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(〃∇〃)クベースの話


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(^◇^)題名:クベースの話

■解説

保育器は、新生児の保温を主とした全身管理目的の医療機器である。クベース使用の主目的は、ハイリスク新生児を低体温から発生する悪循環や合併症の予防である。大別して、開放式保育器と閉鎖式保育器がある。いずれも手動と自動制御装置による体温の調節が可能である。保育器内でのケアは、①操作前後の手洗い、②保育器の清掃と消毒、③消毒・滅菌物の使用、④手入れ窓の区別による使用物品の出し入れ、⑤清潔操作の徹底により器内の細菌増殖、水平感染を起こさないようにする。保育器は、輻射熱による体温の喪失を起こしやすいので、外気温、室温、設置場所に注意し、器内温度、湿度の変動をきたさないようにする。在胎週数の短いものや低出生体重児(出生体重2500g未満)や極低出生体重児(出生体重1500g未満)、超低出生体重児(出生体重1000g未満)を中心としたハイリスク新生児には、主として閉鎖式保育器が用いられる。

 

■保育器の機能:

(1)高温の環境を与える

(2)適切な湿度を保てる

(3)外界を遮断することにより感染を防止(隔離)できる

(4)酸素を効果的に供給できる

(5)透明なため観察が容易に行える

 

■保育器の種類

種類 しくみ 特徴
閉鎖型保育器

 

 

 

 

 

・マニュアルコントロール

 

・サーボコントロール

モーターでファンを回し、フィルターで濾過した空気を保育器内に吸入して循環させる。空気はヒーターで温められ、一部は加湿槽を通る際に加湿される ・温度・湿度の保持や隔離性に優れている

・一般に使用される保育器である

ダイヤルにより器内温を設定し調節する
児の腹壁に体温ブローブ(センサー)を装着し、児の腹壁温が自動的に調節される ・体温が不安定な低出生体重児、集中治療を必要とする低出生体重児に使用する
開放型保育器 臥床部が開放型で、上部の赤外線とヒーターで環境温度を保つ ・観察や処置が容易だが隔離性はない

・不感蒸泄が増加する

搬送用保育器 至適環境を維持しながら、NICU施設などに児を送るための保育器 ・搬送時の振動にも耐えうる構造である

 

■目的

①体温の保持

②全身の観察

③早産児の感染予防

④酸素療法の実施

⑤感染症新生児を隔離し、院内感染の予防

⑥蛍光灯を使用した光線療法の際の全身管理

 

■保育器収容の適応:

(1)体重が1500g未満、在胎35週未満の低出生体重児

(2)体温調節ができず、低体温になりやすい児

(3)呼吸障害、循環器障害、黄疸などで保育器内での治療が必要な児

(4)感染症で隔離が必要な児

 

<絞り式手入れ窓の閉鎖式保育器の使用手順>

●必要物品:

①消毒済み保育器

②滅菌蒸留水約1,000ml

③保育器内使用リネン(滅菌シーツ、滅菌マットレスパット)

 

●注意点:

①保育器は、外気温、室温、設置場所、電源の外れに注意して使用する。

②保育器で光線療法や人工呼吸器などの器械を併用するときは、機内温上昇、体温上昇に注意する。

③保育器を自動制御装置で使用するときは、体温プローベの外れ、破損、固定を確認する。

④保育器は、体温調節を意図的に行うので、感染徴候を見落とさないように観察する。

⑤未熱性の強い新生児は、適切な加温・加湿を行い低体温を防止する。

⑥保育器を自動制御装置で使用するときは、体温プローベの固定と固定部の皮膚発赤および火傷に注意する。

⑦保育器使用は、不感環境温となるように皮膚温を基準として、体温・室温を調節する。

⑧保育器操作の前後の消毒薬使用による手洗いを徹底する。

⑨毎日の保育器清掃、保育器交換、使用後保育器の消毒、フィルター交換などにより、細菌感染を予防する。

 

■医療事故やニアミスを防ぐためのポイント

(1)発生しやすいところ

①体温測定のプローベのはずれ、尿汚染などにより正しく設定されず設定温度が高くなることがある

②クベース内の温度の細菌汚染による収容児の感染症の発生を起こしやすい

(2)発生をどのように防ぐか

①プローベ使用の際は装着状況および体温、クレーブ内温度を定期的にチェックする

②毎日消毒薬によるクレーブの清掃を確実に行う。清掃前後のクレーブ各部の細菌培養を行い、使用中の消毒液による効果(菌の種類や菌の減少がみられているか)を判定する。ホルマリンによる使用後クレーブの終末消毒(滅菌)を実施し、手洗いを徹底する。

