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(*^。^*)中枢神経疾患と異常歩行の話


・脳血管障害、脳障害や頭部外傷など一側の脳障害では、片麻痺が出現する。

・麻痺の経過は、一般的には、弛緩性麻痺から、一定期間の経過の後に痙性片麻痺に移行する。

・麻痺の程度は、四肢近位部よりも遠位部で著しい。片麻痺の回復過程を表現する場合、Brmnstromの回復段階を使用することが多い。Stageが高くなると歩調、歩幅および歩行速度が増加し、単脚支持期の時間は近づき、対称的になる。

 

【使用される装具】

短下肢装具(AFO)      :足関節を背屈位に保つ

膝継手のある長下肢装具(KAFO):膝関節を制御する

 

1)弛緩性歩行(flaccid gait)

【歩行の特徴】

・骨盤を引き上げ、体幹を健側に傾けて、麻痺側の下肢を持ち上げる(患側遊脚期)

・外転・分回し歩行

他動的に半円を描くように振り出す

・鶏状歩行

膝を上げて、足尖から接地する

・反張膝

膝折れを防ぐため膝関節が過伸展傾向となり、長期間が経過するとおこる。(立脚期の中期で強い)

・肩関節の亜脱臼、振り子様運動

上肢の筋緊張が低下し、自重によって下垂する事による

 

2)痙性歩行(spastic gait)

痙性片麻痺歩行(hemiplegic gait)

立位姿勢 ⇒ ウェルニッケ・マン(Wernicke mam posture)肢位

患側 上肢 肩関節屈曲・内転、肘関節屈曲、前腕回内、手指関節屈曲

下肢 股・膝関節伸展、足関節底屈

歩行の全体的なイメージとして

・頭部の上下の動揺

・頭部体幹の前後・側方動揺

・骨盤の過剰な前後傾・側方動揺・側方傾斜など

・常に麻痺側が後退し、体幹の正面からは非麻痺側へ斜めに進行しているように見える

 

3)痙性両(対)麻痺歩行

脳血管障害、痙直性脳性麻痺および脊髄損傷などが原因で、両下肢の痙性が増強した症状

痙性対麻痺の下肢

伸展型:伸筋群が筋緊張亢進する

屈曲型:屈筋群の屈曲逃避反射が亢進する

屈曲型が高度に亢進した場合、立位、歩行が不可能

立位姿勢における…

…両側上肢

肩関節屈曲・内転、肘関節屈曲、前腕回内、手指関節屈曲

…両側下肢

股関節屈曲・内転・内旋位、膝関節屈曲位、足関節底屈位(尖足位)

 

【歩容】

体幹の前後左右の動揺性が著しく、歩幅が短い

はさみ足歩行(csissors gait):

下肢全体が伸展・内転・内旋しているため遊脚期の膝が立脚期の膝とはさみを動かすように両下肢が交差する。足部は内反尖足位で立脚期には足部の内側部で接地し偏平足が多い。

 

≪歩行の特徴≫

尖足歩行 ・立脚初期でつま先から接地する。

→(下腿三頭筋の痙性や足関節背屈筋の麻痺が強い場合)

内反尖足歩行 ・つま先外側から接地する

→(体重負荷に伴って伸展共同運動パターンが起こることによる)

体幹の屈曲 ・重心の前方移動のため(膝の過伸展の代償として)

→(接地により足関節底屈筋群が伸張されて反射性の筋収縮が起こるので、膝を屈曲することによる重心の移動を代償する)

・随意的な膝伸展力が弱い場合や下腿三頭筋の緊張が強い場合

→(骨盤を後方に引いて体幹を前屈させる)

・股関節屈曲位のまま荷重するため股関節が伸展域に入りにくい

膝を過伸展に保持する ・共同運動パターンによる

→(足部の接地により足関節底屈筋群が伸張されて反射性の筋収縮が起こる)

反張膝 ・歩行中に膝の過伸展を続けることによる。

・膝がロックした状態となりつま先離床時にロックが外れなくなり棒状に下肢を振り出し、長期間の経過で膝関節の動揺や痛みの原因となる。

・患側上肢の腕の振りは歩行中にほとんど認められない。

歩幅の短縮 ・背屈が困難となり下腿の前方回旋が起きない

→(患側の立脚中期に、下腿三頭筋が伸張され、筋緊張が増強するため)

