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( ; ゜Д゜)筋萎縮性側索硬化症と福祉機器の話


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(*´з`)題名:筋萎縮性側索硬化症と福祉機器の話

福祉機器(自助具、福祉用具など)

Ⅰ 福祉機器を導入するうえで留意すべき点

ALSは進行し続ける病気であるため、1~数年で全介助となる。このため、どのような福祉機器にしようかと迷っているうちに時間が過ぎてしまい、時期を逸してしまう。

上肢型でも下肢型で発症した人もいずれは四肢麻痺となっていくため、病勢が進行していくので今使えていても、将来は使用できなくなる。高額な機器は購入しても無駄になることが多い。安価でなんとか間に合うように工夫すべきである。他、公費の申請に時間がかかり、使える期間が短くなってしまうことも多々ある。

また、大規模な家屋改造を行う場合は、ADL全介助になっても使用できるよう、また他の家族にとっても使いやすいよう計画すべきである。

よって、①レンタル品や身近なもので代用するなど、必要なものがすぐ使えるということ、②先を見越した福祉機器の導入計画、③本人だけでなく、介助者にとっての使いやすい家屋改造という点が重要であると考えられる。

 

Ⅱ 重症度による福祉機器などの導入

1)ADL自立期

この時期は、歩行可能でADL自立であるが、時に軽度または中等度の選択的筋力低下で軽度のADL障害があり、巧緻動作、階段昇降、腕の挙上、ボタン掛けなどに障害がみられることがある。

それに対して、ボタンの代わりにマジックテープ、足関節装具、手関節や母指スプリンテングを考慮する。

 

2)ADL介助期

この時期は筋力低下が次第に進行し、食事、排泄、更衣、書字といったADL障害とともに歩行障害が著名になる時期であり、状況にあわせ、杖、歩行器、下肢装具の適応が重要な時期となる。

また、姿勢保持のために頸椎装具、体幹装具といった座位保持装置や車いすの作成の必要となる。

さらにこの時期は球麻痺の進行に伴うコミュニケーション障害が生じ、作業療法士、言語療法士と共同し、コミュニケーション手段の確立、嚥下障害へのアプローチが必要ともなる。

 

3)ADL全介助期

この時期は、臥床を余儀なくされ、次第に病室などのベッド上での訓練が主となる場合が多い。

また、この重症度では、安静時喚起障害を起こし、人工呼吸器の装着を余儀なくされることが多い。

部屋から出る際は、ポータブル人工呼吸器・流涎を防ぐための吸引機器を車いすに装着しリクライニング式車いすでの移動を試みることを考える。

次第にコミュニケーション機器の使用も制限されるようなり、うなずく、首を振る、目蓋の開閉などによるものになる。

 

Ⅲ 具体的な福祉機器(自助具、福祉用具など)

1)杖

歩行自立期において、家屋改造ができない場合など、安全のために利用する場合もある。

T杖を常用させる場合が多いが、上肢筋の低下が著名な場合はロフストランド杖を使用することもある。

 

2)装具

①下肢装具

下肢装具を処方・作製するのは、病初期では臨床病型のうち下肢型が多いが、症状・障害が進行するにつれて、すべての病型で処方・作製する機会がでてくる。

下肢筋は、ALSの特徴の近位より遠位筋からの筋力低下が著しいこと(筋力低下による下垂足)や装具の実用性を考えると、足関節コントロールを目的にした下肢装具が作成される。金属支柱付き下肢装具を処方することはほとんどなく、より軽量で機能的な下肢装具として各種のAFO(ankle foot orthosis) が一般的である。また、病状の進行のスピードと筋力低下の程度からみれば、プロフッター等の軟性短下肢装具のような簡易性に富んだものや、ほぼ完成品であるオルトップのような適合が容易な軽量でショートタイプのものから、比較的硬度なポリプロピレンのシューホーンタイプまでを考慮して作成する必要がある。

しかし、わずか数ヶ月の使用期間の場合が多く、1年を越えて使用することは稀であるところから、採型・仮合わせ・出来上がりまでの時間短縮や評価による適応の早期判断も重要な問題となる。

 

②体幹装具

体幹装具(特に頸椎装具)や座位保持装具を処方・作成するのは、上肢型や球型で体幹(特に頸部)の筋力低下・筋萎縮から立位・座位の保持(特に頭頸部の位置保持)ができなくなり、後頸部痛、呼吸障害の悪化、食事などのADLで不自由を示した場合である。

