハビリテーションを施行するにあたっては、心筋梗塞巣の修復過程を理解し、段階的な負荷により安全を確認しながら実施していくことが大切である。段階的な負荷試験としては、受動座位、自動座位、立位、病室内歩行、そして廊下歩行50mから徐々に距離を伸ばしていく。急性期リハビリテーションにおいては、リハビリテーションの諸動作において、安全確認と次のステップへの進行を許可していく。諸動作すべてがリハビリテーションとなり、その際には前後での血圧・脈拍・自覚症状などを確認して行う。

(5)急性期リハビリテーションの進行

リハビリテーションの進行度は、梗塞の範囲、重症度、心電図所見、血液所見、自覚症状などから総合的に判定される。リハビリテーションを施行するうえで、運動負荷試験は重要な役割をもつ。急性期リハビリテーションでは、各段階の進行時は、患者のバイタルサイン、心電図所見、自覚症状の有無など、安全を確認して行う。また退院時には、心肺機能の評価や、退院後の運動療法継続に向けた運動処方の設定を行うため、トレッドミルや自転車エルゴメータによる運動負荷試験が行われることが多い。その結果に基づいて運動療法の継続や指導に用いる。

(6)運動強度の単位

運動強度の単位としては、METsが用いられている。この単位は、体重70kgの欧米人男性の座位安静時の体重1kgあたり酸素消費量を1METと規定(1MET=3.5ml/分/kg)しており、酸素消費量から日常生活上での運動強度の目安として用いられる。

心筋梗塞症患者の急性期リハビリテーションプログラム(2週間プログラム)

METs リハビリ労作 運動負荷試験 日常労作および家事 職業労作など レクリエーションなど
1~2 臥床安静、座位、立位、ゆっくりとした歩行(1~2km/h) 食事、洗面、編み物、裁縫、自動車の運転、乗り物に座って乗る 事務仕事、手洗いの仕事 ラジオ、テレビ、読書、トランプ、囲碁、将棋
2~3 ややゆっくりした歩行(3km/h)、自転車(8km/h) ステージ

0(2.2)

乗り物に立って乗る、調理、小物の洗濯、床拭き(モップ) 守衛、管理人、楽器の演奏 ボーリング、盆栽の手入れ
3~4 普通の歩行(4km/h)、自転車(10km/h) マスターテスト

1/2、

25W(3.6)

シャワー、荷物を背負って歩く(10kg)、炊事一般、洗濯、アイロン、ふとんを敷く、窓拭き、床拭き(膝ついて) 機械の組み立て、溶接作業、トラックの運転、タクシーの運転 ラジオ体操、バドミントン(非競技)、つり、ゴルフ(バッグを持たずに)
4~5 やや速めの歩行(5km/h)、自転車(13km/h)、柔軟体操 ステージ

1(4.3)、

50W(4.7)

荷物を抱えて歩く(10kg)、軽い大工仕事、軽い草むしり、床ふき(立膝)、(夫婦生活)、(入浴) ペンキ工 園芸卓球、テニス(ダブルス)、バトミントン(シングルス)、キャッチボール
5~6 速めの歩行(6km/h)、自転車(16km/h) マスターテストSステージ

2(5.7)、75W

荷物を片手にさげて歩く(10kg)、階段昇降、庭堀、シャベル使い(軽い土) 大工、農作業 アイススケート、渓流つり
6~7 ゆっくりしたジョギング(4~5km/h)、自転車(19km/h) マスターテストDステージ

3(7.0)、100W

まき割り、シャベルで掘る、雪かき、水汲み テニス(シングルス)
7~8 ジョギング(8km/h)、自転車(19km/h) ステージ

4(8.3)、

125W(8.7)

水泳、エアロビクス、ダンス、登山、スキー
8~ ジョギング(10km/h)、自転車(22km/h) ステージ

5(10.2)

150W(10.0)

階段を連続して昇る

(10階)

なわとび、各種スポーツ競技

(7)心筋梗塞リハビリテーションにおける患者指導内容

患者教育の内容

・心筋梗塞の病態について

・虚血性心疾患の危険因子について

・日常生活上の注意点

・復職時の留意点

・旅行時の注意点

・食事療法について

・運動療法について

・禁煙について

・ストレス管理について

・異常時緊急時の対応について

□指導の実際

●食事療法:

 食事療法は、適切な体重維持を目標として、標準体重から算出した適切なカロリーの摂取、塩分の摂取、脂質の摂取について、食事摂取状況や外食の利用状況など、個人の生活を考慮しながら指導を行う。

●日常生活上の留意点:

 心臓仕事量を規定する因子が、心拍数×収縮期血圧である点を踏まえて、心臓の負荷を下げる日常生活への指導を行う。日常生活でのおもな活動内容の目安や、日常動作上で実際に負荷軽減を行う方法について理解を促す。さらに、排便のコントロールや職場での仕事量の調整方法など、実際の生活のなかで工夫できる内容や生活の改善の方法を考慮し、患者が不必要な制限や不安をいだかないように留意することが大切である。以下に日常生活上の指導上の注意について示す。

①入浴:入浴は日本人にとって、日常欠かすことのできない行為である。入浴で4~5METs相当のエネルギー消費量に行われることが多い。入浴には、浴室への出入り、更衣、浴槽での出入り、温浴、洗体という動作が含まれる。湯の温度や静水圧は、自律神経反応に影響を及ぼす。収縮期血圧と脈拍は温浴直後や洗体動作で最も上昇する。かけ湯をして入浴し、お湯の温度は40℃前後が望ましく、長くても20分程度の入浴にとどめる。入浴後の水分の補給や、冬季の脱衣所の保温についても注意を促すように指導する。

②性生活:性生活に対するエネルギー消費量は、5METs程度と考えられている。虚血性心疾患の患者は、性行為に伴う病気再発の不安のために、性生活の低下をきたすことが多い。患者の年齢や、性の訴えがないことを理由に医療者は指導を避ける傾向があるが、退院前に運動負荷試験を実施して問題がなければ、性生活への復帰が可能であることを、適時指導していくことがたいせつである。また、飲酒時や過食時、過労時などの性行為は心負荷を高めるため、避けるように指導する。

③車の運転:車の運転そのものでの酸素消費量は1METs程度であるが、心拍数や血圧は運転中の心理状態や交通事情、夜間運転によって大きく変化する。長時間の運転や夜間の運転では無理をせず、休息を十分にとるなどの注意が必要である。また、万が一胸痛発作がおきてニトログリセリンを使用する場合は、必ず路肩に停車後に服用するように指導する。

●運動療法の継続:

 回復期リハビリテーションでの運動は、主として運動負荷試験に基づいた運動処方によって実施される。運動処方では、運動負荷試験の結果に基づいて、①運動の種類、②運動強度、③運動時間、④運動回数が設定される。看護師は、医師や理学療法士など、他専門職と連携し、これらの運動処方が継続できるように、具体的な方法の説明や自宅での取り入れ方、注意点などについて指導を行っていく。以下に一般的な注意点を示す。

①運動の種類:水泳や歩行など持久的で大きな筋群を使う運動で、個人で強度を調節できるものが望ましい。また、軽度な筋力トレーニングも用いられる。

②運動の強度:運動負荷試験によって検出された運動強度や医師の指示によって設定される。脈拍120/分をこえない範囲であり、軽く汗ばむ程度の強度である。

③運動時間:1回の運動時間の指示は患者の状態に合わせて15~60分以内程度であり、前後に準備体操や整理体操を必ずいれる。

④運動回数:週に3~4回程度の確保を目指す。

□異常時・緊急時の対応

 ニトログリセリンはふだん必ず携帯することとし、胸痛発作出現時の使用方法について説明する。ニトログリセリンの使用により、血圧低下をきたすこともあるため、横になってもたれかかる。腰掛けるなどの体位で服用するように説明する。ニトログリセリンが奏功しない場合、再発作の危険性が高く、救急車を至急呼ぶこと、家族は一次救命処置を行うことなど、緊急時の対応について本人・家族に指導を行う。

“(-“”-)”参考文献

医療学習レポート.心臓リハビリテーション


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