・股関節・膝関節屈曲の減少

・健側下肢が十分に振り出せない

左右の非対称性の出現 ・患側下肢で十分に体重を支持することができないため
股関節の外旋、骨盤挙上

(立脚後期)

・膝関節は過伸展のままであり、股関節屈曲に移ることが困難なため
つま先の引きずり

(遊脚期)

 

・股関節屈曲の減少による

代償運動として

・股関節外旋位で内転筋を用いて患肢を振り出す

・体幹を後屈させて患肢を前方に進める

 

≪異常歩行の特徴と原因≫

異常歩行

特徴

原因

① 膝屈曲歩行 膝を曲げたまま歩行する 膝の屈曲拘縮・膝屈筋痙性
② 痙性歩行 膝を棒状にして歩行する 下肢筋に痙性が強い場合
③ はさみ足歩行 遊脚期において下肢を前内側に振りだし,両大腿部が交叉した状態で歩行する。交叉がひどい場合は歩行困難となる 股関節内転筋群の痙性
④ 外転歩行 股関節を広げて歩行する状態で歩行は安定している 股関節内転筋痙性,外転拘縮,下肢棒状
⑤ 外旋歩行 足先を外側に向けて歩行する 股関節外旋筋痙性 ・ 外旋拘縮
⑥ 分回し歩行 麻痺側下肢を半円径の軌跡を描くように振り出す歩行 尖足や下肢の棒状の伸展
⑦骨盤引き上げ歩行 麻痺側下肢を振り出すために骨盤を引き上げて歩行する 尖足や下肢の棒状の伸展

 

≪各関節における異常歩行の分析≫

部位

遊脚相

立脚相

主な歩行異常

主な原因

主な異常歩行

主な原因

体幹

骨盤挙上

股屈曲の低下

体幹前傾 股関節屈曲拘縮

後方傾斜

弛緩,痙性(伸展パターン)

股伸展の低下

股関節

分回し

股屈曲の低下

下肢内転位での体重負荷→trenderenburg歩行 痙性(内転)・股関節外旋の弱化

ボディイメージの欠如

感覚障害

外旋 弛緩,痙性(伸展パターン)
挟み足

膝関節

膝伸展 痙性(大腿四頭筋) 過伸展 弱化(大腿四頭筋)

痙性(足底屈筋)

大腿四頭筋とハムストリングスの同時収縮が得られにくい

拘縮(足底筋)

感覚障害

膝弛緩 弛緩(大腿四頭筋・ハムストリング) 過屈曲 股・膝伸展、足底筋のコントロール不可
過度の屈曲 拘縮

痙性(ハムストリング)

拘縮(ハムストリング)

足関節

尖足 拘縮、痙性(底屈筋) 尖足 拘縮(下腿三頭筋)
内反 痙性(前脛骨筋) 内反 痙性(後脛骨筋・足趾屈筋)

足部外側への負荷

引きずり 弛緩

 

≪片麻痺の歩容の問題とその対策≫

問題

原因

対策

立脚期

1.

a)健側への体幹の傾き

b)患側への体幹の傾き

a)股外転筋の不十分なコントロール

股伸筋

膝伸筋

足底屈筋

b)身体像の障害

a)筋力増強増強運動

骨盤水平位での左右への体重シフト

2.健側骨盤の降下 不十分な股外転コントロール 外転筋強化:杖の使用
3.股伸展が不十分 a)股屈曲拘縮

b)股伸展のコントロールが不十分である

c)固有感覚障害:固有感覚障害のため視覚で代償

d)足のフット・フラットに伴う足底屈に対しての代償

e)膝伸展と足底屈筋の弱化による代償

a)伸張:良肢位保持

b)とe)筋力増強運動

c)短下肢装具を使用(底屈制動つき)

d)とe)短下肢装具(90°固定位)

4.股内転位 内転痙性:外転筋のコントロールが不十分 閉鎖神経ブロック、内転筋腱切除、閉鎖神経切除(以上必要に応じて)

