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(゜▽゜*)変形性膝関節症の話


(~_~;)題名:変形性膝関節症の話

変形性関節症とは

非常に多く見られる疾患で、関節の老化や関節の外傷、形態異常、炎症などの先行する関節疾患が発病の要因となる。いずれの関節にも発生するが、特に荷重関節に頻発する。

【原因】

一次性:原因不明なもの(加齢的な変化によるもの);老化現象、原因となる基礎疾患がない

二次性:原因となる疾患がある場合:関節の外傷・炎症、先天異常など

 

【病理】

★     軟骨病変の進行図

軟化(softening)→線維化(fibrillation)→粗造化→菲薄化→潰瘍形成(ulcer)

→骨棘形成→びらん化(erosion)→軟骨欠損→軟骨化骨層露出→軟骨下骨層象牙化(eburnation)

→石灰化

 

  • 変形性膝関節症

【原因】

一次性:中年以降の肥満女性に多い(原因不明)

二次性:外傷(靭帯損傷、半月板損傷)・関節リウマチ、その他の炎症に続発する

 

【病態】

症状:疼痛、運動制限、筋萎縮(特に大腿四頭筋)、は行が主症状

その他、関節水腫、歩行時の脛骨の外側動揺が観察されることもある。

 

 

浸出液の増加と抑制機構(膝の危機管理機構)

関節原性筋萎縮(反射性筋萎縮)

膝関節水腫 → 大腿四頭筋(特に内側広筋)の活動に対し、神経学的抑制回路の形成 → 筋萎縮

関節包の伸張刺激 → 関節包内のメカノレセプター(mechanoreceptor)の反応

*膝関節包の圧迫、前方関節包の摩擦や把持、外傷による関節刺激

半月板切除などの手術操作などのよっても生じる!

※ 膝を酷使してほしくない!という膝の自己防衛反応では?との考えもある!

 

疼痛は動作開始時に訴えることが多い。疼痛部位は膝関節の裂隙あるいは裂隙直下で、特に内側に多い。

膝関節のみならず股関節、足関節、足部、腰部にも疼痛を訴える場合が多い。腰痛は脊椎の後彎変形を有するものに多い。運動制限は屈曲拘縮による伸展可動域制限が多いが、屈曲可動域の制限も見られる。筋萎縮は大腿四頭筋、特に内側広筋にみられる場合が多く、mechanoreceptorからの抑制が作用していると考えられる。

歩行では、立脚期にthrustとよばれる膝関節の動揺現象が観察され、体幹の側方動揺(Duchenne跛行)を伴う場合もある。膝関節に関する変形は内側変形が多く、外反変形あるいは膝蓋大腿関節に生じ、脛骨の内捻増加がみられる場合もある。足部では外反母趾、偏平足などを有する場合も少なくない。

 

X線所見 : 単純X線像(前後像・側面像・膝蓋大腿関節軸射像<skyline view>)

・関節の変形

・関節裂隙の狭小化

・軟骨下骨の嚢腫様陰影

・軟骨下骨の硬化像

・骨棘形成      など

 

〔分類〕

①単純X線像(右図)

横浜市大分類

 

②KellgrenのX線像分類

 

☆ アライメント (FTAとQ‐angle)

 

【治療】

〔保存的療法〕

・関節内注射 : ヒアルロン酸ナトリウムが多く使用される.その他ステロイドなど

・理学療法 : 大腿四頭筋の強化など

・薬物療法 : 鎮痛消炎剤の投与

・日常生活動作の指導、肥満からの減量

・その他 : 杖、サポーター、足底板などの使用など

 

〔観血的療法〕

○ 関節鏡視下デブリドマン(joint debridement)

比較的初期の関節症 → 持続する関節水症や半月板症状が主となっていることが多い。

関節鏡にて洗浄、滑膜切除、半月板の処置を行う。

 

〇 高位脛骨骨切り術(HTO:high tibial osteotomy)

内足偏重の荷重を外側へ変移させるために行われる。術後は、Mikulicz線が外側コンパートメント中央付近を通るように、あるいはFTAが164~168°になるように骨切りが行われる。理学療法では、この矯正角度の保持に留意しながら、機能障害の早期改善を目指していく。

適応  内側型のOAで初期~中等度

外側コンパートメント、膝蓋大腿関節に著しい関節症変化がないことが重要。

FTAを矯正し荷重線を中央よりやや外側に移し、病変のある内側コンパートメントを免荷する。

 

※長期入院が必要となる、手術効果の発現までに時間がかかるなどの理由でアメリカでは減少傾向にある。

 

〇 人工膝関節置換術(TKA:tortal knee arthroplasty <R;replacement>)

高度のOAで関節破壊や不安定性、拘縮を伴う場合に適応 → 除痛を主目的

・インプラントのデザインによる分類

PS(posterior stabilizer)型 : 後十靱帯切離型

CR(cruciate retension)型 : 後十靱帯温存型

 

人工関節置換術後の合併症

① 深部感染症

1~10%の頻度で発症. 人工関節 → 異物

予防が重要。→ 抗生剤の投与、クリーンルーム(手術室)、適切な清潔操作

 

②脱臼

・ 屈曲-内転-内旋   → 後方脱臼(多い)

・ 伸展-内転-外旋   → 前方脱臼

・ 90度以上の過屈曲 → 後方脱臼

 

③オステオライシス (osteolysis):骨溶解

・ 人工関節周囲に骨吸収が起こる!(早い場合で数年後から)

・ 摺動面から磨耗粉 → マクロファージが集まる → サイトカインが放出 → 破骨細胞が局所的に活性化


④    
人工関節の緩み(loosening)                                           活動性の高い症例や肥満の人に多い!

