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(゜▽゜*)骨肉腫の話


「骨肉腫」の画像検索結果

 原発性骨悪性腫瘍中で最も多く見られるが、全国でも年間200例前後しか新たな症例の発生はないため、専門的施設での治療を要するまれな腫瘍である。好発年齢は、10歳代が最も多く、とくに15~19歳に好発する。成長期に発生するため発育は急速で、早期発見、早期治療が必須である。(男女比は3:2)好発部位は、大腿骨末梢および脛骨中枢、上腕骨中枢の骨幹端部で、X線像では、骨融解像と骨硬化像を示すものがあるが、前者が多い。骨膜反応は全例に出現する。
骨肉腫の治療成績は向上してきており転移のない症例の5年生存率は当科では80%である。

病態アセスメント

 骨肉腫は発症がわかると、今まで過ごしてきた生活環境から一変し、入院・治療が必要となる。入院から治療開始まで、短いものであれば、4~7日で種々の検査の後に、骨生検を行い、その日のうちに化学療法が開始される。病気が悪性であったことの悲嘆、治療がどのようなものか、などの不安を抱きながら治療を受けなければならない。そこで、治療を継続していくために家族の協力が必要となる。しかし、家族もパニック状態に陥ることもあり、患者ともどもサポートが必要となることがある。また発症年齢が、学童期から思春期・青年期にかけての患者が多いため、精神発達における影響や勉学に対する配慮も必要である。

症状

 骨肉腫の症状は、患部の腫脹と熱感や疼痛であることが多い。まれに病的骨折によって発見されることもある。

検査

  • レントゲン撮影
  • CTスキャン
  • MRI
  • 骨スキャン
  • タリウムスキャン
  • 骨生検
  • 血管造影
  • 生化学検査及び血液一般検査

治療

 術前化学療法(動脈注入・全身投与)を2週間間隔で3~5クール(化学療法中に効果判定を行い、薬剤の変更や治療回数の変更もある)後に、腫瘍切除術に加え再建術として骨移植術・骨延長術・人工関節置換術を行う。場合によっては患肢の切断術を行なうこともある。その後、術後化学療法を3週間間隔で3~6クール(全身投与)行う。

治療の経過と管理

 以前の治療は患肢切断術に加え、補助化学療法を行ってきた。現在は、主として術前に多剤併用による化学療法が行われ、その後に患肢の機能を温存させる患肢温存手術を行い、術後にも化学療法を行う。術前の化学療法は肺微小転移巣の撲滅、原発腫瘍の鎮静・縮小を図るために、術後には遠隔転移の防止、特に肺転移の防止のために化学療法が施行される。しかし化学療法には、重篤な副作用があるため、より安全に行うには医師と密な連携を図りながら、適切な処置と注意深い観察を行い、副作用による全身状態への侵襲を最小限に抑える必要がある。
術後の安静やリハビリテーションは術式によって異なり、患肢の機能が術前の段階まで回復できるように援助が必要である。
これらの治療を行うには、6カ月以上の期間となり、治療が円滑に行われるための援助が必要となる。

 1.精神的サポート

 骨肉腫の治療を受ける患者は、病気や治療に対して多くの不安をもっている。不安の内容や程度、表出の仕方など個人によって異なることに加えて、入院から治療開始まで早いものであれば、1週間以内で開始されることもあり思いを表出できない患者もいる。精神的・身体的・社会的側面から統合した情報で、患者各人を判断し援助して行くことが大切である。

 術前化学療法・根治的手術・術後化学療法と治療が長期にわたるため、治療を行っている各段階においてしっかりとしたサポートができるようなシステムを作っておく必要がある。

 2.疼痛の管理

 骨肉腫による疼痛に対して、疼痛のコントロールが必要となる。疼痛が強い場合には鎮痛剤を使用して疼痛のコントロールを図る。化学療法時、非ピリン系消炎鎮痛剤の使用は、腎の血流量を減少させるのでメソトレキセート使用時は禁忌であり、その他の方法で疼痛に対応できるよう対処しておかねばならない。

 化学療法により疼痛鎮静・腫瘍縮小が図られているか観察が必要である。

 3.病的骨折の予防

 腫瘍の増大により病的骨折の恐れのある症例もある。荷重や外的圧力で骨折することを予防するため、安静の必要がある場合は、下肢では痛くなくても免荷歩行を行なわせる。上肢では三角巾などで固定して安静を保つようにさせる必要がある。また体動だけで骨折する症例もあるので注意が必要である。

