スポンサード・リンク

(〃ω〃)反射・反応検査の話


(+_+)題名:反射・反応検査の話

A.深部反射 deep reflex

1.検査の意義

①深部反射の亢進は、反射弓より上位の抑制系の障害(錐体路障害)を示唆

②深部反射の減弱・消失は反射弓の障害・筋の障害を示唆

③筋緊張が低下する病変(小脳疾患、脊髄癆、アディー症候群など)でも深部反射は低下

④正常者でも深部反射は亢進・低下することがあるため左右差をみる

⑤亢進側に病的反射・クローヌス・感覚障害を伴えば、明らかに病的意義を有する

⑥全身の筋緊張の分布状態の把握

⑦意識障害・注意力低下・知能障害がある場合でも検査が可能

⑧一般的に深部反射の亢進があれば筋緊張は亢進するが、時にそれが認められないこともある

擬似弛緩、一見弛緩様(quasiflaccid):

脳卒中などの初期に見られる、一見筋緊張は低下しているが腱反射は亢進している状態

弛緩性麻痺から痙性・痙固縮への移行期に見られる

 

2.検査についての注意

①患者を十分にリラックスさせる

②検査する筋には適当な伸張を加え、反射を誘発するために適度な伸張を保つ肢位におく

③腱の叩打に際しては直接腱を叩くより、検者の母指を腱の上に当ててその母指を叩く方が良い

*腱を触知することで検査筋の緊張の程度を知る、また圧迫することで筋を緊張させる

④反射が減弱・消失している際には各種の増強法をおこなう

反射の増強法(reinforcement of reflex):

1.イェンドラシック法(Jendrassik maneuver)

①患者の両手を組んで左右に引かせ、同時に腱を叩打する(上肢では歯を固く噛み合わさせる)

②検査筋に軽く抵抗をかける(膝蓋腱反射ではベッドから下腿を降ろさせ前面から抵抗をかける)

③膝蓋腱反射では足を組ませる

2.患者の注意を検査からそらす

3.筋の萎縮により反射が減弱している際は筋を触知しその収縮を診る

 

3.判定および記録法

A.反射の判定

①量的変化:亢進・低下・消失など

②質的変化:筋収縮の速度・大きさ・広がりなど

③左右差    などから正常・異常を判断する

B.判定の記録法

①消失(-)

②低下(±)

③正常(+)

④軽度亢進(++)

⑤中等度亢進(+++)

⑥高度亢進(++++)

 

4.検 査 法

名称

中枢

検査方法

判定

障害

下顎反射 軽く開口させ検者の母指を顎の中央に置き、母指の上から叩打 両側の咬筋が収縮、下顎が上昇すれば亢進 亢進では三叉神経核より上位の障害
頭後屈反射 C1-4 頸部を脱力させ頭部軽度屈曲、上唇のやや上を下方にむけて叩打 頭部がすみやかに後屈すれば亢進 頸髄より上位の両側錐体路障害
上腕二頭筋反射 C5.6 上肢軽度屈曲位にて患者の腕を検者の前腕に乗せ、母指を上腕二頭筋腱上に置き叩打 筋の収縮により肘関節は屈曲 亢進は錐体路障害
上腕三頭筋反射 C6-8 前腕を軽くつかみ肘関節を軽度屈曲させ、肘頭の直上の腱を直接叩打 筋の収縮により肘関節は伸展 亢進は錐体路障害
腕橈骨筋反射 C5.6 前腕を支持し、橈骨遠位端の部位で腕橈骨筋腱を叩打 筋の収縮により肘関節は屈曲、前腕は回外 亢進は錐体路障害
回内筋反射 C6-Th1 前腕を半回内位にして大腿上に置き、尺骨茎状突起の背側面を叩打 筋の収縮により前腕は回内 亢進は錐体路障害
胸筋反射 C5-Th1 肩関節軽度外転位にて大胸筋の上腕骨付着部に検者の母指をあて圧迫、母指上から叩打 筋の収縮により肩関節内転・内旋、正常では指に収縮を感じる程度 亢進は錐体路障害
腹筋反射 Th6-12 ①上部:乳腺上で肋骨縁を叩打

