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ヽ(^。^)ノ半月板損傷の話


半月板損傷

1.疾患の概説

膝の半月板損傷は、靱帯損傷を合併するものと、半月板単独損傷に分けられる。全半月板損傷の約60%は靱帯損傷を合併するといわれている。合併する靱帯損傷としては前十字靱帯損傷が最も多い。靱帯損傷を合併する半月板損傷は、半月に対する治療だけでなく靱帯損傷に対する治療が必要である。

 

a. 病態とメカニズム

外傷による半月板損傷は膝の伸展運動と回旋運動の協調運動が妨げられるときに発生する。すなわち屈曲位で無理な回旋が加えられ、半月板の一部が大腿骨と脛骨の間に入り、体重負荷により固定された状態で、突然の伸展など強い牽引力が作用して半月板断裂が起こることが多い。内側半月板の場合は、前方に比較して後方が厚いためどうしても後節の動きが悪く、外旋位から内旋位になるときに大腿骨内顆にとらえられ損傷する。外側半月板は内側半月板よりも大きな可動域を有するため、屈曲から伸展にかけて損傷することが多い。

 

b. 分類

半月板損傷は基本的な分類としてその形態から、縦断裂、横断裂、水平断裂、辺縁部剥離およびこれらが混ざり合った混合損傷に分類される。混合損傷にはその特異な形態によりバケツ柄断裂、弁状断裂、L字状断裂、オウム嘴状断裂、ドーナツ状断裂などがある。また損傷部位からの分類として、前角、前節、中節、後節、後角損傷に、断裂方向から体部と辺縁部、さらには有血行野と無血行野がある。

 

c.頻度

小林⁷⁾によれば年齢では20歳代が最も多く、次いで10歳代であり、この年代で半月板損傷の70%を占める。しかし円板状半月板損傷は10歳代に多い。性別では外傷性のものは男性に多く、円板状半月板損傷は女性に多い。また50歳以上の半月板損傷は女性に多い。合併損傷のない半月板単独損傷では内・外側の割合は星川らによると内側36%、外側44%、外側円板状半月板損傷20%で外側に多い。

受傷原因としてはSmillie⁸⁾は1969年から5年間の2,000損傷半月のうち16%がスポーツ外傷、労働災害7.8%、交通事故0.7%、いわゆる捻挫(twist)18%、外傷歴なし53%と報告している。小林⁷⁾は正常半月板の損傷のうちスポーツ外傷によるものが46%、いわゆる捻挫19%、交通事故8%、誘因なし25%と報告している。さらに円板状半月板損傷の原因としてはスポーツ外傷によるものが33%、いわゆる捻挫21%、交通事故3%、誘因なし40%と報告している。

 

1990年までに手術した788例、835半月の自験例では、内外側の比では1:1.14と外側半月損傷が多いが、外側半月損傷の半数は円板状メニスクスであり、円板状メニスクスを除いて比較すると2:1と内側に多い。わが国では以前は外側が多いとされてきたが、最近の報告ではこの比は逆転しており、内側半月損傷が増加し、欧米の報告に近づいている。この理由として、スポーツ活動の増加と多様性、日常生活の洋式化および下肢軸の発達が欧米のものに接近しつつあることなどがあげられる。

損傷機転では非外傷性のものも少なくなく、とくに円板状メニスクスでは外傷の既往が明確でない場合が多い。半月型でも外側半月は内側半月に比べて可動性が大きく、1回の外力で損傷を受ける頻度が多くなく、繰り返すストレスによるものも多い。自験例から、外側半月は前節および中節の損傷が内側半月と比べて有意に多く、鏡視の際に前節辺緑部の病変を見落とさないように注意を要する。内側半月は後節の病変がもっとも多く、前節は稀である。

 

d.臨床症状

半月板損傷の臨床症状としては、疼痛、嵌頓(locking)、完全伸展制限(extension block)、膝くずれ(giving way)、弾発現象(snapping)、関節血症、関節水症、大腿四頭筋萎縮などがある。

半月板損傷では運動時に関節裂隙に疼痛を訴える。しかし損傷していない円板状半月板では弾発現象が主訴となることが多い。中年以降の症例では変形性関節症による疼痛との鑑別が重要である。lockingは半月板損傷で最も主要な症状の1つである。通常は運動時に損傷半月板の遊離端が大腿骨関節面と脛骨関節面に挟まれて、伸展も屈曲も制限された状態となる。半月板損傷による膝くずれは、半月板の後方部に縦断裂や水平断裂がある場合に起こるといわれている。これは不意にカクッと膝の力が抜ける現象をさすが、靱帯損傷によるものに比べてはっきりしないことが多い。半月板損傷時に起こるsnappingは円板状半月板に起因するものが多い。これは膝を屈曲位から伸展していくときに大腿骨顆部が半月板の膨隆部を乗り越える際に起こる。膝関節の血腫は新鮮損傷でよくみられる。出血は半月板そのものの損傷より、滑膜や靱帯との損傷によるもののことが多い。関節水症はlockingやgiving wayのあとに一過性に起こるのが大半で、関節液は漿液性で量も少なく永続する例は少ない。Giving way後に、血液の混入した関節水症を生じる場合には前十字靱帯損傷の合併を疑うべきである。萎縮は大腿四頭筋全体に起こるのが一般的であるが、内側で明らかなのは、この筋が明確に斜めに走っていて皮膚下組織が少なく、それにより内側広筋への損傷がよく観察できるためである。大腿周径の差が1cm以上ある場合には、たとえ他の臨床症状が陰性であっても、再度慎重に徒手検査を繰り返すことが大切である。

