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ヽ(^○^)ノパーキンソン病の話 


( *´艸`)題名:パーキンソン病の話 

脳の解剖

中脳とは・・・間脳の下方にあり、下は橋に続く。背側から腹側にかけて、中脳蓋、中脳被蓋、大脳脚に分けられる。また、中脳の内部には、第三脳室と第四脳室を結ぶ中脳水道がある。

 

中脳蓋・・・中脳より背側の部分。上下に左右一対ずつの隆起、上丘・下丘がある。(全部で四つあることから四丘体とも呼ばれる。)

上丘(視蓋)⇒外側膝状体が続く。視覚の体反射に関する機能を担う。

上丘から出る繊維は眼球の動きに関する脳神経Ⅲ、Ⅳ、Ⅵの核に連絡(内側縦束)し、あるいは視蓋脊髄路となる。これらにより、光の来る方向に眼球や頭が向いたり、突然の光をさえぎるような手の運動が反射的に起こる。

 

下丘⇒内側膝状体が続く。聴覚の体反射に関与する。

視覚と同様に神経核や脊髄前角細胞と連絡し、音のする方向に目や頭が向いたり、音のする反対方向に逃避しようとする反射運動が起こる。

 

中脳被蓋・・・中脳水道より腹側の部分で大脳脚との間。ここには、赤く見える一対の赤核とメラニンを持つ細胞の集団である黒質がある。

赤核⇒小脳からの線維を上小脳脚を通して受け、橋や延髄の網様体あるいは視床に線維を送る。

(錐体外路系)

 

黒質⇒線条体や淡蒼球からの線維を受け、線条体、淡蒼球及びし視床に線維を送る。遠心性と求心性つまり上位ニューロンと下位ニューロンに働きかけることによって、筋緊張の制御を行っている。特に黒質線条体路はドーパミンを神経伝達物質としており、線条体の働きを抑制する。黒質から線条体へのドーパミンの輸送および合成が極度に傷害されると、パーキンソン病となる。またGABA(γ-アミノ酪酸)は基底核の伝達物質である。黒質網様体はGABA性であり、Huntington舞踏病では線条体のドーパミンは正常であるがGABAは著明に減少している。

 

大脳脚・・・腹外側面には、大脳脚という一対の白質の束で、内包を通る下行線維の続きである。大脳脚の中央部は錐体路が走り、両側は錐体外路(皮質橋核路)が走る。

 

また、中脳には動眼神経や滑車神経が出る。

 

解剖学 p246、296-299

人体の正常構造と機能 p20-21、60-61

パーキンソン(P:Parkinson)

パーキンソン病とパーキンソン症候群

振戦、固縮、無動の三大徴候に姿勢調節障害を加えた四大徴候の中で2つ以上の徴候を主症状とする病態の総称をパーキンソニズム(Parkinsonism)または、パーキンソン症候群(Parkinson syndrome)という。また、慢性進行性の疾患である。以下のように分類される。

 

・パーキンソン症候群の分類

——————————————————

1.特発性パーキンソニズム

パーキンソン病

若年性パーキンソニズム

2.症候性パーキンソニズム

薬剤性パーキンソニズム

血管性パーキンソニズム

脳炎性パーキンソニズム

中毒性パーキンソニズム

正常圧水頭症

その他

3.パーキンソン・プラス症候群

線条体黒質変性症

進行性核上性麻痺

びまん性レヴィ小体病

大脳皮質基底核変性症

その他

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パーキンソン病(PD:Parkinson Disease)

病理学的には錐体外路系、特に黒質から線条体に至るドーパミン伝達物質の代謝異常によって、線条体におけるアセチルコリン系の優位が上記の錐体外路症状が発現する。

神経回路からみた大脳基底核の特徴は、出力が抑制性である。ドーパミンの働きはブレーキの役割である。つまり、基底核である線条体に対してドーパミンが働くと、抑制を抑制し運動を起こすわけである。また、アセチルコリンが働くと抑制を興奮させ、不必要な運動が抑えられるのである。