②中部:臍の高さで腹筋上に手掌または指

を置き叩打

③下部:恥骨結合中央より1~2cm外側を叩

①臍が叩打した側の肋

骨縁へ偏位

②腹筋の収縮

③臍が叩打した側の下

方に偏位

亢進は錐体路障害
膝蓋腱反射 L2-4 椅子坐位またはベッド上坐位にて下腿を下垂させ、膝蓋腱部を叩打 筋の収縮により膝関節は伸展 亢進は錐体路障害
アキレス腱反射 S1.2 背臥位にて膝関節軽度屈曲させ足部を中間位または背屈位に保持し、腱を叩打(腹臥位・膝立ち位でも可能) 筋の収縮により足関節は底屈 亢進は錐体路障害
下肢内転筋反射 L3.4 背臥位にて股関節軽度外旋させ、大腿骨の下端内側に検指を置き叩打 筋の収縮により股関節は内転 亢進は錐体路障害
下腿屈曲反射 L4-S2 背臥位にて膝関節軽度屈曲させ、大腿後面に検指を置き叩打 筋の収縮により膝関節は屈曲 亢進は錐体路障害

 

膝蓋腱反射の診断基準:

1.膝蓋靭帯部を叩打して反射が出現(+)

2.大腿四頭筋腱部を叩打して反射が出現(++)

3.大腿四頭筋筋腹を叩打して反射が出現(+++)

 

B.表在反射 superficial reflex

1.検査の意義

①多シナプス反射であるため反射弓が長く、反射弓のどの部位の障害でも消失

②末梢神経障害では減弱ないし消失(この時深部反射も低下)

③錐体路障害では減弱ないし消失(深部反射は亢進、反射の解離が起こる)

 

2.検査についての注意

①加重(summation)が可能で、何回もやると出やすくなる

②患者の注意・意識も反射に大きな影響を持つため、注意を他にそらせ突然刺激を加える

 

3.評価尺度

①正常(+)

②減弱(±)

③消失(-)

 

4.検 査 法

A.粘膜反射

名称

中枢

検査方法

判定

障害

角膜反射 視線を側方にむけさせ反対側より脱脂綿の小片で角膜に触れる 直ちに目を閉じれば陽性 三叉神経(求心路)・顔面神経の障害で低下
鼻反射(くしゃみ反射) 脳幹・上部脊髄 鼻粘膜をこよりなどで刺激する くしゃみがおこれば陽性 三叉神経の障害で消失
咽頭反射または嘔吐反射 延髄 咽頭後壁の粘膜を舌圧子または指頭で刺激する 嘔吐運動がおこれば陽性 球麻痺・ヒステリー・老人で消失

 

B.皮膚反射

名称

中枢

検査方法

判定

障害

腹壁反射 Th5-12

①Th5.6

②Th6-9

③Th9-11

④Th11-L1

背臥位にて両膝軽度屈曲して腹筋を弛緩させる

①肋骨縁に沿って上から下に向けてこする

②臍と肋骨縁との間を水平に内側に向けこする

③臍の高さを水平に内側に向けてこする

④臍より下を水平に内側に向けてこする

刺激側の腹筋の収縮により、臍あるいは白線が刺激側へ動けば陽性 一側のみの消失は錐体路障害、振戦麻痺・舞踏病では亢進
挙睾筋反射 L1.2 大腿内側上部を上から下にむけてこする 睾丸が挙上すれば陽性 錐体路障害・陰嚢水腫などで消失
殿筋反射 L4-S3 一側の殿部を水平に軽くこする 殿筋の収縮がおこれば陽性
肛門反射 S3-5 肛門周囲・会陰部をこする 肛門括約筋の収縮がおこれば陽性 会陰部の感覚脱失、脊髄円錐部・馬尾神経障害などで消失
足底反射 L5-S2 足底を踵から足先に向けてこする 母指・足指が屈曲すれば陽性 一側のみの消失は錐体路障害

 

C.病的反射 pathological reflex

1.検査の意義

錐体路障害・前頭葉障害(痴呆など)の診断

 

2.検査についての注意(バビンスキー反射の特徴)

①小児では正常でも生後1年間は陽性、2年目の終わりまではしばしば出現

②多シナプス反射であり、誘発時の条件に左右されやすく、疲労現象が著明

③錐体路障害があっても必ずしも出現するとは限らない

④反射出現の程度は錐体路障害の程度とは一致しない

⑤陽性であっても錐体路が器質的に破壊されているとは限らず、一過性に出現することもある

 

3.評価尺度

①陽性(+)

②疑わしい(±)

③陰性(-)

 

