スポンサード・リンク

(。-∀-)変形性関節症とADLの話


( ^)o(^ )題名:変形性関節症とADLの話

動作やADLの実際の方法や特徴(介助方法を含む)

変形性股関節症

Ⅰ.異常歩行

異常歩行の原因:疼痛、可動域制限、筋力低下、脚長差などが考えられる。また、体幹、下肢のアライメントにも影響を及ぼし、発現する異常歩行の形態は複雑に混ざりあっている。

1)疼痛による異常歩行・・・逃避歩行

①片側例 ・患側の立脚時間は短くなる

・健側の歩幅は短縮

・体幹を健側に傾け、患側荷重をできるだけ少なくしようとする。

②両側例 ・左右の歩幅は短くなる

・両脚支持期の占める割合が増加し、歩行スピードは遅くなる

・立脚中期から爪先離れの際に股関節伸展角度や骨盤の回旋角度が減少する。

2)関節可動域障害による異常歩行

※股OAでは、伸展・外転・内旋に可動域制限が生じやすい。

①股屈曲拘縮 ・立位や歩行時に腰椎の前弯を増大させる

・骨盤の前傾や回旋角度の減少を招く

②股内転拘縮 ・骨盤を側方傾斜して代償することが多く、これにより患側下肢を短くさせる、いわゆる「見かけ上の短縮」あるいは「仮性短縮」といわれるものが生じる。

・こうした短縮を補うために、患側の立脚期に踵を上げるなどの代用機構がみられることが多い。

③股外旋拘縮 ・立脚期の爪先開き角(足角)が増加し、踏み切りの際に推進力が得られにくい

・代償として骨盤回旋角度が増大しやすい

※末期の股OAは、屈曲・内転・外旋拘縮を来たす例が多い。

(立脚期)腰椎の前弯、骨盤の側方傾斜、股関節の内転・内旋位をとる。(鋏歩行)

(遊脚期)骨盤を回旋し患側肢を振り出す特徴的な歩行パターンを示す。

※股OAに対する再建術として、股関節固定術が用いられることがあるが、石井ら(下記文献)は股関節固定術後の、異常歩行と固定肢位との関連を次のように分析している。

(石井政次:股関節固定術24例の経験 整形外科38 1987)

固定肢位

 異常歩行

おじぎ歩行

過度の屈曲固定

腰椎の代償が不十分で、重心の上下動が著名となる

尖足歩行

過度の内転位固定

骨盤の傾斜、代償性側弯、骨盤の動揺などがみられる

外転位歩行

過度の外転位固定

股外転位で歩くか、患肢を垂直にし骨盤を傾斜させて歩く

骨盤の回旋

外旋位固定

膝の運動軸が一方向のため、軸を進行方向に直角にするように歩く

 ※上記のような結果から、最適の固定肢位は、屈曲26~30°、外転0~5°、内外旋0°と報告している。

 ※股OAは拘縮が重複している場合が多く、他の因子も多分に影響しており、詳しい分析が必要である。

 3)筋力低下による異常歩行

※股OAの場合、股周囲筋群の筋力低下を招くが、中でも外転筋の筋力低下は生じやすい。

 また、視診、触診でも殿筋群の筋萎縮は容易に観察される。

①Trendelenburg徴候

…外転筋筋力低下を生じている場合、患側での片脚起立を行なわせると、反対側の骨盤が低下する。

②Trendelenburg歩行または跛行

…患側立脚期において、反対側の骨盤が低下する歩行を指す。(中殿筋の筋力低下による)

 ※この歩行パターンが単独にみられることは稀である。

③Duchenne歩行または跛行

…Trendelenburg徴候がみられる場合、歩行させると外転筋の筋力低下に対応するために上体を患側に傾ける。(Duchenne歩行)

④Duchenne-Trendelenburg歩行または跛行

…Duchenne歩行は、患側立脚期において上体の患側傾斜であるが、実際は、同時に骨盤は反対側に傾いており、この両者をあわせた異常歩行を言う。成人股関節疾患でみられる跛行の多くは、このDuchenne-Trendelenburg歩行を呈する。

⑤大殿筋歩行

…殿筋の中で大殿筋の萎縮が生じやすいという報告もあるが、踵接地直後に体幹と骨盤を後方に傾ける大殿筋歩行を呈することは稀であり、実際はDuchenne-Trendelenburg歩行を呈することが多い。この原因について、v.Lanz und Wachsmuthら(下記文献)は、大殿筋は外転作用において14.0m・kgの仕事量をもち、中殿筋の19.0m・kgとあまり変わらず、したがって大殿筋の萎縮に伴いDuchenne-Trendelenburg歩行が出現すると述べている。

