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(^〇^)人工肛門の管理とストーマ造設術後の話


(・_・;)題名:人工肛門の管理とストーマ造設術後の話

■人工肛門の管理(ストーマ造設術後)

□アセスメント

(1)身体的状態

①腹部の状態・術後イレウスの徴候:腸蠕動音、排ガスの有無、腹部膨満感の有無、腹痛の有無、吐き気・嘔吐の有無

②排便の状態:排便の性状・回数・タイミング

③食事の摂取量:食欲・食事摂取量

(2)合併症(排尿障害)に伴う症状:排尿回数、1回排尿量、残尿感の有無、尿の性状

(3)ストーマの状態

①ストーマ:色、大きさ(横径・長径・高さ)、浮腫、粘膜皮膚縫合部、出血

②ストーマ周囲の皮膚:発赤・湿疹・びらん・掻痒感・硬結・疼痛・熱感

(4)心理状態とセルフケアの状況

①ストーマについての受容:患者のストーマに対する反応、ケア参加への態度

②セルフケアの状況:装具交換の手順の理解度、手技の自立度

(5)社会復帰後の生活についての理解と認識:退院後の生活に関する具体的なイメージ

(6)家族やキーパーソンの支援体制

□看護目標

(1)ストーマおよびストーマ周囲の皮膚の正常と異常について理解できる

(2)排泄物の処理や装具交換がひとりもしくは家族などの援助を受けてできる

(3)社会復帰や退院後の生活について具体的にイメージすることができる

(4)合併症の発生や異常時の対処について理解できる

(5)家族が支援体制について具体的に理解できる

□看護活動

◆セルフケア指導:

 排泄物の処理を失敗するということは、患者にとっては「恥」の経験となり自尊感情の低下につながる。このような経験が避けられるように、装具交換の方法が習得でき、退院後は患者自身もしくは家族の援助を受けて装具の交換ができるように指導しなくてはならない。装具交換の方法を習得するには、患者とともに段階的に計画をし、チェックリストなどを用いて順次、もれなく習得できるように工夫する。

段階的セルフケア指導

ステップ1

看護師が装具交換しながら、実施してみせる。

ステップ2

患者ができる部分は実施するが、看護師が傍らで説明し、できない部分を援助する。

ステップ3

準備から片付けまで患者が主体的に実施する。看護師は見守り不足している部分を補う。

装具交換の手順(二品系の場合)

①必要物品をそろえる(装具・はさみ・ビニール袋・石鹸・清拭用タオル・ガーゼなど)

②貼付している装具をはがす。片手で剥離する部分の皮膚を押さえながら、もう片方の手で皮膚保護剤をはがす。はがした皮膚保護剤の接着面の溶解やストーマ周囲の皮膚を観察する。

③排泄物をふき取り、石けんを泡立てて、ストーマ周囲の皮膚を清拭する。そののち、石けんの成分を十分ふき取る(シャワー浴が可能ならば、シャワーで洗浄する)。

④ストーマの大きさや形状に合わせて、面板の中央をカットする(実際のストーマより2~3mm大きくカットする)。皮膚にしわやくぼみがあるときは、切り抜いた面板の切片や練り状の皮膚保護剤で補填し、もれを防止する。

⑤ストーマの位置を確認しながら面板が密着するように貼用する。

⑥二品系の装具の場合は採便袋を取り付ける。

*単品系の場合も基本的に同様の手順で装具交換を行う。単品系では③ののち、装具をストーマに合わせて貼用する。

◆社会復帰に向けた装具の選択:

 近年、装具の質は目覚しく向上し、形態のバリエーションもふえているため、患者が装具を選択できる幅が広がったといえる。社会復帰に向けて装具を選択する場合の条件は①防臭性があり排泄物がもれない、②皮膚障害が予防できる、③患者にとって取り扱いやすい、④日常生活が制限されず、外観上も目立ちにくい、⑤経済的である、などである。排泄物がもれないように、腹壁の硬さやしわ、瘢痕の有無、ストーマの形状によって、装具の形態や皮膚保護剤の性質を考慮し選択する。また高齢者で視力の低下がある場合や手先の巧緻性が衰えている場合には、既製孔がある製品でカットを必要としないものをストーマサイズにあわせて選択することも検討する。