→ 人工関節が母床骨との固定性を失うこと!

・         非感染性の緩み : オステオライシス、外傷など

・  感染性の緩み

 

☆ 荷重とlooseninig!

一般的には、骨が入り込む術後4週か、骨増殖による固定力が80%を越えた術後8週から荷重開始すること

が多い(骨増殖の終了は12週).しかし、垂直荷重では体重の3倍(2000Nm)の荷重がかかってもlooseningを生じる動き(micromotion)は生じないので、実際には術直後より荷重開始しても緩みが生じることはない!


   しかし、一部の人工関節では回旋ストレスに弱いので、片松葉杖などで免荷を行うこともある.

 

⑤     脂肪塞栓症候群

術中、ステムの挿入時に髄腔内圧が上昇し、脂肪や骨髄が血行に入り塞栓症を起こす.

 

⑥     深部静脈血栓症(DVT:deep venous thrombosis)

・         術後臥床による不動 → 血液の粘性UP → 血栓 → 肺へ → 肺塞栓(胸痛や呼吸困難など)

・         予防!→ 抗凝固薬投与 ・ 術直後からの両下肢の自動運動 ・フットポンプ(メドマー) ・ 弾性ストッキング

 

☆評価項目

  • 関節可動域テスト:脊柱・股関節・足指、呼吸(胸郭の可動域)
  • 筋力テスト:必要に応じて筋力測定を行うが、特に股関節屈筋・大腿四頭筋・ハムストリングス・足指屈筋・腹筋・背筋が重要である。
  • 疼痛テスト:痛みの種類(圧痛・自発痛・運動痛・夜間痛)、部位
  • 変形:脊柱変形(前彎・後彎・側彎)、彎曲範囲、彎曲程度、彎曲の頂点、脛骨捻転、足部の変形
  • 歩行分析:mid stanceでの観察を重点的に行い、thrustの有無、下腿の回旋、骨盤運動、肩の位置、足部の動きをチェックする。
  • 動作分析:立ちしゃがみ動作・前屈・後屈を観察し、骨盤運動を主にチェックする。前屈・後屈時に筋の短縮度を判断する。

理学療法プログラム

【筋力増強運動】

対象となる筋

大腿四頭筋単独、大腿四頭筋およびハムストリングス、膝周囲筋、股関節周囲筋、足関節底背屈筋、体幹・上肢筋。どの運動が真に有効であるかはいまだ明らかではないが、大腿四頭筋単独でも効果が得られるとの報告がある。

 

● 大腿四頭筋トレーニングの理論的根拠

① 大腿四頭筋はショックアブソーバーとしての役割 → 弱化はOAの進行を早める!

② (動物実験より)大腿四頭筋のトレーニングによる関節圧迫力 → 軟骨の強さやサイズ、弾力性を増加

軟骨の退化を防ぐ!

③ トレーニングによるgate control mechanism効果

④ トレーニング後の痛みの減少 → 血流増加や軟骨への栄養物の増加のため

⑤ 関節周囲の関節包や腱、靭帯の強度の増加 → 関節障害を予防

 ⑥ 腫脹の減少

 

前額面の動きに関与する股内外転筋や下肢の土台となる足関節筋のトレーニング

→thrustや膝内外反モーメントを変化させる可能性があるので必要である。

疼痛が強い場合でも筋力増強運動に関してはOKCエクササイズ中でもisometricエクササイズであるSLRやマッスルセッティングは疼痛が少なく実施しやすい。疼痛軽減にしたがってCKCによる筋力増強やisotonicでの運動を行っていく。

 

★ どのようなSLRの運動が望ましいのか?

 

変形性膝関節症の症例 → 筋力増強運動にて関節へのストレスが少ないものが望ましい!

大腿-膝蓋関節にかかる圧

(SLR:0.5倍、膝関節屈曲位:1.4倍、階段昇降3.3倍)

SLR運動は、生体力学に優れており、膝関節に変形や疼痛有するものにとって適した筋力増強肢位である!

 

◎ SLR時 足関節は背屈?底屈?

足関節を背屈 → 底屈位に比べ、大腿直筋・内側広筋・外側広筋ともに有意に増大!

 

背屈位で行う方が効果的

 

★ SLR運動に対する知見(例)

① SLRは膝関節の伸筋のトレーニングよりも股関節屈筋のトレーニングの要素が強い!

