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(〃^ー^〃)大腿義足とパーツの話


<(`^´)>題名:大腿義足とパーツの話

【ソケット】

ソケットの機能は以下のことが上げられる。

機能:

①体重支持

②運動伝達

③懸垂作用

1)差し込み式

高齢者や重複障害者でソケットの装着が困難なものには、四辺形ソケットの形状をした差し込み

式ソケットが処方される。このソケットは入り口がStumpより大きく先が狭く(円錐形)なっており断端を差し込むようにして装着し、荷重はStump全体で行う。ソケット自体に懸垂作用がないので、懸垂装置を併用しなければならない。このソケットは装着が容易という利点があるが、歩行時のピストン運動は避けられず、足を傷つけたり摩擦で皮膚を傷つけてしまい、長距離を安定して歩行することは困難である。対象は老人、Stumpが変動しやすい人、手が不自由などで装着困難な人である。

2)吸着式

吸着式ソケットは断端と密着し、ソケットと断端先端との間には死腔があり

この死腔は遊脚相で陰圧になり自己懸垂作用を生じる。ソケットの装着は断端に滑りやすい布をかぶせ、バルブ孔からこの布を引き抜きながらソケット内に滑り込ませて装着する。利点は、歩行時に義足を軽く感じ一体感があり、ピストン運動が少なく、回旋も生じない。しかし、装着が面倒でありソケットの発汗や死腔の陰圧による浮腫・うっ血などが問題となる。

 

<吸着式ソケットの利点>

・軽く感じる

・人体の一部として義足を感じる

・差し込み式で出来る内転筋ロールを作らない

・義足を断端の運動によって動かしやすい

・懸垂バンドが不用

・骨盤運動に伴う義足回旋がほとんどない

 

①四辺形ソケット(Quadrilateral Socket)

Stumpの周径よりやや小さい周径の四辺形ソケットであり、前後径より内外径が大きい。また内後壁は外前壁より低く、前壁内側下部にバルブ孔がある。荷重はスカルパ三角で大腿部を後方に押し坐骨で行う。装着には誘導体を用いる。

前壁

解剖

内側から長内転筋・縫工筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋内側1/3の所にスカルパ三角

機能

スカルパ三角の圧迫で坐骨を坐骨受けにのせる振り出しにおける力の伝達

坐骨支持レベル

長内転筋のチャネルの深さは半径3~4㎜内壁から2~2.5㎝もところが最突出(スカルパ三角の押さえ)外側は緩やかな輪郭(大腿直筋の発育状態に合わせる)

坐骨支持レベルより上部

股間節屈曲を制限しない輪郭は鼠径部に一致

坐骨支持レベルより下部

長内転筋・大腿直筋のチャネルが筋の走向に一致前壁内側下部にバルブ孔真下が理想的だが、真下にはパイロンがありここが一番装着しやすい

内壁

解剖

薄筋・大内転筋・長内転筋・短内転筋・ハムストリングス

機能

歩行時における側方の安定

坐骨支持レベル

前後径は坐骨支持レベルから長内転筋までの長さから12mm引いた長さ高さは坐骨結節の高さで恥骨を圧迫しない高さ方向は進行方向に一致

後壁

解剖

坐骨結節、ハムストリングス、大殿筋

機能

坐骨結節及び大殿筋による体重支持後壁屈曲角の設定は股関節伸展筋力を発揮させるためや膝継手の安定を図るためである(大殿筋を伸張させた状態)

坐骨支持レベル

坐骨の位置:内壁の内側より1~1.2cm後方内壁と直角をなす角より後外方に8~10°坐骨支持面が後方よりみて水平

坐骨結節より下部

後壁上部は丸いゆったりとした輪郭(ハムストリングスに合わせて)初期屈曲角5~10゜下図ⓘ(屈曲拘縮のある人は屈曲方向に+5°)

外壁

解剖

大殿筋、外側広筋、大腿筋膜張筋

機能

Stumpを内転位に保持外転筋の働きは骨盤の安定

坐骨支持レベル

方向は進行方向後外方から空気が入らないようにする(この部分は空気が入りやすい場所の一つであるので隙間がないかどうかチェックが必要)

坐骨結節より上部

ソケットの上縁は大転子の中央を通る高さ短断端の場合は大転子を包み込む

坐骨結節より下部

初期内転角(下図ⓗ)

四辺形ソケット(Quadrilateral Socket)は以下の欠点を生ずることがある

・立脚後期に坐骨結節が坐骨受けに突き上げられ不快感を生じる

・断端が外転位をとるため側方不安定が残り、立脚相に上体がStump側に傾く

・前後径を狭くしているので圧迫感があり、スカルパ三角で大腿動脈を圧迫する

 

