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(゜▽゜*)多発性硬化症と評価の話


「多発性硬化症と評価」の画像検索結果

(^ム^)題名:多発性硬化症と評価の話

・理学療法プログラムは、その時々における患者を注意深く観察し、障害構造を評価することにより、個別的な障害像を把握することが最も重要である。そのため機能障害、能力障害評価のみならず、患者および家族の疾病理解や障害受容などの精神面および家族生活や、就業問題などに対する社会面など多岐にわたり、まさに空間的・時間的な広がりをもった評価が必要となる。さらに、運動療法処方に際して問題となるMSに特異的な易疲労性、温熱非寛容性(室温や環境温、入浴、感染による発熱、運動などによる体温上昇に伴い、一時的に視力低下や脱力、異常感覚などの神経徴候が憎悪すること)、体動や外的刺激により激痛と痙攣が誘発される有通性強直性痙攣(painful tonic seizure)や、首を前屈すると背部から下肢へ至る電激痛が出現するLhermitte(レルミット)徴候の評価も行う。

 

・開始時期による評価

①急性期(憎悪期)

・安静臥床となるために廃用症候群の発生状況の評価が基本となる。

・褥瘡の有無、良肢位の保持、拘縮や関節可動域の確認が中心となる。

・易疲労性であるが心理的な焦燥感からオーバーワークとなりやすいため自主的な運動練習は要注意である。

・体温の上昇、室温の管理が重要。

②回復期(寛解期)

・発症前のADL、QOLを目標とした検査測定を行い、可能な限りの機能回復をゴールと設定し、プログラムを作成するための評価が基本となる。

・対麻痺や運動失調などの主症状に対する評価、視覚機能、疼痛の有無と程度、疲労の程度は十分考慮した評価と治療が重要である。

③慢性期(維持期)

・再発のよる憎悪、寛解の傾向を想定し、獲得できた機能、ADL、QOLなどを考慮し、退院後に必要な評価、自主訓練を含めた指導が基本となる。

 

・障害評価

① Kurtzkeによる機能評価

1)FS(functional systems)

・錐体路機能、小脳機能、脳幹機能、感覚機能、膀胱直腸機能、視覚機能、精神機能、その他の機能の8項目を0(正常)から5または6(最重度)に分類し、機能低下の推移を示した評価方法。

 

表.機能障害評価(FS)

①錐体路機能0-正常

1-異常所見あり、しかし障害なし

2-ごく軽い障害

3-軽度ないし中等度の対麻痺、片麻痺、または高度の単麻痺

4-高度の対麻痺、片麻痺、または中等度の四肢麻痺、または完全な単麻痺

5-完全な対麻痺、片麻痺、または高度の四肢麻痺

6-完全な四肢麻痺

Ⅴ-不明

②小脳機能

0-正常

1-異常所見あり、しかし障害なし

2-軽度の失調

3-中等度の体幹または四肢失調

4-四肢全部の高度の失調

5-失調のため協調運動全く不能

Ⅴ-不明

Ⅹ-脱力(錐体路機能で3以上の障害のために判定しにくい場合は、数字の後に“Ⅹ”を入れる)