筋力増強運動:筋力緊張をのぞくテクニック

5.膝の過伸展 a)伸展筋が弱いための代償

b)固有感覚障害による代償

c)足底屈筋の痙性

d)足底屈拘縮

a)筋力増強運動:短下肢装具(90°位固定)

b)短下肢装具(90°固定)

c)アキレス腱の持続伸張

d)アキレス腱の持続伸張

6.膝が十分にのびない a)股、膝、足伸筋のコントロールが不十分

b)不十分なヒラメ筋により90°にならない足関節の背屈

c)固有感覚の障害

d)膝屈曲拘縮

e)ハムストリングスの痙性

a)とb)筋力増強運動:患側支持での股、膝の安定性

b)短下肢装具を使っているための制約か、機能的な底屈曲拘縮へ進んだもの

c)短下肢装具(背屈位)

d)伸張運動:良肢位保持

膝屈筋の緊張に対してのリラクセーション

e)選択的にハムストリングスを伸張させる

7.膝の動揺 a)固有感覚の障害

b)膝伸展筋の弱化/足底屈筋

a)短下肢装具を90°(直角位)に固定

b)筋力増強運動.短下肢装具

8.膝屈曲制限

(立脚後期)

a)足底部の動きの制限

b)大腿四頭筋の痙性

c)足底屈曲の痙性

d)足底屈曲拘縮

a)足底屈筋の強化:立位でのステップに腹臥位での足部へのタッピング

b)大腿直筋/内側広筋の緊張をとる

c)とd)下腿三蹟筋の持続伸張

d)伸張:良肢位保持

9.過度の底屈位 a)足底屈位拘縮

b)足底屈の痙性

c)膝伸筋の弱化、足底屈筋の弱化のための代償

a)伸張:良肢位保持

b)下腿増強運動

c)筋力増強運動:短下肢装具

10.内反 a)内反筋の痙性

b)外反筋のコントロールが不十分

a)痙性が軽度であれは短下肢装具:内反筋の緊張をとるテクニックか、前脛骨筋腱の移行

b)機能的電気刺激法の使用:筋力増強運動

11.けり出し時の足底部の動きがない a)足底屈筋が不十分

b)股、膝伸筋の弱化背屈)の使用

a)とb)筋力増強運動:短下肢装具(直角位よりやや背屈)の使用

d)短下肢装具

 

問題

原因

対策

遊脚期

1.骨盤の前方回旋の欠如 a)選択的コントロールの欠如 a)骨盤回旋に対して抵抗あるいは介助運動により刺激し、感覚入力を増す
2.股屈曲が不十分 a)股屈筋の弱化/コントロール

b)固有感覚の障害/下肢の動きの感じが減少したもの

c)大腿四頭筋の痙性

a)筋力増強運動

b)感覚入力を増すための抵抗を加えた歩行

c)膝の選択的運動(腹臥位、立位)

a)とc)代償として股の分回し、対側の伸び上がり、ヒップハイキングを教える場合もある

3.分回し a)不十分な股、膝屈曲

b)屈曲共同運動のみ

c)大腿四頭筋の痙性

a)股、膝の選択的運動(腹臥位、立位):正位でのステップ

b)ヒップ・ハイカーを抑えての患側への荷重

c)立位での膝の選択的可動性

4.膝のこわばり a)膝屈筋不十分なコントロール

b)大腿四頭筋の痙性

a)とb)股伸展位での膝の選択的屈伸(腹臥位、立位)
5.膝の不十分な伸展 a)ハムストリノクスの痙性

b)固有感覚障害

c)膝屈曲拘縮

d)四頭筋が十分に強くない

e)対側肢の弱化により立脚期が短い

f)歩行の速度低下

a)伸張

b)短下肢装具

c)伸張/良肢位保持

d)とe)筋力増強運動

6.過度の足底屈曲

(尖足)

a)足底屈曲拘縮

b)足底屈曲痙性

c)足背屈曲のコントロール不十分

d)固有感覚の欠如

e)共同運動パターンによる足底屈筋の早すぎる活動

a)伸張:良肢位保持:アキレス腱のひき伸ばし

b)アキレス腱のひき伸ばし

c)筋力増強運動、短下肢装具、機能的電気刺激、腱移行術

d)とe)短下肢装具

 

