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(。-∀-)消化器ドレナージ管理の話


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1.ドレナージの目的

1)予防的ドレナージ

体液の貯留による腹腔内膿瘍などの術後合併症を防止したり、通過障害や内庄上昇を予防するために挿入する。術後出血・縫合不全などの情報を得るためのインフォメーションドレナージは、予防的ドレナージに含まれる。したがって予防的ドレナージでは、吻合部付近、郭清剥離面、体液の貯留しやすい場所に留置することになる。

2)治療的ドレナージ

消化管穿孔、腹膜炎などで腹腔内に貯留した不要な血液・膿・消化液などを排出することにより、発熱や疼痛を軽減させる目的で行うものである。また、腹腔膿瘍形成時の洗浄や、薬液注入を目的としたものもある。

 

2.ドレナージの方法

1)開放式ドレナージ

開放式ドレーンには、ペンローズドレーンガーゼドレーンなどがある。ドレーンの体外部は開放のまま、上から滅菌ガーゼを当てて自然排液を促す方法である。

2)閉鎖式ドレナージ

閉鎖式ドレーンには受動的(重力を利用)なデュープルドレーン、能動的(持続吸引)なJバッグなどがある。

 

■事故防止のために

1.観察による異常の早期発見

患者の術前の状態によっては、腫瘍による通過障害でイレウスを起こしていたり、栄養状態不良や糖尿病などの合併症をもっている場合がある。感染や縫合不全が起こると消化液や便・腸内細菌が腹腔内に漏れ、腹膜炎などの合併症を引き起こすおそれがある。また、腹腔鏡補助下の手術では創が小さいため、術操作がしにくく、止血が不十分なことがある。看護者の発見が遅れると、患者に重篤な弊害をもたらすことになる。

1)排液の観察

術後は、滲出液の貯留を防いだり減圧目的で、体腔や剥離面・吻合部後面・下面にドレーンが挿入される。そのため、排液の量・色・怪状の観察は重要であり、異常の早期発見につながる。

①出血:通常、血性から淡血性へと移行していくが、血性の排液が続く場合は後出血が考えられる。術後出血は24時間以内に発生することが多く、100ml/時以上であれば、状況によっては再開腹止血術となる可能性もある。ガーゼカウント、ショックの徴候に注意し、異常があればただちに医師に報告する必要がある。

②縫合不全:ドレーンから、消化液と思われる白濁・黄濁・濃緑色などの排液がみられたときは、縫合不全が疑われる。痛みや発熱、吻合部付近のドレーンからの排液の性状や臭いの変化(膿汁・悪臭)、腸管蠕動運動の低下などに注意し、経合不全の徴候を早期に発見することが重要である。

③感染:まずは医療者が感染予防行動をとる。急な発熱、ドレーンからの排液の性状(混濁・浮進物・悪臭)、量の変化が起こった場合は、感染が疑われる。熱源・培養の結果に注目し、MRSAなどが検出された場合は、病院の規定に添って行動する。

④ドレーンの位置異常(進入・逸脱・抜去):排液量が急に減少した場合、ドレーンの抜去・逸脱などが考えられる。ドレーンからの排液量やドレーンの位置に注意し、患者に合わせた固定法が行われているかを観察し、患者へも指導を行う。

⑤ドレーンの閉塞:排液量が急に減少した場合、ドレーンの屈曲・閉塞も考えられる。ドレーンのねじれや敷き込みがないか確認する。ドレーンからの排液の性状に注意し、浮遊物・凝血で閉塞していないか観察する。適宜ミルキングを行い、排液を促す。

⑥排液による皮膚症状:ドレーンから消化液が出ている場合は、皮膚の発赤・びらん・疼痛の有無を観察する。必要に応じて,テガダーム、コロプラストなどを使用する。

2)全身状態の観察

出血・縫合不全・感染の徴候がある場合は、貧血・低栄養・電解質異常などが出現する可能性がある。そのため、Hb・Ht・ALB・TP・Na・K・Cl、白血球数・CRPの検査データにも注目をする。また、発熱をはじめとするバイタルサインの変化や、疼痛・腹部症状などの訴えも併せて観察する。発熱・疼痛時は患者の苦痛が強くなるため、十分訴えを聞き、苦痛の緩和・精神面のケアを行う。

カーデックス用紙に手術の術式と創・ドレーンの位置・ドレーンの種類を明記し、短切時、抜去日を記入して把握できるようにする。

観察項目に添って、観察を行う。記録に、排液量・ドレーン刺入部の状態・ガーゼの性状・ガーゼ交換の時間を記載する。排液量の変化、刺入部の異常、ガーゼの性状の変化があった場合は医師に報告し、一緒にガーゼ交換を行う。異常が発生した場合は。患者への説明内容、および患者の反応を記録に残すとよい。

 

2.ドレーン管理上の工夫

1)感染防止に努める

ドレーン留置は体内と体外の交通路となるため、患者は感染の危険にさらされている。抵抗力の少ない高齢者や術後の体力低下などで易感染状態になっていることを考慮し、看護者は感染防止に努める必要がある。また万が一、感染が起こった場合は早期発見と医師への報告が求められる。

①無菌的操作:ガーゼ交換は無菌操作で行う。覆ったガーゼは、はずれたりしないようにテープで両端をしっかり固定する。ガーゼ交換前後の医療者の衛生的手洗いは、確実に行う。

②感染源の除去:開放式ドレナージの場合、滲出液が多いと汚染されたガーゼは細菌の温床になるので、長時間そのままにせず速やかに交換する。離床活動に合わせたガーゼのテープ固定を行い、ガーゼがずれたり、下着がドレーンにあたらないようにする。

