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( ; ゜Д゜)脊髄損傷の話


「脊髄損傷」の画像検索結果

!(^^)!題名:脊髄損傷の話

脊髄が損傷を受けると損傷脊髄神経節以下の四肢、体幹の運動麻痺、感覚障害、自律神経障害を生じる。

胸腰髄損傷では対麻痺、頸髄損傷では四肢麻痺を生じる。

脊髄損傷においては損傷レベルの麻痺の重症度により、ADLの自立度、リハビリテーションのゴールをだいたい予測することができる。

脊髄損傷(以下脊損)に対するリハ医療の普及度が向上するにつれて、受傷早期の死亡率が激減し脊髄損傷者の生命的予後が飛躍的に延長し、脊髄損傷者の健康管理上の問題が注目されるようになってきている。

それゆえ二次的障害の合併がリハビリテーションを行ううえでの大きな阻害要因になるので、その予防・対策が重要である。

特に褥瘡、尿路感染は生命にも影響するため、管理法について知っておくことが重要である。

 

Ⅰ.脊損とは

1.脊髄の解剖学

1)血管支配

・1本の前脊髄動脈、2本の後脊髄動脈がある。

・後脊髄動脈は後索に血液を供給する。脊髄の後索を除く他の部分は前脊髄動脈から血液の供給を受ける。

・これらの脊髄動脈は椎骨動脈、肋間動脈、腰動脈、仙骨動脈に由来する6~8本の根動脈を通じて血液供給を受ける。

 

2)脊髄の伝導路

・脊髄の横断面では、中央部のH型の灰白質とそれをとり囲む白質が認められる。灰白質は神経細胞に富み白質は神経線維に富む。

・感覚路として脊髄後索が深部覚、触覚を伝え、外側脊髄視床路が温度覚、痛覚を伝える。

・運動路として錐体路があり、中心寄りに頭側を支配する線維、表在寄りに尾側を支配する線維が配列。

・中心性損傷では錐体路の頸髄レベルの神経を損傷するため、上肢の麻痺が強くなる。

 

2.脊髄損傷以外の脊髄疾患

発生原因

・先天性のものと後天性のものに分かれる。

・先天性のものには脊髄や脊椎の奇形によるもの。後天性のものとしては、主に脊髄の血流障害、脊髄の神経自身の変化や腫瘍によるものがある。

(1)先天性:二分脊椎、脊椎奇形、頭蓋底陥入など

(2)後天性:

①炎症:脊髄炎、髄膜炎、化膿性脊椎炎、脊髄硬膜外膿瘍、RA。

②脊髄の血管異常、血行異常:動静脈奇形、脊髄出血、前脊髄動脈症候群、栓塞。

③腫瘍:脊髄腫瘍、髄膜腫、脊椎腫瘍、脊椎癌転移。

④脊髄変性疾患:SCD、脊髄空洞症、ALS、MS

⑤中毒性:キノホルム

⑥その他:変形性脊椎症、脊椎靱帯肥厚、OPLL、黄色靱帯骨化症、脊椎椎間板ヘルニア、HAM(HTLV-I関連ミエロパシー)

 

※前脊髄動脈症候群

前脊髄動脈の灌流域である脊髄前2/3の梗塞を生じる。

好発部位は上部胸髄、下部胸髄。

若年の場合は外傷や大動脈の解離が原因のことがある。

高年では解離のほか糖尿病などによる動脈硬化が原因になる。

 

3.損傷レベル

・一般に損傷レベルは残存機能を支配している脊髄節の最下限=正常に働く一番下の髄節で表示。

・骨傷部位と脊髄の損傷レベルはかならずしも一致しない。

・成人では脊柱管の長さよりも脊髄の長さのほうが短いので、外傷性脊髄損傷の場合には骨傷の位置と麻痺髄節の高位は一致しない。

 

4.完全麻痺と不全麻痺

1)完全麻痺と不全麻痺の定義

(1)完全麻痺:最下位髄節(S4.5)の運動と感覚機能が完全に喪失。

(2)不全麻痺:最下位仙髄節(S4.5)の機能が残存している。

・S4.5髄節の運動機能は、肛門括約筋の随意収縮、S4.5髄節の感覚機能は肛門皮膚粘膜移行部の触覚と痛覚。

・仙髄部からの神経緑維は解剖学的に脊髄の最も外側を走行しており、不全麻痺の場合に最も温存されやすいといわれている。

・この仙髄部の機能が温存されているかどうかを診察することで完全麻痺か不全麻痺かわかる。

・早期の段階での水様便失禁、麻痺域の塗糊状浮腫、持続陰茎勃起、褥創発生は完全損傷が予測される。

 

2)不全麻痺の分類

(1)中心部損傷型:主として脊髄中心部の灰白質が損傷され白質の伝導機能が残存する型。

錐体路は上肢の伝導路が内側、下肢の伝導路が外側を走行しており上肢の麻痺が下肢より強い。

一般に頸椎に加齢変性所見のある高齢者にみられ明らかな骨傷はない=脊椎OA、OPLL

頚椎過伸展損傷により循環抵抗減弱部位の中心部が障害される。

知覚は正常でも痙性が強いことが多い。

(2)半側損傷型:損傷された側の運動と深部覚、触覚が障害され反対側の温度覚と痛覚が障害。=ブラウン・セカール症候群。外傷ではこの症状は現れにくい。

(3)前部損傷型:深部感覚,触覚は保たれるが、運動麻痺があり温度覚と痛覚が障害。

(4)後部損傷型:後索の機能が障害され、深部感覚が障害。非常にまれ。

 