 

e.診断

受傷機転および臨床症状に加え関節造影・MRIなどの補助診断を参考に最終的には関節鏡で確定診断を得る。

関節造影は以前より一般的に行われており、二重造影法が有効である。しかし外側半月の後節部の診断と患者への侵襲性が問題となる。近年MRIが患者への侵襲がなく、有効な検査として確立されつつある。今までの報告では70~90%の確立で診断が可能であるとされており、関節造影による診断率とあまり大差ない。また、半月板実質内部の損傷がMRIにより診断できるとの報告もあり、今後患者への侵襲を考えると、関節造影にとって変わる検査になりうると考える。

関節鏡は半月損傷の診断に欠くことのできない検査である。通常外側膝蓋下穿刺を用いて30°斜視鏡で観察する。内側膝蓋下穿刺部位よりプローブを挿入し、半月板を十分触診することが大切である。特に内側半月板の後節部は鏡視が難しいため、プローブを用いた動的観察が必要である。これにより損傷の有無だけでなく、損傷部位、大きさ、損傷の形の判定を行って治療法を選択する。特に損傷の部位は半月板の血流との関係で治療法の選択に大きく影響するので重要である。

 

2.検査・測定

1)病歴聴取

・受傷機転を明確にする

・可能な動作と不可能な動作を確認する

・膝にロッキング感があるか

・腫脹はみられるか

 

2)視診

立位にて前方、側方、後方より全身のアライメントを観察する。前方からは、アライメントのほか、腫脹の有無や筋の萎縮などをチェックする。側方からは、膝完全伸展可能か、反張膝はあるか、腫脹があるかなどをみる。

 

3)触診

触診では、発熱や疼痛、感覚障害などの異常の有無や左右差などをみる。触診の手順として必ず非損傷側より行う。

 

4)関節可動域検査

自動運動、他動運動の両方で実施する。検査の際、可動域だけでなく、疼痛がどの範囲でどの動きで発生するのか、また可動域が制限されている場合、その制限因子(end feel)が何かを考える必要がある。正常end feelは、膝伸展時には組織の伸張感、屈曲時には組織の圧迫感といわれている。しかしながら、半月板損傷の場合には膝伸展時にロッキング現象がしばしば起こるため、弾み感のある(バウンス様)のend feelを呈するといわれている。

 

5)筋力検査

膝関節周囲だけでなく下肢あるいは体幹などの筋力低下も予想される。受傷からの日数にもよるが、特にスポーツ選手はできるだけ早期に復帰させるため、必要に応じて患部以外の検査も行うべきである。

 

6)機能テスト

膝関節を損傷することによって膝関節に疼痛や不安定性が起こり、動的機能に影響を及ぼす。したがって、歩行や階段昇降、ランニング、スクワッティング、ジャンプなど、患者の状況に応じてこれらの動的機能を調べる必要がある。

Bohler症候:膝伸展位で内、外反を強制して疼痛を調べ、下記の損傷を疑う。

外側半月損傷→膝外反により外側関節裂隙の疼痛

内側半月損傷→膝内反により内側関節裂隙の疼痛

7)特殊テスト

・Apleyテスト

・Mcmurrayテスト

・膝蓋跳動

 

8)半月板損傷治療成績判定基準

治療法の適応およびその治療効果を判定するために日本整形外科学会の判定基準が使われる

 

3.治療法の適応

a.保存療法

1)血行のある部位(外周辺部15~25%)での不完全断裂

2)安定型完全縦断裂(関節鏡視下プロービングで3mm以上移動しない)

3)前十字靱帯断裂における外側半月後節の縦断裂(靭帯再建を行った場合)

4)高齢者の変性半月板

 

b.縫合術

1)血流のある部位での完全縦断裂で不安定なもの(体部に変性がないこと)

 

c.切除術

1)保存療法および縫合術の適応のないもの

2)円板状半月板損傷

3)半月嚢腫

 

4.治療

a.保存的治療

受傷より2~3週以内の新鮮例で辺縁部損傷であれば、血行が存在することよりギプス包帯固定による治療が可能である。半月辺縁部の損傷は外周辺断裂、辺縁剥離、体部辺縁断裂に分けられるが、とくに外周辺断裂と辺縁剥離は保存的に治療しやすい。この損傷は多くは後節部での断裂であり、とくに内側半月の場合、診断は関節鏡よりも関節造影やMRIのほうが有用である。

