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(〃^ー^〃)変形性骨関節症の話


「変形性骨関節症」の画像検索結果

(+o+)題名:変形性骨関節症の話

変形性骨関節症は非炎症性で、進行性に可動関節、特に荷重関節を侵す疾患で、病理学的に関節軟骨の変性、摩耗による荒廃と軟骨および関節縁の骨新生、つまり摩耗相と増殖相とが混在しているところに特徴がある。

本疾患は、原疾患のない一次性関節症と軟骨変性を起こすなんらかの原疾患があって発症する二次性関節症に分類される。

一次性関節症は関節軟骨の老化に内在している退行変性を主因として発症する関節の変化であり、長年にわたる機械的損傷の蓄積と相まって、関節破壊変形が生じて臨床症状を呈するようになるのである。

したがって一次性関節症は一般に初老期以降に発症し、発症形、経過も慢性である。

変形性関節症が認められる関節は50~60歳代で膝(80%)、肘(70%)、第1中足趾節関節(60%)、股(50%)、肩(10%)、胸鎖関節(10%)の順で、その他、母指の手根中手関節、手指の遠位指節関節なども発生しやすい。

 

●変形性股関節症

概要・疫学

変形性股関節症は原因不明の一次性と、基礎疾患に起因する二次性に分類される。

二次性股関節症の原因としては、先天性股関節脱臼、ペルテス病、大腿骨頭すべり症、化膿性股関節炎、慢性関節リウマチ、血友病、骨系統疾・患、特発性大腿骨頭壊死、骨折・脱臼などがある。

わが国では、欧米とは異なり一次性股関節症は稀で、ほとんどが先天性の股関節脱臼や臼蓋形成不全由来の二次性股関節症(脱臼性股関節症)である。

症状は疼痛、肢行、運動制限が主であり、関節周囲筋群の萎縮、骨萎縮もみられ圧倒的に女性に多く発生する。

痛みの原因は関節不適合による軟骨破壊、骨棘形成、骨嚢腫形成により円滑な運動ができなくなり関節包の伸展性減少、骨内循環不当。

滑膜炎症、関節軟骨炎症などにより発生する。

また臼蓋唇の断裂や炎症などにより痛みの発生原因になっている。

股関節の変形や拘縮、また下肢長短縮など荷重位でのアライメント異常により、腰部・膝関節部・足関節部・足部にも痛みを訴えることは臨床上よく見受けられる。

次に臨床症状別に詳しく述べる。

 

臨床症状

疼痛:股関節痛が主体となるが,大腿部痛,殿部痛,背腰痛などを訴えることが少なくない。特に下位腰椎疾患に起因する背腰痛、坐骨神経痛と股関節に起因する痛みの鑑別は重要である。関節症初期における痛みは長途歩行後などのだるさや運動開始時の痛みとして現れ、病期が進行するにつれ痛みは持続性となり安静時痛や夜目(就寝時)痛が出現する。

股関節痛の原因は大きく分けて、

①磨耗した関節軟骨粉により生じた滑膜炎による痛み、

②周囲の筋肉(特に股関節外転筋)疲労によるだるさや痛み、

③関節症が進行した際(末期関節症)の軟骨下骨層の破壊や硬化による痛み、

④機械的刺激に誘発された滑膜炎症

などに分けることがきる。痛みの原因を見極め、それぞれに応じた治療を行う必要がある。

可動域制限:初期には可動域制限は著明ではないが、関節症が進行するにつれて種々の制限が出現する。特に内旋、外転、屈曲、伸展制限が出現し進行する。強直に至ることは稀である。伸展制限の結果起こる屈曲拘縮の計測にはThomas testが用いられる。次第に靴下着脱や足指の爪切りが困難となる。

跛行:疼痛(疼痛回避歩行)、脚短縮(硬性墜下性歩行)、筋力低下により種々のタイプの跛行(軟性墜下性歩行、 Trendelenburg歩行、Duchenne歩行)が出現する。疼痛による逃避性歩行は、入院後や安静時には出現しないことがあるので、その確認には注意を要する。