 4)脚長差による異常歩行・・・硬性墜落性跛行

    患側の立脚期で体全体が下がり、上下に動揺する。

   脚長差の原因:大腿骨頭の偏平化、大腿骨頸部の短縮、臼蓋形成不全による大腿骨頭の脱臼・亜脱臼、内転拘縮に伴う骨盤傾斜によるものなど

  (代償運動)・骨盤を傾斜させる

        ・短縮側の立脚期にかかとを上げる、または健側立脚期で膝関節を屈曲する

      ※代償機構が十分出現しなければ、身体の上下動、側方への動揺が生じる。

      ※下記文献によると、2cm以内の下肢短縮であれば跛行の原因にはならないとされている。

                図1 跛行の進行

Ⅱ.人工股関節全置換術(THR:total hip replacement)後の基本動作

1)術後肢位の保持(脱臼、腓骨神経麻痺の予防)

術後早期は脱臼や局所の軟部組織損傷の危険がある。股関節内転・内旋することにより股関節が脱臼する危険があるため、術後14日ごろまでは外転枕を用いて軽度外転位を保持し、内転・内旋位を取ることは禁ずる。

側臥位になるときにも、患肢は外転位を保持する。術後は医師に指示された肢位を保持する必要性を説明し、正しい肢位が保たれているかを経時的に観察していく必要がある。腓骨神経麻痺を予防するためにも肢位を直し、観察していく。

※良肢位保持(股関節外転10~15°、股関節内外旋中間位)

のため外転枕を使用。

体位変換時は患肢が上になるようにする。

 

※膝関節が過伸展になると、大腿部の疼痛の原因となる。

そこで、膝関節を軽度屈曲して、大腿四頭筋の緊張を緩めるために枕などを膝下にいれる。

肢位を保ち、踵部の褥瘡を予防するために足首下にタオルなどをいれる。

 

2)合併症の予防

安静による循環障害が原因で、血栓性静脈炎や褥瘡を起こす危険があり、術後の訓練開始時に特に注意が必要である。術後早期から足関節の運動を行なうことが予防に有効である。運動に応じてA-Vインパルス(間欠的空気加圧装置)が使用される。運動の介助を行いながら、患肢の腫脹・皮膚の色などの観察を行なう。

3)疼痛

術後の疼痛の程度はさまざまであるため、部位・強さなど創部痛以外の疼痛も観察する。術後、肢位の保持を妨げる疼痛に対して緩和を図るために鎮痛薬を使用する。

創部痛の他に、安静保持による腰背部・仙骨部・大腿部の痛みが多い。褥瘡予防のために、必ず仙骨部痛と皮膚の状態を確認する。また、大腿部痛は患肢の膝関節の過伸展によることが多いので、肢位を観察する。

4)困難な動作

  THR患者は一般に術後、疼痛の改善、可動域の改善(特に屈曲可動域の増加)など機能障害の改善によって、ADLの改善もみられる。しかし、しゃがみ込み、立ち上がり、足指の爪切り、和式トイレの各動作はなお困難、または不能例がみられることが報告されている。

 ※90°以上の屈曲制限は足指の爪切り、靴下の着脱などが困難になる。

 ※なかでも足指の爪切りと和式トイレを最も困難な動作にあげている。

 ※THR後、長期経過例の自宅での聞き取り調査と観察報告から、立位歩行、靴下の着脱、床に腰を降ろすの3点が最大の問題であったと報告している。

5)代償動作、自助具の利用

   Johnstonは、股関節可動域制限とADL能力との関係には必ずしも一定の関係はみられず、その原因は他の要素や患者の代償能力によるものと述べ、靴ひもを結ぶ動作、いすの座り方、床のものを取り上げる動作において、健常者のパターンと、股関節可動域制限のある患者が示す種々の代償動作パターンを紹介している。(図4)