③脳幹機能

0-正常

1-異常所見のみ

2-中等度の眼振、または他の軽度の眼振

3-高度の眼振、高度の外眼筋麻痺、または他の脳神経の中等度障害

4-高度の構音障害、または他の高度障害

5-嚥下または構語まったく不能

Ⅴ-不明

④感覚機能

0-正常

1-振動覚または描字覚1~2肢で低下

2-1~2肢で触・痛・位置覚の低下、または振動覚の中等度の低下、または振動覚のみ3~4肢で低下

3-1~2肢で中等度の触・痛・位置覚の低下、または振動覚の消失、または3~4肢で軽度の触・痛覚の低下、または中等度の固有覚の低下

4-1~2肢で高度の触・痛・位置覚(単独または合併)の低下、または2肢以上で中等度の触・痛覚の低下、または固有覚の消失

5-1~2肢で全感覚の消失、または頚以下で中等度の触・痛覚の低下、または固有覚の消失

6-頚以下の全感覚脱失

Ⅴ-不明

⑤膀胱直腸障害

0-正常

1-軽度の遅延、切迫、尿閉

2-中等度の遅延、切迫、尿閉またはまれな尿失禁

3-頻繁な尿失禁

4-ほとんど導尿を要するが直腸機能は保たれている

5-膀胱機能消失

6-膀胱直腸機能消失

Ⅴ-不明

⑥視覚機能

0-正常

1-暗点あり、矯正視力0.7以上

2-悪いほうの眼に暗点あり

3-悪いほうの眼に大きな暗点、または視野の中等度障害、矯正視力0.3~0.2

4-悪いほうの眼の高度の視野障害、矯正視力0.2~0.1、またはgrade3+よいほうの眼の視力0.3以下

5-悪いほうの眼の矯正視力0.1以下、またはgrade4+よいほうの眼の視力0.3以下

6-grade5+よいほうの眼の視力0.3以下

Ⅴ-不明

Ⅹ-耳側蒼白があれば次に“Ⅹ”を付け加える

⑦精神機能

0-正常

1-情動変動のみ

2-軽度の知能低下

3-中等度の機能低下

4-高度の知能低下(中等度のchronic brain syndrome)

5-高度の痴呆またはchronic brain syndrome

Ⅴ-不明

⑧他の機能

0-なし

Ⅴ-不明

1-MSに起因するその他の神経学的所見

 

2)EDSS(expanded disability status scale)

・機能障害の程度を0.5きざみで示し、加算結果を機能別に判定した評価方法。

・0~4.0はADL自立で、装具がなくても休息せずに500m独力で歩行可能な状態。

・4.5~5.5は装具がなくても独力で歩行可能な状態。

・6.0~6.5は装具があれば歩行可能な状態。

・7.0は介助歩行であるが独力で車椅子操作、かつ移乗が可能な状態。

・7.5~8.5は歩行不能でかなりの介助が必要な状態。

・9.0と9.5は寝たきり状態で全介助が必要な状態。

・10は多発性硬化症で死亡した点数。

 

表.拡張総合障害度(EDSS)

Step0=神経学的所見正常(すべての機能系でgrade0、精神機能はgrade1でも可)

1.0=能力障害はないが1つの機能系で軽微な所見がある(たとえば精神機能以外にgrade1が1つ)

1.5=能力障害はないが2つ以上の機能系で軽微な所見がある(たとえば精神機能以外にgrade1が2つ以上)

2.0=1つの機能系で軽度の障害(1つの機能系がgrade2、他は0か1)

2.5=2つの機能系で軽度の障害(2つの機能系がgrade2、他は0か1)

3.0=1つの機能系で中等度の障害(1つの機能系がgrade3、他は0か1)あるいは3~4つの機能系で軽度の障害(3~4つの機能系がgrade2、他は0か1)があるが歩行可能

3.5=中等度の障害があるが歩行可能(1つの機能系がgrade3かつ1~2つの機能系がgrade2、あるいは2つの機能系がgrade3、あるいは5つの機能系がgrade2、他は0か1)

4.5=装具なしに終日歩行可能、十分な活動に制限がある、もしくは軽微な補助が必要、比較的高度の障害、装具なし、休みなしに300m歩行可能(通常1つの機能系がgrade4、他は0か1、あるいは前項以上でgrade3以下の組み合わせ)

5.0=装具なし、休みなしに200m歩行可能、高度の障害があって、終日の活動(たとえば特殊な設備なしに終日働くこと)にかなりの制限がある(通常1つの機能系がgrade5、他は0か1、あるいはstep4.0の内容以上でgrade4以下の組み合わせ)

5.5=装具なし、休みなしに100m歩行可能、高度の障害があって、終日の活動が制限される(通常1つの機能系がgrade5、他は0か1、あるいはstep4.0の内容以上でgrade4以下の組み合わせ)

6.0=休憩に有無にかかわらず100m歩行には、時々あるいは一側に常に支持(杖、松葉杖、または装具)が必要である(通常2つの機能系でgrade3以上の組み合わせ)

6.5=休みなしに20m歩くには、常に両側の支持(両側に杖、両松葉杖、両側の装具)が必要である(通常2つの機能系でgrade3以上の組み合わせ)

7.0=装具を用いても5m以上の歩行不可、車いす生活を余儀なくされる、標準の車いすの駆動が可能で、1人で車いすの乗り降りができる、12時間以上車いすの上で過ごす(通常2つの機能系でgrade4以上の組み合わせ、きわめて稀に錐体路系のみgrade5)