また、この部分が不完全に治療すると、瘢痕性となり半月の強度が減弱し、新たな外力が加わった際に半月実質部に別の断裂を引き起こす可能性がある。よって、ギプス包帯による固定期間は、断裂の大きさにもよるが、少なくとも4週間は行ったほうがよい。固定肢位は伸展位か軽度屈曲位で、シリンダーキャストで十分であり、2週間過ぎからギプス包帯固定のまま荷重を許可する。

また、前述の体部辺縁断裂(red-white zone)は血行の面から癒合が十分でないことがあるので、新鮮例でも縫合を勧める意見もある。さらに、辺縁部の縦断裂以外にも半月辺縁部へ連続する横断裂や斜断裂、また半月実質内に限局する断裂でも、膝関節を安定化あせ早期運動させることによって、治療する可能性があることを井原は報告している。

一方、陳旧例でもすべての半月断裂が症状を起こすとは限らず、損傷された半月でも辺縁部が正確であれば十分に機能できると考えられており、不全断裂あるいは完全断裂でも、断裂に長さが7mm以下で内縁が不安定でなければそのまま放置することもある。そして、症状が出現したときに手術すればいい。

Dehavenはこのような半月損傷80例のうち、52例を平均4.3年追跡し、6例(12%)のみが手術が必要であったと報告している。しかしDehavenの症例の多くは前十字靭帯損傷を合併した症例であり、半月損傷は付随的であるために、半月単独損傷の場合には上記の断裂を認めたときコ、臨床症状としの関連を決め治療するのはむずかしいと思われる。

また、ある程度の大きさの断裂でも大腿四頭筋訓練、ステロイド注入や日常生活動作およびスポーツ活動を指導して対応することもある。しかし症状のある半月損傷を放置した場合、疼痛、腫脹、嵌頓を繰り返し、関節内変化を増悪させ、X線像上でも変形性関節症変化が生じるので、やはり外科的に処置すべきである。

 

b.縫合術

手術手技としては鏡視下縫合法が一般的である。前節および中節部の断裂では、outside-in法で関節外から注射針を用いて縫合糸を誘導する。中節後部から後節部にかけては、関節外からの操作が困難であることから、関節内よりmeniscal stitcherやルンバール針を用いて縫合するinside-out法にて行う。

また、後節部の縫合では神経血管束が存在するので、後内側および後外側に皮膚切開を加えて、膝下窩部まで十分剥離して神経血管を保護する必要がある。あるいは、無理をせずに直視下に安全にかつ確実に縫合をおこなってもよい。しかし半月と滑膜境界部より2mm以内であれば、直視下法で可能であるが、それ以上の部位であれば手技的に鏡視下法でなければ無理である。

まず断裂部を鋭匙などで新鮮化して縫うが、縫合法として半月に垂直に糸をかける方法と水平に」かける方法がある。手術手技上outside-in法では水平に糸をかけることが多い。ただし、水平にかけるとき半月実質中央に通ることがむずかしく、垂直に糸をかけたほうが力学的には強い。剥離部1cm当たり1~2針を目安に糸をかけるが、縫合糸が皮膚を貫通している部位に小切開を開き、皮下組織を鈍的に剥離して、関節包上で埋没縫合する。皮膚上での縫合は感染や皮膚裂傷など術後管理が大変であり、用いるべきではない。縫合糸としては操作上腰の強いほうが便利で、ナイロン糸やサージロン糸(編みナイロン)などを使う。

後療法は術後3週間ギプス包帯固定を行う。前節および中節部の損傷は伸展位に、後節部であれば30°屈曲位で固定する。2週目より部分荷重を許可し、4週で全荷重とする。またスポーツ活動は3ヶ月以後とする。

辺縁部より1/3を超える体部での断裂の縫合や、縦断裂以外の横断裂や二重のバケツ柄断裂などを修復する積極的な報告がみられる。この際、癒合を促進させるために、断裂部にフィブリン糊を注入したり、滑膜弁で被覆させる試みがなされている。円板状メカニクスの辺縁部剥離に対して縫合を行う意見もあるが、多くは実質部に水平断裂を伴っており、実際的ではない。また、縫合の適応となる半月損傷の多くは前十字靱帯を合併しているが、この場合前十字靱帯再建を併用するか、再建しない場合は半月切除を選択すべきであり、半月縫合を単独で行うべきではない。なぜならば、半月縫合単独では残存する動揺性のために、縫合不全や再断裂の生じる可能性が高いからである。

半月縫合の術後成績では90%近くに良好な結果が得られており、半月切除より治療期間がかかっても勧められる治療法である。また縫合部の再鏡視の報告では、断裂部は完全癒合、不完全癒合および縫合不全に分けられ、10%前後の頻度で癒合不全がみられている。