   日本においても、THR後における靴下着脱のパターンが報告されている

   THR後の脱臼予防のためにADL制限が必要な場合は、自助具の活用が有効である。

衣服の着脱の際、リーチ不足を補うために健側の足の指で代償し、自助具の代替をした症例を図6

に、リーチャーとして長い靴べらを利用している例を図7に示す。

   図4 各動作における正常動作と代償動作のパターン

     図6 リーチ不足を健側の足の指で代償する      図7 自助具の活用例

3)杖の使用状況

THR後、疼痛がとれ、跛行もとれ、杖が除去できるものと思い込んでいる患者が多いが、杖をつくことは単に安全のためだけでなく、正しい歩行(跛行のない歩行)を獲得するためにも、また人工関節に対する免荷とういうことからも有効であり、一生杖を持たせるよう指導したほうがよいという考えが一般的である。

しかし、実際には術後杖を使用している例が少ないという報告が多い。杖を使用しない理由として、生活様式がすべて洋式ではなく和式生活であること、主婦にとって家事を行なううえで、杖の使用はかえって不自由であること、他人の視線に対する意識などが考えられる。したがって、家族や近隣社会の理解はもちろん、患者に杖の使用の理由を説明することが指導のポイントである。

 4)日常生活上留意すべき点

   人工股関節置換術後は疼痛が軽減されるため、歩行能力をはじめとするADLが著しく改善される

が、手術による合併症を予防するための自己管理と、耐用年数を少しでも延ばすような日常生活上

の工夫が必要となる。

   THR患者は術後長期経過すると、疼痛、跛行が再発し、いったん改善した股関節機能が再び低下する可能性が指摘されているため、各病院で、人口股関節患者用パンフレットを提示している例もある。

①国立名古屋病院 (一部抜粋)

   ・正座はしないようにすること(できるだけ洋式の生活をすすめている)

   ・トイレ、入浴時、家事動作においてはできるだけ腰掛けること

   ・低い椅子へは座らないこと(膝が股関節よりも低い位置にくるように)

   ・足元のものを取ろうとしたり、靴下を履いたり、爪を切ったり、車に乗り降りするときなどは、膝を強く曲げたりしないこと(膝を胸に近づけないことが大切)

   ・膝の間を少し開いて、少し寄りかかるようにして座ること。(肩が股関節より後ろにあるように心がける)※決して足を組んだり、閉じたりしないこと

   ・ベッドでは足の間に枕などを使用する(指示があるまでは、勝手にはずしたり横向きに寝ることは危険)

 ・立ち上がるときは必ず手で体を押し上げるようにすること(頭を前向きに突き出し過ぎないように)

   ・脱臼予防の対策として、軽度外転保持、しゃがみ込み動作の制限を示している。

  ※しゃがみ込み動作は、股関節の屈曲と回旋運動をしていることになり、特にステム大腿骨間に負担がかかり、looseningにつながることになるため。

 ・余暇における山登り、マラソンなどの中止

  ※人工関節に衝撃が加わることになり、looseningにつながることになるのでやらない方がよい。

  ②東京厚生年金病院 (一部抜粋)

  (退院後続けていただきたい運動)

※患者にあわせて内容を考慮し、回数やセット数を決め処方する。

   ・太ももの前の筋肉を鍛える運動(仰向けでタオルを膝の下におき、膝の裏でタオルを押さえる)

   ・座ったままの膝伸ばしの運動

 ・高めの椅子から立ち上がる運動

 ・立ったまま爪先立ちになる運動

 ・寝たまま足を広げる運動(この時足の間に枕をはさむ)

      図8 気をつけたい動作を示したパンフレット

 5)ADL指導のポイント

  ①股関節可動域に制限がある、または制限が必要な場合の代償動作を含めたADL指導

  ②股関節への負担のかかる動作の制限(しゃがみ込みなど)

  ③杖の指導 など

変形性膝関節症

Ⅰ.症状およびADL障害

1)疼痛 (図9)

膝OAのもっとも中心となる症状である。しかし多くの場合、疼痛が出現する前に膝のこわばり感や不快感が持続することが多い。このこわばり感は朝起床時および動かし始めに感ずることが多く、これらは起床後時間がたつにつれ(通常30分以内)、あるいは動くうちに消失する。

膝OAの疼痛は自発痛や夜間痛も少数にはあるものの、特徴は運動時痛である。運動時痛の中でもとくに歩行時痛である。歩行時痛は歩き始め、および長距離歩行時に強い。さたに強い負荷がかかる階段昇降時にも痛みが出る。あるいは屈曲・伸展を伴う立ち座り時の疼痛も強い。

2)ADL障害 (図10)