その他:患側の大腿四頭筋、大殿筋などの筋萎縮か種々の程度に認められる。また股関節周囲筋の筋力低下(特に屈筋、外転筋)も出現する。

 

理学的所見

変形性股関節症では外転筋力の低下を伴っていることが多い。

外転筋力の低下があると、Trendelenburg徴候が認められる。

鼠径靭帯の下縁、長内転筋外縁、縫工筋内縁に囲まれた三角形は大腿三角(Scarpaの三角)と呼ばれ、この部位に大腿骨頭が位置している。

変形性股関節症では、この部位に圧痛がある。

さらに股関節を屈曲、外転、外旋すると変形性股関節症では大腿三角に疼痛を訴える。

この股関節痛誘発試験がPatrick(FAbER)テストである。

関節可動域は変形の程度に比例して障害される。

進行すると完全伸展ができなくなり、屈曲拘縮を起こす。べッドでの臥位での視診では、腰椎の前彎のために屈曲拘縮は見逃されやすい。

そこで、反対側の股関節を屈曲させて腰椎の前彎をとり、患側の股関節を伸展させると屈曲拘縮が明らかになる。

この検査方法はThomasテストと呼ばれる。

Patrick (FAbER)テスト:変形性股関節症では股関節を屈曲、外転、外旋すると大腿三角に疼痛を訴える。この股関節痛誘発試験がPatrickテストである。屈曲(Flexion)、外転(Abduction)、外旋(External Rotation)の頭文字を取ってFAbERテストとも呼ばれる。

Thomasテスト:臥立での視診では、腰椎の前彎のために屈曲拘縮は見逃されやすい。そこで、反対側の股関節を屈曲させて腰椎の前彎をとり、患側の股関節を伸展させると屈曲拘縮が明らかになる。この屈曲拘縮を調べる検査方法はThomasテストと呼ばれる。

 

X線所見

読影は通常、前後像と側面像でなされる。

ポイント

  1. 骨頭と臼蓋の位置関係(正常、亜脱臼位、脱臼位)
  2. 臼蓋形成不全の有無とその程度
  3. 骨頭変形の有無、大転子との位置関係(扁平内反股、外反股、大転子高位など)
  4. 関節裂隙の状態(正常、狭小化、軟骨下骨層の接触、関節面の適合性など)
  5. 骨構造の変化(骨硬化、骨嚢胞、骨棘形成など)

亜脱臼性股関節症において、臼蓋形成不全の程度、骨頭の亜脱臼の程度を表す種々の方法がある。

これらの計測はいずれも両股関節正面単純X線像で計測される。

Sharp角:左右涙痕下端の接線と涙痕下端と臼蓋嘴を結ぶ線とのなす角で、臼蓋形成不全の程度を表す。諸外国における正常値は33°~38°とされるが、わが国の正常値は女性で38°~45°、男性で35゜~42°である。女性で48゜以上、男性で45以上は明らかな、臼蓋形成不全股とされる。

CE角:骨頭中心の垂線と臼蓋嘴を結ぶ線とのなす角。臼蓋に対する骨頭の亜脱臼の程度を表す。正常値は25°~35°。

 

病態分類

前股関節症は、臼蓋形成不全がみられ、CE角25°以下と骨頭被覆が悪い。骨頭変形はないが、軽度外方移動がみられる。関節裂隙は正常で荷重部の骨硬化や骨嚢腫などの所見はみられない。程度は種々であるが長く歩くと疲れる、また跛行が出てくる、ときどき痛みがあるが安静で治癒する、などの症状かおり15~30歳代に多い。関節運動は正常である。この時期の関節鏡所見では、臼蓋部や骨頭軟骨の線維化、パンヌスなどが認められ、臼蓋唇の変形断裂、炎症などの所見が認められることもある。

初期股関節症は、関節裂隙はわずかに狭小化し、荷重部の骨硬化が出現してくる。骨棘形成はまだみられない。疼痛がやや持続的で日常生活動作も少し障害されてくる。関節鏡所見では軟骨線維化、潰瘍形成、軟骨の断裂・欠損などがみられ、特に臼蓋部にみられる。