いずれにしても、合併損傷(とくに前十字靱帯)を正確に診断し、縫合の適応をしっかり守れば、満足すべき成績が得られる。

 

c.切除術

縫合の適応にならないものが切除術の対象となる。ただし、縫合の適応となる断裂形式であっても、50歳以上の高齢者やスポーツ選手では切除術を行うことがある。高齢者では半月実質に変性を伴っていることが多く、縫合後の後療法が大変であるからである。またスポーツ選手では、後療法に時間がかかりレギュラーの座を失う場合、部分切除ですむならば縫合より切除術を選択することがある。

手術は鏡視下に行うのが普通である。関節切開術と比べて長期成績では差がないとされてはいつものの、手術創は小さく筋力の回復も速く、入院期間が短く社会復帰も早い。また、鏡視下包では半月の損傷状態を正確に把握でき、切除範囲を少なくすることができる利点がある。よって半月切除はできるだけ部分切除で行い、全切除は断裂が広範囲であるときに限るべきである。全切除と比較して部分切除は、明らかに術後成績は優れており、術後の関節症性変化の発生も少ないし、また決して縫合術にひけをとるものではない。

手術法は半月を一塊としてとる方法と、piece by pieceにて切除する方法がある。

ⅰ.縦断裂およびバケツ柄断裂

通常は3点法にて行う。まずフックにて断裂部を転移させ、前方部をバスケット鉗子および鏡視下用ナイフで切離する。次に断端を把持鉗子で保持し、牽引しつつ後方部分を切離し一塊として切除する。後節部分(とくに内側半月)の操作では、関節が開きにくいことがあるので、鉗子よりナイフのほうを愛用している。なお前方から切離するのは、後方から切離した場合に翻転した断端片が鏡視の支障となり、前方の操作がやりにくいからである。ただし、後節に限局した縦断裂は、前方から切離した際に断裂片が膝窩部に引き込まれることがあるので、後方から切離したほうがよい。

 

ⅱ.水平断裂,横断裂および変性断裂

2点法にて少しずつ切除していく。切除しながらプローピングして、損傷部分を確認する。こうしてなるべく切除範囲を最小限とする。中節から後節は直の鉗子で切除するが、前節部分の処理はむずかしい。90°の曲鉗子や、特殊な鉗子を使用すると便利である。切除後断端を、残余部分と形状を合わせるようにトリミングする。

後療法は、荷重を部分切除では数日後から、全切除は関節軟骨への影響を考慮して1週間後から許可する。スポーツ復帰は症例により異なるが、若年者であれば1ヶ月以後に、中年者は2ヶ月以後としている。

 

d.円板状メニスクスの治療

円板状メニスクスの頻度は剖検例では4~7%とされているものの、関節造影や関節鏡で診断された円板状メニスクスは10~20%と、わが国では欧米に比べて多い。この円板状メニスクスの自然経過として①無症状に経過する、②外傷性あるいは突発性に円板状メニスクスの断裂をきたし、半月症状を引き起こすか、あるいは外側型の膝関節症に進展する、③厚い円板状メニスクスの存在にて下肢軸を内反させ内側型関節症の原因となる、の3つが考えられる。下肢軸がX脚であれば円板状メニスクスの損傷を起こしやすいと思われるが、どのような因子が円板状メニスクスの運命を決めるのかはむずかしい。

円板状メニスクス損傷の発症時期は各年代にみられるが、10歳代および20歳代に多い。しかし、ずっと無症状で経過して、高齢ではじめて発症する例も少なからず認められる。また人工膝関節置換術の際、正常な円板状メニスクスに覆われた脛骨プラトー面がよく温存されているのに気づくこともあり、円板状メニスクスでも荷重伝達機能がある。よってその治療方針は慎重であるべきで、とくに幼年者においては、初回のエピソードではまず保存的に対応する。ギプス包帯による安静や、ロッキングに対して牽引治療が有用である。しかし、①再発を繰り返すもの、②ロッキング状態が改善しないもの、③大腿四頭筋の著明な萎縮例などでは、円板状メニスクスはもはや関節内では異物と考えられ、手術の適応となる。とくに若年者で特発性の円板状メニスクス損傷の術後成績は、きわめて優れている。

 

5.リハビリテーションプログラム

a.保存療法

●ACL損傷合併例

ACL再建を加えた例では、ACL再建のリハビリテーションに準じて行う。術後膝装具を装着、2日目より持続的他動運動(CPM)による可動域訓練を、2週間後より部分荷重を開始し、4週間で全荷重とする。ジョギングや軽いスポーツは4ヵ月後、競技スポーツは8~10ヵ月後より許可する。状況に応じてMRIにて断裂半月板のチェックを行う。

