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(。 ̄x ̄。)脳卒中と筋力増強訓練の話


(・.・;)題名:脳卒中と筋力増強訓練の話

●脳卒中の筋力低下

脳卒中片麻痺患者に生じる筋萎縮は、麻痺側・非麻痺側とも廃用の要素が大きく関与しているが、廃用だけでは筋萎縮の病態すべてを説明することはできない。とくに組織化学的研究からは中枢性要因の影響が大きいので、筋萎縮が高度であると考えられる。臨床的に予防が可能なのは麻痺側・非麻痺側の廃用性筋萎縮・筋力低下である。

 

発症後14日以内(中央値1.5日)入院の脳卒中患者のCTを用いた大腿、下腿の断面積の計測では、全介助群では入院後2週目には有意な断面積の減少がみられ、4週、8週と減少は進行した。早期歩行自立群では、断面積は維持された。両者の中間群では2週時には有意に減少したが、8週時にはほぼ回復した。大腿、下腿とも同様の経過を示し、麻痺側、非麻痺側間の有意差はなかった。早期リハビリテーション患者でも廃用性筋萎縮はみられ、麻痺側でも十分な訓練により筋肥大を生ずるが、回復には歩行開始までの期間の3倍以上の長時間かかることが示唆されている。

 

発症後3ヶ月以上の慢性期では、片麻痺患者の大腿、下腿筋の麻痺側と非麻痺側の比較では筋全体、個々の筋でもすべて麻痺側が有意に小さくなってなっていた。歩行不能群は可能郡に比べて大腿筋全体、特に大腿四頭筋と縫工筋の萎縮が有意に大であるが、歩行可能群のなかでは、歩行距離の長短と、筋萎縮度の間には有意差は認められない。

 

錐体路の非交差線維の影響により脳卒中では非麻痺側の筋力低下も認められる。Cybexを用い同年齢の健常者と比較し、大腿四頭筋は73%、ハムストリングスは68%に低下していた。

 

非麻痺側の筋力低下において、健常者と比較してすべてに著しい低下があり63~75.7%の範囲であった。

 

●各病期における治療

急性期:健側上下肢、体幹の筋力や体力の低下を防止するため、臥位で可能な上下肢体幹の運動を行う。

回復期:基本動作が頻回に可能な場合には、その中で低下を防ぐことは可能だが、易疲労傾向が強かったり、麻痺が重度で活動が少なかったりする場合には、意図的に健側肢を使用する。(立ち上がり動作の反復や抵抗による筋力増強運動などの実施)

 

●筋力維持・増強

麻痺側を半身に持つために非麻痺側は病前以上の筋力を求められる。余裕のある動作を行うためにも非麻痺側の筋力強化は欠かせない。ただし、麻痺側や非麻痺側の機能が相互に影響しあうことや、限られた時間の中で改善をはからなければならないことを考えても、非麻痺側の個別的な筋力強化を行うことは効率的ではない。全身運動を行うなかで、介助量を減らすことや反復することで強化していくことが望ましい。起き上がりやブリッジ、椅子からの立ち上がりや階段昇降、歩行距離を伸ばすなど、機能にあわせて繰り返し行えるものを選択する。一緒に活動することで麻痺側の筋力強化も期待することができる。また、体力の維持向上にもつながる。

①臥位で行うもの例

・ブリッジ

麻痺側大殿筋の筋活動を促す目的で用いられることが多いが、実際には背筋群が大きく働く。またブリッジのポジションは膝関節屈曲位で股関節伸展方向への運動を行うため、共同運動からの分離運動を促す目的でも用いられる。安定した臥位での足底への荷重経験の機会としても使われている。

また、同じ屈膝臥位で左右に骨盤を回旋する動作は、体幹回旋筋群の活性化と、股関節内外旋筋、内外転筋の筋活動を促すことができる。

・背臥位での下肢挙上と保持

両側下肢の挙上と保持は骨盤周囲の固定力を増す目的で行う。麻痺側下肢一側の挙上は股関節周囲の筋活動の制御練習も目的とする。

 

②坐位で行うもの例

・ロッキングでの起き上がり

腹筋群の筋活動を促し、さらにタイミングよく働かせることで、骨盤帯の固定力を増すことを目的に行う。

・横座り

膝立ちから左右への横座りを繰り返す。股関節周囲筋群のコントロール、体幹筋群の抗重力活動を促し、股関節の柔軟性を確保する目的で行う。

 

③立位で行うもの例

・椅子からの立ち上がりと着席動作

椅子やベッドからの立ち上がりおよび着席動作は、日常生活のなかで比較的早期から移乗や移動のために行われている動作であり、非麻痺側の筋力強化、麻痺側下肢の支持性の向上、下肢と体幹の荷重連鎖の促通、二関節筋の積極的な利用による立位バランスの獲得、体力の向上、対称性の育成、足関節可動域の維持などをはかることができ、自主練習としても利用しやすい。

・左右下肢への荷重訓練

両側下肢を接地して左右下肢への荷重練習の際には、体重移動に伴う下肢の運動連鎖はもちろん体幹部分の反応も求める。

・ステップ動作

より積極的な一側への荷重と歩行への準備目的で行う。

・階段の利用

麻痺側支持での降段動作は、非麻痺側下肢の降段時に麻痺側股関節の伸展を促しながら支持させることで、股関節、膝関節の分離した運動と麻痺側下肢筋の遠心性収縮を求め、抗重力的な支持を促すことができる。

・歩行

 

④上肢へのアプローチ例

・肩周囲の例

発症後できるだけ早く麻痺側上肢の運動を練習すべきである。最初は、最もターゲットとする筋が働きやすい肢位で筋活動を引き出すようにする。たとえば三角筋であれば背臥位で肩関節屈曲90°くらいが働きやすいと言われている。また、肩の保護の観点からも、最初に動かす範囲は屈曲90°程度にとどめておくことが望ましい。

Brunnstrom StageⅢレベルになると、両手でのリーチ動作やボールの保持をあくまでも主体は麻痺側上肢において麻痺側での動きを作るように誘導することで、肩周囲筋の学習の機会なる。

肩周囲筋の筋活動を高めるために麻痺側上肢での支持の機会を作ることもある。両側肘支持した腹臥位であるpuppy positionやon handでの支持、麻痺側下の側臥位でのon elbow、端坐位での麻痺側上肢支持などを実施する。肩関節に荷重刺激を加えることで肩周囲の筋活動を引き出そうとするものである。

( ̄o ̄;)参考文献

医療学習レポート.脳卒中と筋力増強訓練


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