・表在覚の分節支配は表在知覚検表で行う。

・通常、脊髄横断損傷では知覚脱失部に上界に1髄節程度の知覚鈍麻帯を見ることが多い。

 

3)痙性麻痺と弛緩性麻痺

・痙性麻痺は頸胸髄損傷に多く、弛緩性麻痺は腰髄損傷に多くみられる。

・痙性麻痺では脊髄ショックから数日~数週のうちにバビンスキー反射などの屈筋反射が出現。

・痙性発生のメカニズム…一種の中枢からの解放現象

・頸髄損傷でも必ずしも痙性麻痺を示すとは限らず、この理由として脊髄の血行・リンパ流の循環障害で脊髄の縦方向の障害の広がりの範囲が大きいほど弛緩性麻痺を呈すと考えられている。

・同時に二次ニューロン、脊髄前角細胞の障害を伴うと弛性性麻痺を示す。

・高齢者頸髄損傷でしばしば痙固縮状態をみることもある。

 

Ⅱ.発生機序(骨折)

原因と受傷機序

・原因として衝突や転落、転倒、落下物、下敷などの機械的外力があげられ、交通事故、労働災害、スポーツ外傷などにより発生する。

・高齢者では骨粗鬆症があると大きな外力でなくとも脊椎骨折による圧迫を起こす。

・受傷機序として、脊椎に対して作用する外力

①垂直性圧迫(軸圧)

②屈曲

③回旋

④伸展

⑤剪断

⑥伸延

などがある。

損傷分類

上位頚椎損傷

・上位頚椎(環椎、軸椎)損傷は、①環椎後頭関節脱臼、②環椎骨折、③軸椎骨折、④環軸関節脱臼に大別。

・環椎、軸椎の形態、機能の特殊性からいずれの損傷もその機序、形態が他の部位の脊椎損傷と異なる。

 

1.環椎後頭関節脱臼

・下顎部に衝撃が加わって過伸展、牽引、捻転の外力が複合的に作用し関節周辺の支持軟部組織・翼状靱帯と蓋膜が伸長ないし断裂して脱臼。

・即死例がほとんどで生存例に遭遇するのはきわめて稀。

 

2.環椎骨折

Jefferson骨折

・頭部よりの軸圧が加わって発生。

・前弓と後弓が両側性に外側塊に近い抵抗の弱い4カ所で折れ外側塊が外方に転位。

・片側のみ前後あるいは両側で計3カ所の骨折をみることもある。

・なお後弓のみ両側の骨折は後弓骨折として扱う。

 

後弓骨折

・伸展圧迫力により発生。

・しばしば他の頚椎骨折に合併。

 

外側塊骨折

・側屈圧迫力により発生。

・きわめて稀。

 

3.軸椎骨折

歯突起骨折

・骨折部位によって①I型(歯突起上部の骨折)、②Ⅱ型(歯突起基部の骨折)、③Ⅲ型(軸椎椎体に及ぶ骨折)に分類される。

・見落しやすいので注意。

・I型はきわめて稀で、Ⅱ型が最も多い。

・偽関節となりやすく、その場合に軸椎椎体と環椎後弓の間で脊髄が圧迫されて続発性に麻痺を惹き起こす。

・歯突起骨との鑑別が重要。

・Ⅲ型は癒合が得やすい。

 

軸椎関節突起間骨折

・伸展圧迫力・屈曲圧迫力により生じる。

・両側の椎弓根が骨折して椎体と椎弓が離開するのが特徴。外傷性軸椎すべりとも呼ばれる。

・名称の起源である絞首刑では、伸展伸延力により骨折が生じる。

 

軸椎椎体骨折

・軸圧による発生が多い。

・椎体縦骨折、斜骨折、teardrop骨折,稀に横骨折を起こす。

 

4.環軸関節脱臼

前方脱臼

・最も多く、主に衝撃的な過屈曲により生じる。

・環椎横靱帯が断裂して生じる脱臼と歯突起骨折に伴う脱臼とがある。

・環椎歯突起間距離(ADD)が3mm(小児は5mm)以上離れていると前者を疑う必要がある。

 

後方脱臼

・伸展伸延力により環椎前弓が歯茎起の後方に脱臼するものできわめて稀。

 

中・下位頚椎損傷(C3-7)

圧迫骨折

・屈曲圧迫力により発生し椎体が楔状変形をきたす。

・椎体の後縁と椎間関節、椎弓、棘突起、後方靱帯群は無傷。

 

破裂骨折

・骨折と椎体の前額面垂直骨折の複合したものがほとんど。

・しばしば椎弓骨折も生じ、重度の脊髄損傷が生じる。

 

脱臼骨折

過屈曲脱臼

・過屈曲により伸延力が働き椎体が前方に脱臼し下関節突起が下位椎の上関節突起を越えて外れる。

 