 

b.縫合術後

●単独損傷例

断裂の部位、長さおよび断裂形態にもよるが、基本的に術後、膝屈曲20°のギプス固定とし、4週間の固定と免荷を行う。その後、部分荷重と可動域訓練を開始し、徐々にDYJOCトレーニングやアスレチックリハビリテーションを始める。術後5~6週で全免荷を許可する。ジョギングや軽いスポーツは術後3ヶ月から開始するが、術後の大腿四頭筋筋力が健側比で80%に回復するには約4ヶ月を要することが多く、それに合わせスポーツ開始も術後4ヶ月を目標とし、筋力が健側比の80%以上に回復し、関節水腫のないことを条件に、許可している。また可動域訓練はとくに制限を設けてはいないが、後節を縫合した場合では、深屈曲位を術後3ヶ月は避けるよう指導する。

 

手術直後:膝屈曲20°の大腿~下腿ギプス固定

翌日:松葉杖にて息肢非帝王歩行、quadriceps setting、SLR

1週:抜糸、退院

4週:ギプス除去、部分荷重、膝可動域訓練、DYJOCトレーニング

5~6週:全荷重

3ヶ月:ジョギング、種目別トレーニング

4ヶ月:筋力が健側比の80%以上、関節腫脹および関節水腫なし、→スポーツ開始

半月板縫合術後(単独損傷)のリハビリテーション

●ACL損傷合併例

ACL再建を加えた例では、ACL再建のリハビリテーションに準じて行うが、荷重のみ1週間遅らせている。

 

c.切除術後

●単独損傷例

術翌日より膝関節可動域訓練、筋力訓練、荷重歩行、神経運動器協調訓練を開始する。神経運動器協調訓練は、動的制御能を改善させる目的に、壁を利用しての筋力訓練(閉鎖運動連鎖)、タオルを利用した足趾把持訓練、不安定板やボールを利用した安定性訓練などのDYJOCトレーニングを行っている。その後疼痛や腫脹のみられない範囲で徐々にスポーツ復帰に向けたアスレチックリハビリテーションを開始する。スポーツ復帰の時期は、筋力が健側比の80%以上に回復し、関節水腫のないことにより、約1ヶ月でのスポーツ開始を目標としている。

ここで注意すべきことの1つが、半月板切除後早期に現れるMRIでの一過性の骨髄信号強度変化である。これを認める症例では、関節水症や関節痛を伴うことが多く、スポーツ復帰に影響を及ぼす重要な変化である。関節水腫や運動時痛の遷延する症例では、当初のスポーツ復帰のスポーツ復帰を遅らせ、MRIにて骨髄信号強度変化の有無を確認する。MRIにて骨髄信号強度変化がみられなくても、関節水腫が持続することがある。これは半月板を切除したため局所的な不安定性が生じることが原因と考えられる。関節水腫や痛みの程度を注意深く観察し、MRI評価も参考にしながら、筋力訓練などの基礎トレーニングを中心に行い、関節水腫や痛みの程度によって練習量を調整することが必要である。

内、外半月板とも術前から下肢の荷重位単純X線によるFTAで下肢のアライメントのチェックを行い、状況で内側半月板では外側高の足底板を、外側半月板では内側高の足底板を装着させている。これは前期のMRIの骨髄信号強度変化発生の予防的効果もある。

 

手術直後 弾力包帯固定
翌日 膝可動域訓練,筋力訓練

DYJOCトレーニング,荷重歩行

3日から1週 退院
2~3週 ジョギング,アスレチックリハビリテーション,

種目別トレーニング

1ヶ月以降

筋力が健側比の80%以上

関節腫脹および関節水腫なし

→スポーツ開始

半月板切除後(単独損傷)のリハビリテーション

 

●ACL損傷合併例

ACL再建を加えた例では、ACL再建のリハビリテーションに準じて行う。大腿四頭筋筋力の回復程度、MRIでの切除半月および周囲での変化、X線でのアライメントの変化にも配慮する。

 

a.半月損傷(鏡視下半月板切除)

術前より筋力強化を開始し、松葉杖歩行を指導する。手術翌日より両松葉にて部分負荷とし、弾性包帯固定のまま、自動的関節可動域訓練および大腿四頭筋の等尺性訓練を開始する。同時に上肢、体幹、健側下肢の筋力強化を開始する。

膝の疼痛のない範囲で可動域が徐々に拡大するにつれ、2~3日後より大腿四頭筋およびハムストリングの等尺性訓練を増強し、等張性訓練を開始する。ハーフスクワットを開始し、4~5日後よりスクワットマシーンを用いる。術後1過で膝の腫脹、熱感、疼痛のないことを確かめ片松葉で退院する。

砂袋またはゴムチューブなどを利用した等尺性および等張性訓練を指導する。自転車エルゴメーターによる訓練は、膝の速い動きの訓練や筋力強化になるだけでなく、心肺機能を回復させるのに役立つ。全体量負荷を許可するが、速歩や階段昇降は制限が必要であり、片松葉や手すりを利用するように指導する。術後10~14日で抜糸するが、関節の炎症所見のないことを確かめる。

