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(゜▽゜*)緩和ケアと化学療法の話


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( `ー´)ノ題名:緩和ケアと化学療法の話

緩和療法としての化学療法の理解は難しい。さらにその実践となるといっそうその難しさは増してくる。結論としては、現状では、重要な第2相や第3相臨床試験の結果を注意深く検討し、さらに個々の患者の病状を詳細に検討し、患者およびその家族の病気や死に対する気持ちに配慮しつつ、緩和療法としての化学療法についてその利点と不利益を医師と患者の双方で個々の状況を判断・評価し話し合っていくほか道はない。以下に話し合うためのポイントをいくつか列挙してみた。

・患者が緩和療法としての化学療法によって利益を得るか。

・患者の予後についてはどうやって評価しているのか。

・家族に対する配慮がなされているか。(とくに患者自身と意見の相違が認められる場合)

・どうやって緩和療法としての化学療法の継続や中止を評価するか。

・緩和療法としての化学療法が患者の希望をつなぐだけの治療となっていないか。

・患者の意思決定が治療提供者側の意見(主治医の考え方)により強く影響されていないか。

・緩和療法としての化学療法の効果はどのようにして評価され得るか。

 

●緩和療法としての化学療法の現状

Massachusetts州とCalifornia州でMedicareシステムのもとで癌治療を受けた65歳以上の患者統計では、死の6ヶ月、3ヶ月、1ヶ月前に化学療法を受けていた患者の割合はおおよそそれぞれ3割、2割、1割であり、驚くべきは癌種による違いはなかった点である。化学療法の感受性が悪いとされている癌種(膵臓癌、肝細胞癌、腎細胞癌・悪性黒色腫)は、現実には第2相臨昧試験でも化学療法の効果は20%程度であり、生存期間やQOLには効果を認めていない。それらの感受性が悪いとされている癌種の患者でもこの時期に比較的感受性の高いとされる癌種の患者(乳癌、大腸癌、卵巣癌)と同様の割合で化学療法を受けており、化学療法の治療期間が短かっただけである。このことは、癌治療先進国とされている米国でも、現実は効果がないと思われる化学療法を短いサイクルで使用し、やはり効果がなかったことを実際に確認したうえで次のステップへ進んでいる現状がみえてくる。このことは緩和療法としての化学療法がいまだ確立した標準療法とはなっていない証拠でもある。

一方で、緩和療法としての化学療法がいまだ確立していない理由のほうは比較的明瞭である。

 

1.緩和の定義・意味が確立していない

ブリタニカ百科事典によれば“緩和”の意味は“To relieve the symptoms or effects of without curing”(治癒はせずに徴候・影響を緩和する)とされているそうだ。これでは、化学療法を施行したことの効果であればすべて認められてしまう。腫瘍のサイズが縮小した、腫瘍マーカーが低下した、現実はそうではなくても腫瘍が治療に反応したと患者が感じている、どれをとってもPalliation(緩和)となってしまう。Palliative(一時しのぎ)な効果とはいったい何であろうか。その中には単に化学療法を継続しているだけで患者の希望をつないでいる治療も含まれるのであろうか。

 

2.緩和療法としての化学療法の臨床研究が少ない

癌の化学療法の第3相臨床試験の中で緩和あるいはQOLについて言及されるようになったのはごくごく最近のことである。これまでは、一般に癌の化学療法臨床試験endpointsは生存期間であり、無病期間、腫瘍の大きさの変化でみる治療奏効率であった。そうした臨床試験で積み上げられた結果をそのままendpointsの異なる緩和療法としての化学療法の臨床現場には解釈できない。ましてや緩和療法としての化学療法の臨床試像のendpointsとなるべき緩和やQOLの指標がいまだ標準化していない。それは個々の癌種における違い、個々の患者の臨床状況の違い、治療する医師の考え方の違いなど、色々な因子のばらつきが大きいためでもある。

 