伸展圧迫損傷

・回旋性に伸展圧迫力が作用すると片側性に上あるいは下関節突起の基部・椎弓根と椎弓が骨折。

・椎体が回旋転位しX線側面像で前方転位する。

・非回旋性に伸展圧迫力が作用すると両側性に椎弓か椎弓根の骨折が生じ著しい前方脱臼をきたす。

 

胸椎以下の損傷

圧迫骨折

・屈曲外力による前方支柱の損傷。

・椎体前半分の椎体高が減少し楔状変形をみる安定型骨折。

・高所からの飛び降りで踵骨骨折と同時に発生。

 

Chance骨折

・2点固定座席ベルト装着時の自動車事故や転落で後方支柱に屈曲伸延力が作用して生じる。

・椎弓と椎弓根の水平骨折が特徴。

 

破裂骨折

・軸圧による前方支柱と中央支柱の損傷。

・椎体の前・後半分の圧潰粉砕、椎体後縁骨片の脊柱管内突出が生じる。

・脊髄・馬尾損傷を高頻度に合併。

・後部靱帯群は無傷であるがしばしば椎弓の縦割れ、椎弓根間距離の拡大と硬膜損傷がみられる。

 

脱臼骨折

・屈曲、伸展、回旋、剪断の外力により発生するが、多くはこれらの複合による不安定型骨折。

・①屈曲回旋力による脱臼骨折、②剪断力による脱臼骨折、③屈曲伸延力による脱臼骨折に分類される。

・屈曲回旋によるものは前外方への椎体転位を認めしばしば下位椎体の上面のスライス様損傷を合併し椎間関節は骨折ないし嵌頓する。

・複数の横突起骨折や肋骨骨折を合併することが多い。

・剪断力によるものは椎間関節骨折、とくに上関節突起骨折、前・後部靱帯群や椎間板の断裂が生じる。

・前方転位と後方転位のtypeがある。

 

発生機序 (脊損)

(社)全国脊髄損傷者連合会 HP

・10万人以上の脊損患者がおり、さらに毎年約5千人=人口百万人あたり年間40人が新たに生まれていると推定される。

・原因別では交通事故が43.7%、年齢別分布では20歳と59歳に二極化したピークがあり、外傷の部位では頸損がそのうち75%を占める。

・交通事故+転落で3/4を占め、スポーツ外傷は5%。

・オートバイを中心に交通事故による青壮年層の脊髄損傷患者が非常に多い。

・脊椎損傷に合併しての脊損発生が多い。(40から60%)

・小児の脊柱は可撓性が高く過屈曲、過伸展で脊髄が引き伸ばされて生じる。(約30%)

・高齢受傷患者が多く、50歳以上が51.7%を占める。

 

スポーツ事故の種類

種 別

受傷者数

比 率

飛び込み

114

21.6

スキー

71

13.4

ラグビー

67

12.7

パラ・ハングライダー

37

7

格闘技

35

6.6

体操

31

5.9

モトクロス

23

4.4

野球

22

4.2

その他

128

24.2

合 計

528

100

 

・現在では脊損者も長期生存できると同時に、より重度の脊損者も人工呼吸器の使用等で生存できる。

・現実を広く社会に認識してもらうための啓発活動、障害を最小限に留めるための2次損傷防止教育、重度であればあるほど家族への依存が高まり家庭崩壊せざるを得ないような現状の改善、地域における情報不足の打開等々の差し迫った課題が山積しているので、これらの解決の糸口を見つける必要がある。

・外傷性脊髄損傷は青壮年層に多発する傾向が認められるが、高齢の外傷性・非外傷性頸髄損傷患者も非常に多数発生しており、これに対する医療上の対策が必要であること。

・脊髄損傷はもはや特定の人々の特定な疾患や障害ではなく、CVAや心疾患と同様にすべての人が罹患する確率が高いすべての人々の問題であることを考慮して対策が考えられるべき。

・合併損傷は、自殺企図では100%ときわめて高く、スポーツでは8%と少ない。
・交通事故では強い外力のためか合併損傷重症度が高い。
・転倒では合併損傷の重症度が低い。これは高齢者の平地での転倒による軽度の外傷による脊髄損傷のためと思われる。
・高齢者では頚椎症性変化や頚椎後縦靭帯骨化症などの脊柱管狭窄の状態があったり立ち直り反応などの運動能力低下のために比較的軽微な外力でも脊髄損傷がおこりやすいと思われる。

 

好発レベル

・好発レベルは背椎損傷の好発する中・下位頚椎、胸腰椎移行部。

・頚髄損傷と胸髄以下の損傷の比は約3~4:1。

・受傷原因別に…頚髄損傷では交通事故、高所転落、転倒、スポーツ外傷が多い。

胸髄以下の損傷では転落が多い。

 

病態と分類

・脊髄損傷は外力による脊髄実質の機械的破壊、脊髄内出血に脊髄実質の循環障害、代謝障害、生化学的障害といった二次的変化が加わる。

・重度の脊髄損傷では受傷直後に損傷部以下の脊髄が脊髄ショックに陥る。

・脊髄の伝導機能が断たれ下位脊髄は自立性を失う。

・運動、感覚機能、脊髄反射がすべて消失し自律神経機能も停止する。

・下位脊髄は一般に24時間以内にこの脊髄ショックから離脱する。その時点で完全麻痺であれば改善は望みがたい。

・種々の随伴症や合併症が現れる。

 