②坐骨収納型ソケット(IRC)

前後径が内外径より大きく、坐骨をソケット内に入れ大転子を固定し、大腿部を内転位に固定することで、四辺形ソケットの欠点である荷重時のソケット外方移動を防止する特徴がある。体重支持は坐骨を含む断端全体で行う。立脚相に側方移動・坐骨結節部に疼痛のある症例、短断端、末梢循環障害の症例は四辺形ソケットより良い結果が得られる。しかし未成熟断端、周径が変動する断端、断端先端に骨棘がある断端などには向いていない。

 

3)全面接触式ソケット

吸着式ソケットの欠点を改善するために、断端先端もソケット底部で密着するようにしたものである。足底からの感覚が分かりやすく、断端先端に浮腫やうっ血を起こさない。

4)枠型ソケット

金属枠でかご状に作製した四辺形ソケットであり、前壁を開閉して装着を行う。腰バンドなどの懸垂装置が必要である。利点は通気性に富み、断端の周径変化にある程度対応できる。

5)ギプスソケット

ギプス包帯を使用して作るソケットであり、義足作製までの仮ソケットとして使用される。

6)チェックソケット

透明度の高い材質で製作し、断端の適合状態をチェックする目的で使用される。利点はソケットを装着した状態で圧迫部位や疼痛部位を直接観察でき、修正も容易であるが、耐久性はない。

7)調節ソケット

周径が変化する断端に用いられ、通常、訓練用仮義足に使用される。ポリプロピレンやサブオルソレンの素材で作製したソケット壁に、割や涙滴型切痕を入れマジックベルトや留め金を用いて周径を調節する。懸垂装置が必要である。

8)フレキシブルソケット

可撓性のある素材(サーリン、EVAコポリマー)で作製した内ソケットと、体重を支持するフレーム状の硬性外ソケットからなる。装着感や放熱性に優れ、床からの接触感覚が断端に伝わりやすいなどの利点をもっている。スカンジナビアフレキシブルソケット(SFS)、ISNYソケット(Icelandic Swedish New York)などがある。

9)TC二重ソケット

内ソケットと外ソケットに分割できる。まず内ソケットを外して、断端に吸着させて内ソケットを装着し、その後で内ソケットを外ソケットの中に挿入して固定する。吸着操作は通常の義足よりも容易であり、高齢者でも全面接触式ソケットが装着できることがある。また内ソケットは柔軟な材質を用いるもで、フレキシブルソケットの利点があり、さらに吸着ソケットが内ソケットの真下についているので汗の処理が容易であり、取り外して洗浄もできる。

 

ソケットを装着する際には以下のことをチェックする

・ソケットとStumpの間に隙間がないか

・スカルパ三角の圧迫が適当か

・ソケット前壁の高さが適当か

・長内転筋の圧迫はないか

・内壁の高さが適当か

・坐骨受けに坐骨が乗っているか

・外壁の高さが適当か

【継手】

股継手

股継手は股義足に必要なもので、その役割は立脚相での安定性と遊脚相での振り出しの力の伝達である。単軸のものがほとんどであるが、四軸のものも開発されている。歩行中の股継手で屈伸可能な遊動式と歩行中は固定され坐位をとるときにロックを外すと屈曲する固定式とがある。また遊動式の中に歩幅調節機構を備えたものもある。

 

膝継手

膝継手には以下の内容が要求される

①立脚相で膝折れしない(立脚相制御)

②遊脚相で下腿部の振り出しが容易である

③歩行速度に応じて膝の屈曲と伸展の制御が出来る(遊脚相制御)

④和式生活を考慮すると膝屈曲角は120゜以上が必要である

⑤軽量で耐久性に優れ、外観に違和感がないこと

⑥高価でないこと

⑦切断者に適合するサイズや機能が選択できる

<立脚相制御>立脚期の膝折れしないように膝をロックする

1)随意的制御

①単軸膝 踵接地→股間節伸筋群→床ベクトルの方向を変える→荷重線が膝軸の前方→膝の安定

踏み切り→床ベクトルが膝の前方→股関節の屈筋力を利用→股屈曲→膝の屈曲→遊脚相

②多軸膝 リンク膝 4リンクは生理的膝継手

4リンク(膝離断に適応)回転の中心が膝の角度によって前後・上下に移動、膝伸展時は膝軸が実際の膝軸より高位・後方に移動し下腿の長さが長くなり膝安定膝屈曲時は通常の膝軸