4)その他の異常歩行

失調性歩行(ataxic gait)

失調性歩行とは、よろけ歩行、千鳥足、蹣跚歩行で表現されるように、両足を広くはなし、歩幅は一定せず、歩行に際して体幹(腰)がふらつき、円滑な足の運びが不能で、転倒を防ぐために時々足を止めてバランスを保つことが大切となる。

<原因>

四肢筋トーヌスの低下:中枢に障害のある場合には筋力、筋トーヌスが正常でも筋力の協調が保てないために失調性歩行となる。

<歩行の特徴>

小脳性失調症

【運動失調症と同時に大脳(前頭葉)性障害の場合】

痙性または麻痺性歩行

【脊髄(後葉)性障害】

深部感覚障害により麻痺性歩行に近い。

【前庭(迷路)性、小脳性の障害】

蹣跚歩行(よろけ歩行)、体幹失調、腰の動揺が著しい。

【小脳疾患】

失調性歩行がこれに相当し、上記の痙性・麻痺性歩行は筋トーヌス異常によって起こるもので、二次的に発生する失調と考え、これを明記して区別するのが妥当である。

【前庭小脳の病変】

前後左右に倒れかかる動揺性歩行になる(小脳性歩行)。

【小脳正中部の病変】

体幹全体が大きく動揺する酩酊したようなよろめき歩行・酩酊歩行となる。

【半球病変】

病変側へ向かってよろける。また、運動の円滑性も欠如する。

【両半球障害の場合】

重度側に転倒しやすい。

【歯状核(小脳核)‐赤核‐視床路に関係する視床や中脳の病変】

症状は病変の対側に現れる。下肢運動の滑らかさは消失し、股・膝関節を屈曲位に保持したままの歩行(monkey walk)では、遊脚相後半に膝関節は伸展して、屈曲位を維持できない。

代償機能を獲得すると、体幹をやや前屈し、上肢を左右に広げてバランスを保持する、歩幅の短い歩行が可能になる。

<全体的な特徴>

・歩隔を広げ、歩幅は長短バラバラで規則性がなくなり、頭部・体幹の動揺が大きく、前後左右に倒れそうになる動揺性歩行となる。

・歩き始めの第1歩目は、よろめきが大きく、遊脚期が短いなど不安定である。

・急に立ち止まる、向きを変えるなどのときに、よろめきは大きくなる。同時に、めまいや一側に倒れる傾向などがある。

・上肢と下肢との運動が非協調的となったり、視線の位置が足元ちかくにあるなどの特徴がある

・膝の上げ方が悪くなり、足を引きずるようになり、下肢全体の上下方向の運動が減少することもある。

・軽度の障害では、継ぎ足歩行によりよろめきが明らかになる。

感覚性運動失調による歩行障害(sensory ataxia)

・下肢の固有感覚障害による運動失調は、頭頂葉の病変で生じることがある。

・患者は下肢の位置が分からず、重度になれば十分な筋力があっても歩行不可能となる。

・視線は足元を見つめ、遊脚相に足を高く上げる。

・接地のときには踵、つづいて足底を地に叩きつけるようにする。

・歩隔は大きく、歩幅のばらつきは大きい。

・目を閉じさせると、急に歩けなくなる。筋緊張低下があると、立脚相に反張膝がおこるようになる。

前頭葉障害による歩行障害(frontal lobe disorder of gait)

・前頭葉障害によって患者はわずかに前屈姿勢となり、歩隔を広げて足底を地に擦るようにしてゆっくりと歩く。

・また、第一歩が踏み出せなかったり、地面から足を上げられなかったり、方向変換ができない。

・歩行失行は前頭葉障害によっておこる。

※臨床的特徴は、スタンスのやや広い、小股の歩行で、最初の一歩を出すのに時間がかかり、足趾は屈曲して地面をとらえているように見え、ぎこちなく床を擦るように一歩を出し、次のステップを行うのにも時間がかかる。

 