(3)発生したときにはどう対処するか

①37.5℃以上の高体温の際は保育器設定温度を下げる。器内温度の異常上昇は、児の安全確保のために電源を切り、開窓して室温を下げる。保育器を確認する場合もある。

②消毒効果のある薬剤に変更して、1日の保育器清掃の回数を増やす。消毒効果のある薬剤に変更して手洗いを行う。消毒済みクレーブの交換期間を短縮し、清潔な保育環境におくようにする。

手袋装着による保育器内操作を行う。MRSAについては、酸化水シャワーによる皮膚消毒、家族の承諾を得て、医師の指示によるバクトロバン軟膏の塗布による鼻腔・耳腔、気管チューブ周囲の除菌を行う。

 

●手技:

1)手動での使用手順

手順(留意点) 根拠・その他
①児を収容する場所に必要物品および保育器を設置する

(使用予定の1時間以上前にセッティングする。室温は25℃以上で、熱源や直射日光の影響の少ない場所に設置する)

 

②清潔窓から滅菌マットレスパッドと滅菌シーツを入れて敷く

 

③温度計に滅菌蒸留水を入れる

1.生後1週未満の超低体重出生児や呼吸障害を持つ児は、加湿槽に蒸留水をいれて使用する

(80%以上の湿度が必要な超低出生体重児は、強制加温式加湿槽を使用する)

 

④電源を入れ、器内温度調節ダイヤルと湿度調節スイッチを動かし、児に適した温湿度に設定する(※1・2)

(保育器内を不感環境温に設定する。保育器の交換は、交換前に児を収容していた保育器温度・湿度を目安に設定する)

 

⑤器内温度・湿度が、安定したら児を収容する

 

⑥児の収容は、開き戸のある方を表とし、これに向かって左側に児の頭がくるように寝かせる

 

 

⑦体温は皮膚温で測定する

(体温は、深部温が変化をきたす以前の皮膚温の段階で体温調節を行う)

→器内温が安定するまでに、シングルウォール保育器で50分、ダブルウォール保育器で40分を必要とすることが多い

→輻射熱や伝導による器内温への影響に注意する

 

 

 

→不感蒸泄による体温および水分喪失を予防する

→保育器内の細菌増殖を予防する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→体温測定に皮膚温と直腸温のいずれかも測定する場合がある

→低出生体重児の直腸温測定の際穿孔に注意して行う

 

出生直後のクベース内温度と湿度の設定目安

出生体重 温度 湿度
500g未満 35.5±0.5℃ 100%
500~1,000g未満 34.9±0.5℃ 90~100%
1,000~1,500g未満 34.0±0.5℃ 80~90%
1,500~2,000g未満 33.5±0.5℃ 70%
2,000~2,500g未満 33.2±0.5℃ 50~60%
2,500~3,000g未満 33.0±0.5℃ 50~60%

 

閉鎖式保育器湿度設定目安

日齢\出生体重 1,000g未満 1,000~1,500g 1,500~2,000g
0~3日 90~100% 80~90% 70%
3~7日 70~90% 60~70% 60~70%
7~14日 60~70% 50~60% 50~60%

 

2)自動制御装置での使用手順

手順(留意点) 根拠・その他
①自動(サポートコントロール)で使用するときは、体温プローベのプラグを保育器外面の接続ジャックに差し込む

(出生直後は、体温プローベを密着させるため胎脂や血液などを取り除く)

 

②体温プローベを決められた皮膚に貼付する

(早産児はテープを選択して体温プローベを貼り替える)

 

③体温プローベの装着5分後に体温を体温表示で確認する

(体温プローベは、臍と剣状突起中間部位の腹部正中線上に貼付する)

 

④体温プローベによる体温測定が安定しているのを確認後、手動から自動にスイッチに切り替える

 

 

⑤体温設定表示スイッチにより希望する体温に設定する

(使用中は体温測定とプローベの観察を行い、毎日再固定する)

 

 

 

 

 

 

→皮膚や粘膜が弱く、刺激による発赤やびらんや火傷を起こしやすい

→体温プローベの密着が悪いと、正確な体温が測定できず、器内温が上がり過ぎることがある

 