◆装具交換の注意点:

(1)装具交換は排泄物がもれる前に行う。交換の目的は皮膚保護剤をはがしたときに、皮膚保護剤のふやけや溶解の程度をみて判断する。交換する目安は溶解の程度が5~8mmで、1cmをこえているようであれば、皮膚保護剤の緩衝作用の効果が低下し皮膚障害を招く可能性が高くなるため、交換頻度を1日早くする。

(2)装具交換時は皮膚を観察する。皮膚に発赤・発疹・びらんなどの皮膚障害がある場合には、原因を排除するためにその範囲を観察する。ストーマの近接部に皮膚障害があり皮膚保護剤の溶解と一致していれば、排泄物の付着によるものと考え、皮膚保護剤の交換間隔やカットの大きさを検討する。皮膚障害が皮膚保護剤貼用部と一致するようであれば、接触性皮膚炎の可能性が高い。通常は交換頻度を変更したり、保清を行うなどして様子を見るが、びらん・発疹・掻痒感が強い場合には皮膚科の受診をすすめる必要がある。

◆排尿障害への援助:

 手術後の排尿障害は、手術時に骨盤神経・下腹神経・陰部神経などの、蓄尿や排尿にかかわる神経を損傷することで生じる。排尿障害の症状は、尿閉、尿の排出困難、尿失禁、尿意の低下などである。尿失禁に対してはタイプによって治療方法が異なるためタイプを見極めるための評価を十分に行う必要がある。

 排尿困難があり、排尿後、残尿が50ml以上ある場合や腹圧を強くかけないと排尿できない場合などは、間欠的自己導尿を指導する。自己導尿を必要とする患者は。ストーマケアを習得する努力に加え、自己導尿の手技をも習得しなくてはならず、ストレスが増大するため、患者の心理面でのサポートも考慮しながら指導をすすめる。手術後の排尿障害は半年~1年が経過して回復することも多いため、患者をはげましながら援助する。

◆日常生活の指導:

①日常生活の指導を行うための情報収集:個別的な日常生活の指導を行うためには前もって以下の項目について情報を収集しておく。

(1)家庭におけるトイレや風呂などの設備に関する情報

(2)日常生活の状況(食事・衣類・入浴方法・運動・職業や職業環境など)

(3)経済状況

②日常生活についての退院指導:食事や仕事などの日常生活について、以下に示す指導を行う。

(1)食事:原則的に制限しなくてはならない食べ物はない。規則正しく食事をとり十分に咀嚼すること、栄養のバランスを考えることなど、食生活の基本をおさえておけばよいことを指導する。ただし、回腸ストーマの場合はフードブロッケージ(繊維によるつまり)予防のために、繊維を断ち切る調理の工夫を行い、水分補給や電解質のバランスに注意するように指導する。

(2)衣類:ストーマを強く圧迫するような衣類は避ける。ストーマ装具が目立たず、おしゃれも楽しめる工夫について話し合う。

(3)入浴:手術前の入浴習慣を維持するようにする。コロストミー(大腸のストーマ)の場合は装具をはずし入浴することも可能ではあるが、退院直後は不意は排便を避けるため、装具を装着したまま、袋を折りたたみ入浴するように指導する。公衆浴場では装具を装着していることはマナーであり、ストーマ袋が気になるようであれば、入浴用の装具や肌色のコンパクトなストーマ袋などを紹介する。