しかし、ドーパミンの代謝異常が起こると、ドーパミンが分泌されず、線条体の働きが抑制されない。つまり、ブレーキがかかりっぱなしの状態となる。

すなわち、自発的な運動は減少し、筋固縮する。この状態がパーキンソン病である。

また、大脳辺縁系や前頭葉への分泌も減少し、情意、意欲面にも影響する。

⇒黒質そのものの障害で、線条体以後の受容体に問題はない

 

パーキンソン症候群(Parkinson syndrome)

⇒線条体を含むそれ以降の受容体側の障害で、ドーパミンの生成には問題はない

 

症状の特徴

①振戦 tremor

安静時に見られる振戦→静止時振戦

・・・これは、手指に多く見られ、律動的な収縮である。手を使う等、刺

激が入ると消失しやすい。⇒Pill rolling(丸薬丸め運動)

その他、前腕、下肢、下顎、舌にも見られる。

※緊張すると振戦が増強することもある。進行が進み、もっとブレーキがかかると振戦すら出なくなる。

 

②固縮 rigidity

筋緊張の高まりによって、他動運動に対して抵抗が見られる。四肢では屈曲、下肢においてはさらに内転に強い傾向がある。→鉛管様固縮、歯車様固縮

 

③無動 akinesia

自発運動が乏しくなり、動いても緩慢なものになる。運動の開始、終了、切り替えが困難となる。

また、組み合わされた運動や連続運動が出来ない。→リズム形成障害

瞬きや目の動きが少なくなり、無表情となる。→仮面様顔貌

 

④姿勢反射障害

立ち直り反応や平衡反応が障害されているために、姿勢を崩しやすく、転倒もしやすい。

起立・歩行時の姿勢は、頚、体幹、上肢、下肢ともに屈曲し、重心は前足部にかかる。歩くにつれて早足となる。

 

つまり、、、

一歩目がなかなかでない、途中で突然動かなくなる→すくみ足現象

円背になり、体幹の回旋が出ない

前傾姿勢が維持できなくなり数歩駆け出してしまう。→突進現象

徐々に加速していき制御できない→加速歩行

しかし、すくみ足歩行でも障害物やL字杖など刺激が入ると歩ける

→逆説動作 kinesie paradoxale

 

その他の症状

・         精神障害・・・精神活動が緩慢になり、周囲への興味や注意の切り替えが困難になる。物事を考え行動することも困難になる。これにより、消極的行動に繋がり、社会性がなくなり、痴呆を助長する。

・         自律神経障害・・・便秘、排泄障害、起立性低血圧、多汗、皮膚温低下など

 

・         二次障害・・・障害が重度化していくと免疫力も低下する。

①呼吸障害:拘束性呼吸障害、嚥下障害、誤嚥性肺炎。

②尿路感染:水分摂取が少ないと尿量が減り、引き起こす。

③拘縮:前傾姿勢を放置すると起こる。これはADLの阻害因子となり、また、同様の姿勢のいままの長期臥床は尖足拘縮を引き起こし、車椅子への移乗動作でさえ下肢をつくことが困難となる。

④褥創:無動により長期臥床となると起こりやすい。さらに栄養障害や感染症があるとさらに助長される。

⑤易疲労性:運動障害、精神的側面、自律神経障害が影響して見られる。理学療法の負荷に注意する。

 

パーキンソン病の重症度⇒Yahrの分類

 

日常生活における

介助の度合、障害の程度

重症度分類

自立

(軽度)

一側性障害で片側だけ、振戦・固縮

ADL障害:軽微又は無

両側性障害で姿勢反応障害は無

ADL障害:軽度

部分介助

(中等度)

姿勢反応障害出現、歩行障害認める

ADL障害:中等度

起立歩行の障害さらに重度

ADL障害:重度で労働能力の喪失

全介助(重症)

