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ヽ(´▽`)/記憶と記憶障害の話


(゚∀゚)題名:記憶と記憶障害の話

記憶とは、経験したことを時間が経過した後に改めて思い出す能力で、われわれの自我機能・精神生活が一貫し連続することを保証する基本的機能である。一般に、記憶という場合、過去に経験した(個人的な)出来事や過去に得た(一般的)知識など、意識にのぼらせることができた上で、内容について述べることのできるものに関した記憶を言う。しかし、技能や習慣行動、さらには条件反射、そして言語運動・感覚などについてのヒトに共通する基本的な機能をも含めて記憶を論じる場合もある。

従来、精神医学や心理学においては、記憶は記銘力と区別されてきた。記銘とは、体験した事象を新しい記憶心像として記憶の中に刻み込むことである。この記憶心像は消失されずに(保持されて)後に想起されることから、記憶の過程に記銘―保持―再生の3つの段階が想定されてきた。

近年の現代認知心理学における記憶理論では、記憶の貯蔵は短期記憶と長期記憶の機構に分けられ、入力された情報は一時的(1~2分)に短期記憶に保持され、さらに、持続的保持の長期記憶に入るとされる。この過程の進行には、意識レベルが保たれている必要があり、また注意・集中力とリハーサル(復唱)によって促進される。また、短期記憶の前に1~2秒の感覚記憶をおく場合もある。

長期記憶のうちで、意識的想起のできる事実の記憶は、宣言記憶や命題記憶などと呼ばれ、さらにエピソード記憶と意味記憶に分けられる。エピソード記憶とは過去の体験の記憶で時間・空間的定位が可能であるが、意味記憶とは一般的知識の記憶などを指す。これに対し、学習された知覚―運動などの技能・手順に関する記憶は手続記憶などと呼ばれる。


1.記憶障害

記憶には記銘、保持、再生という3つの過程がある。これらの過程のどこかに問題が発生することにより、記憶は障害される。記憶の障害を主とした症候群を健忘症といい、前向性健忘、逆向性健忘、正常な知的機能、正常な即時記憶(数字の数唱能力など)がその特徴である。その他、見当識障害や作話、記憶錯語などが健忘症患者によくみられる。記憶に関連する脳の部位としては、大脳辺縁系であり、その形態は、大脳内側面で第3脳室と脳梁を取り囲む脳回(梁下回、帯状回、海馬傍回、鉤回)と海馬、歯状回、脳弓、扁桃体、中隔核などの領域をいう。その機能としては二つの閉塞路があり、その一つはPapez circuitで海馬-脳弓-乳頭体-乳頭視床束-視床前核-内包前脚-帯状回-海馬であり、乳頭体、乳頭体視床路、視床前核の障害が起こると、海馬との離断が起こり、非常に強い記憶障害を呈し、正常に近い行動は難しくなる。これは記憶の作成過程での障害と考えられる。もう一つはbasolateral circuitで、扁桃体-下視床脚-視床背内側核-前頭葉眼窩部-側頭葉前部-扁桃体を結ぶものである。視床背内側核や随伴内核の障害が起こると、前頭葉との離断が起こるが、記憶の障害は比較的軽く、注意散漫が著明であるのが特徴である。いずれも記憶(と情動)に関与する系と考えられている。大脳辺縁系は記憶、情動、自律神経機能に関与する。

2.記憶障害の特徴

1)前向性健忘

発症以後に経験した出来事や事実などを想起できない。一方で、位置学習や鏡映描写などの新たな技能学習あるいはプライミングのような意識を解さない記憶は、障害されないといわれている。

2)逆向性健忘

発症以前に経験した出来事や事実などを想起できない。多くの場合、時間的勾配がみられ、発症時点に近い出来事の記憶のほうが昔の出来事の記憶よりも想起されにくい。通常、前向性健忘と逆向性健忘は合併して出現するが、ごく稀に逆向性健忘のほうだけが選択的に生ずる場合がある。また、公的情報と個人的な情報との想起成績が大きく異なるなど、想起しうる情報間に解離が生じる患者も報告されている。

3.主な健忘症候群

1)海馬性健忘

側頭葉内側面、とくに海馬の損傷によって生じる。重篤な前向性健忘および逆向性健忘を伴うが、見当識や病識は保たれる。また、逆向性健忘の期間は限定的で、発症前数年間の記憶だけを想起することができない。記憶の忘却速度が速いことも特徴としている。

2)間脳性健忘

ビタミンB欠乏によって発症するコルサコフ症候群が有名である。コルサコフ症候群は、乳頭体や視床などに病巣を持ち、前向性健忘、逆向性健忘に加え、見当識障害、作話、病識欠如を伴う。逆向性健忘の期間は海馬性健忘の期間より長期に及ぶ場合が多く、中には数10年の範囲に及ぶ場合もある。また、記憶の忘却速度は健常者とほとんど変わらない。

3)一過性全健忘

数時間から数日間にわたって一過性に起こる健忘であり、記憶機構に関連する部位への血液供給が一次的に停止するためと考えられている。前向性健忘、逆向性健忘、見当識障害(とくに時間に関する見当識障害)が生じるが、自分が誰なのかはわかっており、逆向性健忘の期間は回復に伴って徐々に短縮して最終的に健忘に陥った数時間前だけにとどまる。

(´д`)参考文献

医療学習レポート.記憶と記憶障害


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