Ⅲ.脊損の随伴症状と合併症

1.脊髄ショック

・重度の脊髄損傷となった場合、受傷直後には脊髄ショックという状態になり、伝導機能を失って損傷部以下の脊髄反射もすべて消失する。

・脊髄ショックは24~48時間ほど持続するといわれており、脊髄を介したなんらかの反射が出現すれば、ショックを離脱したと考える。

・ショックの離脱徴候の検査として、反射が早期に出現する球海綿体反射や肛門反射が広く用いられている。

 

2.骨傷

・脊椎に脱臼骨折、高度の損傷がある場合は、脊椎の除圧・固定術を行うことが多い。

・不安定な脊椎を安定した状態にして、二次的損傷を防止する=早期にリハビリテーションを始められる。

・X線写真上に明らかな骨傷がなく、著明な不安定性がない場合には牽引・装具固定などの保存療法を行う。

 

3.呼吸障害

・C4以下の麻痺…横隔膜は麻痺していないが呼吸補助筋の外・内肋間筋、腹筋が麻痺=吸気はできるが肺活量は健常人より大きく下回っている。

・呼気は大きく障害され、咳、排痰をしにくくなる。

・胸郭の運動が悪いままで放っておくと胸郭自体が硬くなり呼吸器感染症にかかりやすくなる。

 

急性期

・頸髄損傷の急性期においては呼息筋群の麻痺があるため咳ができず痰の喀出が困難になる。

・呼吸合併症が最も危険なのは受傷後3~5日で、この期間には痰も貯留し無気肺や肺炎の原因となる。

・呼吸障害は(a)気道分泌物の増加や喀痰の貯留による換気不全、(b)胸郭の奇異運動や横隔膜筋疲労による呼吸不全、(C)無気肺や肺炎などの肺合併により重度化する。

・呼吸効率の悪シーソー呼吸が見られる。

・結果、換気量・%VCの低下が見られる。

 

4.排尿障害

・脊髄損傷の排尿障害は同一患者でも時期により異なる。

・尿路管理の目的=バランス膀胱すなわち十分な膀胱容量を有し、残尿量が少なく、膀胱尿管逆流が認められない状態にすること。

・脊髄損傷により排尿中枢と仙髄にある骨盤神経や陰部神経から成る排尿筋反射弓との間の伝導路が断たれ脊髄ショック期には膀胱は弛緩麻痺に陥り尿閉をみる(急性期)。

・尿閉に対しては導尿が必要であるが、(a)尿路感染症、(b)尿道憩室、瘻孔、(c)尿路結石などの合併症に留意。

・脊髄ショックから離脱すると排尿筋反射弓が健全に残っている核上型膀胱では多くの場合、排尿筋反射が亢進する(回復期)。

・合併症として(d)膀胱の器質障害、(e)膀胱尿管逆流、(f)水腎症、(g)自律神経過緊張反射が加わる。

・固定期に入れば上述の尿路合併症の定期検診や尿路造影検査を実施し尿路合併症の早期発見、治療に努め、(h)腎機能低下、(i)腎不全への増悪を未然に防止。

 

1)急性期の注意点

・脊髄ショック状態では排尿反射は消失し、尿閉の状態となり、そのままにしておくと膀胱は充満し過伸展膀胱となり膀胱壁が破壊され線維化をおこす。

・この状態では膀胱は細菌の侵襲に対して弱く、難治性尿路感染の原因となる。

(1)間欠導尿法

・導尿を1日数回行うが、膀胱を過伸展させないため一回尿量を500~600ml以下に抑える。

(2)尿道留置カテーテル法

・尿路感染はほぼ必発するので使用期間はできるだけ短期間が望ましい。

 

2)回復期の注意点

・受傷後1-3か月の時期で、膀胱の収縮が徐々に出てくることが多い。

・カテーテル抜去を検討。

・尿道括約筋部の圧を低下させるためにα受容体遮断薬を用いることもある。

・脊髄の損傷部位により、膀胱のタイプが異なる。

(1)自動型膀胱

・脊髄の上位損傷にみられ、仙髄の排尿中枢は損傷していないため、排尿反射が存在する。

・皮膚-内臓反射を利用できるので、下腹部、大腿内側、陰茎体部、会陰部などのtrigger pointを探し、皮膚を軽くこすり排尿を促すことがある。

(2)自律型膀胱

・脊髄の下位損傷にみられ、仙髄排尿中枢以下が損傷を受け、排尿反射が消失している。

 

3)性期の注意点

・受傷後3-4か月を過ぎてくると膀胱の状態はほぼ固定してくる。

・不全損傷の場合は、慢性期に、正常に近い排尿が可能となることも多い。

・残尿は50ml以下を目指す。

・バランス膀胱にならない場合は、以下の方法を考慮する。

(1)間欠導尿

・残尿をなくすことで、尿路感染成立を阻止する。

・1日5~6回程度行い、対麻痺など上肢機能のよい患者では自己導尿を指導する。

・四肢麻痺患者では介助者が行う場合もある。

(2)膀胱瘻

・膀胱に直接孔をあけ、痩孔をつくる。

・尿道損傷のため導尿操作のできない患者、高位損傷患者で下肢機能の改善が望めない患者などが適応。

 

