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( ・∇・)小児気管支喘息の話


(*´з`)題名:小児気管支喘息の話

<呼吸器の解剖>

呼吸器は、呼吸に係わる鼻、咽頭、気管、気管支などの器官から構成されていて、生命維持に不可欠なガス交換を行う。

鼻腔から肺に至る空気の通り道を気道と呼び、鼻腔から咽頭、喉頭までの部分を上気道、気管から末梢の気管支を下気道という。

◎小児気管支喘息とは

小児気管支喘息とは、「ヒューヒュー」とするような呼吸(笛声、喘鳴)を伴った呼吸困難の発作が繰り返して起こり、他の疾患(例えば心臓病や肺炎など)でないものをいう。何らかの原因によって気道の狭窄が生じて呼吸困難を招き、重症の場合は死亡することもある。

気道の狭窄は、①気管支の周りにある筋肉(平滑筋)が収縮して気管支を締めつけ、②気管支内部の粘膜が浮腫を起こしてむくみ、③気管の内部に分泌物(痰)が溜まることによって生じる。

◎原因

*アレルギー反応による原因

アトピー素因を持つ小児がダニやホコリなどのアレルゲン(抗原)を吸い込むと、肥満細胞のIgE抗体と結合して、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出される。この物質が血管の透過性を増して、気管支の収縮や分泌物の増加などをもたらし、喘息発作を引き起こす。

抗原の吸入後すぐに即時型反応の発作が起き、さらに6~8時間後に遅発型反応の発作が起きる。

*アレルギー反応によらない原因

気道が過敏なために気管支の粘膜が敏感になり、アレルゲンが入らなくても、少しの刺激で発作を起こすようになる。ウイルスなどの気道感染、精神的な刺激、台風などの気象変化などが原因になる。

また、激しい運動の際も、ヒスタミンの放出や気道の冷却などによって気道収縮を生じて、発作(運動誘発性発作)を起こすことがある。

◎症状

軽症では、咳 、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴、喀痰が見られる。中等症では、呼気性呼吸困難、陥没呼吸(呼吸補助筋を最大に利用するため、肋間や鎖骨上 が陥没して見える)、重症では、鼻翼呼吸、起座呼吸などがあり、会話が困難になり、チアノーゼが生じる場合もある。

また、他のアレルギー合併症として、目の症状(眼球粘膜の充血、掻痒)や鼻症状(くしゃみ、鼻汁、鼻閉感)伴うこともある。

 

<検査と診断>

1.検査

*アレルギーの検査

・血液検査:アレルギー疾患では好酸球の増加が見られる。また、喘息の原因になっているアレルゲン(抗原)を調べるために、RAST(放射性アレルギー吸着試験)法やMAST(多数抗原同時検出)法などを行う。

・皮膚反応:背部の皮膚にアレルゲンエキスを滴下してから、針を刺す(プリックテスト)か、掻いて(スクラッチテスト)、15分ほどしてから赤く腫れていれば陽性と判断する。

・IgE測定:アトピー体質かどうかを調べるために、免疫グロブリンの1つであるIgEを血液から測定する。IgEはアレルギー体質として関係した蛋白の一種で、アトピー(アレルギー)体質の人では、その値が非常に高くなる。

*肺(呼吸)機能検査

年長児以上では肺機能検査を行って、気道の閉塞状態を測定する。肺活量、ピークフロー、1秒率(1秒間に肺活量の中のどれだけの息を吐き出せるか)、気道の過敏性などを測定する。

*胸部X線写真

発作を繰り返すことによる肺や気管支への影響を調べる。また、発作によって、肺炎や気管支炎、無気肺(肺の一部に空気が入らなくなる)、皮下気腫、気胸(肺の一部に穴が開いて空気が漏れ出す)などの合併症を起こすことがあるので、これらの検査のためにX線写真を撮ることもある。

*その他の血液検査

治療のために薬を使うことが多いので、定期的に貧血や肝機能の検査を行ったり、薬の血中濃度を調べる。感染症の合併が考えられるときは、CRP(炎症反応)なども調べる。

 