 

2)機械的制御

①手動ロック

膝完全伸展すると自動的にロックして棒足歩行 解除で膝屈曲

適応は老人や両側大腿切断など機能の低い人

 

②油圧ロック

油圧膝は遊脚相制御だが、チェックバルブが立脚相初期に閉じて

ピストンを固定する

 

③荷重ブレーキ(Safety Knee・安全膝)

膝継手に荷重がかかるとロックする(有効範囲0~35゜)

面摩擦型:荷重により摩擦面が食い込む

摩擦クランプ型:荷重によりクランプに圧が加わり膝安定

 

<遊脚相制御>遊脚期の下腿・足部の振りを正常に近づける(Quad・Hamstの代償)

正常歩行

遊脚相初期 股関節屈筋の働きで大腿を前に振り出す膝は屈曲開始、Quadの働きで踵の強いけり上がりを防止
加速期 膝の振り出し
減速期 膝伸展、Hamstにより減速および最終伸展時の衝撃を和らげる

ターミナルインパクト

<遊脚相制御の種類>

 

1)伸展補助バンド

外部型:ゴムバンドや弾性バンド

弱すぎると補助が効かない

強すぎると坐位で膝が伸展してしまう

内部型:スプリング

2)機械的摩擦装置

定摩擦膝:周期中一定の摩擦がかかる。(伸展補助装置を併用する)

可変摩擦装置:膝が最大屈曲直前・完全伸展直前時に大きな摩擦がかかる

3)流体制御装置

空気や油などの流体によって生じる抵抗を利用し、それらが通る流路の太さを変えることにより抵抗を変化させ下腿の振れ方をコントロールするものである。現在、流体油圧制御膝、流体空圧制御膝がある。重量が重いこと、値段が高いことなどから広く普及していない。

 

①油圧装置

油圧シリンダーには、シリコンオイルなどの非圧縮性流体が使用され、膝屈伸の開始とともに直ちに流体抵抗が発生する。油圧シリンダーは大きな力や瞬発力を発揮するのに有利であり、早い歩行や走向に適している。膝の伸展補助装置としてスプリングを用いることが多い。

 

②空圧装置

空圧シリンダーには密閉封入された空気が入っており、この流体抵抗によりその機能を発揮する。空圧シリンダーは動きが滑らかであり、日常生活に適している。空気が出入りする弁をマイコンでコントロールしているものをインテリジェント膝継手という。瞬間的に大きな力を生じること出来ないのでスポーツなどには油圧制御膝が適している。

 

【足継手と足部】

足部と足継手は、理想的には正常な足関節および足部の運動を出来るだけ代償できるように作られるべきである。役割としては

①踵接地時の底屈力の吸収

②立脚中期に足部全体広く接地し、立位の安定性確保

③踏み切り時の膝折れの防止と前進のための駆動力を生み出す

④不整な路面への対応

⑤方向転換を容易にする

が挙げられる。これらの役割に加え、次の条件を満たすことが望ましい

①耐久性のあること

②軽量であること

③外観が良いこと

④ショックの吸収性が良いこと

 

これらの役割・条件を踏まえると以下の構造が重要となる。

1)距腿関節と中足指節間(MP)関節

これらの関節は踏み返しに必要とされ、前進のための駆動力を生み出す。踏み返しは第1中足骨骨頭の0.5cm後方のところで行われ、ここはトゥブレイクと呼ばれ通常進行方向に対して直角とされている。トゥブレイクが通常の位置より後方にある場合は、床面での接地時間が短くなり、踏み返しが早くなり、膝折れしやすい。逆にトゥブレイクが通常の位置より前方にある場合は、膝の安定性が増加しすぎ、反張膝や膝の屈曲が遅れる。

2)バンパー

踵接地時の底屈力の吸収しクッションの役割をする。前方バンパーは背屈に対して制限し、後方バンパーは底屈に対して制限する。

 

足部の種類

①単軸足部

単軸の足継手があり、背屈を制限し底屈が出来るようになっている。踵接地時に継手は底屈し、後方バンパーで底屈力を吸収すると同時に膝折れを防いでいる。後方バンパーは柔らかすぎるとフットスラップ起こし、硬すぎると足部の回旋や膝折れを起こしてしまう。立脚中期~後期にかけて足部が背屈方向(0゜)に戻りトゥブレイクのたわみ、股関節屈曲力が働き膝継手に屈曲力が伝わり膝の安定性が崩れ遊脚相に移行する。