2週以後は水中訓練、水泳、ジョギング、自転車エルゴメーター、各種マシーンを用いた筋力強化をスポーツ種目特性を考慮して指導する。本格的な競技スポーツの訓練はこの時期には困難であり、個人の基礎的トレーニング計画を選手だけでなくコーチにも指導する。膝の状態は不安定であり、訓練の方法や量によってover-trainingによる膝痛、腫脹、水腫、熱感、可動域制限が発生しやすいので選手、コーチに説明し、週に1度は外来にて診察し、必要があればトレーニング計画を修正し、指導することが大切である。

4週以後は競技レベルの訓練に復帰させるが、トレーニングの方法と時間を制限することが多い。団体競技の場合は、チーム練習に参加するメニューと個人で訓練するメニューを分けて指導することが大切である。

ランニングが基本であるが、トップスピードが可能になるのは術後2~18過と症例により差がある。ランニングの評価に応じて、ストソプ、ターン、ジャンプ、ひねりなどの複合動作の訓練を指導する。競技レベルのスポーツ訓練に復帰し、試合に出場できるようになるのは、早ければ4過であり、平均では術後2~4カ月である。

b.半月損傷(半月版縫合)

リハビリテーションプログラム実施上の要点を述べると、まず早期には、原則として固定は行わず、荷重の制限のみ(3~4週より部分、6~8週で全荷重)を指導している。ただしスポーツ復帰については、前述した修復部の成熟過程を考慮し、当初のプログラムと著変なく、術後6カ月での復帰を目標としている。ACL損傷に対する手術を併用して行った場合にも、早期のプログラムは同様であるが、スポーツ復帰はやや遅れ、術後9~12カ月となる。

スポーツ復帰に向けては、他の膝損傷・障害の場合と同様、十分な膝周囲筋筋力の回復とagilitytrainingを前提とすべきことは当然である。術後6カ月でスポーツ復帰はあくまでも一つのめどであり、これら前提が満たされない状態での復帰は、再受傷・新たな障害発生の可能性をはらむものである。

□膝内障とその周辺

一般に関節疾患のリハビリテーション(以下りハと略す)は、関節機能低下の予防および回復のための運動療法(therapeutic exercise)が主なものである。温熱、マッサージ等は補助的な意味しかもたない。

運動療法は、運動領域訓練と筋力増強訓練に大別される。

多くの関節疾患のリハではこのうち前者が重要視されることが多いが、膝関節疾患では、後者、特に大腿四頭筋(以下四頭筋と略す)の機能訓練が重要視され、特に半月損傷では、そのリハはすなわち大腿四頭筋力増強訓練であるといっても過言ではない。

これは、起立歩行を行うのに適応した人類の膝関節の特異な機能に関与する四頭筋の重要な役割のためであり、膝関節疾患のリハを行うには医師はまずこのことを理解し、患者に説明してその協力を得ることが前提となる。

したがって本項ではまず四頭筋の機能とその訓練法についての概略を記し、次いで、半月損傷リハの具体的方法について述べる。

1.四頭筋の機能

四頭筋は人類においては、単に膝関節の伸展運動を行うだけではなく、その完全伸展と、荷重下での肢位の保持を可能にする最大の要因である。膝関節の最終15°の伸展には、それ以上の屈曲角における伸展筋力の約1.6倍以上を要するといわれる。すなわち、起立、歩行および各種の運動を行うのに必要な膝関節の支持性、安定性には、膝関節を構成する骨、関節包、靭帯などの静的な支持機構に加えて、四頭筋の強大な筋力による動的なコントロールが不可欠である。

周知のように、各種の膝の疾患には四頭筋の著明な萎縮と筋力低下が合併する。筋力の低下による支持性の低下は関節の負荷を増大し、疼痛や水腫の原因となり更に筋萎縮を来たす悪循環を形成しやすい。したがって治療に当っては、疾患の原因除去と同時に、四頭筋を主とする関節周囲の筋群の筋力の維持、増強に努力し、この様な悪循環を断つことが、膝関節機能の回復にとって必要なのである。

2.四頭筋の機能訓練

筋力は全く収縮刺激を欠く時は、1日に最大筋力の5%の割合が低下するが、35%以上の力で収縮を行えば、その維持あるいは増強が期待できるといわれる。筋の機能訓練はすなわち、筋収縮の訓練である。

筋肉の収縮は等張性収縮と等尺性収縮に分けられる。前者は筋の短縮をともなう収縮、すなわち関節運動をともなう収縮であり、後者は筋の長さを一定にした収縮、すなわち関節の肢位を変えないで行う収縮である。両者のいずれが筋力の増大に有効であるかについては数々の意見があり、一定の結論は得られていないが、実際的には、疾患の急性期で関節の安静あるいは固定を要する時には後者による訓練を行い。関節運動が可能になってからは前者の方法が加えられる。代表的な訓練方法には以下のようなものがある。

a.Quadriceps setting(or drill)exercise(Quad.drillと略す)