3.医師と患者双方のコミュニケーションの問題が介在してくる

ある調査によれば“緩和療法”の臨床試験に参加していた患者の3分の1が、この臨床試験の目的は治癒を目指すものであると考えており、患者の80%以上が“受けている治療により生存期間が延長するであろう”と過剰評価しているというのである。別の卵巣癌の緩和療法としての化学療法の臨床試験においても、参加している患者の4割がこの臨床試験の目的は治癒を目指すものと考えていた。こうした状況は“治療を選択した患者側”の問題なのか、“インフォームド・コンセントを得て治療を施す医師側”の問題なのか、いずれにしても両者の間に誤差が生じていることを明らかに示している。こうした誤解を最大限にさける方法は、単に患者と医師とのコミュニケーションをよく図るといった一般的な事項に配慮するだけではなく、さらに突っ込んだ個々の状況、たとえば患者の癌種、性能状態、合併症、化学療法にたいする一般的な感受性、投与予定の化学療法剤の副作用(これも、たとえば下痢20%、嘔吐15%といった化学療法の一般的な臨床研究でみられる副作用の列挙ではなく、治療によってどれだけ全体として“性能状態”に支障が生じるか、といった問題)、患者の癌や死の捉え方、医師の哲学等々個々の状況を具体的にふまえたうえで、さらに緩和療法としての化学療法としてのその治療目的、投与スケジュールさらに効果判定の評価法を医師自身と患者双方で具体的に明らかにしていくことである。当然の帰結として個々の状況はさまざまであり、個々の状況を離れて容易に一般化できることはまれであり、よって、ごくわずかな生存期間延長を示した化学療法の第3相臨床試験の結果や臨床腫瘍学の教科書でさえ緩和療法としての化学療法の臨床現場では有用な情報とはなりにくい。さらにいえば、同じ症状を緩和する目的で、化学療法以外の別の方法(たとえば疼痛管理のための鎮痛薬の使用や腫瘍のサイズを一時的にコントロールするための放射線療法)との比較検討となると、問題はいっそう複雑化する。

 

●抗がん剤

1)アルキル化薬

アルキル化薬は、DNA自体に結合し、アルキル化(炭化水素の鎖を付加)して、その複製を抑制する。DNAの複製が障害されるため細胞は増殖できなくなる。

①シクロホスフアミド(エンドキサン):本剤自体に抗がん作用はないが、生体内で代謝きれることによって活性化される。肺がん・乳がん・卵巣がん・精巣腫瘍・悪性リンパ腫・骨肉腫・リンパ性白血病・多発性骨髄腫に使用される。他のアルキル化薬と異なりおもに経口投与される。

有害作用としては、骨髄抑制のほか出血性膀胱炎が知られている。この予防には輸液や飲水を促して尿量をふやし、メスナ(ウロミテキサン)を投与する。

②ブスルファン(マプリン):慢性骨髄性白血病(CML)に使用される。有害作用として肺線維症が知られている。

③二ムスチン(ニドラン):血液-脳関門の透過性が高く、中枢神経への移行が良好であるため脳腫瘍に使用される。有害作用に遅発性の骨髄抑制作用があり、投与後6週間は1週ごとに血液検査をする。

2)代謝括抗薬

RNAあるいはDNAの生合成を阻害することにより抗がん作用を発現する。RNA・DNAの材料となる葉酸・プリン・ピリミジンに類似した構造であるため、間違われて細胞に取り込まれる。結果的に核酸合成にかかわる酵素反応を阻害し、正常なRNA・DNAの合成を抑制する。

①メトトレキサート(メソトレキセート):白血病・絨毛性疾患に使用される。葉酸と類似した構造を持つ。細胞周期S期に作周するため、他の抗がん薬と併用して使用されることが多い。有害作用としては骨髄抑制のほか、肝・腎機能障害が知られている。これらに対してはメトトレキサート括抗薬であるホリナートカルシウム(ロイコポリン)を投与する。また尿をアルカリにすると薬物の尿中排泄が促進されるため、炭酸水素ナトリウム(メイロン)を投与する。

②フルオロウラシル(5-FU):消化器がん・乳がん・子宮がんに使用される。ピリミジンに類似した構造をもつ。有害作用としては骨髄抑制のほか、出血性腸炎による脱水、間質性肺炎、肝・腎障害が知られている。抗ウイルス薬であるソリブジンとの併用は死亡例が報告され、薬害の代表的な事例となった。

③メルカプトプリン(ロイケリン):プリン代謝に関する酵素を阻害する。急性白血病・慢性骨髄性白血病に使用される。

④シタラビン(キロサイド):ピリミジンに構造が類似した化合物で、急性白血病のほか、本別を組み入れた多剤併用療法は固形がんに対して治療効果を発揮するため、消化器がん・乳がん・女性性器がん(子宮がん・卵巣がんなど)・膀胱腫瘍に使用される。

3)抗生物質

おもにDNA二重鎖にはいり込み、DNAあるいはRNAの合成を阻害する。腫瘍細胞を比較的選択して作用する。

①ブレオマイシン(ブレオ):鉄と複合体をつくり、鉄が酸素と反応して発生したフリーラジカル(遊離基)がDNA鎖を断裂させる。G2期に特異的に作用する。皮膚がん・或頚部がん・肺がん・食道がん・子宮頭がん・悪性リンパ腫・神経膠腫・甲状腺がんに使用される。有害作用として肺線維症が知られている。

②アクチノマイシンD(コスメゲン):細胞周期に非特異的で、RNA生成を抑制する。ウィルムス腫蕩・繊毛がんに使用される。

③ドキソルビシン(アドリアシン):アドリアマイシンともいう。S期とG2期に特異的に作用する。悪性リンパ腫・肺がん・消化器がん・乳がん・骨肉腫・膀胱腫瘍に使用される。化学的に反応性が高いフリーラジカルを産生し、これが心毒性を持つといわれ、心電図異常があれば投与を中止する。また、胸部への放射線照射は心毒性のリスクを増大させる。