*ガーゼに下着のゴム部があたり、ずれそうな場合

低位前方や腸切術の場合は、ペンローズドレーンが腹壁下方に入っている。ガーゼの上に腹帯を巻いているため、腹帯の上からパンツを履くようにしている。それでも、パンツのゴムが直接ガーゼに食い込み、ガーゼがずれ、ペンローズドレーンに触りそうな場合は、ガーゼの下線に伸縮性のテープを貼付する。

*排液が非常に多く、ガーゼ交換が追いつかない場合

ペンローズドレーンを中心にオープントップタイプの保護剤を貼付し、誘導する。ただし、排液がキャップ部に貯留していないか観察し、そのつど破棄する必要がある。

③清潔環境の保持:腹部の創やドレーン刺入部の皮膚の保護・保清に努める。開放式ドレーンの場合、皮膚の発赤やびらんを起こすおそれのあるときは、コロイド剤やテガダームを刺入部周囲の皮膚に貼付する。

④排液の逆流や停滞を防ぐ:排液バッグの交換、高低差に注意し、排液バッグを挿入部より高くしないようにする。閉鎖式ドレナージのときはミルキングを行い、閉塞を防ぐ。持続吸引の場合は、指示された吸引圧が保たれているか確認する。

⑤院内感染予防:排液を破棄する場合は手袋を装着する。処置が終わるたびに衛生学的手洗いを行う。

2)ドレーンの位置異常(進入と逸脱)・抜去を防止する

ドレーンは、術後の腹腔内の情報を得るためと、滲出液を外部に誘導するために一定期間は留置する必要がある。目的の位置からずれたり抜去が起こると本来のドレナージ効果が得られず、患者の治癒を遅らせることになる。離床開始時や術後せん妄での不穏時などに事故が起こりやすい。確実に目的の位置に留置されるよう管理する必要がある。

(1)ドレーンの固定の工夫

胃・腸切術後のペンローズドレーンの場合、抜去を目的とした短切時は、ドレーンの腹腔内への進入を防ぐために滅菌安全ピンで固定する。ドレナージの位置を変えて留置し続ける場合や、ネラトンチューブに置き換えた場合は、腹圧により自然抜去してしまうことがある。当科では、滅菌安全ピンをドレーンに通し、ピンの両端を糸で結び、糸を皮膚にテープで固定する方法をとっている。

腹会陰式直腸切断術で入れるデュープルドレーンの場合、挿入部に糸固定をしているが、2カ所以上余裕をもってテープ固定をする。できるだけ平坦な部位を選び、体位変換などで敷き込む可能性がある部位の固定を避ける。エラストポアが剥がれないように、切ったテープの四隅を丸く切り、皮膚にテープを1枚貼り、その上にドレーンを置く。ドレーンに沿うように圧迫せずにテープを貼り、さらにテープがめくれないようにドレーンの下方から割を入れたテープで固定する。

*痴呆・せん妄により自己抜去する可能性がある場合

・ペンローズドレーンの上から覆うガーゼの固定を、普通のテープでなくエラストポアを使い、ガーゼの四方すべてに貼る。

・デュープルドレーン刺入部にテガダームを貼り、エラストポアで2カ所固定した上から、さらに大判のテガダームを貼る。

・患者が腹部に手を入れないよう、寝衣の合わせ部分をエラストポアで止める。

・患者の行動を観察しやすいよう、ナースステーションから見える病室に移動させる。

(2)患者の活動の妨げにならない工夫

・患者の活動範囲に応じてチューブの長さを調節したり、絡まないように吊るす。

・患者がベッドの昇降を行う方向に合わせてドレーンの固定を行う。

・点滴スタンドに掛けて歩く場合は、スタンドに紐とフックを掛けて排液ボトルの高さを調節しておく。

・排液ボトルは、持ち歩きやすいようにポシェットのようなものを利用したりする。排液量が多く貯留している場合は、廃棄して身軽にしておく。

3)ドレーンの閉塞・屈曲を防止する

①排液を促す:排液の粘調度が高かったり、血塊や浮遊物があると、閉塞が起こる可能性があるため、ドレーンは定期的にミルキングを行う。ドレーンが硬い場合は、ミルキングローラーを用いる。また、低圧持続吸引を行っている場合は吸引圧を確認する。

②ドレーンの固定を工夫する:固定の位置が適切か確認する。患者には、できるだけ前開きの肌着や浴衣タイプの病衣を着用してもらう。腹会陰式直腸切断術でのデュープルドレーンは殿部より出ているため、大腿内側部に下肢の屈曲の妨げにならないよう固定する。

③ドレーンが閉塞した場合:速やかに医師に報告する。洗浄可能な場合は、医師の指示のもとで洗浄の準備をする。

 

3.患者指導

ドレーンが挿入されていることで患者は痛みや違和感を感じたり、生活上の抑制を受け、ストレスになっていることが多い。看護者が注意していても、患者の協力なしではドレナージ管理を行うことは困難である。患者の理解度を把握しながら説明を行い、事故防止に努めることも重要なケアである。

(1)ドレナージの必要性・方法・留置期間を説明する。また、屈曲や抜去など活動時の注意点を説明し、理解と協力を得る(理解・協力が得られない場合は、患者家族の協力を求めたり、抜去されないような工夫を早急にしておく)。

(2)排液がスムーズにできる体位の説明を行い、ファーラー位やセミファーラー位をとるよう説明する。

(3)初めて離床する場合は必ず付き添い、排液ボトルやチューブを実際に見せながら再度説明し、取り扱いの注意点が守れているか確認する。

(4)腸管蠕動運動を促すために(排ガス促進や消化液の吸収による吻合部の減圧のために)離床の方法を説明し、離床計画を立てる。

(5)ドレーン刺入部の痛みがある場合は、テープ固定を変えたり、鎮痛剤の使用が可能であることを説明する。

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