疼痛や可動域制限のよってADLが制限される。強い活発な動作である小走りや、深い屈曲を必要とする正座としゃがみこみは高頻度で障害が起こる。また、階段昇降ではまず早期は下降に障害が現われ、進行すると昇り降りともに障害されるようになる。

膝OAのADL障害でもっとも生活や社会活動で障害となるのは歩行障害である。歩行障害はⅩ線進行度によって増加し、関節裂隙が中等度以上狭小化するⅢ度では過半数がなんらかの制限をうけるようになり、Ⅳ度以上ではほとんどまたはすべてで歩行が障害され、生活上の大きな制約となる。(図11)

Ⅱ.日常生活上の問題点

下肢への荷重を要する立ち上がり動作、歩行、階段昇降を困難にしている。また疼痛による運動性低下が原因となって大腿四頭筋、ハムストリングに筋力低下を生じる。

家事動作が制限され、外出も困難となる。

初期(膝の疼痛と関節水腫)は、異常歩行は無いか有ってもごく軽度。長時間の正座ができにくいといった訴えが多い。その後しだいに正座が困難となり、大腿四頭筋などの膝関節周囲筋の筋力低下が起こりはじめ、また階段や坂道昇降時に疼痛をきたすようになり、軽度の疼痛性跛行が出現する。

さらに進むと、疼痛が主に膝の内側または外側に限局し、特に長距離を歩いた後でそれが著しくなるようになる。立位で膝に軽度の内反または外反変形が認められ、歩行時の膝の側方動揺(歩側動)が観察されることが多い。

(歩側動:thrust)     (腰野 富久:脛骨骨切り術の適応と術式 日整会誌51 1977年より)

①内側に主な病変を有する例

歩行の遊脚期から立脚期に入るときに、荷重によって内側の関節裂隙の狭小化が起こり、脛骨が内

反し、膝は外側へ動揺する。(外長歩側動:lateral thrust)

②外側に主な病変を有する例

逆に外側の関節裂隙は狭小化しているために脛骨は外反し、膝は内側へ動揺する。(内方歩側動:medial thrust)

※歩側動は変形の高度なものほど著明であり、立位の大腿脛骨角(FTA:femoro-tibial angle)と臥位のFTAの差の大きいものほど著しい。しかし、屈曲拘縮を起こしている膝では、変形の高度なものでも歩側動の有無を見分けることは困難な症例もある。

・歩行時の代償運動-非患側側に体幹が屈曲する

・床からの立ち上がり動作

例)術前(左膝人工股関節置換術): 軸足は手術側になる

長座位→腹臥位→腕立て姿勢→上肢を滑らせて下肢の方へ近づけながら上体を起こして立ち上がる。

術後(急激な重心移動が少なく、座る速度が制御でき、安定性が得られた。)

長座位→左膝屈曲→腰を右へ回旋させながら右膝を立て、左手掌面での支持を利用して立ち上がる。

・階段昇降-杖、手すりの使用により、二足一段昇降。昇降時の膝屈曲減少は、骨盤の引き上げや分回しにより代償する。

・和式トイレでの膝屈伸が困難

・痛みのため長く歩けない

Ⅲ.生活指導の実際と効果

変形性膝関節症の保存療法には一般に医療機関での治療に加えて職場や家庭生活でも継続したり、繰り返し行わなければ効果があがらないものが多く、長期間にわたって続ける必要がある。

また、本病変の進行防止や予防のために、日常の諸動作においても注意を払う必要がある。

 

1)温熱療法および保温

目的:鎮痛効果、血行改善に基づいて筋・腱・靭帯の緊張緩和

医療機関 …温熱療法(ホットパック、パラフィン浴、赤外線療法、高周波・超音波療法)

日常生活 …膝の保温が大切。風呂を含めた温浴や保温用サポーターの常用などが有効。

2)筋力強化

目的:大腿四頭筋筋力が低下すると、大腿膝蓋関節の負荷を増大させたり、膝の不安定性を増したりし病変を進行させるため、大腿四頭筋を訓練し、筋の最大筋力および耐久性を獲得する

医療機関 …①等尺性運動

ⅰ)セッティング法:膝伸展位で大腿四頭筋を収縮させ、膝蓋骨を引き上げる

ⅱ)下肢挙上法:膝完全伸展位で挙上する。足関節に負荷(重りなど)を加えて行なうこともできる

②等張性運動 ※①の運動が容易にできる患者に勧める。

…座位で両下肢を下垂し、膝屈曲90°から完全伸展させる方法。筋力に応じて足関節に負荷を加えていく。 (図 )