 病的骨折により、腫瘍が転移する可能性が高くなるので病的骨折を起こさない指導が必要である。

 4.術前化学療法時の管理

 当科での化学療法は、腫瘍の感受性を高めるために、カフェイン併用の治療が行われている。それに加えて術前の化学療法は、動脈ラインを留置(3~4日間)して行われる事が多い。そのことにより、一般的化学療法の副作用の悪心・嘔吐・骨髄抑制・脱毛・(イホマイド使用時には出血性膀胱炎や排尿障害)に加えて、動悸・胸苦・イライラ・不眠・不穏・安静臥床によるストレスなどが増加することもあり対応して行かなければならない。また動脈ライン留置中トラブルが起きないように援助していかなければならない。

 その他の副作用としてブリブラチン使用の化学療法を施行中に、末梢神経障害による手足のしびれや聴神経障害による耳鳴りや聴力低下が起こることもあり、症状が起きていないか観察が必要である。

 5.栄養管理

 化学療法後の食欲不振から早くに解放されれば体力の回復も早くなり、治療が予定どおり継続される。食事は、精神的なもので左右されることもあり、焦らずに食事が開始されるようタイミング好みを取り入れながら援助して行く必要がある。食欲不振が長く続けば、IVHで管理することもある。

 6.術後疼痛管理

 手術後の疼痛は、手術形式、麻酔法によって異なり、また個人差が大きい。患者に我慢させず、十分に疼痛をやわらげる必要がある。

 神経麻痺症状による疼痛、血腫の圧迫による疼痛もあり、運動状態・知覚状態・創部の状態・ドレーン量などにも十分に注意していかなければならない。

 切断術後は、幻肢痛が出現することがある。切断を受容することができるようになることで、痛みが軽減することもあり精神的援助が必要である。

 7.術後出血の管理

 手術後の出血は、創やドレーンより排出されるものであり、包帯上の汚染がないか、ドレーンからの排液量の変化に注意する。血液データーにも注意し異常の早期発見に努めていかなければならない。

 8.術後感染予防

 手術後、熱型・患部の状態・血液データー(CRP・WBC・血沈など)など感染徴候に注意を払う必要がある。感染により、疼痛の増強・創治癒の遅れ・全身状態の悪化などが予測され、術後の後療法にも影響が出てくる。

 9.術後神経麻痺対策

 腫瘍の切除では、骨病巣ばかりではなく、その周辺の健常軟部組織も合併切除されるので、神経の損傷がおきやすく運動障害や知覚障害が生じることがある。そのため、手術前後の経時的な神経麻痺の有無の観察が必要である。

 また腫瘍に神経が巻き込まれており、やむなく神経切断される場合もある。下肢では手術後より、運動・知覚障害を引き起こすため、術後、良肢位の保持や知覚障害から起こる可能性のある熱傷・褥創に注意し術後、自分自身で管理して行けるように指導が必要である。

 10.術後化学療法時の管理

 術後化学療法は、術前化学療法による腎機能や肝機能、骨髄機能の低下などに加えて手術の侵襲により身体のダメージも強く重篤な副作用が起こる可能性が高くなるため、術前化学療法以上に注意が必要である。

看護計画(化学療法時)

Ⅰ.病態アセスメント

 骨肉腫は原発性悪性骨腫瘍のうち、最も多くみられる。10歳代の小児に発生し、大腿骨下端・脛骨上端に好発する。症状は通常、疼痛から始まる。肺転移をおこすと、早期に死の転帰をとる。
当科では、シスプラチン、アドリアシン、メソトレキセート、イホマイド、ラステットなどの抗癌剤の併用とカフェインの動脈内持続投与による治療法が行われている。
看護にあたっては、悪性腫瘍・骨肉腫という病名からくる患者や家族の心理を十分に考慮し、治療および看護をとおして、身体的・精神的苦痛を緩和させるよう万全を尽くす必要がある。また、化学療法は、副作用の現れ方が強い。そのため、副作用による患者の苦痛を和らげるために、患者の症状のコントロールが必要である。副作用の中には、生命を左右するものがあることを十分に理解し、患者の疾患・性格、家族状況、副作用の有無を常に観察し、情報収集をしながら看護していくことが、つらい化学療法を受ける患者の負担の軽減になる。

看護計画(術前)

Ⅰ.病態アセスメント(術前)

 全身麻酔で手術が行われるため、また、化学療法後であり、全身状態の評価が必要である。症状は、骨破壊に伴って生じる局所の疼痛及び腫脹であり、疼痛の緩和、病的骨 折の予防も必要である。

 患肢温存の場合

イリザロフ・・・イリザロフ創外固定患者の看護基準(術前)に準ずる。

人工股関節・・・人工股関節患者の看護基準(術前)に準ずる。

人工膝関節・・・人工膝関節患者の看護基準(術前)に準ずる。

 患肢切断の場合

四肢の切断を強いられる患者及びその家族は、精神的打撃が大きく、その人の人生に及ぼす影響は大きい。そのため、心理的ショックを軽減し、早期に断端部を安定した成熟断端として、患肢の拘縮予防と義肢装着訓練を行い、社会復帰できるよう援助することが大切である。

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