②多軸足部

底背屈に足部の回内・回外の作用を持たせ側方分力を吸収して不整地へ適応したものである。

足部と下腿の間にゴムブロックをはさんだGreissigerなどがある。

③SACH足(Solid Ankle Cushion Heel)

継手がなく、木製または金属製のキールが中心となりこれにゴム製の足部とクッションを持つ踵からなる。

④エネルギー蓄積型

弾力性のるキールなどで荷重時のエネルギーを蓄積し、踏み出しに利用しようとする足部である。走ったり、スポーツをするのに適している。キールの短いものの代表的なものにSeattle foot

長いものの代表的なものにFlex footがある。

⑤踵高調節式単軸足部

義足のアライメントは足部に靴を履かせた状態で調節を行うため、日本の生活では室内では靴を脱ぐためアライメントが狂い、体重が足部の後方にかかってしまい歩きにくくなってしまう。

またアライメントを合わせた靴の踵の高さと違う靴を履いた場合も同様な問題が起こる。このようなことから背屈ストップの高さを二段階に調節することにより、この問題をある程度解消したのがこのタイプである。

 

義足足部の比較

利点

欠点

単軸

膝継手の安定性を加える 重量、不整地不適応、円滑な歩行困難

Greissiger

多方向運動(不整地安定) 価格、重量、側方安定が悪い、耐久性

SACH

耐久性、安価、多種類の靴に対応

外観良、小児・女性にも適応硬い、運動範囲が限られる

吸収不十分

Saettle

エネルギー蓄積、円滑な踏み返し高価、重量、靴に適合困難

Flex

最高のエネルギー蓄積、側方安定良

 

広範囲の適応高価、製作方法、アライメントが複雑

長断端に不適応

 

【パイロン】

人体の手足の構造と同様に、中心軸に沿ったパイプ状骨格のことで、継手・ソケット・足部などを接続する。

【シレジアンバンド】

大腿義足の懸垂帯として主に使われている。懸垂作用の他に義足の回旋を防止する作用も持っている。吸着ソケットでは必要ないが差し込み式ソケットの場合には使われている。

<シレジアンバンドの3つの型>

①前方バンドが1本で、ソケットの前側に取り付けられているもの。取り付け位置は、ソケットの前側で坐骨支持、すなわち後壁の上縁に相当する高さで前壁の中央部にある。

②前方のバンドがDリングでY字型に皮革帯で固定されているもの。これが標準型ともいえるもので、その取り付け位置は中央部で、上下端は坐骨支持レベルよりそれぞれ上下へ3.5cmのところになっている。

③ウェストベルト付きのもの。これはシレジアンバンドに患者のウェストにまたがるバンドを取り付けたもので、これにより懸垂力と安定性が増加する。

・シレジアンバンドの利点

①大腿切断者が坐位を取るとか、自転車、自動車に乗る場合、股関節屈曲につれてソケットが抜けやすくなり、切断者に不安感を与えることが多い。シレジアンバンドはこれを予防し、安心感を与えることが出来る。

②短断端とか肥満型の断端の場合には、回旋とか外側に対する不安感が特問題となる。シレジアンバンドは外側の取り付け位置が前側に比較して高いため安定性に役立つ。

③長断端の場合にはシレジアンバンドは、遊脚相では内転筋の、踏み切り期では股関節屈曲筋の働きを助ける作用を持っている。

 

【トルクアブソーバー】

大腿義足は、義足の踵接地期には膝の安全性を得るために股関節を伸展させるが、この時ソケットの長軸の周りに外旋方向へのトルクが生じる。この外旋トルクを減少させないと、残肢は内旋する傾向をとらざるを得ない。逆に踏み切り期の直前には、膝関節のために股関節を屈曲させるが、これがソケットの長軸の周りに内旋方向のトルクを起こす。トルクアブソーバーはこうした義足の立脚相全体にわたって、断続的に起こるトルクを吸収して、ねじれの負荷を軽減する補助装置である。この作用によって、断端とソケット間における努力を軽減することが出来る。

【ターンテーブル(回転盤)】

大腿切断者はあぐらや横座りをしようとしても股関節で回旋が出来ずに不可能である。この問題解決するためターンテーブルがある。大腿ソケットと膝軸との間にこの装置を付け加えると自由に回旋できるようになり、あぐらや横座りだけでなく、靴やズボンの着脱などにも大変便利である。

【カップリング】

4つのリングがついており、それらを回すことによりソケットを内転・外転・内旋・外旋することが出来ると同時に前後・左右に移動させることが出来る。アライメントの微調整に用いて、最終的にははずす。

(^ム^)参考文献

医療学習レポート.大腿義足とパーツ


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