4)尿路合併症

・合併症の防止のために半年から1年に1回は静脈性腎盂造影などの検査を行い、結石の有無、膀胱の形、水腎症の有無を診る。

(1)痙性萎縮膀胱

・慢性期になっても尿道カテーテル留置のまま放置されると膀胱が萎縮する。

(2)膀胱尿管逆流

・尿が勝胱から尿管へ逆流。

・この状態では感染尿が簡単に腎まで達し、腎孟腎炎を起こす。

(3)尿路感染

・残尿の多い場合は尿路感染を起こしやすい。

・発熱する場合は急性腎孟腎炎を疑う。

(4)尿路結石

・症状がない場合が多い。繰り返す尿路感染、血尿があれば疑う。

(5)尿道憩室

・会陰部や陰茎尿道移行部が腫れてきたら疑う。

 

5)尿失禁

・失禁は社会生活をするうえで問題となる。

・間欠導尿、薬物でうまくコントロールできない場合は集尿器を用いるが、女性では密着性に難点がある。

 

5.自律神経障害

1)体温調節障害

・脊髄損傷者では感覚障害部の発汗機能が低下、消失している。

・頸髄損傷、上部胸髄損傷では麻痺域が広く、発汗による体温調節がうまくいかないためにしばしば夏期にうつ熱と考えられる高体温を呈する。

・体温上昇時には環境室温を下げ身体を冷却する。

 

2)起立性低血圧

・脊髄損傷者は一般に低血圧傾向が認められる。

・特にT5以上の損傷者は起立性低血圧をおこす頻度が高く、意識を喪失することもある。

・内臓神経(交感神経)が機能を失い、下肢や腹部内臓の血管収縮が障害され血管に血液が停滞してしまう。低血圧時にはただちに仰臥位にするか車椅子を倒し頭部を低くする。

・腹部、下肢の血液貯留を防ぐ目的で圧迫帯を用いたり起立台で起立訓練、早期の坐位訓練での予防を行う。

 

3)自律神経過反射

・T6より上位の脊髄損傷の際にみられる発作性の高血圧、発汗、立毛、頭痛、徐脈を主徴とする自律神経系の異常な反射。

・自律神経過反射の発生機序

…膀胱過伸展刺激が、脊髄交感神経節前ニューロンを興奮させ小動脈が収縮し、血圧上昇を招く。

健常人では血圧上昇は大動脈弓の圧受容器を刺激して血管系に抑制的に働くが、脊髄損傷のために交感神経への抑制がきかずに著しい昇圧が生じる。

・膀胱の尿貯留による拡張、直腸内の便充満が刺激となり反射性に血管が収縮して血圧が上昇する。(トリガー)

・血圧上昇は大動脈弓の圧受容体を刺激して迷走神経を介して血圧低下と徐脈をきたすが、脊髄損傷のため血圧の下降は不十分。

・この反射は排尿反射の回復期以降にみられ、高血圧により脳出血をきたす危険性もある。

・発作時は導尿、α受容体遮断薬を使用。つまり予防=排尿、となる。

・軽度の頭痛、立毛、発汗は代償尿意として利用。

 

4)循環器障害

・相対的な迷走神経優位の状態に血管運動神経遮断による血管拡張や血管透過性亢進が加わる。

・徐脈、血圧低下、循環血液量の減少、静脈還流障害、全身浮腫、肺水腫などをきたす。

・T5以下の損傷で起こりやすい。

 

6.性機能障害

・障害のタイプは仙髄(勃起中枢)より上位の核上型損傷か、仙髄を含む核下型損傷か、完全麻痺か不全麻痺かによって決まる。

・大多数の男性は性交遂行能力としての勃起や挿入は可能。

・損傷高位別では核上性障害では勃起はよく保たれるが射精障害が多く、核下性障害では勃起障害、射精障害が多い。

・女性は月経周期への影響はなく妊娠可能だが流産が多い。

・出産時には自律神経過反射(T6以上の高位脊損)が問題となる。

・膨潤の低下や性感の低下、知覚異常が時にみられる。

・勃起障害例にはデバイスの利用、プロステーシスのペニス内埋め込みがすすめられる。

・子供を希望する夫婦には脊髄損傷の夫から精液を採取し人工授精する方法がある。

・性機能障害は脊髄損傷者の離婚原因の主要なものではない。

 

7.排便障害

・脊髄損傷の急性期では麻痺性イレウスのため一時的に腹部膨満の状態になる。

・この時期を過ぎると脊髄反射が回復するが、はじめから十分な自然排便は期待できない。

・健常者では食事をとると胃大腸反射が誘発されて腸蠕動が亢進し、糞便が直腸内に移動して直腸内圧が上昇して便意を感じる。

・直腸内圧の上昇は直腸肛門反射を促し、意識的に腹圧をかけることで便の排出が行われる。

・脊髄損傷者では便意が大脳に伝えられず意識的に腹圧をかけることもできないために排便しにくい。

・温存されている胃大腸反射、直腸肛門反射を利用。

・排便は毎日一定の時間に試みる。前夜に緩下剤を服用したり、坐薬や浣腸を使用して自分にあった排便方法を見つける。

 

