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ヾ(@゜▽゜@)ノ失語の話


(^_^;)題名:失語の話

1. 言語障害の種類

言語障害といっても、その内容はさまざまである。神経症候として重要なのは構音障害dysarthria、anarthriaと失語「症」aphasia、dysphasiaである。この両者は必ず鑑別すべきものである。構音障害というのは、発語に関係する神経や筋肉の障害によって起こり、うまくしゃべれないということである。患者自身は言葉の理解も正常で、いうことも、考えていることも正常であるが、思うように発語できない。書字、読書に関しては異常がない。声帯の障害で声が出ないのを失声aphoniaという。一方失語「症」は、発語に関する筋や末梢神経には異常がなく、知能や意識の低下もなく、聴力の障害もないのに言語による表現や文字の理解ができないものをいう。

その他、意識は清明で、構音障害と失語「症」もないのに全くしゃべらないのを無言「症」mutismという。ヒステリーなどの精神障害者にみられる。また眼を開いているが、全く無言で、随意運動もせず横たわっている一種特有な意識障害の状態を無動性無言「症」akinetic mutismといい、網様体賦活系の部分的障害などによって起こる。

同じ言葉を何度も繰り返していうのを、同語反復palilaliaという。たとえば「先生、カエリタイ、カエリタイ、カエリタイ・・・」などである。言葉の末節だけを何回も繰り返す。たとえば「トウキョウエキ、エキ、エキ・・・」などというときは、言語間代症logocloniaという。進行性麻痺、初老期痴呆の一型であるアルツハイマー病など痴呆患者に認められる。

 

構音障害における診断のすすめかた

構音器官というのは、口唇、舌、咽頭、喉頭などである。構音障害はこうした器官の筋や、それを支配する神経系の異常で起こる。まず顔筋麻痺の有無を調べる。麻痺があれば、口笛がうまく吹けないし、唇音であるパ行がうまく発語できない。舌の筋萎縮、偏奇、運動障害などがあれば舌音であるラ音がうまく発音できない。

歯の脱落でも言語は不明瞭となる。声が鼻に抜けるときは、軟口蓋の麻痺、奇形の有無をみておく、嗄声を示すものでは、喉頭麻痺の有無を耳鼻科的に検査する。

つぎに他の神経学的所見をも合わせて次のように原因的診断をすすめる。

 

脳血管障害

片麻痺と同側の顔面および舌下神経麻痺を示すものでは、軽度な構音障害を認めることがしばしばある。両側大脳半球や、脳幹部の血管障害では、いわゆる偽性球麻痺pseudobulbar palsyに陥り、著名な構音障害を示す。

パーキンソン病

口唇や舌の筋強剛のために構音障害を示す。発語は不明瞭となり緩徐および不明瞭slow and slurredで、これを言語緩慢bradylalia、bradyarthriaという。調子は単調monotonousになる。

小脳疾患

不明瞭発語slurred speechで、とぎれとぎれで言語緩慢となり、調子は不規則である。重症になると爆発性発語explosive speechとなる。音節ごとにとぎれ、発音不明瞭な運動失調性発語を断綴性発語scanning speechという。

球麻痺

進行性球麻痺progressive bulbar palsyでは、構音筋の麻痺と萎縮により障害を示す。

まず唇音が侵され、ついで舌音、歯音(サ音)、喉頭音(カ音)、なども障害され、軟口蓋麻痺に陥れば鼻音になる。筋萎縮性側索硬化症の末期によく認められる。

重症筋無力症

本症では、しゃべっているうちに言語は次第に緩徐、不明瞭になる。休息させると、元に戻る。

 

失語「症」検査の注意事項

検査前の注意

右利きか左利きか?

右利きなら言語中枢は95%以上左大脳半球にある。左利きでも中枢は、70~80%は左大脳半球にあるが、左利きの中には、右半球にあるものもある。生来左利きでも、右で字を書き、両手利きambidextrousということもある。

読み書きなどの教育程度はどうか?

教育程度によって、言語理解、書字、読字の能力も異なるので、臨機応変に検査する。

意識は清明であるか?

意識障害は、たとえ軽度でも存在すれば、失語「症」があっても、ほとんど局在診断に意義を持たない。

視力、聴力はどうか?

これらの障害があるときには、失語「症」の詳細な検査は困難である。

発病前にすでに精神薄弱ではなかったか?

こういうときには失語「症」の検査は無意味である。

検査時の注意

失語「症」を認めるような患者は、検査にきわめて疲労しやすいものである。一方、患者の応答が不確実なので、検査はつい長引きやすい。1回の検査はせいぜい15~20分にとどめ、何回にも分けて行うべきである。

患者が気持ちよく検査に協力してくれるように努力する。そのためには検査の目的を分かりやすく説明する。患者がうまく答えられなくても同情と理解をもって激励するようにする。

 

