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(´・c_・`)重症筋無力症の話


「重症筋無力症」の画像検索結果

(*^。^*)題名:重症筋無力症の話

 神経筋接合部(終板接合部)のアセチルコリンレセプター(以下、AChR)に対する抗体(以下、抗AChR抗体)によりおこる自己免疫疾患である。症状の特徴は、骨格筋の易疲労・脱力(眼瞼下垂・眼球運動障害・四肢の脱力・呼吸障害など)である。本疾患のメカニズムの理解が進み、適切な治療が行われるようになったため予後は改善しているが、長期間の治療と経過観察が必要であることに変わりはない。臨床的には眼筋型と全身型に分けられ、また稀に急速に呼吸筋麻痺などの症状が進行するクリーゼ(急性増悪)を認める場合があり、経過観察の上で注意が必要である。

「疾患の理解のために=やさしい神経筋伝達の生理学」

 運動神経の電気的興奮は神経終末からのアセチルコリン(以下、ACh)放出を介して、化学的に筋側に伝えられる。放出されたAChはシナプス間隙を越え、筋側のAChRに達して脱分極を生じ、筋収縮が開始される。

 MGの直接の病因は、AChの受け皿であるAChRを標的とする自己抗体(抗AChR抗体)である。この抗体によってAChとAChRの結合が阻合されたり、AChR数が減少したり、あるいは後シナプス膜の破壊がおきるとされている。その結果AChによって仲介されている神経から筋への信号伝達が障害されて、特徴的な症状が現れる疾患である。

病態アセスメント

 本疾患は、筋の易疲労・脱力が主症状であり、従って次のような特徴がある。

  1. 運動による疲労・休息による回復がある。
  2. 日内変動(午前中は具合がよいが夕方から夜にかけて症状悪化など)がある。
  3. 増悪因子(精神的ストレス・過労・感染・月経・出産・手術・気温など)がある。
  4. 急速に悪化する呼吸筋麻痺(=クリ-ゼ)のために生命の危機にさらされ得る。

 このような特徴を理解し、症状の変動とそれに関わる因子(運動・休息・服薬などの治療)との関係を把握することにより、患者が症状をコントロ-ルしながら生活できるよう援助する。またクリ-ゼとその誘因となる感染症などの早期発見と予防に努める。また治療による免疫抑制状態を背景として、感染症(肺炎など)が重篤化し得ることを理解し、適切に対応する。
MGは、しばしば、長期入院を必要とする。患者の発達段階・生活背景を理解し、キ-パ-ソンと連携をとり、患者が疾患を受容し共存していくことができる援助計画を立てる。

症状

 [例] 症状・・・・・[筋力低下・易疲労性の現れる筋]

  1. 眼瞼下垂・複視・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・[眼瞼挙上筋・外眼筋]
  2. 咀嚼困難・嚥下障害・構音障害・鼻声・・・・・・・・・・・・[咬筋・咽頭・喉頭筋・舌筋]
  3. 上肢挙上困難・起座・歩行困難・頭部挙上困難・・・・・・・・[頸部・上肢・下肢・体幹筋]
  4. 呼吸苦・呼吸困難・CO2ナルコ-シス ・・・・・・・・・・・[呼吸筋]
  5. 閉眼困難(臥位)・兎眼・泣き笑い様顔貌・表情を作れない・・[顔面筋]

検査

  1. 薬理学的検査: エドロフォニウム試験(テンシロン・アンチレックス注射)により、一過性に症状の改善をみることにより診断する
  2. 電気生理学的検査: 誘発筋電図にてwaning現象、単一筋線維筋電図にてジッター現象やブロッキング現象がみられる
  3. 免疫学的検査: 血中抗AChR抗体の測定
  4. 画像診断: 胸腺の画像診断
  5. その他

治療

 1.薬物療法

  1)対症療法  (1)抗コリンエステラ-ゼ剤

          (2)補助薬

  2)免疫抑制療法(1)ステロイド剤  プレドニン 内服

             パルス療法

          (2)免疫修飾剤   (γ-グロブリン)

          (3)免疫抑制剤   イムラン、エンドキサン、シクロスポリン

1-1)抗コリンエステラ-ゼ剤(以下抗コ剤)

作用:神経筋接合部のACh分解を抑制し、相対的にAChの濃度を高め刺激伝達を促進させる。

 抗コ剤は同一患者でも筋によって適量は一様でなく、至適量は必ずしも最大量でないこと、患者の生活内容によりどの筋に標準合わせて至適量を選ぶか決める(特に、呼吸筋・嚥下筋に注目)。

 投与方法は、分3食後というような画一な方法を避け症状により配薬(投薬時間、投薬回数と量、組み合わせ)を工夫する。例えば、摂取困難のとき、食前30分頃に短時間作用性抗コ剤を使用する。

副作用:ムスカリン症状(自律神経支配諸器官に対して作用)