※疼痛が強まれば反射性の筋緊張が生じ、ますます疼痛が増すので、温熱療法や鎮痛剤の併

用を行なうと有用である。

※大腿膝蓋関節の変化が強い場合には、この部に過大な負荷がかかるので等張性運動は控え

る方が良い。

日常生活 …上記の筋力強化訓練は家庭内でも洋に行うことができる。

市販の重錘バンドやゴムバンドを用いて行なうのもよい。

3)膝への負荷の軽減

①減量方法(全身運動)

目的:新陳代謝促進、エネルギー放出に基づく減量

医療機関:ⅰ)マット運動(マット上に単に回転する方法。)

メリット…手軽。10mを数回往復するだけでかなりのエネルギーを消耗する。

ⅱ)温水での浴中運動(通常は32~40℃で30分間以内)

メリット…浮力があるため、膝に負担がかからない全身運動である。

膝関節に対して、温熱作用、筋力強化、可動域増大などの不可効果が

ある。

ⅲ)全身的・局所的運動療法に食事療法を加えて行う。(図 )

※減量に伴って、大腿四頭筋の筋力の増加、膝の除痛効果が認められている。

※対象に高齢者が多いので、全身状態のチェックが不可欠。

日常生活:上記は一般家庭内でも可能。

②楔状足底板(サンダル型、インソール型)

目的:下肢のアライメント矯正、局所の異常な負荷を軽減する

方法:サンダル型 …足背部に固定  インソール型 …靴や足袋の中に挿入

※病変の進行予防にもなるので、症状が消失してもできるだけ長期間使用したほうが良い。

③膝装具

目的:膝関節の不安定性を取り除く

4)膝関節の可動域

目的:可動域制限防止

方法:一日数回膝の最大伸展、最大屈曲を行わせる。

拘縮がある場合には、他動的な矯正も必要。

5)生活指導

目的:膝への負荷の軽減

・長途歩行、坂道歩行、階段昇降などの制限

※特に階段昇降は膝に加わる圧が大きく、疼痛発現が著しい。

※しかし、適度な歩行は筋力の維持・骨萎縮の防止に不可欠。

・歩行可能な患者には楔状足底板を着けた平地歩行をすすめている例もある。

・疼痛の著しい例や不安定性のある患者には適宣杖を処方する。

Ⅳ.生活指導のなかで大切なこと

理学療法・減量療法・装具療法などの保存療法を医療の外来などで一時的に受けるだけでなく、家庭や職場でも引き続いて行うよう指導することが大切である。患者自身に疾患の本質を理解させて、治療・予防に対しての意欲をもたせなければならない。そして、日頃から日常生活諸動作上注意を払うよう指導する。

 

人工股関節置換術後の急性期 (群馬大学医学部保健学科助手 小池 潤)

病日/項目 活動 清潔 食事 排泄 機能訓練 観察
入院~

手術前

 

フリー

 

入浴

 

普通食

 

術前訓練

(床上排泄、体位変換、深呼吸、側臥位での含嗽 など)

日常生活動作

疼痛の有無

全身状態(高血圧、糖尿病のコントロールなど)

手術当日

 

仰臥位

 

絶飲食

 

膀胱留置カテーテル挿入

 

足関節運動

足趾の底背屈運動

バイタルサイン

意識状態

血液検査データ

①水分収納・排泄状況②術創部の状態③疼痛の有無④ドレーン排液の量・性状⑤術後肢位の保持(脱臼予防)⑥腓骨神経麻痺症状⑦褥瘡の有無(皮膚の状態)

第1病日

 

ベッドアップ20~30°

側臥位可

全身清拭

陰部洗浄

口腔ケア

足浴

5分粥

 

  便器使用

 

④  ①②③  ⑤⑥⑦

第2病日

 

全粥

 

大腿四頭筋等尺性収縮運動開始

安静による不安の状態

(表情、言動、睡眠状態)

第3病日

 

 

ベッドアップ

30~50°

普通食

 

第4病日
第5~6

病日

抜去

尿器使用

第7病日

ベッドアップ60°

仰臥位外転運動開始
第8~11

病日

股関節自動介助運動、膝伸展下肢挙上運動開始
第12病日 端座位

→車椅子

第13病日
第14病日

※①②③離床まで

※⑤⑥⑦状態にあわせてリハビリ期も行なう


スポンサード・リンク