→ レバーアームの関係から、膝よりも股関節に負荷がかかる!

 

〔筋電図学的分析から〕

SLRでは、内側広筋よりも大腿直筋の筋活動が

高く、更に負荷を増やしても内側広筋の負荷は

変化しない.

 

● 圧変化による代謝の改善

 

大腿四頭筋 → 膝蓋上包の前・側壁を覆っている.

SLR訓練を行うことで、2週間くらいから痛みが楽になってきた.

また、水腫のある症例も排液しなくても軽快した者が多かった.

Jasonらによれば、SLR訓練による大腿四頭筋収縮により、

膝関節内圧は通常の歩行時の約6倍の陰圧がかかると報告.

このことから、2週間という短い期間での回復は、筋力の向上その

ものよりも、圧の変化によるものが大きかったのではないか

と推測した.

関節構成体の代謝(滑膜代謝・軟骨代謝・骨代謝・骨髄内血行動態・関節包の伸展性に好影響を及ぼしたのではないか?

 

【関節可動域運動】

(石井慎一郎 著 早期退院への理学療法の取り組み 理学療法 17巻6号 2000年6月 メディカルプレス)

◎ 人工膝関節(TKA)の運動の特徴

人工関節 → 120度前後の屈曲可動域を得ることは可能(機種や手術手技によって多少異なる).

100度以下になると、立ち座り動作に影響、また、人工関節に大きなストレスが負荷される動作パターンとなり、人工関節の耐久性に影響を及ぼす!

100度以上の屈曲可動域は必ず確保する必要がある!

 

石井ら(著者)らの経験では、

「術後1週以内に90度以上、2週以内に100度以上の屈曲可動域が獲得されないと、

最終到達可動域は100度以下になる場合が多い!」とされている.

 

◎ 膝蓋骨の影響

 

・     前方組織 → 伸張ストレス → 屈曲制限

・     後方組織 → 圧縮応力が集中 → 損傷の恐れ

 

★ どのような関節可動域運動が望ましいのか?

・ 癒着を起こさないように、早期の関節可動域運動が重要!

CPM(continuous passive motion)の利用 など

 

→ 防御性収縮を起こさないように実施していく!

関節面の適合状態の把握

運動時の滑り転がり運動の把握

前後での偏位               など

 

☆理学療法プログラム例

 

☆TKA後クリニカルパス(O大学)

 

☆  変形性膝関節症患者に対する装具療法

○     足底板療法

足底板療法の一つである外側楔状足底板は、足底から機能的下肢アライメントを修正し、膝関節の外側動揺を減少させ、安定性を得ることにより膝関節の内側への垂直方向の異常な圧迫力を緩和するとされ、疼痛を軽減する目的で広く処方されている。

足底板療法の効果

足底板療法の効果としては、大腿骨と脛骨全体を含む機能的下肢軸の直立化および踵骨の外反化をもたらすこ、とが挙げられるが、疼痛の軽減は認められるものの歩行能力に関しては影響が見られなかったとの報告や、距骨下関節に固定性がないため踵骨における外反矯正力が距骨や脛骨に伝導されないとの報告も散見されている。

○     膝装具療法

内足型膝OAに対する膝装具療法は、膝関節の安定性を向上させ、荷重に伴う外側動揺の矯正と膝関節内反位の外反位への矯正により、膝関節内側面の負荷を軽減して除痛を得ることを目的としている。膝装具には大別してサポータ型膝装具と機能的膝装具がある。

サポータ型膝装具は関節の安定性をごくわずか高めるとされているが、アライメントを矯正する機能はなく、装着により患者自身が感じる安定感と保温作用がその機能の主体である。軽量で着脱も簡単かつ安価なため、初期から進行期の膝OA患者に用いられることが多い。

一方、機能的膝装具は膝関節の安定性向上とアライメント矯正を目的としたもので、継手や支柱の位置、装具の材質などにより種々のものが開発されている。膝装具を選択する際には、疼痛部位や疼痛が増強する日常生活動作、歩行時の外側動揺の有無などを評価する必要がある。

膝装具療法の効果

 田代らは、膝関節最大伸展位において外反矯正時痛を有する症例では、有さない症例に比較して機能的膝装具の臨床成績が劣ることを報告している。ニーグリップOA4を進行期内側型膝OA患者17名に用いた臨床評価において、歩行時痛がVASにて平均61点から平均31点に軽減し、歩行速度が平均46m/minから平均53m/min、持続歩行距離が平均556mから平均682mに改善した。

G-Ⅱ OA brace の臨床成績については,井上らは北大分類stage Ⅲ以上の膝OA患者41例に用いて日本整形外科学会変形性腺関節症治療成績判定基準(JOAスコア)により評価を行い、装着前の平均スコア59.5点が調査時に平均71.0点に改善したと報告している。また、長期装着例の効果として、大腿脛骨角の改善や脛骨頚部の骨密度比(外頚/内頚の増加などの報告もあり、機能的膝装具が膝関節の荷重軸を外側に移動させる効果があることがしめされている。


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