膝伸展位で四頭筋を繰り返して収縮させるsometricな方法である。習得が困難な場合があるので、手術を行う前に練習をさせて置くべきである。長坐位で手を前方に伸ばして患肢の趾に触れる動作、仰臥位から支持なしに上半身を起こす動作あるいは膝窩部をベッドに押しつける動作などは四頭筋の収縮をともなうので、これを行わせて感じを体得させるのがコツである。

b.Straight leg raising exercise(SLRと略す)

患肢を伸展位のまま挙上する運動である。筋力が弱い時、疼痛を生ずる時などには、徒手または重錘によるcounter balanceを加えて介助的に行う。下腿の重量に抗する力がついたら、足部に抵抗を加え、これを漸次増加する。

抵抗自動運動:90°屈曲位から完全伸展位まで負荷に抗して最大またはこれに近い負荷に抗して伸展位を保持する。足関節部に砂のう等の重量を加えてもよい。

等尺性訓練:伸展する。

c.Progressive resistive exercise(PRE)

腰かけ坐位から自動的に膝を伸展するisotonicな運動である。筋力が弱いときには介助的に、下腿重量に抗する力がついたら足部に重量を加え、これを漸増して行く。Delormeの方法が最も有名である。

d.Brief maximal isometric  exercise

膝関節完全伸展位を保持し得る最大の抵抗を足部に加え、これを6秒間保持させる。1日1度が訓練で十分とされ、実験的には筋張力の増強にきわめて有効とされる方法である。

3.半月板損傷のリハ

半月板剔出術後のリハのプログラムは、人により多少異なるが、前に述べた様に、四頭筋機能訓練が主体であることが読者に共通して認められている。運動範囲は特に積極的処置をとらなくても自然に回復し、拘縮を残すことはまずない。

当科では以下のように術後から1週毎に段階をつけた計4週のプログラムを基本として満足すべき結果を得ている。なお術前にはQuad.drillの要領を教え、時間的余裕があるときは更に積極的な筋力増強訓練も施行しておく。

a.第1週:安静期とする、患肢は完全伸展または軽度屈曲位で大腿から足部までのギプスシーネ固定を行う。術後の疼痛が緩解したら早期にQuad.drillを開始する。朝晩数回ずつから、毎時間10回位までに回数を漸増し、1回の収縮維持時間も増加させる。術後3~4日からSLRを追加する。ギプスの重量抵抗があるため、最初は介助を要する場合が多い。この訓練も苦痛のない範囲内で回数と挙上位維持の時間を漸増する。

b.第2週:自動運動期とする。外固定を除去し、自動的屈伸を許可する。運動は疼痛のない範囲内で行い、決して強制的には行わない。通常この週の終りにはほぼ完全屈曲が可能となる。この間Quad.drill およびSLRは続行し、90°屈曲が可能で筋力が3以上の時は、膝かけ坐位で屈曲から完全伸展までの自動運動を追加する。2週の終りに抜糸をする。

c.第3遇:抵抗運動期とする。これを始めるには下腿重量に抗しての完全伸展が可能である事が前提である。抵抗運動は、当初主にisometricに行い、次第にisotonicな方法を加味する。当科では10R.M.(屈曲90°から0°まで10回くり返して伸展可能な最大抵抗重量-10repetition maximal resistance)程度の抵抗で屈曲位からの完全伸展を行い、そのまま5秒間維持させる方法を好んで行っている。抵抗は筋力に応じて増加する。なお、chondromalacia patellaの合併がある時はisotonicな運動は好ましくないとされる。

d.第4週:荷重期とする。松葉杖を使用しての部分荷重から、次第に全荷重での歩行を行う。完全自動伸展と多少の抵抗に抗してのSLRが可能であり、関節水腫のない事が前提である。後期には階段昇降、自転車運動などを追加することもある。この週の終りに退院とする。退院後も自宅または通院で四頭筋力が十分に回復するまで訓練を行う事を指示する。運動競技等の軽いトレーニングは3カ月後位から許可する。

上記のプログラムは、患者の全身および局所の状態に応じて適宜修正を要する事は当然である。早期の関節水腫は通常1~2度の吸引によって消失する。訓練の後、局所の熱感や疼痛があり、翌日まで残存する場合はその程度に応じた減量または安静が必要である。第2~3週頃から頑固な水腫を生ずる場合が時にある。中・高年者の特に女性に多い。この様な水腫に対しては単に吸引するよりもむしろ温熱療法、四頭筋訓練を十分に行ない荷重は延期するのが望ましい。

 

6.半月切除術の予後

従来の関節切開法による半月全切除術、または亜全切除術による長期術後成績は多数報告されている。著者らの108膝術後平均6年1ヶ月の成績を中心に述べる。合併靱帯損傷のない単独半月損傷での成績は、89%において優または良の成績であり、一般的にいって単独半月損傷の術後長期成績は良好といえる。術後経過年数、手術時年齢、受傷から手術までの期間などと成績は相関しない。術後成績に最も影響を与える因子は、合併する前十字靱帯損傷であり、これがあると術後成績は芳しくなく、これは諸家が一致して認めるところである。