<治療法>

1.発作時の治療法

*小発作

気管支拡張剤を吸入して、水分補給や腹式呼吸をおこなう。

*中発作

β2刺激薬の吸入を行ってから、必要があればアミノフィリンの静脈注射をする。改善しない場合は入院治療も行う。

*大発作

β2刺激薬吸入やアミノフィリンの持続点滴を行う。必要であればステロイドを静注する。また、点滴による水分補給も行う。

 

2.非発作時の治療

*環境整備

発作の原因として、室内のダニ、ホコリ、ペット、タバコ、花粉などがあげられる。従って、これらを除去する対策が必要である。

(環境整備の具体策)

①寝具の改善

・布団はよく干して、掃除機を両面にかける

・布団の丸洗いを定期的に行う

・羽毛や羊毛の布団、羽毛枕などは使用しない

②部屋・寝室の改善

・じゅうたん、カーペット、敷物は除去する

・床材は、クッションフロア、板張りなどがよい

・布製ソファはおかない

・カーテンは定期的に洗濯する

・ぬいぐるみは洗えるものを2~3個だけ

③掃除

・掃除をこまめにして、雑巾がけをしてホコリをとる

・押入れにはスノコを敷いて通気をする

④その他の環境整備

・ペットを飼わない

・エアコンのフィルターの掃除

・禁煙

*日常生活指導

学校生活での管理が必要となる。体育の授業、給食、掃除、野外行事などについて、教師等に理解してもらうようにする。

また、喘息を治すために心身を鍛えることは効果があり、腹式呼吸、各種の運動による鍛錬などをおこなう。

*根治治療

アレルギーの原因になる抗原物質を低濃度から少量ずつ反復注射することで抗原への過敏性を低下させる。

 

<気管支喘息の小児の看護>

気管支喘息の子どもは、家庭におけるふつうの日常生活・学校生活を過ごすが、発作を予防し、症状をコントロールするためには、服薬や環境整備をはじめとする療養行動が必要となる。そして、このような家庭でのケアは両親を主とする家族が担うことになるので、子どもとその家族に対して発病初期から病気についての知識、発作予防および発作時の対応を含む喘息管理についての教育や指導を行う必要がある。

 

1.治療に対する看護

気管支喘息の治療は、薬物療法・環境整備・鍛錬療法という3本の柱を中心として組み立てられ、このうちどれか1つでも欠けると寛解に導けないといわれている。

*薬物療法*

気管支喘息の治療薬には、長期管理薬と発作治療薬があり、それぞれに内服薬と吸入薬がある。長期管理薬は非発作時における長期コントロールを目的として使用される薬であり、抗アレルギー薬、徐放性テオフィリン薬、β2刺激薬、副腎皮質ステロイド剤などがある。

徐放性テオフィリン薬を定時的に内服する場合には、薬物の血中濃度を一定に維持するため、できるだけ決められた時間に内服することが望ましい。そのため内服する時間を守ることが必要であることを説明すると同時に、その子どもの生活習慣に合わせた内服時間を考えることがたいせつである。

吸入の方法には、電動式ネブライザー、加圧噴霧型のエアロゾル、スペンラーという器具を用いたカプセル内の粉末の吸入などがある。

子どもの年齢に合わせた吸入法を選択し指導し、実際に目の前で吸入させてみて、子どもの手技を確認することが必要である。 

*環境整備*

○室内アレルゲンの除去

原因となるアレルゲンとしては、ハウスダスト、室内チリダニが最も多く、その他にアルテルナリア、ゴキブリ、ペットの毛やフケなどがある。カーペットはなるべく取り除き、室内の掃除は必ず電気掃除機を使用し、床だけでなく布団など寝具にも掃除機をかける。ペットは新たに飼うことは控えさせ、すでに飼っている場合はいっしょにメ寝ることはやめ、できれば野外で飼うようにする。

ただし、これらの方法は、家族と相談しながら、それぞれの家族の事情に応じてできることを考えていくことが大切である。

○家族の禁煙

タバコの煙のよる気道への刺激は明らかであり、本人が喫煙しない受動喫煙でも喘息の憎悪に影響を及ぼす。家族全員が禁煙することが望ましいが、子どものいる場所では吸わない、換気のよい場所で吸うなどの配慮をしてもらうことが必要である。