4)植物アルカロイド

①ビンクリスチン(オンコビン):ビンカ植物(ニチニチソウ)に含まれるアルカロイドで、細胞が分裂する際に重要な役割を果たす紡錘体の機能を阻害して細胞毒性を発現する。悪性リンパ腫・急性リンパ性白血病・肺小細胞がん・ウィルムス腫瘍・ユーイング肉腫・多発性骨髄腫に使用される。有害作用として神経毒性が知られており、はしが持てなくなったり、ボタンがかけられなくなるなどの神経症状があらわれた場合は投与を中止する。

②エトポシド(ペプシド・ラステット):植物アルカロイドであるポドフイロトキシンから化学合成された抗がん薬。S期後半~G2期に作用し、肺小細胞がん・悪性リンパ腫に使用される。

③パクリタキセル(タキソール):イチイのトゲに含まれるアルカロイドを化学的に修飾することによって得られる。細胞の微小管の機能を障害して細胞の死を引きおこす。進行性の卵巣がんと転移性乳がんに対して使用される。重大な過敏性反応(呼吸困難、蕁麻疹と低血圧症)をおこすことがある。

5)性ホルモンおよび性ホルモン括抗薬

ホルモンにより増殖が促進される(ホルモン依存性)腫瘍に対して、そのホルモン受容体の括抗薬や、生理的に反対の作用を有するホルモンが使用される。たとえば、前立腺がんは男性ホルモン依存性であることが多いので、男性ホルモンを産生する精巣を摘出し、エストロゲン(卵胞ホルモン)を投与する。

①プレドニゾロン(プレドニゾロン):糖質コルチコイドである。免疫抑制薬としても使用される。リンパ球の分裂を抑制することから悪性リンパ腫に使用される。

②性ホルモン:エストロゲン・プロゲステロン・アンドロゲンがホルモン依存性腫瘍に使用される。

③タモキシフェン(ノルバデックス):エストロゲン受容体に対して、エスト

ロゲンと競合的に結合するため、結果的に括抗薬としてはたらく。乳がんに使用される。

④フルタミド(オダイン):フルタミドは、前立腺がんの治療に使われる合成の抗アンドロゲン薬である。生体内で代謝されて、アンドロゲン受容体に結合する。おもな副作用は、女性化乳房と胃腸の障害である。

⑤リュープロレリン(リュープリン):アミノ酸9個からなる合成のペプチドで、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の類似物質(アナログ)である。アンドロゲンとエストロゲンの合成が減少する。

6)その他

①シスプラチン(ブリプラチン・ランダ):分子のなかにプラチナを有し、DNAに作用して複製を阻害する。種々の悪性腫瘍に対して有効である。腎毒性が強いため、十分な水分の補給が必要である。また、必ず嘔吐がみられるため、オンダンセトロンなどの5-HT3受容体拮抗薬を使用する。

②インターフェロンα(スミフェロン):腫瘍細胞に対する生体防御機構を活性化する。腎がん・多発性骨髄腫・慢性骨髄性白血病に使用される。抑うつ状態や自殺企図が出現することがあるので、不眠・不安・焦燥等が出現した場合は家族に連絡させるように注意する。

③イマチ二ブ(ダリペック)、ゲフィチ二ブ(イレッサ):がん細胞増殖に重要な酵素であるチロシンキナーゼを阻害する。前者は慢性骨髄性白血病に、後者は手術不能あるいは再発性の非小細胞性肺がんの治療に用いられる。

⑥モノクローナル抗体:ある種のがんではそのがん細胞表面に特有の抗原性を有するものがあり、それを標的とした抗体を遺伝子組み換え技術により得たものである。1つの抗原タイプに対する抗体であることからモノクローナル抗体とよばれ、現在2つのモノクローナル抗体が構築されている。

(1)トラスツズマブ(ハーセプチン):転移性の乳がん患者の2~30%においてみとめられる抗原に対する抗体で、適合すれば転移巣を退縮させることができる。重大な毒性はうっ血性心不全である。

(2)リツキシマブ(リツキサン):非ホジキンリンパ腫のほとんどすべてのB細胞表面に発現している抗原に対する抗体で、静脈内に注入され正常および悪性のB細胞をすみやかに枯渇させる。低血圧症、気管支れん縮、血管浮腫が副作用として知られている。

 

●服薬指導・看護のポイント

①治療効果は副作用を伴いながら得られることを説明する。また、副作用を具体的に説明する。

②指示された抗がん薬の種類と投与量をダブルチェックし、確認する。

③点滴は静脈内に確実に入っていることを確認する。抗がん薬が漏れた場合は点滴を止めて生理食塩水を開始し、ただちに医師に連結する。

④定期的に痛みの有無をたずね、体温や血圧と同様にバイタルサインとしてとらえ、記録することが推奨されている。

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(*´з`)参考文献

医療学習レポート.緩和ケアと化学療法


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