関節ごとの異常歩行

<1次性異常歩行>

感覚異常(特に深部)、痙縮・痙性、運動失調・失調、失行によって引き起こされるものをいう

 

【股関節】

股関節屈筋群の筋力低下が原因で異常歩行が引き起こされることが多い。

骨盤挙上歩行

腰方形筋などで骨盤を引き上げて歩行し、膝関節固定でも起こる。

Backward thrust gait

体幹を後方にそらして患脚を振り出し、かに歩行は、股関節内転筋を使い、体を歩行方向に対し斜めに構え、股関節内転筋で患肢を引きずるように歩く。

 

Trendelenburg’s gait

患側立脚期に健側の骨盤が下降する

立脚期、股関節の伸展には内転を伴うため、遊脚期に健側の骨盤が下降して見えることがあり、体幹の側弯により代償されている。これは外転筋の活動が抑制されて生じるが外転筋力の低下でも生じ、さらに伸筋共同運動パターンにより足趾は著しく底屈し疼痛を伴う。

片側の中殿筋麻痺では筋力4程度の場合には中殿筋麻痺特有の歩行はみられないが、骨盤のスライド異常だけのため注意して歩行分析しないと発見できない。両側障害では歩行時に体幹を左右に振るヨチヨチ歩きが見られる。

 

大殿筋歩行

患側立脚期に股関節屈曲がおこり体幹が前傾し、それは患肢の踵接地直後に体幹及び骨盤が後方へ引かれて、股関節が足関節直上に来るときが、最も著しい。

重心線が股関節の後方を通るようにして、股関節が屈曲してしまうのを防ぐ歩行であり、両側性障害では、体幹をいつも後方へ傾けたままでゆっくりと歩行をする。

 

【膝関節】

Locking knee(ロック膝)gait

大腿四頭筋の痙縮・痙性が強く膝屈筋群の筋力のバランスが極端にくずれている歩行で、膝屈筋群のactivity不足で膝伸展位直前で大腿四頭筋とハムストリングスの同時収縮ができない。

大腿四頭筋のActivityが弱く、膝の骨性支持で体重を支える場合に起こる。

 

膝折れ歩行、大腿四頭筋歩行

大腿四頭筋の活動性の低下のため、体重負荷で膝折れがおこり、伸張反射が十分でないか、あるいは出ても膝伸展がみられる以前に健側が早めに立脚期に入ってくるものである。

立脚期の間、他動的に膝の完全伸展を取る代償方法を覚えてしまうと、正常ならば膝が「たわむ」ことによって生じる円滑な歩行が妨げられ、立脚期の終わりに膝関節屈曲できなくなる。

 

Snapping knee(バネ膝)gait

大腿四頭筋の痙性が強く、伸張反射が体重に抗し得る程度である場合出現する。いったん体重負荷により膝折れが始まるが、途中で伸張反射が強く出現して膝を伸展してしまう。

バネ膝とは、膝関節の屈伸運動時、ある一定角度で抵抗があり、その角度を通過すると、急にバネ様に屈伸できる状態(弾発現象)で、多くは原因不明である。

原因が明らかな場合は、半月板損傷、十字靭帯損傷、外傷、外骨腫などによる関節面の変形、膝関節外での腱の滑脱、特に鵞足部などであり、その中でも最も多いのは外側半月板の損傷で半月が膝関節内で関節裂隙へ嵌頓して生じる。

原因が明らかな場合は、症状に応じ原因治療を行なう必要がある。

 

棒脚歩行・こわばり歩行

膝伸展の痙性が大変強く、またハムストリングスの活動性低下のため、遊脚相に股・膝同時に屈曲できないもので分回しとしてにげる。

他動的には膝屈伸できるが、歩行中は膝を棒のように伸ばしたまま歩き、共同運動として反射的に起こる。立脚中期には大腿四頭筋が過度に収縮するため、膝関節屈曲角度が減少し、骨性支持の要素が大となることにより生じる。

 

【足関節】

下垂足歩行

足関節背屈不能な、弛緩性麻痺にみられ、膝を高くあげて、足尖がひっかかるのを避けるために、下肢を異常に高くあげる鶏足歩行を呈する

 