8.褥瘡

・褥瘡は、一定期間血液循環が途絶えて発生した皮膚と皮下組織の阻血性壊死。人は寝ていても、無意識に体を動かして体の特定の部分に長い時間圧力がかかるのを防いでいる。

・痛覚が無かったり自由に体を動かすことができないような場合には、体の特定の部分だけに長い時間圧力が加わり続け、血流が途絶えて皮膚を含めた組織が壊死を起こす。→急性期に頻発。阻害因子第1。

・皮下に骨の隆起がある部分では皮膚が骨とマットの間に挟まれて血液循環が停止し、褥瘡ができやすい。

・好発部位…仙骨部、大転子部、腫骨部など。

・脱水、栄養不良、貧血、浮腫などで全身状態が不良になると褥瘡が発生しやすく、また治癒しにくくなる。

・褥瘡は短時間でできるが治癒させるためにはかなりの期間が必要。

・褥瘡の予防に努めることが基本。

・2時間おきの体位変換と好発部位の皮膚のチェックを励行。

・車椅子使用ならプッシュアップも指導。

・車椅子のクッションを選ぶことも重要となる。

 

9.その他の留意すべき症状・合併症

1)痙性

・脊髄ショック以降の不全麻痺患者に見られるが、患者の約75%に発生。

・脊髄の錐体路が傷害されると傷害部以下の運動髄節に痙性が出現する。

・不全麻痺者では立位動作時に痙性で支持性を得られたり、過度な筋萎縮、褥創予防といった利点もある。

・逆に痙性が強すぎると拘縮が起きたり日常生活動作を妨げることがある。

・過度な痙性への対策…筋弛緩薬、神経ブロック、腱切断、延長など。

 

2)異所性骨化

・異所性骨化とは、解剖学的に骨が存在してはならない部分に新生骨形成をみること。

・典型的には、受傷後4-10週に股関節部周辺に発赤、腫脹、熱感が出現。膝、肘、肩関節のこともある。ROM制限になる。

・発生機序は不明だが、暴力的な他動的関節運動による関節周囲組織の外傷と考える立場がある。

・治療としては外科的切除、内服薬。

・発生するとADLや坐位訓練の障害になるので十分注意。

 

3)外傷後脊髄空洞症

・慢性期に原因不明の疼痛、感覚障害や麻痺の上行を認めた場合はこれを疑う。

・成因は不明。

 

4)骨粗鬆症

・脊髄損傷により運動麻痺がある場合に四肢に廃用性の骨萎縮がおこる。

・骨萎縮がおきた長管骨はわずかな外力で骨折をおこしやすい。

 

Ⅳ.損傷レベル別の特徴

脊損のレベル別の大まかな概要

レベル

主動筋

運動

呼吸

ADL

C3

胸鎖乳突筋

上肢帯の運動なし

自発呼吸なし

電動車椅子

C4

僧帽筋

肩甲挙筋(横隔膜)

肩甲帯挙上

急性期:管理呼吸

回復期:管理なし

電動車椅子(顎駆動)

C5

三角筋

上腕二頭筋

肩甲帯挙上

肘屈曲

呼吸器PT必要

(呼吸予備力低下)

電動車椅子(手動)

整容動作,自助具での食事一部可

C6

橈側手根伸筋

手背屈

呼吸器PT必要

(呼吸予備力低下)

ベッド柵を塚手の寝返り・起き上がり

C7

上腕三頭筋

橈側手根屈筋

総指伸筋

肘伸展(ロック)

肩伸展

肩甲下制

手掌屈

手指伸展

正常

手動式車椅子

ベッド,車椅子上のADLはほぼ自立

一人暮らしの可能性

C8

手内筋以外の上肢筋

巧緻動作以外の上肢動作

正常

ベッド上,車椅子上のADLは自立

T1

手内筋(不十分)

弱い巧緻動作可

正常

T2~6

上肢すべて

上肢機能正常

腹筋機能なし

正常

箸が少し使える

ADL自立

T7~T12

~T10:上部腹筋

T11~:下部腹筋

(ビーバー徴候)

正常

L1~L2

L1:腸腰筋

L2:内転筋群

骨板挙上筋群

内転筋群

正常

両杖&LLBで歩行の可能性

L3

大腿四頭筋

外閉鎖筋

膝伸展

股外旋

正常

両杖&SLBで歩行の可能性

L4

前脛骨筋

足内反・背屈

正常

両・片杖&SLBで歩行自立

L5

中殿筋

内側膝屈筋群

股外転

足底屈

正常

片杖か独歩で自立

S1

大殿筋

下腿三頭筋

股伸展

足底屈

正常

独歩可能(つま先立ちは無理)

S2

下肢機能完全

正常

排尿・排便以外自立

 

レベル別の概要の説明

・C3:主動筋は胸鎖乳突筋、僧帽筋、肩甲挙筋。

上肢の運動はまったくない。

横隔膜はC4であるため呼吸は人工呼吸器に頼る。

頚部でのマウススティック操作が可能。

日常生活動作は全介助。

 