進行期股関節症は、関節裂隙は明らかに狭小化し、荷重部の骨硬化像、骨嚢腫の形成がみられ、骨頭内側に骨棘形成の兆しがみられる。疼痛が持続し、政行、内転拘縮、筋萎縮、筋力低下も認められる。関節鏡所見では軟骨欠損が大きく認められ滑膜炎症も著しい。

末期股関節症は、関節裂隙は完全に消失し、摩耗と骨棘形成、骨破壊により骨頭は変形をきたし臼蓋二重像・capital drop (骨頭内側部骨棘)が完全に形成される。疼痛が強く安静時にも認められ、股関節は内転・屈曲拘縮をきたし、外転、内外旋運動も極端に制限され、骨頭側方移動も著しく、内転拘縮のため患肢が短くなったと訴える。

 

手術療法

股関節症の治療方針を立てるにあたっては多くの因子を考慮しなくてはならない。

年齢:X線像で軽度の臼蓋形成不全と亜脱臼を示し、症状の強くない若年者の治療方針をどうするかが問題となる。CE角15゜以下の症例は関節症が徐々に進行し、ある時期に急速に増悪するといわれていることから、6ヵ月~1年間外来で経過観察し、症状の改善が得られない場合には半期に臼蓋形成術(棚形成術)や寛骨臼回転骨切り術など何らかの予防的手術をする必要かある。一方、比較的若年で末期の股関節症患者の治療は、関節固定術や各種骨切り術が行われる。しかし、これらの手術で改善の見込みのない例には人工股関節置換術も行われる。

性別:亜脱臼性股関節症は女性に多いことから、結婚、妊娠、育児の問題を考慮する必要がある。肉体労働に従事している男性では関節固定術も考慮する。

両側罹患例:手術は通常症状の強い側から行う。しかし一方の股関節が先に発症し、それをかばっている内に他側の症状が悪化している場合は、先に発症した股関節の本当の症状がマスクされていることかあるので注意を要する。他関節の問題:股関節の手術にあたっては、他関節(他側の股関節、膝関節、腰椎など)の状態を十分考慮する必要がある。大腿骨の外反、内反骨切り術では術後の荷重線が移動し膝の関節症を増悪させることかあるし,股関節固定術では,腰痛,他側の股関節痛、膝関節痛が増強することがあり注意を要する。関節可動域の悪い股関節(屈曲60°以下、内・外転15°以下)に対しては大腿骨骨切り術の適応が制限される。これらをふまえた上で、病期別の治療選択を次に述べる。

前~初期股関節症の段階で理想的な治療を行うことが望ましい。変形性股関節症の手術的治療の原則は、股関節荷重量の減少、荷重面積の拡大、関節の力学的安定、筋性圧の軽減である。前・初期股関節症に対しては、骨盤側に対してChiari法が世界中広く行われている手術法である。しかし、術後骨盤変形を起こさせるため、骨盤入口が捻れ狭くなり、分娩障害を引き起こすことがある。また大腿骨に対しては内反骨切り術が行われる。しかしこの手術法は内反することで下肢短縮が生ずることを念頭に入れておかなければならない。

進行期股関節症に対して、外反骨切り術、内側移動骨切り術、Bombelli外反伸展骨切り術などが行われている。外反骨切り術は下肢内転により関節裂隙が拡大し適合性が改善される。

末期股関節症に対して、股関節固定術・カップ関節形成術・人工股関節・ダブルペアリング型人工股関節などが行われている。

次に変形性股関節症の各種手術法を述べてみる。

骨盤骨切り術(Chiari法):臼蓋縁直上で腸骨を横断し、股関節を全体として上方へ移動させることにより、上方関節包外に骨性支持を作成する。

内反骨切り術:骨頭を内下方に回転させることにより関節適合性が改善され荷重面が拡大する。さらに腸腰筋、内転筋、外転筋が弛緩して筋性圧が軽減される。

外反骨切り術:末梢骨切り面を大腿骨軸に対して直角にし、骨幹を外方に移動する。下肢内転により関節裂隙が拡大し、適合性が改善される症例が適応になる。

外反伸展骨切り術(Bombelli法):強度の外反、伸展骨切りにより骨頭内側部骨棘と臼底の骨棘にて支持させ、大きく開かれた前外方の関節間隙に軟骨再生を促すと同時に外反することによって外上方関節包を強く伸展させ臼蓋外縁の骨棘形成を促進させることによって広く支持性をもたせる。