7.5=2~3歩以上歩けない、車いす生活を余儀なくされる、移動に補助が必要、車いすの駆動ができるが、終日標準の車椅子を動かすことは不可、電動車椅子が必要(通常2つの機能系でgrade4以上の組み合わせ)

8.0=ベッド、いす、車いすに制限される、しかし多くの時間をベッド外で過ごす、多くの身の回り動作は維持されている、普通両手を使える(通常いくつかの機能系でgrade4以上の組み合わせ)

8.5=1日の大半をベッド上に制限される、2~3片手もしくは両手動作が可能、2~3の身の回り動作は維持されている(通常いくつかの機能系でgrade4以上の組み合わせ)

9.0=ほとんどベッドで寝たきり、意思疎通と経口摂取は可能(通常ほとんどの機能系でgrade4以上の組み合わせ)

9.5=まったくベッドで寝たきり、有効な意思疎通や経口摂取、嚥下もできない(ほぼすべての機能系でgrade4以上の組み合わせ)

10=多発性硬化症のため死亡

 

②運動麻痺

・運動麻痺の型、程度について評価し、麻痺によって起こりうる問題点を明確にする。

・麻痺が重度であるほど姿勢の変化、獲得動作能力の低下と関連する。

・回復期、慢性期で重要。

・回復傾向、憎悪傾向であるか想定して検査を行う。

 

③運動失調

・運動失調の有無と程度の検査を行い、四肢および体幹運動時の協調性を検査することで動作能力の確実性を評価する。

・姿勢保持および姿勢変化時の重心動揺検査を行い、転倒の可能性を評価する。

・眼振や振戦の有無を検査することも必要。

 

④反射検査

・深部反射、病的反射の検査を行い、病巣部位の確認、運動麻痺との関係を検討する。

 

⑤関節可動域検査(ROMT)

・急性期、慢性期では関節可動域の程度を明らかにし、廃用症状の結果として起こりうる拘縮の発生状況を確認する。

・筋緊張のアンバランスや筋スパズムによる関節可動域現象は動作能力を低下させる。

 

⑥筋緊張

・他動で筋緊張の程度や分布を検査し、筋緊張が強い部位を特定する。

・MSは痙性が強いことが多く、筋緊張は増加し、スパズムが生じやすい。

 

⑦筋力テスト

・MMT、ダイナモメーターやトルクマシーンなどの筋力測定機器を用いて能力低下の部位、程度を、また易疲労性の程度を筋持久力で判断する。

・易疲労性であるためMMTは全可動域テストよりbrake test(遮断法)の方が望ましい。

・疲労の程度から運動失調に対する重り負荷、セラバンドの使用などで負荷量の設定、筋力テストの可能性を検討する。

 

⑧平衡機能検査

・運動麻痺や運動失調による静的、および動的な姿勢調節機能の低下の程度、動作時の重心動揺を検査する。

・動作時、Lhermitte’s signや有通性強直性痙攣の影響の有無を検査し、転倒の危険性を検討する。

 

⑨動作分析

・運動麻痺や運動失調による協調運動障害を床上動作の分析を行うことで機能回復訓練を必要とする動作、ベッド柵や手すりなどの必要性を判断する。

 

⑩歩行テスト・車いす移動能力テスト

・転倒の可能性を踏まえて歩行能力の安定性、杖や下肢装具の必要性などを検査する。

・歩行時の安全性、疲労性を考慮した歩行距離、方法を検討する。

・立位、歩行時の安定性のために下肢装具を使用する。易疲労性のために軽量なプラスチック装具が望ましい。

・車いす操作能力は上肢の運動能力、道路の性状で左右される。平らな面であれば大きな問題は考えにくいが、上肢筋力が強力でも坂道や砂利道などはかなりの運動量の増加を要する。したがって、電動車椅子が適応となる。手動車いすで生活場面で必要とする最低限の移動距離、疲労度などを踏まえた検討が必要となる。

 

⑪感覚検査

・シビレ感などを含め振動覚、位置覚、温度覚、触覚などの感覚検査を行う。

・疼痛は比較的少ないが頚髄後索の脱髄巣によると考えられているLhermitte’s signがある。この徴候は頚前屈による全身に放散する電激痛である。

 

⑫視覚機能検査

・視覚機能障害として初期から目のかすみ、複視、赤緑色の識別困難、視力低下、失明などが起こる。

・前述の各検査で視覚機能障害との関連を踏まえて検査を行うべきで、特に平衡機能検査、協調性運動検査、歩行・動作分析、ADLなどの目的動作を遂行するときにどのような問題を起こすかを判断する。