3)保育器内オムツ交換

手順(留意点) 根拠・その他
①保育器内の操作前に7.5%ポピドンヨード液を使用して肘関節から2横指上よりもみ手洗いを2分間実施し、ペーパータオルで拭く

 

②保育器内の操作は絞り式手入れ窓のつまみを開き、袖口に触れないようにして、手を入れる。もう片方の手で、絞り式手入れ窓のつまみを閉める。

 

 

③保育器は、開き戸の手前側を処置窓とし、奥側を清潔とする

1.オムツ交換は、処置用シーツをオムツの下と足下の台の上に敷く

2.臀部清拭後オムツを外し処置用シーツにくるむ

3.汚染した手指をエタノール綿で拭き未使用のオムツをあてる

4.使用後の清拭綿とエタノール綿は足下の台の上に置き処置用シーツにくるんで、別にくるんだオムツとともに不潔窓より取り出す

5.足下の台はオムツ交換後0.5%塩化ベンザルコニウムガーゼなどで清拭する

(保育器の汚染につながる処置を行うときはオムツ交換に準じた操作を行う。消毒薬は保育器の材質や感染症により変更する)

 

 

④保育器操作後、肘関節部で絞り式手入れ窓のつまみを開き内外の袖口周囲のビニールに触れないように保育器より手指を出す

 

⑤保育器操作前と同様にポピドンヨードでもみ洗い後、塩化ベンザルコニウム・エタノール約3mlを手に取り、すり込むように乾燥するまで摩擦する

 

 

 

 

→保育器外に温度が逃げないようにする

→手洗い後の手指の汚染を予防する

 

→清潔操作の徹底

→汚染の残存による保育器内の汚染、児の感染を予防する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→保育器袖口ビニールの汚染を予防する

 

4)保育器内の毎日の清掃

手順(留意点) 根拠・その他
①保育器の清掃の前にバイタルサイン、室温、保育器の温度・湿度を測定し、異常がないかを確認する

(保育器の消毒には一般に0.5%塩化ベンザルコニウムが用いられているが、収容児の感染症の種類に応じた薬液消毒を使う。薬液消毒できないものや感染予防を徹底するときは、物品に応じた滅菌を行う。MRSAの児に使用した物品は、超酸化水やハイクロソフト水などを用いる。金属物品は、超酸化水やハイクロソフト水などで洗浄する)

 

②1日1回定時に清掃を行う

1.滅菌清掃用布巾を用い希釈した消毒薬で、保育器の内側より処置側、不潔袖口、保育器外面、引き出しの順に清掃する

(消毒薬による清掃の際、その都度清掃面もかえる)

 

③袖口は外して開閉口を清拭後ガス滅菌した袖口に交換する

 

 

④加湿槽、温度計、湿度計は外して消毒薬に浸漬し、消毒済みのものに交換する

1.湿度計に滅菌蒸留水を入れる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→細菌の他の部位への再付着(細菌感染の拡大)を予防する

 

5)保育器使用後の後片付け

手順(留意点) 根拠・その他
①保育器臥床台下の本体中床を外してすべて分解する

(本体下には、ほこりがたまるので、加湿槽部や枠やねじを外して分解して消毒する)

 

②浸漬用に希釈した消毒液をつくり浸漬できるものは漬ける

(浸漬できないものは、清拭用に別に薬液をつくり清掃専用の布巾を使用して清拭し消毒する)

 

③清拭した物品および浸漬した物品は、滅菌シーツの上で乾燥させる

 

 

 

手順(留意点) 根拠・その他
④乾燥後保育器を組み立てる

湿度計は球部を小さく切った滅菌ガーゼを巻いておおい、滅菌した糸で固定する

(温度計は球部がガーゼで巻いてあるか確認する)

 

⑤殺菌灯を保育器内につるし、保育器を閉鎖した状態で電源を入れて1時間、保育器内を照射循環させる

 

 

⑥電源を切り、翌日以降より1週間以内に使用する

 

⑦クベースは、5日以内に交換する

 

 

⑧マイクロフィルターは3カ月を目安に交換する

→正確な湿度測定のため

 

 

 

 

→保育器内を循環させることにより殺菌灯の紫外線を器内全域にゆきわたらせて消毒効果を上げる

→殺菌灯による紫外線の殺菌効果を浸透させる

→使用5日以降より、急激に保育器の細菌数が増加するため

→0.5μmの粉塵や埃と移動する細菌を濾過するため

「クベース」の画像検索結果

(--〆)参考文献

医療学習レポート.クベース


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