筋解離術(voss法):大転子の切離と内転筋および大腿筋膜張筋を切離し、拘縮除去・股関節への除圧を行う。

人工関節手術:人工股関節置換術は、60歳以上の高齢者に最も適応がある優れた手術療法である。劇的な除痛効果とともに術後数日で歩行可能となるため急速に普及してきている。術後10年前後までの短期手術成績はきわめて良好であり、支障なく通常の日常生活を過ごすことができる。一方、人工股関節置換術には特有の合併症がある。早期の合併症として感染と深部静脈血栓症がある。きわめてまれであるが、深部静脈血栓症に起因する肺梗塞で死亡することがある。長期合併症として、周囲の骨に起こる破壊や吸収による人工関節の緩みがある。この要因は、人工関節の摺動面に用いられているポリエチレンの摩耗粉が引き起こす生体反応である。人工関節が緩むと人工股関節再置換術が必要となる。このように人工股関節置換術には未解決の問題もあり、50歳以下の症例への適応は慎重でなければならない。

 

保存療法

疼痛か弱い患者や種々の理由から手術が行えない患者には保存的治療が行われる。それらには、体重のコントロール、歩行時の杖の使用、長距離歩行などの禁止、筋力(特に股関節外転筋)訓練などが含まれる。消炎鎮痛剤投与は十分な指導のもとに与える。消炎鎮痛剤を多用して長途歩行や無理な仕事を行うことは関節軟骨の早期破壊につながるため、よく説明すべきである。

 

●変形性膝関節症

概要

変形性膝関節症は変形性関節症のなかでも頻度の多い疾患である。

古くから種々の因子で発症することが知られ、外傷や炎症の後遺症、あるいは全身性疾患の一分症として発症する二次性関節症と、従来単純に老化現象として考えられてきた一次性関節症があり、圧倒的に一次性関節症が多い。

一次性関節症は下肢の骨性因子(下腿の内捻、内反膝、股関節や足関節・足部の機能不全)や膝関節の軟部組織的因子(半月損傷や靭帯障害による不安定膝)があると容易に変形性膝関節症は惹起され、また肥満との相関もきわめて明確である。

症状は膝関節痛、運動制限(特に屈曲拘縮)、大腿四頭筋の筋萎縮および跛行が主で、男女比は1:4で女性に多く発生している。

またアライメン卜異常により発生する股関節部、足関節・足部の疼痛も臨床上よく見受けられる。

次に臨床症状別に詳しく述べる。

 

臨床症状

疼痛:膝関節のこわばる感じを初徴とするものが多く、長く正座したりあぐらをかいた後に立ち上がる際の疼痛や、膝が伸び難いことを訴える。通常、座位から立ち上がる時の疼痛は歩行によっていったん肖失するが、長時間の歩行で再び疼痛が起こる。疼痛は膝関節の内側、あるいは膝蓋骨の周辺にあり、膝窩部に緊張感を訴えるものもある。階段や坂道の昇降時にも疼痛を感ずる。圧痛は内側関節裂隙、大腿骨内側顆関節面辺縁にある。ただし患者本人が膝の内側に痛みありと訴えて来院する中には、鷲足滑液包の部分の圧痛が主であることもある。女性では下腿静脈瘤がしばしば認められる。この循環動態の異常が夜間痛と関連するといわれている。

可動域制限:初期には関節可動域はあまり侵されないが、わずかに伸展と正座が制限される程度である。

嵌頓症状:稀に突然嵌頓症状を起こすが、これは変性し摩滅した半月板、増殖した滑膜ひだ、あるいは遊離体が関節間に嵌頓するためである。

膝蓋跳動:関節包は肥厚し、しばしば関節内に溶出液を認める。

関節変形:内反型変形性膝関節症では病変が進行すれば、膝関節は屈曲、内反変形が増強し内側関節面での接触部分か後方に変位するため、脛骨は大腿骨に対し外旋した変形を生じる。