尖足歩行

下腿三頭筋・後脛骨筋・長母指屈筋・長指屈筋の強い痙性・痙直のため起こり、多くは内反を伴う歩行である

 

内反歩行

下腿三頭筋の痙性が強いときに踵骨内反、後脛骨筋・長母指屈筋の痙性・痙縮が強いときに立脚期で前足部での内反、前脛骨筋・長母指伸筋は股屈曲の共同運動で遊脚期での前足部の内反が起こり、外足底から接地し、遊脚期では内分廻しとなる

 

外反歩行

長短腓骨筋の痙性や拘縮で起こるわけではなく、足関節の不安定性から足底アーチの平坦化などによる

内足底接地となり、踏み返しの力が弱いため膝関節を屈曲させて代償する

 

<2次性異常歩行>

骨関節の炎症、拘縮、痛みまたは誤った歩行指導、異常アライメントによるものを言う。

 

【股関節】

はさみ足歩行・内転位歩行があり歩行は遅く、歩幅も狭いが、上肢や体幹の著明な代償運動を伴う。

この歩行では股関節内転・内旋、膝関節軽度屈曲、尖足位をとり、両下肢を交互させて歩くため、両膝が相互に擦れ合い、不安定な歩行となる。

※これは股内転筋の拘縮によるものが多く、股関節の内転筋群に痙直が強いときは患足を振り出すと健足の前に出る傾向がある。よって一直線上を歩く形となり、安定を失ってつまずいて倒れたりする。痙性対麻痺の伸展型(伸展型対麻痺)でもおこる。これは両下肢の内転位・足においては内反尖足位となる。

 

仮性はさみ足歩行

股関節だけでなく膝関節も関係し、股外旋と膝屈曲拘縮が同時に存在する為、患脚が健脚に交叉するものである

 

Flexed hip gait

股関節拘縮がある時の歩容であり、健側下肢が患側より前方に出ることができず、いわゆる患側前型歩行となる。また,強い尖足のある場合にもそのまま歩かせると同じパターンになる。

 

【膝関節】

Back knee(反張膝)gait

locking knee(ロック膝)gaitやsnapping knee(バネ膝)gaitをそのまま続けていると十字靭帯が伸張・弛緩され、これが悪化すると反張がみられる。

少しでも反張がおこると体重負荷により、これを悪化させる様な力学的悪循環が形成される。

 

flexed knee gait

膝屈曲拘縮、関節炎などの屈曲変性などによるもので、棒足歩行・こわばり歩行は膝関節硬直や関節炎での拘縮によりおこる。

 

膝内反歩行

外側側副靭帯の弛緩によっておこる。

立脚期の踵骨内反を矯正しないで歩行を続けると体重負荷により、膝は外側方向へ力を受け膝内反をおこすに至る。

 

膝外反歩行

内側側副靭帯の弛緩に見られ、立脚期の外反や、かに歩行で患脚を引きずる場合や立脚期内反+ locking knee(ロック膝)gait、バネ膝、Back knee(反張膝)gait などによってもおこる。

 

Tibial torsion(Tibial=脛骨,torsion=捻転)

大腿骨に対する脛骨軸の回旋範囲が大きくなるもので、冠状靭帯や側副靭帯の伸張・弛緩によっておこるものであり、遊脚期の初期に内側ホイップや外側ホイップが強く出る。

かに歩行の場合におきやすい歩行である。

【足関節】

拘縮による尖足歩行

尖足位拘縮により足先接地の歩行をとり、代償的に膝関節を屈曲させる歩行である

 

内反歩行

1次性に準じ、拘縮によるもの

 

外反歩行

足底アーチの消失によるものと、かに歩行の為の外反膝、こわばり歩行で外転歩行をする為の外反膝などの2次的因子の為の足外反をおこす事が主因となっている。

 

*語句*

冠状靭帯:大腿骨と脛骨の間を王冠状に連絡している靭帯。

Medial whip(内側ホイップ):歩行の際、踏み切り時に踵が外側に急激に動く現象。

Lateral whip(外側ホイップ):歩行の際、踏み切り期に踵が内側へ動く状態。

足底アーチの消失:足根骨、中足骨の変形


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