4.検 査 法

名称

中枢

検査方法

判定

障害

吸引反射 軽く開口させ上唇から口角にかけて軽くこする 口をとがらせて哺乳運動がおこれば陽性 前頭葉障害・両側大脳の広範な障害、乳幼児では正常でも陽性
口とがらし反射 患者をリラックスさせ、上唇の中央を軽く叩打する 口輪筋の収縮により口を尖らせれば陽性 両側錐体路の障害
クヴォステック徴候 外耳孔前方の顔面神経幹または頬骨弓と口角の中点を叩打する 鼻翼・眼瞼・口角の攣縮がおこれば陽性 低Ca血症(テタニーなど)
手指屈筋反射 ホフマン反射 C6-Th1 手関節軽度背屈位から中指中節部を検者の示指と中指で挟み、母指で患者の中指爪部を手掌側にはじく 刺激により母指の内転がおこれば陽性 一側のみ陽性は錐体路障害
トレムナー反射 C6-Th1 手関節軽度背屈位、手指軽度屈曲位から左手で患者の中指中節を支持、右手の示指または中指で患者の中指末節掌側面をはじく 刺激により母指の内転がおこれば陽性 一側のみ陽性は錐体路障害
ワルテンベルク反射 C6-Th1 肘軽度屈曲位、前腕回外位、手指軽度屈曲位で手背を膝の上に置き、検者は示指・中指を患者の4指先端掌側面に横向きに当て、その上をハンマーで叩打 刺激により母指の内転がおこれば陽性 一側のみ陽性は錐体路障害
ワルテンベルク徴候 回外位で示指から小指を軽度屈曲させ、検者は右手の4指でこれにひっかけ左手で手首部を支持、両方から引っ張る 母指が著しく内転・屈曲すれば陽性 一側のみ陽性は錐体路障害
把握反射 手掌面の母指と示指の間を手根部より指先に向けて軽くこする 手指が屈曲し把握が起これば陽性 前頭葉障害、乳幼児では常に陽性
トルソー徴候 血圧計のマンシェットを上腕に巻き最大血圧よりやや低めに内圧を上昇させる 手に特有な痙攣(産科医の手)が起これば陽性 テタニー
手掌頤反射 手掌の母指球を手根部から指先に向けてこする 刺激により同側の下顎の筋(時に口輪筋・眼輪筋も)が収縮すれば陽性 錐体路・前頭葉障害、中枢性顔面神経麻痺で陽性、末梢性麻痺では消失
足底筋反射 ロッソリーモ反射 L5-S2 足指の足底面あるいは足指のつけねを叩打する 足指の屈曲がおこれば陽性 前頭葉第6野障害
メンデル・ベヒテレフ反射 L5-S2 足背の中部外側を叩打する 足指の屈曲がおこれば陽性 一側のみ陽性は錐体路障害
バビンスキー反射 背臥位で両下肢を伸展させ、足底の外側を踵から足先にむけてゆっくりと強くこする 母指がゆっくりと背屈すれば陽性(母指現象または伸展足底反射) 一側のみ陽性は錐体路障害、小児は生後1年まで陽性
マイヤー反射 第3~5指の中手指節関節を屈曲させる 母指の橈側・掌側内転が起こらなければ陽性 一側のみ陽性は錐体路障害
ルリー徴候 肘軽度屈曲・前腕回外位で、手関節を強く掌屈させる 上腕二頭筋の収縮により肘屈曲が起こらなければ陽性 一側のみ陽性は錐体路障害
マリー・フォア反射 足指全体を握って強く底屈させる 股・膝屈曲、足の背屈がおこれば陽性 一側のみ陽性は錐体路障害
クローヌス 膝クローヌス 背臥位で下肢を伸展させ、膝蓋骨を母指と示指でつかみ強く下方に押し下げ力を加え続ける 刺激により、膝蓋骨が上下に連続的に動けば陽性 一側のみ陽性は錐体路障害
足クローヌス 背臥位で膝を軽く屈曲させ、検者の左手で膝窩を支持、右手で足部を急激に背屈させる 刺激により足部が上下に連続的に動けば陽性 一側のみ陽性は錐体路障害

 

クローヌスの診断基準:

1.+(陽性):5回以上の間代

2.±(偽陽性):2~3回の間代

3.-(陰性):0回(出現しない)

 

D.姿勢反射・姿勢反応 postural reflex・postural reaction


スポンサード・リンク