スポーツ活動への復帰については、スポーツ競技者とスポーツ愛好者では差があり、競技者では100%、愛好者では鏡視下手術では88%、関節切開法では72%となっている。

一般的に術後4週前後からジョギングを開始し、8週前後で全力疾走ができるようになり、3ヶ月前後で試合に復帰できるようになる。

しかし、円板状半月の切除後は、これより倍近く復帰まで時間を要するのが普通である。

一般的にスポーツ復帰は、このように良好であるが、バレーボールやバスケットボールなどのように、ジャンプ‐着地が多い種目で、かつ練習が質、量ともに多い高いレベルでの状況では、半月切除後に痛みや水腫を訴えることが少なくない。このようなスポーツ環境には、時間をかけた慎重な復帰が必要である。

Fairbankが半月切除術X線上に変形性変化が現れてくることを指摘して以来、これは諸家が一致して認めてきた。これは健側膝の加齢変化を超えるものではあるが、かならずしもX線上の変形性変化は愁訴とは結びつかないと主張する者が多い。また変形性膝関節症への移行については、まだかならずしも明らかではないが、術前に合併軟骨損傷や前十字靱帯損傷がない単独半月損傷では、術後年月を経ても愁訴のある変形性関節症には移行しないと推定している。

 

7.半月への血管および神経支配

半月の血管分布に関してはScapinelliやArnoczkyらの報告があり、半月への血行は、内側および外側の上・下膝動脈と中膝動脈の5本の血管から由来している。内側半月、外側半月ともに前角および後角部分には血管に富んだ滑膜が覆い、同部に血管を送り込んでいる。体部では個人差もあるが、辺縁部から半月の幅の1/4から1/3の部分にのみ、関節包および滑膜からの血管が半月実質内に入っているのが認められる。ただし、胎児の半月では体部全体にわたって血管がみられ、成長につれて徐々に内縁部より血管が消失するとされている。また、外側半月の膝窩筋裂口に相応する部分には血管がみられない。これは半月と膝窩筋腱間の動きによる圧力で無血管野になったと考えられている。

神経支配では半月には神経がみられないとする報告もあるが、現在では半月の外1/3に自由神経終末がみられ、中1/3にも少なからずとも存在すると考えられている。また前角および後角にはこれとは別に、Pacini小体、Ruffini小体やGolgi小体などの固有受容器が認められる。以上の神経分布は性別や内外側には差がなく、加齢につれその数が減少するとされている。

さて、外および中1/3に存在する自由神経終末は、半月損傷が同部にまで及べば痛みを引き起こす可能性があり、前角および後角の固有受容器は、同部が膝の動きでもっともストレスを受けやすい所であることから、半月の固有受容器からの情報伝達としての動きを担っているものと考えられる。

 

8.半月損傷の痛みの発生機序

自覚症状として疼痛を主訴とする者がもっとも多い。普通、半月が損傷された側の関節裂隙を中心に痛みを訴えるが、関節全体や時に反対側に疼痛が存在することがある。実験例でも手術した835半月のうち、外側半月損傷(円板状メニスクスも含む)を内側半月損傷と部位診断を誤ったのは24半月(2.8%)であった。この理由として,外側半月は内側半月ほど膝関節伸展時のねじ込み運動(screw‐home movement)に関与しておらず,荷重もあまりかからないため症状に乏しいことがあり,逆に内側に症状が出現するものと考えられる。また,内側半月損傷の急性期は荷重時痛が強く,円板状メニスクスでは疼痛が少なく,弾発が多くみられる。

疼痛の発生機序としては,断裂が半月実質の外1/3から中1/3に及べば,前述の神経支配により自由神経終末から痛みが伝えられる可能性がある。慢性期になると膝の動きにより断裂片が嵌頓し,あるいは断裂が拡大してロッキングを生じると,周辺の滑膜が牽引され二次的に滑膜炎を起こし,痛みを生じてくる。またロッキングの状態が続くと,断裂片にて関節軟骨が侵食されて,徐々に関節炎を引き起こす。

膝くずれ(giving way)は半月損傷,前十字靱帯損傷,膝蓋骨不安定症,関節内遊離体,高度の大腿四頭筋萎縮などにみられるが,半月損傷の場合は歩行中に方向を変えたり,凸凹道を歩いたり,あるいは運動中に膝がガクンとして外れたようになり,関節内で何かがすべったように感じる。しかし前十字時靱帯損傷ほどはっきりしたものではない。この機序として,半月の断裂片が大腿骨と脛骨間に挟まれて正常の膝関節の動きが障害されたり,あるいは断裂片が挟まれたときに痛みを生じ,大腿四頭筋が反射性に抑制されて膝崩れが起こるものと説明されている。


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