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(^〇^)ネフローゼ症候群患児と看護の話


「ネフローゼ症候群患児」の画像検索結果

1.腎臓の仕組みと働き

①腎臓の仕組み

*腎臓

腎臓は第12胸椎から第3腰椎の高さに位置して、後腹膜腔内に左右一個ずつある。大きさは長さ約10cm×幅約5cm×厚さ約3cm、重量は約120g。

腎臓は皮質(腎小体と尿細管の一部が含まれる。)と、髄質(尿細管の一部が含まれる。)に分けることが出来る。また、腎臓には腹部大動脈から分岐した腎動脈を介して多くの血液が流れ込む。腎臓内でろ過、再吸収、分泌を受けた血液は腎静脈を経て下大静脈へと流れていき、この間に生成された尿は、尿管や膀胱を経て体外へ排泄される。

*ネフロン

ネフロンは腎小体、尿細管とその周囲の毛細血管からなり、尿の

生成を行う最小機能単位。ひとつの腎臓に100~150万個ある。

*糸球体

糸球体は腎小体を構成するひとつの組織で、輸入細動脈が何本かのループ(糸球体毛細血管係蹄)に分かれ毛糸玉のようになっている。糸球体毛細血管係蹄壁にはサイズバリア(大きな分子の物質は通過できない)と、チャージバリア(陰性に荷電した物質は通過できない)がある。この糸球体血管系蹄壁がろ過膜の役割を果たし、血液のろ過が行われて原尿が生成される。

②腎臓の働き

*尿の生成

腎臓に流れ込んだ血液(成人安静時で1200~1300mL/分:心拍出量の約25%)が糸球体でろ過され、原尿(成人:125mL/分)が作られる。原尿は尿細管で水分や電解質などの再吸収・分泌などを受け最終尿(成人:800~1600mL/日)となって排泄される。腎臓では尿の生成を通して血液をろ過し、老廃物、薬剤などを排泄するとともに、尿細管で再吸収と分泌を行うことによって電解質や水分などの体液バランスの調整を行っている。

*各種ホルモンの産生

・エリスロポエチンの産生:尿細管周囲の細胞から産生され、赤血球の産生や貧血の調整をおこなう。

・レニンの賛成:傍糸球体細胞からなる傍糸球体装置で産生され、アンギオテンシンの産生にかかわり、血圧の調整、電解質の調整などを行う。

*ビタミンDの活性

皮膚で作られたビタミンDは、近位尿細管細胞で請うその影響を受けて活性型ビタミンDとなり、カルシウムやリンの調節を行う。

 

2.ネフローゼ症候群の病態

①ネフローゼ症候群とは

糸球体の障害によって、高度の蛋白尿と低蛋白血症が見られる病態をいう。

②発症の仕組み

糸球体毛細血管係蹄は本来サイズバリアとチャージバリアにより、血液中の蛋白質を通過させない仕組みになっているが何らかの原因で糸球体毛細血管係蹄が障害を受けた場合、血液中の蛋白質が大量に尿中に流出する(高度の蛋白尿)。そのため、血液中の蛋白質が低下することによって低蛋白血症が起こる。

③原因

原発性ネフローゼ症候群の原因は不明だが、免疫の異常などが関与していると考えられている。

④症状

症状は主に蛋白尿、低蛋白血症、高脂血症、浮腫の4つがある。これらの症状は関連して起きている。

*蛋白尿は糸球体毛細血管係蹄壁の障害により、血液中のたんぱく質が尿中に流出しておこる。

*血液中の蛋白質が尿中に流出するために低蛋白血症が起こる。

*低蛋白血症を補うために肝臓がアルブミンを産生すると同時に、コレステロールも産生するために高脂血症が起こる。

*浮腫は低蛋白血症によって生じ、血管内容量の低下のために腎血流が減少し、それに伴いレニンの分泌が亢進され、その結果ナトリウムや水分を貯留し、さらに浮腫が増強される。

 

3.ネフローゼ症候群の検査と診断

①検査

*血液生化学検査

低蛋白血症や高脂血症の把握のために血清総蛋白質や血清アルブミン、血清総コレステロールの検査を行う。糸球体の機能の把握のために血清尿素窒素や血清クレアチニンの検査をする。

*尿検査

蛋白尿や血尿の把握のために尿比重、尿蛋白、クリアランス試験、尿潜血反応検査をおこなう。ステロイド治療の有効性を把握するためにCIgG/Cトランスフェリン比の検査をします。

*腎生検

確定診断と病期の診断のために腎生検を行う。小児のネフローゼ症候群では1歳以上で血尿や高血圧などが見られず、検査などがから微小変化群がうたがわれ、副腎皮質ホルモン抵抗性を示唆する所見がなければ、まず副腎皮質ホルモンを投与し、効果が見られない場合には腎生検が行われる。

・非開放性腎生検:エコーなどで腎臓の位置を確認しながら、経皮的に腎臓の組織をとる方法。

・開放性腎生検:全身麻酔下で切開を行い、直接的に腎臓の組織をとる方法。

 