・C4:主動筋の肩甲挙筋・僧坊筋により肩甲帯の挙上が可能。

この動きは補助呼吸に重要。

急性期には人工呼吸管理が必要だが(脊髄ショック)回復期には必要ない(横隔膜はC4であるため)。

顎での電動車椅子の操作が可能。

肩甲帯の拘縮予防が重要。

皮膚管理の援助(患者は鏡を使えないが自分で監督することはしなければならない)。

頭につけた棒や口にくわえた棒でいくつかの動作が可能(例:タイプ、ぺージめくり)。

口や顎で、あるいは呼吸のコントロールで電動車椅子の操作可能。

Rancho型電動腕を舌用マイクロスイッチで操作ができ、回転器具を使って自分で食事をし上に述べたようなその他の動作も多少できる。

 

・C5:主動筋として三角筋・上腕二頭筋が機能し電動車椅子が操作可能。

腕をコントロールする器具をとりつけた電動車椅子が必要。

手のスプリントは不適切だが標準型のMASか外力駆動式スプリントつきの上腕挙上具があれぱつぎのような動作は可能…食事、簡単な整容動作、化粧、ひげそり、書字(法的署名ができる程度)、電話(プッシュボタン)、タイピング、付添人によってラップボードの上にセットされた場合

 

・C6:主動筋として橈側手根伸筋が機能し手関節背屈が可能。大胸筋も機能し始め肩周囲筋力が向上。

このレベルはADL自立の境界線。特に肘関節の屈曲拘縮がおこると上腕三頭筋が機能しないため肘ロックはきかず多くの動作で支障をきたす。

まだ基本的には自立しないが器具を用いて自力で行うものも多くなる。

寝がえりまたは坐位をとることが自力で不可。

トランスファーボード使用のトランスファーに介助を要する。

フレキサーヒンジスプリントや万能カフを用いて通常の器具で食事ができる。

…整容動作(口腔と上半身)、上半身の更衣、書字、タイピング(15~20WPM)、電話、簡単な台所動作、装具を使っての運転、ベッドの棚を利用してのベッド上移動動作。

寝がえりには要介助

ベッドの足元のところにとりつけたロープや吊りバーを前腕にからませて引っぱり肘屈筋を利用してひとりでベッド上におき上がる。

肘伸展の代償として肩の内転と回旋によりトランスファーを補助する。

トランスファーボードを用いて独力で可能かもしれない。

ノブつきリムか摩擦テープつきのリムで標準型車椅子の操作可。

坐位時のプッシュアップが独力で可。

特殊装置で車運転可。

皮膚管理に自立。

膀胱直腸管理に半自立。

雇用されることが可能。

 

・C7:主動筋として上腕三頭筋・橈側手根屈筋・総指伸筋が機能。大胸筋もより強くなる。高齢者を除く多くの例で環境整備によりADLは自立。

基本的には車椅子が必須であるが多くの人は車椅子に独立する。

ベッド上での坐位が可能となる。

ベッドと車椅子のトランスファーに独立するか、ほんの少しの介助で可となる。

寝がえり、起き上がり、坐位での移動可。

更衣動作に独立。

カテーテル交換以外の整容動作が行える。

食事独立(通常自助具は不必要)。

握りが弱いので、ある患者には手関節駆動式フレキサーヒンジスプリントが使われる。

標準型車椅子の操作可(長距離のときはハンドリムに摩擦テープが必要。粗面では介助を要する。)

特殊装置つきで車運転可。

立位とか短距離なら非機能的歩行が可能だが、動きは実用的でない。

膀胱直腸管理と皮膚の管理に自立。

家庭内でも家庭外でも雇用が可能。

簡単な家事は可能だが介助者とか監督者という役割のほうがよい。

 

・C8:手内筋が機能しないため巧綾動作は不十分だがほとんどの上肢動作が可能。

 

・T1:ベッド上動作、車椅子のトランスファー、身のまわり動作と整容動作に自立。

標準型車椅子で敷石を上がったり下がったり可能。

車椅子から床へ下がったり上がったりができる。

立位とか運動に非機能的歩行が可能だが動きは実用的でない。

膀胱直腸管理と皮膚の管理に自立。

家庭内での仕事か車椅子で可能な環境での仕事。

簡単な家事に自立。

特殊装置つきで車運転。

握力は弱いが巧綴動作は可能。車椅子でのADLは自立。

 

・T2~6:上肢機能は正常。腹筋は機能しない。

知覚検査により高位判断。

身のまわり動作に自立。

標準型車椅子での自立。

装具と松葉杖で立て、短距離なら歩けるが動きとしては実用的でない。

坐位での仕事は可。坐位でなら重いものをもち上げることも可。

運転可能。

車椅子スポーツが可。

簡単な家事に自立。

 

・T7~12:腹筋の収縮(ビーバー徴侯)と知覚検査により高位判断。

よくデザインされた環境のもとでは身のまわり動作、整容動作、スポーツ、仕事、家事が可能。

装具と松葉杖を使用しても歩行は困難だが車椅子のほうがスピードとエネルギー節約とからモアベター。

 

・L1~2:L1で腸腰筋が、L2で内転筋が機能する。

・L3:大腿四頭筋が機能し膝伸展が可能。長下肢装具(LLB)や短下肢装具(SLB)や両杖による歩行が可能。

・L4:大腿四頭筋と内転筋の筋力は正常。前脛骨筋が機能し始めるがSLBや背屈器具が必要。SLBと両杖または1本杖により自立。

・L5:中殿筋と内側ハムストリングスが機能し歩行が安定。一本杖、独歩により自立。

・S1:大殿筋と下腿三頭筋が機能し独歩可。爪先立ちは不可能。鷲爪指(Claw toe)をきたす。

・S2:下肢機能は正常だが排便・排尿障害がある。

 

