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(ノ´∀`*)糖尿病と薬物療法の話


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膵臓のβ細胞が破壊されて、インスリン分泌が枯渇してしまう1型糖尿病ではきめ細やかなインスリン治療を行う必要があるが、インスリン分泌の低下とインスリン抵抗性の双方の関与が考えられる2型糖尿病では、さまざまな薬剤が用いられる。

 

●インスリン導入

◎Ⅰ型糖尿病

急性発症時は速やかに導入するのは当然、緩徐に発症してくるタイプでもなるべく早期に導入する必要がある。

一時的にインスリン必要量が減ったり不要になる時期(ハネムーン・ピリオド)もあるが、最終的にはインスリン依存状態になる。厳格なコントロールのためには、基礎分泌と追加分泌を補って、より生理的なインスリン分泌に近づける必要がある。

◎Ⅱ型糖尿病

・「軽症糖尿病」に用いる薬剤:

空腹時血糖値がほぼ正常で、食後血糖値のみが高い時期(いわゆる「軽症糖尿病」)においては、食事や運動の習慣を見直すことが最も重要である。

しいて薬剤を用いるとすれば、食後の糖質吸収を抑制するα-グルコシダーゼ阻害薬や、即効インスリン分泌促進薬などがあげられる。

肥満があり、インスリン抵抗性の関与が考えられる場合はビグアナイド薬やインスリン抵抗性改善薬などを用いる。

・空腹時血糖値が上昇している場合:

運動療法や食事療法を十分に行っていても、空腹時血糖値が120~130mg/dl以上になる場合には、α-グルコシターゼ阻害薬、速効型インスリン分泌促進薬、インスリン抵抗性改善薬が用いられる。しかしこれらの薬剤で十分な効果が期待されない場合や、すでに糖尿病の症状もあり、なるべく早く血糖をコントロールしたい場合には、スルフォニル尿素薬(SU薬)を単独またはビグアナイド薬(BG薬)との併用で用いる。経口血糖降下薬を用いても血糖コントロールができない場合や、糖尿病症状が強い場合、手術の前後などには2型糖尿病であってもインスリン治療の適応となる。

 

●薬剤の特徴

(1)α-グルコシターゼ阻害薬:α-グルコシターゼ阻害薬は、小腸に存在する二糖類分解酵素であるα-グルコシダーゼの作用を阻害し、食事による血糖値の上昇を抑制する薬剤である。α-グルコシダーゼ阻害薬自体には、血糖値を低下させる作用はなく、単独で用いても低血糖はおこらない。

(2)即効型インスリン分泌促進薬:速効性、短時間作用型インスリン分泌薬である。服薬後速やかにインスリン分泌が促進され、しかも作用が短く、低血糖がおこりにくいとされている。

(3)スルフォニル尿素(SU)薬:α-グルコシダーゼ阻害薬や速効型インスリン分泌促進薬を用いても効果がない場合、または空腹時血糖値が130~160mg/dl以上で、口渇、多飲、多尿などの糖尿病の症状がある場合はSU薬を、用いる。原則として、作用時間の短いアマリールやグリミクロンを少量から開始し、徐々に増量していく。

(4)ビグアナイド(BG)薬:BG薬には直接のインスリン分泌作用はないが、肝臓における糖の抑制、筋肉・脂肪組織におけるグルコースの取り込みの増加、小腸からのグルコースの吸収抑制などの多くの作用がある。インスリン抵抗性が強い患者に単独で用いられることも、SU薬との併用で用いることもある。

(5)インスリン抵抗性改善薬:脂肪組織に作用し、脂肪細胞を大型の細胞から小型の細胞に分化させ、インスリン抵抗性の原因の一つと考えられているTNF-αの分泌を低下させる。また、筋肉や肝臓に複雑に作用し、インスリン抵抗性を改善する。