○暖房器具・建材

石油・ガスストーブおよびファンヒーターから発生する二酸化窒素などの窒素化合物は、喘息患児の気道の反応性を亢進させるので、これらの暖房器具は室内に置かないようにする。できれば電気暖房器具がよい。また、新建材や接着剤から出るホルムアルデヒドも気道を刺激するため、新築や改築の際は使用建材の選択にも注意がはらえるよう、家族に知識を伝えておくことも大切である。

*鍛錬療法*

鍛錬療法とは、健康な生活習慣を身につけることを目的として行われる。運動誘発喘息(EIA)を強くおこす場合は、医師の指示のもと慎重に行う必要がある。鍛錬の内容としては、発作が起こったときに対応できる腹式呼吸・排たん法の習得、呼吸補助筋強化のための腹筋・背筋運動、冷水欲・冷水摩擦などがある。スポーツの中でも水泳はEIAをおこしにくく、喘息にも有効である。これらを家庭でできそうなことから正しい方法を指導し、子どもが自主的に行うことで前向きな気持ちになれるよう援助することが大切である。

 

2.発作時の看護

発作時には呼吸に関する観察を十分に行う必要がある。顔色、顔貌、チアノーゼの有無にも注意する。

*小発作*

らくな姿勢をとらせ、衣服を緩め、気分を落ち着かせる。水分を少しずつ頻回に飲ませ、腹式呼吸を促し、たんの喀出を促す。できるだけせきをさせて、たんがでるようにタッピングをする。指示されている内服薬・吸入薬があれば、服用・吸入させる。

*中発作*

小発作のときと同じように対処方法を続けるか、呼吸困難によって経口で水分がとれない場合は、点滴で輸液が行われる。自力で痰の喀出ができない時は、ネブライザーで加湿し、口・鼻腔より吸引する。脱水症状に注意し、さらに呼吸状態の悪化がないか観察を続ける。

*大発作*

呼吸困難が進み、チアノーゼが認められるようになれば、指示により酸素吸入を行う。また点滴で薬剤の投与が行われので、指示どうりの薬液量を正確に与薬する。呼吸状態および意識レベルの観察には最新の注意を払い、異常があれがすぐに報告する。子どもの不安も大きいので、身体をさすったり、励ましたりすることもひつようである。

 

3.日常生活における看護

家庭環境や社会環境についてアセスメントし、規則正しい健康的な生活が送れるよう援助することが大切である。

*自己管理に向けた援助*

慢性的な経過を把握し、自己の健康管理に対する知識をたかめるための1つの方法として、喘息日記をつけることを進める。日記には、毎日の呼吸症状や気分、天候、内服・吸入の時間や回数などを記入する。また、肺機能の客観的指標としてピークフローを活用する。ピークフローは、大きく息を吸っていっきにはきだすときの最大瞬間風速で、肺機能の日内変動の評価や発作の程度の目安となる。

発作の誘因を避けるために、かぜをひかないよう、含嗽・手洗いを習慣づけ、環境整備を行う。栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠など生活のリズムを整え、疲労やストレスをためないようにすることもたいせつである。

*学校・保育園での生活*

発作を予防しつつ有意義な学校・保育園生活を送るために、家庭・医療機関と、学校・保育園との十分な連携が求められる。ほとんどの子どもは、発作がなければふつうに授業を受けられるが、EIAをおこしやすい場合の運動方法、食物アレルギーがある場合の給食内容、動物の飼育係は避けること、掃除はマスクを着用することなど、理解と協力が得られるようにする。

学童期以上の年齢になると、友人と同じようにやりたいと本人ががんばる傾向にあり。むりをして発作をおこす場合もあるのでクラスメイトの理解と協力を得ることも大切である。

*家族への看護*

家庭での子どものケアは両親を主とする家族が担うことになるので、家族の身体的、心理・社会的負担は大きい。診断がつけられたときのショックにはじまり、いつ発作がおきるかわからない不安、子どもの将来に対する不安、重症であれば生命予後にたいする不安を抱えている場合が多い。発作予防のための環境整備や内服・吸入の管理は毎日行わなければならないことであり、子どもの年齢が低いほど負担も大きいと考えられる。これらの家族がかかえるストレスについて理解し、子どもの年齢、家庭環境、社会環境、サポートシステムなど考慮しながら、それぞれの家族が求めるニーズについてともに考え、援助していくことが大切である。

($・・)/~~~参考文献

医療学習レポート.小児気管支喘息


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