(4)運動・旅行:適度な運動は必要であり、スポーツが患者の趣味や楽しみであれば奨励すべきである。ただし、身体が激しくぶつかるラグビーや格闘技のようなものは、ストーマ粘膜の損傷をきたし出血する可能性があるため避けるべき種類の運動である。また、重量あげのような過度に腹圧がかかるような運動は、ストーマ傍ヘルニアの危険性もあるため避けるべきである。旅行も心身が回復し、体力に問題なければ可能である。旅行の日数と装具交換の頻度から持参装具の数を検討し、必ず1~2組の予備を加えて持参する。

(5)仕事:体力が回復すれば、職場に復帰することも可能である。事前に情報収集しておいた仕事の種類や職場環境での対応を具体的に相談する。最初は無理をしないように仕事のペース配分などにも注意する。職場においては、信頼し、サポートしてもらえる人がいる場合には、ストーマ保有者であることを話し、協力をあおげると心強い。

(6)セクシュアリティ:ストーマを造設したことによるボディイメージの変化は、患者の女性や男性として自尊感情に影響を及ぼすこともある。入院中のかかわりでストーマが造設されても女性や男性としての魅力や家族のなかでの性役割にはなんら影響を及ぼすものではないことを患者がみとめられるように話し合う。性機能障害がおこる可能性については、手術前から説明することが多くなってきている。患者がパートナーと性的なかかわりについて話し合うことができていれば理想的である。退院後の性行為については、ストーマへの圧迫や摩擦を避ける体位、装具カバーを使用するなどの工夫について説明する。性行為に関する心配は退院後の生活でより具体的になることが多いが、患者は相談する場がないと考えがちである。退院後は、ストーマ外来などが相談窓口になることを説明しておくことが大切である。

◆ストーマ外来でのフォローアップ:

(1)ストーマ外来:ストーマ外来は、ストーマ保有者がストーマ造設前と同じような生活が維持できるように、個別的かつ専門的に援助することを目的にしている。以下のような内容で長期間継続的に支援を行う。

・セルフケア状況の評価

・ストーマとストーマ周囲の皮膚の評価と問題に対する対応

・体型や腹壁の変化に応じたストーマケア方法の指導

・装具に関する情報提供

・排尿障害・セクシュアリティ・性機能障害に関する相談と対応

・社会保障制度の紹介

・患者会の紹介

・訪問看護ステーションなど他施設との連携

(2)灌注排便法:灌注排便法とはストーマから残存結腸内に微温湯等を注入し、結腸の圧を上昇させて大蠕動を促し、強制的に便を排泄させる方法である。灌注排便法の利点としては、排便の時間帯や間隔がコントロールでき、装具装着の必要がなくなることである。欠点としては特別な用具を必要とし、排泄に時間を要し、トイレを占拠することである。灌注排泄便の適応となる条件は、S状結腸や横行結腸に造設された単孔式ストーマで、狭窄や脱出ヘルニアなどの合併症がなく体力があることなどである。

 ストーマの排泄方法の基本は、面板とストーマ袋による自然排便法であるが、このような灌注排便法の適応となる患者には、排便方法の選択肢として紹介する必要がある。

◆社会保障:

 ストーマを造設した患者が利用できる社会保障制度の1つに、「身体障害者福祉法」による身体障害者手帳がある。これを申請することによって様々なサービスを受けることができる。とくに、補装具(採便袋・採尿袋)の交付制度が利用できることは、ストーマ保有者の経済的負担を軽減する。そのほかにも各市区町村などの各自治体で助成制度を設けている場合もあるため、居住地域の福祉事務所に問い合わせるよう指導する。

■胃瘻の管理

◆栄養物注入

◎事前の評価

(1)カテーテルに注射筒を接続し、吸引される内容物が胃液であること(前回の食事が消化されていることを意味する)を確認する。その後胃液は戻す。内に空気が貯留していれば注射筒で吸引する。