(6)インスリン:2型糖尿病患者であっても、経口糖尿病治療薬で十分なコントロールが得られない場合や、妊娠、感染症の併発、脳血管障害、心筋梗塞、手術時などはインスリン治療が必要である。

インスリンは作用時間の違いから、①超速効型インスリンアナログ、②速効型インスリン、③中間型インスリン、④混合製剤、⑤特効型インスリンアナログに大きくわけられる。

 

●薬物治療と低血糖

糖尿病の慢性合併症の発症を防ぐには、できるかぎり正常に近い血糖コントロールを達成・維持することが重要である。反面、厳格な血糖コントロールを目ざす場合は低血糖の危険をあわせもつことになる。

中枢神経系(脳)や赤血球では、機能維持のためのエネルギーの大部分を血液中のグルコースに依存している。これらの機能低下を招く低血糖は、生体にとっては危機的な状況をもたらすため、血糖値は生体の精密なホメオスタシスによって一定の範囲に保たれている。生理的に最も絶食時間の長い早朝空腹時の血糖値(静脈血漿)であっても、60~110mg/dlの範囲に設定されている。

①低血糖の症状

(1)アドレナリンによる反応:冷汗、動悸、手足の振るえ、顔面蒼白など

(2)中枢神経系の機能低下による症状:行動や性格の変化として気づかれる。集中力の低下、気分の変調(いらいら、抑うつ的、攻撃的)更には行動の異常、錯乱状態をきたすこともある。

②対処法

症状が出現した場合、すみやかに10~20gの糖質を補充する。その際には、砂糖・ジュース・キャンディなどの吸収の早い糖質を補充する。α-グルコシダーゼ阻害薬をほかの薬剤やインスリン製剤と併用している場合はグルコースを用いる。インスリン注射中の患者で経口摂取できないときは、第三者がグルカゴンの注射を行うことがある。グルカゴンの注射を行っても意識が回復しないときは、緊急処置が必要となる。

③シックデイへの対処

インスリン注射により良好な血糖コントロールが得られている患者でも、急性感染症や消化器障害によって急激に代謝異常をきたし、血糖コントロールが乱れることがある。このような体調が不良なとき(すなわちシックデイ)、患者自身が食事摂取量やインスリン投与量を調整して、血糖コントロールの乱れを最小限に食い止める必要がある。患者には対処法を教育しておく。重要なことは、水分の十分な補給と、インスリン注射を中止しないということである。

 

●インスリン療法実施への援助

◎インスリン療法の種類

インスリン療法には、1日1~2回あるいはあらかじめ決められた回数に、決められた単位のインスリン注射を行う方法と毎食前に注射をする強化インスリン療法がある。強化インスリン療法には、注射器で注入する方法と携帯用小型インスリン持続注入ポンプによる持続皮下注入のCSII療法がある。また、食事療法あるいは経口血糖降下薬療法による血糖コントロールの改善がみられない2型糖尿病では、血糖値の改善とインスリン中止後の血糖値の安定を目的として短期間の強化インスリン療法が行われることがある。

◎インスリン製剤の種類

現在使用されているインスリン製剤はほとんどが合成インスリンである。ヒトインスリン以外にはブタあるいはウシインスリン製剤がある。ヒトインスリン製剤は他の動物に比べてインスリン抗体が出現しにくい。

(1)作用発言時間:インスリン製剤はその作用発言時間により、超高速型インスリン、速効型インスリン、中間型インスリン、特効型インスリン、混合型インスリンなどの種類がある。速効型、中間型、特効型インスリンの製剤は、通常、食事30分前に皮下注射を行う。超速効型インスリンは、きわめて吸収が速いので食直前の投与が可能である。

(2)ペン型とバイアル型:インスリン製剤を使用する注入器で分類すると、ペン型製剤とバイアル型製剤がある。ペン型製剤は専用のペン型注入器を使用するものであり、カートリッジ式とプレフィルド式がある。バイアル型製剤は、インスリン用シリンジを使用する。