 発汗、唾液・涙・気道内分泌物などの分泌亢進、腸蠕動亢進、腹痛、嘔気・嘔吐、尿意頻回、失禁、動悸、徐脈、縮瞳

 ・ムスカリン症状が強いために不快感が大きい場合、硫酸アトロピンを併用

コリン性クリ-ゼ

抗コ剤の過剰投与によって、かえって急激に症状が悪化するクリ-ゼ。

クリーゼの際、コリン性か筋無力性の鑑別は容易ではなく、鑑別が必ずしも重要でないこともある。いずれにせよ、抗コ剤は一時中止し、気道・呼吸を確保する。

1-2)補助薬

 抗コ剤の至適量を維持しつつ、なお一層の改善を得るための補助薬には、以下の薬剤がある。これらのうち、エフェドリン、カルシウム剤、グアニジンは、筋肉側AChRに対するよりも、神経終末からのACh遊離を促す薬理作用がある。したがって電気生理学的検査で高頻度連続誘発筋電図にwaning現象がみられるようなタイプに有効である。

補助薬

カリウム剤

スロ-K、アスパラK

抗アルドステロン剤

アルダクトンA

塩酸エフェドリン剤

エフェドリン

カルシウム剤

乳酸カルシウム、カルチコ-ル

塩酸グアニジン

2-1)ステロイド

免疫抑制作用による抗AChR抗体産生抑制を期待し、使用する。

投与方法(初期の一過性増悪を防ぐにはaのほうがよい)

 a)ステロイド剤を少量から開始、漸増する

 b)大量から始めて漸限

 漸増の途中で理想的な寛解があればその時の量を最大量とする。

 ステロイド剤の完全な中止が困難な場合もあり得る。減量あるいは完全離脱後に再悪化する場合は、本療法の繰り返しか、ある程度の維持量の長期継続もやむを得ない。

パルス療法

 メチルプレドニゾロン1g/日を3日間、点滴静注を1クールとして、1~2週

 間隔をおいて2ないし、3クール行なう。

 大量投与のため電解質の異常や血圧・尿量・血糖の異常が急激に出現する可能性があるので、注意を要する。

2-2)免疫抑制剤

抗コ剤、胸腺摘出術、ステロイド療法などによっても、症状の改善が得られない時、使用される。一般的にイムラン(アザチオプリン)、エンドキサン(シクロフォスファミド)が用いられるが、最近は難治別に対して保険適応はないものの、シクロスポリン(サンデュミン)が使用される。この薬剤は直接骨髄に作用しないため、骨髄抑制などの副作用は少ないが、腎障害に注意する。

 2.胸腺摘出術

 MGは、胸腺腫、胸腺過形成などの胸腺異常を合併することが多く、胸腺とMG発症には関連があると考えられている(そのメカニズムはまだ明らかでない)。このため胸腺腫の有無にかかわらず、原因治療の一つとして胸腺摘出が行なわれる。手術法としては拡大胸腺摘出術が行われ、手術の効果は6カ月~3年で現れるとされる。手術後、一般的に後療法としてステロイド療法に移行する。摘出胸腺が周辺組織へ浸潤していた場合(悪性胸腺腫)、浸潤臓器の一部を含み可能な限り除去後、術後照射を行う。術前からステロイドを内服することもあり、それに伴う副作用の出現に注意する。また手術という強いストレスを受けることにより、クリーゼを引き起こすこともある。重症の場合、術後の呼吸管理・肺合併症の予防が大切であり、術後照射が必要な場合は照射に対する看護が必要となる。術前、術後は、症状の安定や精神面のケアが必要である。

 3.血液浄化療法 (二重膜濾過法、免疫吸着法)

 既述の免疫療法で症状の改善が難しい慢性不安定例、クリ-ゼを繰り返す不安定例、晩期重症例、胸腺摘出前後の症状安定・鎮静化に用いられる。本法で血中抗AChR抗体を除去し得るが、病原抗体産生の根源を絶つわけではないので、効果持続には限界がある。これを補うため、通常ステロイド剤・免疫抑制剤の併用が行われる。ブラッドアクセスとしては、ダブルル-メンカテ-テルを使用する。カテ-テル留置・抜去に伴うトラブル(感染、カテ-テルの逸脱・閉塞、血栓症、カテ-テル抜去後の出血)に注意し管理・ケアを行なう。

看護計画

Ⅰ.病態アセスメント

 一般に眼瞼下垂・複視などの眼症状で始まり、物が飲み込みにくい・食事に時間がかかる・声が鼻に抜けると言った球症状と体がだるい・疲れやすいと言った四肢骨格筋の症状を呈する。これらは休息をとることにより、一時的に回復を見ることが多い。最も重篤な症状として、急性増悪(クリーゼ)といわれる急激な呼吸筋麻痺による換気・呼吸不全状態の現れることがある。
最近はMGの病態が明らかになり、治療が確立しつつある。そのため他の神経難病よりは、寛解・軽快例が増え、自宅療養が十分可能となってきている。しかし、症状は、動揺しながら慢性的に経過する。看護のポイントとしては、クリーゼの予防と早期発見に努めるとともに適切に対応することと、患者・家族が疾患に対する知識を十分に持ち、適切な生活行動・治療の継続を行なえる援助が必要である。

「重症筋無力症」の画像検索結果

(´◉◞౪◟◉)参考文献

医療学習レポート.重症筋無力症


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