市販の頸椎カラーは、支持性は得られるが、その圧迫から食事や呼吸に影響を及ぼすことが多く、また市販の頸椎装具は一時的、早急に用いることができるメリットはあるが適合困難な場合も多い。したがって作成するのであれば尾花が提唱する頸椎装具がもっとも有用性が高い。

※頚の筋力低下に対して

頚の筋力が低下すると、座位になると頚がぐらぐらと不安定になり、頚の痛みが生じる。また、座位ではいつも頚が前屈しているために余計に息苦しくなったり、飲み込みにくくなったりもする。写真のような頚装具を付けると頭の位置が安定し、頚の痛みも軽くなる。

 

3)車椅子

車いすを処方・作製するのは、歩行障害が進行し、下肢装具や杖を使っても歩けなくなった場合であるが、普通型車いすでも患者に合わせて採寸し処方した場合には、完成までに1ヶ月以上の期間がかかってしまい、上肢の筋力低下が進み車椅子の自力駆動ができなくなり、体幹(特に頸部周囲)の筋力低下が進み頭頸部の保持を含め座位保持が不安定となるなどの理由から、完成時点には処方・作製した車いすが使えないこともある。

また、歩行中における転倒などの危険性や頻回に休息を必要とするような状況を察知した時点でも、実用的な移動手段として使用する方がよい。

 

①リクライニング式車椅子・ポータブルの人工呼吸器・吸引器などの搭載

電動車椅子も実用性の面からも積極的に使用すべきである。しかしこのような状況に陥った場合には、座位での体幹、頸部保持能力が急速に減退してゆくことが予測されるため、症状・障害の進行を考慮して、早めから介助用のリクライニング式車椅子を処方する必要がある。

さらに球麻痺の進行を考えると、ポータブルの人工呼吸器・吸引器などが搭載可能なものにする必要がある。ただ、このような車椅子の作製には、補装具以上に時間を要することと、自費以外の方法では作製が困難な場合もあることも考慮しておかなくてはならない。

また、移動介助期には電動車いすのコントローラーの工夫で自力走行が可能となる場合が多い。

 

②リフト型車椅子

床上生活をしているケースでは、リフト型車いすが便利である。

 

4)呼吸障害に対して

呼吸筋の筋力が低下してくると、肺活量が少なくなり、換気が充分に行われないために血液中の炭酸ガスが増え、頭痛が生じる。その頃には、嚥下も上手くできなくなっているので、唾液を飲み込むことが出来ないために唾液が口の中にたまり、口角より溢れ出るのが、患者にとって非常な苦痛になる。これを解決するには、低圧持続吸引器で口中の唾液を吸引することにより解決できる。

また、換気量を上げるためには人工呼吸器の助けが必要になりうる。

人工呼吸器には、鼻マスクにより人工呼吸を行うもの(BiPAP)ある。

しかしALSでは、気道分泌物が多く、絶えず気道からの吸引が必要になりますので鼻マスクによる人工呼吸器は使用できても一時的なものである。

 

5)言語障害に対して

舌、咽頭筋の麻痺により次第に発音が不明瞭になって、第三者には聞き取りにくくなっていくので、文字盤の使用や、コミュニケーションボードによるYES/NO反応によってコミュニケーションをとることになる。また、近年、コンピューターの進歩、価格の低下もあり、いろいろの意思伝達装置が開発されている。患者の残存機能を上手く利用してスイッチを操作することにより、環境制御装置(テレビを付け、チャンネルを切り替える、ワープロを操作する、ナースコールを押すなど)を操作することもできる。

 

①コミュニケーション

ⅰ)音声による会話にて可能な場合:発声可能な段階ではあまり問題にならない。

・鈴、ブザー、ワイヤレスのマイク:声が小さくなったりゆっくりになったり、聞き取りにくくなったりし、少し離れた家人を呼ぶことができない場合。

・ワードプロセッサー、パーソナルコンピューター:字が書きにくくなった時。

上肢、特に手指に障害がある場合は、キーボードの上にプロテクターをつけて他のキーを誤って押さないようにしたり、スライディングボードやアームスリングで上肢の動きを補助すると操作しやすい。

ⅱ)音声による会話が困難になった場合:会話に代わる最も効果的なコミュニケーション手段を検討

・ブザー:身の回りのケアを頼む時の合図。手指が使えなくてもどこか随意的に動く部位に合わせてスイッチを工夫、音を出すようにしておく。

スイッチには、筋のわずかな移動による圧迫(圧センサー)、接触(タッチセンサー)、筋収縮による筋放電(筋電センサー)、赤外線ダイオードを用いた赤外線投射の反射量の差(赤外線センサー)などの入力を信号化し、使用。