4.ネフローゼ症候群の治療法

①薬物療法

症状の改善、進行の抑制を図るためにおこなわれる。

②食事療法

蛋白質や電解質などの排泄に伴う腎臓への負担を軽減するために行われる。具体的には蛋白質、食塩、カリウム、総エネルギー、水分摂取などを症状にあわせて制限する。小児の場合は成長過程にあるため日本腎臓学会ガイドラインに準じた食事療法が行われる。

③生活指導

ネフローゼ症候群は慢性的な経過をたどることから、継続的な治療が大変重要になる。活動に対する制限は腎血流量の減少と老廃物産生の増加を防ぎ、腎臓への負担を軽減するために必要。

 

5.合併症

①血液凝固異常

凝固因子濃度の線溶活性の低下、循環血液量の減少、血液濃縮、脂質代謝異常などによる血液凝固能の亢進

②感染

易感染の原因としては免疫グロブリンの低下、ステロイド薬による細胞性免疫抑制作用がある。

③成長障害

再発・寛解を繰り返す場合、ステロイド薬の大量服用が長期間となり、骨の成長障害がおこることもある。

④ネフローゼ急症

症状は急激な腹痛、嘔吐、全身倦怠感、顔面蒼白、血圧低下など原因は急速多量の蛋白尿排出に伴う循環血液量の低下、ステロイド薬による副腎皮質機能不全が考えられる。

 

6.看護のポイント

①ネフローゼ症候群は全身の浮腫により発症にきずくことが多い.確定診断後は大量のステロイド療法が開始される。

浮腫、ステロイドの副作用により、易感染状態にあるので感染予防に留意する。

②患児は心身ともに成長発達の途上にある。利尿がつき浮腫が軽減したら安静、食事、水分制限は解除し、成長障害をきたさないように援助する。

③患児・家族に対して適切な生活指導を行い、感染・再発防止のための援助を行う。

 

7.アセスメントの視点・看護計画

<看護ポイント①について>

*必要な情報

(1)浮腫の部位・程度

頑健、下肢、仙骨部、後頭部、陰嚢、腹部、胸部、腸管

(2)全身倦怠感、呼吸状態

(3)水分出納

(4)検査データ

尿蛋白、総蛋白、アルブミン、A/G比、コレステロール、赤沈、血漿フィブリノーゲン、BUN,血小板凝固能、IgE、胸部・腹部X線写真

(5)ステロイド約の副作用の有無

消化性潰瘍、精神症状、緑内障、白内障、血圧上昇

*看護計画

OP

①浮腫の部位と程度、皮膚・粘膜の状態

②水分出納

③体重の増減

④全身倦怠感の有無と活動量

⑤呼吸状態

⑥検査データ

⑦ステロイド薬の副作用の有無

⑧感染症の有無

⑨ネフローゼ急症症状の有無

TP

①安静

遊びは年齢や、患児の状態に合わせベッド上で行えさらに安静が保てるよう工夫する。

安静は、病態や浮腫の悪化防止に必要である。

②体位の工夫(上体挙上)

患児にとって安楽な体位を工夫する。

③体位変換

活動量の少ない患児には1~2時間ごとに体位変換を行い皮膚への圧迫を避ける。

④皮膚・粘膜の清潔

浮腫のある皮膚・粘膜は易感染状態にあるため、手洗い、含嗽を励行し全身清拭を行う。

感染は腎臓の病変を悪化させるので感染防止に留意する。

⑤保温

⑥薬物の正確な投与

検査結果によって薬物の使用量が変更になるため、そのつど十分に確認して準備する。

EP

①水分出納の記録の指導

治療の指針となるため尿量測定は正確に行う。

飲水量を確認すると同時に皮膚の保護に対する意識を高める。

②清潔の必要性

③感染予防の必要性

皮膚を傷つけないようにし、常に清潔に保つように指導する。

<看護ポイント②について>

*必要な情報

①尿量と性状

②検査データ

③入院治療に対する患児・家族の不安の有無と内容

成長発達課題(遊び、学習)の阻害因子

*看護計画

OP

①尿量と性状

②浮腫の増減

③検査データ

④患児・家族の不安の有無とその内容

TP

①安静解除

ステロイド薬の副作用である骨粗ソウ症は、安静によって増長され、適度に運動により予防できるので安静期間は最小とする。

②遊び・学習の援助(訪問・院内学級)

年齢に応じた成長発達を助長する遊び・学習の計画を立案・実施する。

EP

①学習内容

②生活指導

利尿がつき、尿蛋白が減少し、浮腫が軽減したら平常と同様の生活をしながら治療を受けていくことを指導する。

<看護ポイント③について>

*必要な情報

①患児・家族の疾患に対する理解度

②感染・再発予防に関する認識の有無

患児・家族が疾患の病態、治療方針、予後、再発などについてどのように理解しているかを把握する。

*看護計画

OP

①疾患に対する認識と理解度

②感染・再発予防に関する認識の有無

TP

①患児・家族が話しやすい雰囲気・環境を整える。

②疑問に対して説明がうけられるようにする。

EP

①医師と看護師による説明

*尿の性状・量の観察

*水分出納の記録

*体重測定の記録

*感染予防対策

*日常生活について

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