ペン型注入器の利点は、①操作が簡単である:カートリッジ式では、一度カートリッジをセットすれば以後は簡単に注射ができ、プレフィルド式ではインスリン製剤がすでにセットされているので開封直後から使用することができる。②痛みが少ない:注入時に使用する針は32~33G針のため痛みが少ない。③携帯性がすぐれている:ペン型なので持ち運びに便利で、室温での保存が可能である。インスリン濃度はいずれも100単位/mlであるが、150単位用と300単位用がある。

バイアル製剤では、バイアルにはいった薬剤をインスリン用シリンジで吸い上げる必要があるので手数はかかるが、インスリン療法を数十年という長期にわたって続けている人では、ペン型インスリンが発売される前から使用しており、こちらのほうは慣れているので便利で安心できるという場合がある。

◎教育的アプローチの要点(インスリン自己注射)

・インスリン注射に伴う心理的社会的問題:自分の身体に自ら注射をするということは、それ自体が恐怖心や不安感を引き起こすことがある。そのため、看護職者は自己注射に対する患者の受け止め方を把握しながら、健康教育プログラムを進める必要がある。

若年成人ではインスリン注射のための場所の確保や道具の携帯に困難さを感じ、高齢者では視力の低下などの身体的要因からくるインスリン注射を実施するのが難しいという困難さを感じており、さらに、使用年数がまだ短い場合には注射を忘れるなどの状況がある。

インスリンの自己注射では、その目的、副作用、使用方法について、患者のみならず家族や患者を取り巻く人々にも理解してもらうことが望ましい。とくに、高齢者においては、視力障害がある場合や、手指の巧緻性の低下がある場合などでは家族のなかに支援者が必要となることが多い。支援者が得られないようなときには、高齢者が不安なくインスリン療法を続けることができるように、拡大鏡の使用や手指の動きに適したインスリン注入器を選択するなどの工夫が必要である。

◎自己血糖測定(SMBG)実施への援助

インスリンの自己注射を行っている場合、自分で血糖値の変動を把握することができ、良好な血糖コントロールのために効果的である。SMBGは、多くは指先から血液を採取し、小型血糖測定器で血糖値を測定する方法であり、インスリン療法中の患者の場合は保険診療内で必要物品をそろえることができる。

小型血糖測定器には電極法を用いたものと比色法を用いたものがある。電極法は、酸素と血液を反応させ、ブドウ糖酸化によって生じる電流を測定するものであり、測定器専用の電極に血液を吸引させて使用する。比色法は、ブドウ糖が酸化したときの発色反応を光度計で読み取って測定するものであり、測定器専用の試験紙に血液を吸収させて使用する。SMBGの採血に多く用いられている指先は、作業などで使用する頻度が高いことと痛みに敏感であることから、最近では手掌や腕や大腿での採血を可能にした採血装置一体型血糖測定器が発売されているので、職業に応じた選択ができるようになりつつある。

SMBGに必要な器具は今後も開発が進み、より簡便で痛みの少ない器具の開発が期待できるので、看護職者は多様な器具の種類についての十分かつ最新の情報を持ったうえで、患者が自身に適した物品をそろえることができるように援助する。

④経口薬療法実施への援助

糖尿病における血糖コントロールのための経口治療薬は、近年多様な種類が用いられている。2型糖尿病はインスリンの相対的欠乏や、分泌不足、あるいはインスリン抵抗性によって慢性の高血糖状態をきたす疾患である。その治療薬としては、膵臓のβ細胞を刺激してインスリン分泌を促進するスルホニル尿素(SU)薬が従来は主流であったが、近年はインスリン抵抗性に基づく2型糖尿病患者の増加により、インスリン抵抗性改善薬や、糖質の吸収阻害・遅延による食後高血糖の改善薬(α-グルコシターゼ阻害薬)など、多様な組み合わせで薬物療法が行われている。看護職者は経口薬について、作用機序や副作用、あるいは商品名などの正しい知識をもっていなくてはならない。

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