介助による車いす移動、または寝たきり

ADL障害:全介助

 

※さらに細かいUPDRS(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale)もある。

治療

①     薬物療法

②     手術・移植療法

③     リハビリテーション

 

①薬物療法

L-ドーパ・・・ドーパミンの補充(ドーパミン前駆物質)

副作用:短期-悪心、嘔吐、食欲不振、動悸、起立性低血圧

長期-アップダウウン現象(wearing off現象)

⇒L-ドーパの効いている時間が短くなり、通常の投与頻度では悪化が見られる。症状に日内変動が見られる。

-on off現象

⇒服薬とは関係なく、急激に症状の悪化と改善が見られる。

-すくみ足現象

-ジスキネジア

 

抗コリン作動薬(アーテン)・・・アセチルコリンレセプターの遮断

副作用:口渇、便秘、痴呆、錯乱

 

アマンタジン(シンメトレル)・・・ドーパミン放出の促進

便秘、幻覚、錯乱、夜間譫妄

 

②手術療法(深部脳刺激療法)・・・大脳基底核への電気刺激

進行したパーキンソンには淡蒼球や視床下核に行う。

※     パーキンソン病でないと効果はない。また、バランス障害、第一歩障害、極端な前屈姿勢にも効果はない。

 

③理学療法

二次障害を抑え、ADL障害の進行をおくらせるために

・変形拘縮の予防

・廃用性筋委縮の予防

・運動のスピード、可動性、協調性の改善

・ADL促進

 

 

 

プログラム・・・同じメニューにならないように工夫する!また、負荷をかけすぎない!

①リラクゼーション、関節可動域運動、伸張運動

固縮や姿勢、精神的問題から筋の短縮、関節の拘縮が起こりやすいので行う。特に、胸郭の可動性は呼吸に大きく関わるので柔軟性を向上させる。また、頚部・体幹の回旋運動が困難になる。これは、寝返り、起き上がりを用いて促していく。

 

②立ち直り反応、平衡反応

立ち上がり運動を行うことで、重心移動、バランス機能を向上させていく。同時に体力も向上させていく。

 

③リズム形成

手拍子等で一定のリズムを与えていく。

 

④基本動作、歩行練習

 

⑤補装具の検討

膝折れ、尖足防止。補高による一歩目の出し易さ。

 

⑥呼吸理学療法

 

⑦二次障害の予防

 

Stage(Yahr)ごとに最低限すべきこと

Ⅰ~Ⅱ・・・姿勢の矯正、立位バランス訓練、リラクゼーション

Ⅲ~Ⅳ・・・起居動作訓練、歩行訓練、座位・立位バランス訓練、呼吸理学療法、ストレッチ、(抗重力筋力増強)

Ⅴ・・・体幹のストレッチ、座位・立位訓練、呼吸理学療法、廃用予防

 

特殊なプログラム

・腹臥位療法・・・長期背臥位の予防になり褥創防止になる。また、関節の拘縮も防ぐことができ、下顎が引かれている状態になるので誤飲の防止にもなる。手掌からの刺激が大脳を刺激し、覚醒度も高まり、運動面・精神面・自律神経機能の改善に効果的である。

・パーキンソン体操、姿勢矯正体操

・ボールを使った手技  等

 

予後予測

パーキンソンによるADL障害は発症から4~8年で大きな変化を示すが、以後あまり大きな変化を示さない。⇒8年ぐらいまで障害度が進行しない例は予後が良い可能性がある。

また、発症から10年以上経過していても、一部介助を要する人を含めると(StageⅢまでの人)約80%に達する。

(パーキンソニズムへのリハアプローチ パーキンソニズム患者のADL:橋本洋一)

 

定期的なFollow up とHome Programの指導と実行がなければ、6ヶ月後、1年後には元に戻ってしまう。

(パーキンソン病のリハビリテーション:山口明)


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