残存機能の分類

上肢機能

到達・支持機能(広義)

把持機能

1.押し機能

 

 

 

 

 

 

 

1.肩,肘,手掌にて押し下げ支持

2.プッシュアップ

3.起き上がり(臥位→坐位)

4.W/C駆動時に手掌,小指球部で押す

5.更衣動作時に母指,示指間でwebにひっかけて押す

6.母指尖端で細いものを押す

C5

 

1.手関節運動不能

2.両手で相互に操作する副子(Ratchet把持、動力手副子)が考えられる

…患者の受け入れ悪い(複雑)

3.両手把持がもっとも実際

ゴム引き軍手(手掌の保護、摩擦を高める)

手掌ポケット付きベルト(食事用)

2.引っ掛け、ひきつけ機能

 

 

 

 

1. 前腕、手背部でひっかけ引きつける

2.W/Cハンドル、ループ、ベッド柵などでひっかける

3.母指と示指間でひっかける(軽いもの)

4.起坐、移乗動作に利用

C6

1.手指筋は残存せず

2.Tenodesis actionで可能(軽い小さいもの)

3.手関節駆動把持副子(Rancho型、RIC型、TIRR型、KRC型)

4.手指腱再建術の適応

5.3、4は手背屈制限するのでプッシュアップなどに不都合あり

3.投げ出し機能

 

 

 

 

1.上肢全体を投げ出す(遠心力)

2.寝がえりなどで慣性の利用

3.肘伸展筋麻庫では前腕を重力方向に投げ出す

 

4.到達機能 1.片側上肢のみでは到達範囲は大(他側は支持のため)

2.両手把持での到達範囲は非常に狭い

3. Cutout boardなどを利用すると両手把持でも良好(食事など)

4.上方への到達はC7以下では良好、C6では制限

C7 1.手固有筋の障害あり

2.握力不十分なので道具の柄や握りなどを工夫

 

C8 手指筋はすべて残存するので問題なし

 

頭・頚部機能

1.押しつけ機能

 

1.頭部をベッドなどに押しつけながら補助

2.臥位での左右,上下の移動

2.伸び上げ機能 1.車椅子上でのプッシュアップ

2.車椅子シート内での体の移動などで頸部を伸ばすようにして

3.振り出し機能

 

1.寝がえりなどで前屈回旋させながら反動を利用して振リ出す

2.坐位移動(いざり)などで頭を振り出すようにして利用

4.口かみ機能

 

1.口ではさんだり歯でかんで利用する(手指の代償)

2.更衣整容動作に多く利用

5.あごはさみ機

1.あごと肩甲帯や上肢をあごに近づけはさむ

2.更衣、整容動作に多く利用

各筋の髄節支配

頚髄損傷(O-C2椎、C1-3髄節)

上位頚椎部

・完全麻痺は横隔膜の麻痺を伴って致命的。

・生存例は不全麻痺であり、神経学的には四肢麻痺のほかに稀ではあるが特殊なものとして両上肢対麻痺や交叉麻痺、またonionskin pattern症候群として顔面にしびれなどの感覚障害をみる。

 

中・下位頚椎部(C2/3椎間―C7/T1椎間、C4-T2髄節)

・横断性損傷では完全四肢麻痺と胸郭運動障害を伴い上位損傷ほど著しい呼吸障害をみる。

・椎間板高位と損傷髄節の関係は浮腫や血腫が広範でない限り頚髄症の場合と同じ。例えば、C5-6椎間では一般にC7髄節が損傷する。

・頚椎部では1椎分の損傷高位の違い=1髄節分の違いが結果として残る上肢機能に大きな差をもたらす(課題2.Zancolli)

 

胸髄以下の損傷

上・中位胸椎部(T1椎-T10/11椎間、T3-L2髄節)

・胸郭による強固な安定支持のため脊椎損傷の頻度が低く、そのため脊髄損傷の発生は稀。

・損傷されると、完全麻痺をきたすことが多い。

・上位胸髄損傷では肋間筋麻痺による呼吸障害を伴う。

 

胸腰椎移行部(T11椎-L2椎、L3-S5髄節)

・中、下位頚椎部に次ぐ脊髄損傷の好発部位。

・完全麻痺の発生頻度が70~80%と高い。

・この部位では脊髄円錐上部から円錐部に加え、これを取り巻く馬尾が様々の割合で損傷する。

・脊髄・神経根とも完全に損傷されて両下肢が完全麻痺のものや、脊髄は完全に損傷されているが脊椎損傷部を通過する馬尾の一部/大部分が損傷を免れて(root escape)、下肢の感覚、運動機能が温存されるものがある。

・脊髄円錐損傷では膀胱直腸障害を伴ったサドル型感覚障害を呈する。

 

仙、腰椎部(L2/3椎間-仙椎、馬尾)

・馬尾損傷が生じるが稀。

・多くは不全麻痺であり、両下肢、下腿筋および股関節外転筋の運動障害をみる。

「脊髄損傷」の画像検索結果

(((((゜゜;)参考文献

医療学習レポート.脊髄損傷


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