 

理学的所見

日本人では内反膝を示すものが多い。大腿脛骨角が180°より大きくなり、立位で両下肢がO脚変形を呈する。

このような内反型変形性膝関節症では大腿脛骨関節の内側部分の軟骨が摩耗し、痛みも大腿脛骨関節の内側に限局している。

逆に外反膝による外反型変形性膝関節症では大腿脛骨関節の外側関節面が摩耗し、痛みも大腿脛骨関節の外側に限局している。

関節液の貯留による膝関節の腫脹では、膝蓋跳動か認められる.関節液を採取するための穿刺部位は膝蓋骨の外側、近位部で行う。

貯留液は通常、淡黄色透明である。

膝蓋跳動:手掌で膝蓋骨の近位を軽く圧迫し、関節液を遠位へ移動させると膝蓋骨が前方へ浮上する。この状態で膝蓋骨を上方から押させると膝蓋骨が反跳する。

 

X線所見

変形性膝関節症では大腿一脛骨間の変化と同時に膝蓋骨と大腿骨との間の関節面の変化も調べる必要があり、膝蓋骨軸射像を撮ることも大切である。

さらに関節軟骨の摩滅の状態を正しく把握するためには立位での前後像も不可欠である。

特に軽度屈曲位での立位前後撮影肢位はRosenberg撮影肢位とよばれ、大腿脛骨関節の初期変化の描出に有用である。

一側の関節裂隙狭小化軟骨下の骨硬化、関節面の不整、顆部辺縁ならびに脛骨顆間結節の骨棘形成などが現れる。

軟骨下嚢胞形成は変形性股関節症に比べて稀である。

ときに関節遊離体、脛骨の側方亜脱臼が認められる。

さらに大腿脛骨角(FTA)が増大する。

日本人の成人の正常膝関節では立位でFTAは男性が平均178゜、女性が176°であり、内反型の変形性膝関節症では180゜以上となる。

下肢機能軸mechanical axis :正常な立位荷重mikulicz線は大腿骨頭、膝関節、足関節のそれぞれの中央を通過しており、下肢機能軸mechanical axisと呼ばれている。

大腿脛骨角FTA: FTA (femorotibial angle)は大腿骨軸と脛骨軸とのなす角であり、正常では176゜である。外反膝では大腿脛骨角が小さくなる。逆に大腿脛骨角がI80゜より大きいのが内反膝である。

Rosenberg撮影肢位:立位で膝関節を45°に屈曲させ、X線の入射軸を10°遠位に傾けて撮影すると変形性膝関節症で初期変化が最も出現しやすい部位の描出が可能となる。

 

関節液所見

淡黄色透明、粘稠で曳糸性しよい。しかし正常の関節液に比較すると、ヒアルロン酸の濃度と分子量の低下が認められている。細胞2000個/立方mm以内である。関節軟骨コラゲンの前駆細であるII型プロコラゲンCペプチドが増加している。顕微鏡検査では軟骨細胞や軟骨片が認められる。

 

病態分類

変形性膝関節症のgrade

0:正常

1:骨硬化像または骨棘

2:関節裂隙の狭小化(3mm以下)

3:関節裂隙の閉鎖または亜脱臼

4:荷重面の摩耗または欠損(5mm以下)

5:荷重面の摩耗または欠損(5mm以上)

 

手術療法

変形性膝関節症の治療の基本は根気よく保存的治療法に努めることであり、本症発症の要因を可及的に除去することである。

手術的治療は痛みがとれないものに対して、施行される。

変形性膝関節症の骨切り術は一般的に高位脛骨骨切り術がよく行われる。

骨切り術の治療目的は膝の内外反変形や下腿内捻、膝蓋骨の付着異常や膝の伸展障害に対する矯正骨切り術であり、矯正によって膝の安定性を拡大し、同一個所への負荷集積を緩衝し、同時に血流の改善と疼痛の除去を図ることである。