 

⑬ADL検査

・ADL検査はBarthel indexやFIMなどを用いて身辺自立の変化や生活の仕方の変化などを把握し、指導のデータとしてもよい。

・MSにおけるこれらの検査得点が示す意味づけは十分に検討されておらず今後の課題であり、重要なことは病院内のADL自立能力と同時に退院後の療養生活に必要なADL能力を重点において検査することである。

・理学療法開始直後から家屋調査を行い、福祉用具が使用できるか、介護負担はどの程度援助が可能であるか、などを他のリハビリテーションチームと共同して進めておくべきである。

 

⑭心理・精神的検査

・慢性進行性疾患に対する障害受容、抑うつや多幸感や不安などの感情の変化などの有無を検査する。

・感情の変化で理学療法指導の妨げの可能性を検討する。

 

⑮知能検査

・知的能力の低下と程度を検査する。

・理学療法実施時の指示が正確に伝わっていくか、対処の仕方を検討する。

 

⑯疲労状況

・疲労が起こりやすい程度を評価を実施するなかで検討する。

・治療項目の組み合わせ、治療実施時間、治療が可能な時間帯などを検討する。

 

⑰温熱に対する反応性

・温熱に対する影響、火傷の既往などから物理療法の実施は注意を要する。

・疲労しやすい室温(環境温)を判断し、体温上昇を注意する。

 

⑱合併症、その他

・言語障害は明瞭度でみるが患者の主訴、評価時の反応を明らかにするときに妨げとなる。程度によって筆談や文字盤などを使用した代償手段でコミュニケーションの可能性を検討する。

・膀胱直腸障害、尿路感染、嚥下性肺炎などの合併症の有無を評価する。

 

・社会的不利の評価(環境状態)

・就業状況、経済状況、家屋状況、介護状況、移動手段、地域サービスの6項目について、それぞれ0(問題なし)から5(重度の調整)までの6段階で評価する。

 

表.環境状態

1.就業状態(この質問は学生や主婦にも当てはまる.これはMSに関係した問題だけでなく総合的な状態に関するものである)0-正常あるいは定年のため退職

1-実際的には全時間働けるが、あまり要求の多いポジションではない

2-全就業時間の半分以上働ける

3-全就業時間の1/4から半分は働ける

4-全就業時間の1/4以下しか働けない

5-失業中

2.経済状態(MSに関係した)

0-MSに関係する経済上の問題はない

1-MSのため幾分の経済的損失はあるが、外部からの援助がなくても普通の経済状態を維持できる

2-いくらかの外部の援助をもって普通の経済状態を維持できる

3-地域で決められた基本傷害年金の支給を受けて普通の経済状態を維持している

4-可能なあらゆる経済的援助を受けてのみ、普通の経済状態が維持できる

5-あらゆる経済的援助を得ても普通の経済的状態を維持できない

3.個人住宅/家(MSに関係した)

0-変更は必要ない

1-少しの変更が必要である

2-中等度の変更が必要である

3-大きな構造上の変化とか増築が必要である

4-特殊な住居に移らなくてはならない

5-どんな家でもだめであるので、看護が受けられる施設に住まなくてはならない

4.人の介助(MSに関して)

0-なし

1-わずかな援助:血縁者が携わっているが自立している

2-大きな援助:血縁者が携わっているがある程度自立している

3-外部からの援助が少なくとも週1回必要である

4-外部からの援助がほとんど毎日必要

5-家であろうがどこであろうがつきっきりの援助が必要

5.移動(交通)(MSに関して)

0-問題はない

1-少しの問題はあるが、可能な輸送機関はすべて利用できる

2-困難はあるが、いくつかの公的輸送機関は利用できる

3-公的輸送機関は利用できないが、私的なもの(車など)は利用できる

4-車椅子で輸送機関を利用しなければならない

5-障害者用運搬車が必要である

6.地域健康サービス(MSに関した、この項目は医師のサービスは含まない)

0-まったく必要ない

1-月々のサービスが必要である

2-1週間に1時間以下のサービスが必要である

3-日に平均1時間以下のサービスが必要である

4-日に1~4時間のサービスが必要である

5-日に4時間以上日必要である

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(^ム^)参考文献

医療学習レポート.多発性硬化症と評価


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