(2)前回の食事内容が吸引される場合は、下痢や吐きけ・嘔吐などの消化器症状の有無を観察し、問題なければ開始時刻を遅らせるなどの措置をとる。

(3)消化器症状に関する経過から総合的に判断して滴下注入速度を決定する。速度は、一般に100ml/30分程度とされるが、消化器症状がないかぎり1回量(300~500mL)を30分~1時間程度で滴下させても支障がない場合もある。

(4)瘻孔の位置(胃・空腸など解剖学的部位)と、挿入されているカテーテルのタイプおよび長さを把握したうえで、カテーテル本体にも目印をつけておき、毎食前に患者のカテーテルの位置(挿入の長さ)を確認する。

(5)カテーテルを数mm程度引いたり入れたりして、あそび(体外固定板と腹壁の間のゆとり)があることを確認し、カテーテルの逸脱(あるいは腹壁への埋没)がないことを確認する。カテーテルの逸脱は、腹腔内への栄養剤注入による腹膜炎併発など、重篤な合併症を引きおこすので注意する。

◎準備

栄養剤を注入容器に移しかえ、栄養セット(容器側のチューブ)の先端まで栄養剤が満たされるように準備し、不要な空気の注入による胃部膨満を避ける。

◎栄養物の注入

(1)患者の姿勢は30度ファウラー位、または座位とする。

(2)開始前に温めても注入中に温度低下するため、あらかじめ温める必要はない。ただし、低温だと下痢をする場合があるため、下痢対策にはチューブを加温する。

(3)胃管(胃瘻)カテーテルと注入容器のチューブを接続する。胃瘻カテーテルがボタン型の場合は、ボタンと注入容器のチューブとの間に接続チューブを接続する。

(4)あらかじめ決めた速度で滴下する。栄養物の種類、液体の粘調度により滴下速度が異なるため、時折滴下の状態を確認、調整する。

(5)栄養物を寒天で半固形化して、カテーテルチップ型注射器で15分~20分かけて注入することもある。この方法は、粘性のない栄養剤が腸へストレートに移行して下痢を引きおこしたり、食道への逆流現象から誤嚥性肺炎をおこしたりするのを予防する。

◎注入中の観察と留意点

最も危険な合併症は気管へのカテーテル挿入、および胃食道逆流による気管内への栄養物注入(誤嚥)である。注入中、喘鳴が聞こえたら誤嚥の可能性を第一に考え、注入を中止する。気道内分泌物は除去し、喘鳴が消失したら再開する。

(1)滴下不良の際、まずは圧迫・屈曲などの外力が加わっていないことを確認し、なければチューブ内の閉塞を考え、カテーテルおよび容器側チューブを通水し、閉塞を解除する。

(2)吐きけ・嘔吐等の消化器症状がないか観察し、万一出現したときは注入を中止し、誤嚥しないよう体位を整える。

◆注入時以外の観察と管理

①注入後の管理

(1)注入終了後は、注入容器のチューブをはずし、胃内容物の逆流防止のため、経鼻・胃瘻カテーテルのキャップを閉める。

(2)注入容器は洗浄し、栄養剤を十分流す。栄養バッグをくり返し使用する場合、手でもむようにして付着している栄養物をはがすつもりで行い、定期的に次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、ミルトン等)で消毒する。

②胃瘻カテーテルの抜去防止

(1)胃瘻カテーテルが抜去したときは生理反応で痩孔が閉鎖してしまうので、発見したら一刻も早くカテーテルを再挿入し、必ず医師に報告する。

(2)バルーン型ではバルーン内の水が自然に抜け、バルーンが縮めばカテーテルの自然抜去に直結するため、1週間に1回程度定期的に水量の確認を行い、つねにバルーンの水量を適正に保つ。

(3)瘻孔周囲の皮膚のケアと観察:胃内容物が漏れると強い胃酸の影響で皮膚の発赤やびらん、潰瘍などが生じる。もれを発見した場合はふきとるとともに継続的に観察し、皮膚保護剤などを用いたケアを行う。

(・_・;)参考文献

医療学習レポート.


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