人工膝関節置換術は大腿骨や脛骨の骨軟骨病変が広範で、他の手術療法に抵抗し膝の疼痛と運動障害があれば適応となる。

次に変形性膝関節症の各種手術法を述べてみる。

脛骨粗面上部外反楔状骨切り術:膝内反変形に対して矯正骨切りを行い、膝の安定性を拡大し、同一箇所への負荷集積を緩衝させる。

hemiopen wedge骨切り術:外側2/3楔状骨切りと内側1/3に水平骨切りを行い、外側からの摘出骨片を内側に挿入する。膝内反の大きいものに対して楔状骨切りを行うと摘出骨片が大きく下肢短縮をきたすので、このような症例に適応する。

Pendelosteotomie:脛骨粗面の直上を上辺にもつ下角開角の台形骨切りを行う。下肢の短縮がなく膝内反を矯正する。

アーチ状骨切り術:脛骨粗面上を頂点にアーチ状に骨切りを行う。荷重接触面も広く骨癒合もよい。

脛骨粗面のventralization:大腿脛骨関節が比較的に保たれ、膝蓋骨の病変が強い症例に対して行う。膝蓋腱を前方に移動し、膝蓋骨への減圧をする。

人工関節手術:末期の変形性膝関節症で、患者の年齢か60~70歳以上であれば、半関節形成術や人工膝関節全置換術(TKA)、を考慮する。アプローチは内側傍膝蓋進入路あるいは内側広筋下進入路を用いる。人工関節手術の除痛効果は確実で、術後療法も長期を要しないので最近盛んに行われるようになり、95%に満足できる成績が得られるようになったが、術後の肺塞栓症、感染、人工関節の弛み、破損、プラスチック(ポエチレン)の摩耗、膝蓋骨脱臼などの合併症かあることを十分に患者に説明しておく。

 

保存療法

比較的X線像の変化が軽度の患者では、保存療法では、変形性膝関節症の危険因子や関節軟骨の破壊程度を十分に認識した上で指導すると、変形性膝関節症の自然経過の進行を遅らせ、症状を軽減させることに効果的である。

疼痛を抑えるために抗炎症薬を投与することはもちろん有用であるが、同時に、正座を避ける、杖をつく(患肢に加わる負荷が30%前後減少する)、速歩ではなく一歩一歩緩やかに歩く、などの日常生活上での指導を行う。

大切なのは、積極的に膝周辺の筋力強化で“筋肉サポーター”を作り膝関節を安定化させることである。

高齢者には臥位での訓練が適している。

まず仰臥位で膝関節を十分に伸展させたままで下肢全体を重力に抗して挙上させる。

同時に、股関節周辺の筋力強化によって歩容の安定と歩行時の下肢の垂直化をはかることなどが重要である。

固定された自転車漕ぎは体重がサドルではすべて支えられるために、自転車漕ぎ訓練中に膝関節に加わる負担が少ない。

ハムストリングスが緊張していると膝関節の伸展に際して大腿四頭筋に余分な力が必要となり、その結果、膝蓋大腿関節に加わる過度の負担が疼痛の原因となるので、ストレッチ体操も奨められる。

さらにOAが進展すると十字靭帯に存在する固有感覚受容器も萎縮するため、神経-運動器協調機能の再教育訓練も大切である。

楔型足底挿板で疼痛が軽減する機序は、下肢機能軸 (ミクリッツ線)の直立化にある。

股関節の外転筋力を強化すれば下肢機能軸の動的垂直化か可能である。

そのためには側臥位で膝関節を伸展させたまま、下肢を重力に抗して挙上させる運動、表現を変えれば股関節を外転させる訓練が重要である。

薬物療法として抗炎症薬の内服と、疼痛を訴える関節局所にヒアルロン酸の関節内注射も行われる。

副腎皮質ステロイド薬の関節内注射は劇的な消炎鎮痛効果かある。

しかし長期間にわたり頻回に回いると、感染や関節破壊を惹き起こす恐れがある。

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“(-“”-)”参考文献

医療学習レポート.変形性骨関節症


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