赤外線センサーは目の動き(水平方向への目の動き)、開閉眼(まばたき)による反射光で入力できるので、目の動きの障害が起こりにくいALS患者の意思伝達に有用。

・文字盤:指でポイントできる場合には厚紙に五十音表を書き、それを指さしてもらう。

表のますを竹ひごなどで区切っておくと、指し違いが少なく便利。

・透明文字盤:眼球の動きでポイントする。進行したALS患者でも眼球機能は保たれているので、実用的には優れた方法。

透明アクリル盤に五十音表を書き、対面して文字盤を動かし、視線が合ったところの文字を読む。

本人、介助者双方に少し熟練が必要。訴えの多い事柄を表にしておくのも便利。

・ワードプロセッサー、パーソナルコンピューター:漢字Pワード、トーキングエイドなど、障害者向けに開発されたものがある。

入力方式はブザーと同じでいろいろな種類がある。

・トーキングエイドα:球麻痺型で手指の機能が保たれている場合などには使える装置。押した文字を発話させたり、任意の文章を作り、合成発声ではなすことができるが、他に比べると大きく重い。

・キャノンコミュニケータ:コンパクトで紙テープへの印刷ができるが、ローマ字入力が必要である。

・漢字Pワード:文字や単語を選択、仮名漢字変換により漢字仮名まじりの文章を作成、印刷、読み上げる。

 

②環境制御装置(Environmental Control System:ECS)

・重度身体障害者が自立した生活を営むために考案された機器

・電気・電気機器などの操作を付属のリモコンを使用せずに遠隔的に操作。

ⅰ)入力部:

・使用者の残存能力に応じて選択。

・呼吸、音声、瞼、眼球、舌、顎、頭、首、肩、肘、手指、足などを利用

・ALS患者の場合、最後まで保たれる眼球運動を利用

・センサー(またはスイッチ)には、呼吸気圧センサー、押しスイッチ、引っ張りスイッチ、接触センサー、音量スイッチ、透過型光電スイッチ、反射型光電スイッチなどがある。

ⅱ)制御部

・入力部から伝えられた電気信号を周辺機器に伝え、作動・停止などの操作を行う。

ⅲ)表示部

・入力部よりの電気信号が、制御部にどのように伝えられたかを表示

・視覚的な表示と音による聴覚的なサインがあり、これにより使用者に周辺機器の選択と動作状態が伝えられる。

ⅳ)周辺機器

・使用者の生活環境および様式により,ニーズに合わせて選択

 

6)排泄動作

下肢の筋力低下のため、トイレで便座の高さが低すぎて立ち上がりにくい時には、便器の上に取り付けて便座の高さを調節する「補高便座」、あるいは便座が電動で前方に傾斜して立ち上がり動作を補助する「電動式の便座」もある。

また、洋式として、ウオッシュレット(温水洗浄暖房便座)を取り付けるとよい。自動洗浄機付き便座は、上肢の筋力が落ちている場合に有効であり、リモートコントロールできるものをつけるとよい。

長時間介助者がいない場合は安楽尿器を使用する。

 

7)食事動作

手指がよく利かない人には、持ちやすいスプーンや、滑りどめの付いたお皿などを使用してもらう。

またスプーンをまだ持てるが、腕が上がらずスプーンを口まで持っていけない方には、アームスリング(商品名:ヘルプアームなど)を使用してもらう。しかし、病気が進行することと、使用するのに練習が必要なこと、セットが面倒なこともあって利用できないことが多い。また、座位保持が不安定な場合には、ヘッドレスト、体幹ベルト、頭部保持ベルトを使用する。

 

8)入浴動作

洗い場が滑りやすく、浴室の出入り時にバランスを崩しやすいため、手すりの設置、滑り止めマットの使用する。また、シャワーチェアーやバスボードも使用する。

常時臥床期になると、改造された大きな浴室がなければ自宅での入浴が困難になり、浴槽の改造または、社会的資源である入浴サービスの利用も検討する。

 

9)転倒に対して

多くの 上肢の麻痺で始まるタイプの方では、経過に伴い、下肢が痙性となり、つっぱって歩き難くなることが多い。その様な時には、適量の筋弛緩剤を服用すると歩行が少し楽になる。

下肢がつっぱって歩き難くなると、転倒しやすくなるが、上肢の麻痺があるため転倒した時に、顔面、頭部を強く打って大怪我をすることがある。頭部外傷の予防のために、頭部保護帽を付けていることが望まれる。

「筋萎縮性側索硬化症と福祉機器」の画像検索結果

( 一一)参考文献

医療学習レポート.筋萎縮性側索硬化症と福祉機器


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