失語「症」の検査法

つぎのような一定の項目について行い、これらの検査結果を総合して、病型を診断することができる。

① 自発言語 Spontaneous Speech

話しかた

自発言語に異常はないかを確かめるため、まず姓名、住所、生年月日などを聞く。つぎに患者の症状、職業、家庭の状況などについて話をさせる。この際に発語の量(正常か、多いか、少ないか)、発語に努力を要するか、韻律prosody(言葉の速さ、リズム、抑揚など)は正常かどうか、句の長さはどうか、単語を組み合わせて正しい文になっている(統語)かどうか、誤り言葉(錯語)があるかどうか、多弁で止まらない状態(言語促迫press of speech)があるかどうかに注意する。

失語「症」は以上の点から表1のごとく、非流暢性失語nonfluent aphasiaと流暢性失語fluent aphasiaに鑑別しうる。

 

表1 流暢性fluencyと失語

非流暢性失語 流暢性失語
発語の量

発語に対する努力

韻律

句の長さ

統語障害

 

錯語

言語促迫

少ない

努力を要する

障害されている

短い

単語の羅列が多い

(失文法)

まれ

減少

正常または多い

正常

正常

長い

言葉としてはつながっているが、内容はよく分からない(錯文法)

多い

増加

障害部位 ブローカ野 ウェルニッケ野

語想起 Word Recall

意図した言葉を必要に応じて適切に用いるのを語想起という。失語「症」では語想起障害が起こる。語想起を簡単に試験するには、鉛筆とかタバコなど日常用いる物品や、その絵などをみせて、何であるかを言わせる。これを呼称namingという。物品の名称を思い出せないのを語健忘「症」wold amnesiaという。その際、患者はまわりくどく、その用途を述べたりする。たとえば「コップ」という名称を思い出せないで、「これは、その、水を飲むためのものです」という。これを迂言、迂回操作circumlocutionという。

保続 Perseveration

たとえば、鉛筆をみせると、「エンピツ」と答える。つぎに時計をみせても「エンピツ」、茶碗をみせても「エンピツ」と答えるような場合を保続という。

錯語 Paraphasia

たとえば、タバコを「タビコ」、時計を「タケイ」、というように、1つの文字の読み誤っているものを字性錯語literal paraphasiaという。タバコを「トケイ」、時計を「マッチ」というように単語全体の読みが誤っているものを語性錯語verbal paraphasiaという。これはウェルニッケ失語によくみられる。

ジャルゴン失語 Jargon Aphasia

患者はしきりに話をする。すなわち多弁でテンポも速いが、錯語が多くて、わけのわからぬ発語(ジャルゴン)である。言語促迫となり、言語が止まらない状態になる。これを語漏logorrhoeaという。患者は自分が誤った言葉をしゃべっていることを自覚しない。

統語性失語障害 Syntactical Aphasia

失語「症」では単語を組み合わせて正しい文を作る機能が障害される。単語の羅列で、助詞や助動詞が省略され、動詞などの活用も出来ず、ちょうど電報の文章のようになるのを失文法agrammatismとよぶ。これは非流暢性失語、ブローカ失語に特徴的である。

これに対し、単語はつながっているが、文法的な誤りが多く(錯文法)、錯語も加わって、言っていることがわからないのは、流暢性失語、ウェルニッケ失語である。

② 復唱 Repetition

検者のいった言葉を患者に復唱させる。まず「ア」、「イ」、「ウ」のような単音から始め、日常用いられている単語、短い文章、さらに無意味な音の羅列、たとえば、「アマウサタナミ」などを模倣させる。復唱できるかどうかは後に述べる失語「症」の分類に大切である。復唱させるときには、構音障害はないか、錯語はないかに気をつける。

言語野に病変のある失語「症」のときには、復唱は障害され、言語野をとりまく周辺部に病変のある失語「症」では復唱は障害されない。しかし周辺領域が広範に損傷され、言語野のみが残存する状態では、反響言語echolaliaが著しい。反響言語とは、他人の言葉や文章を不随意的に反復することで、例えば問いかけに「おうむ返し」にくり返す状態である。

③ 言語了解 Auditory Comprehension

自発言語についての検査で、大体患者の了解が正常か、障害されているかはわかるが、一応つぎのように検査する。まず単純な命令、たとえば「眼を閉じてください」、「口を開けてください」、「舌を出してください」から始める。次第に複雑な命令にして「左手の母指と人差し指で、右の耳をつかんでください」などの命令に正確に応じるかどうかをみる。

④ 読字 Reading

字が読めないのを失読「症」alexiaという。たとえば「口を開けなさい」などと書いた紙を見せる。指示に従えば了解が可能なわけである。日本人では、学歴に応じて細かく検査する。漢字、平仮名、カタカナ、ローマ字、英語などについても試験する。失語「症」の場合には漢字を読む力は比較的に保たれており、仮名のほうが障害されるので注意を要する。音読reading aloudをさせてみて、誤りがあるのを錯読paralexiaという。数字についても一応検査しておく。

⑤書字 Writing

手に運動麻痺がないのに、字が書けないものを失書「症」agraphiaという。右手の麻痺で字が書けないときには、新聞などをみせて、その中から検者の示した字を左手で指すようにさせる。書字の検査は鉛筆を用い、紙に氏名、住所などを書かせる。これができるなら、鉛筆、時計などの物品を示して、その名前を書かせる。さらに適当な文章を書かせる。これは自発書字の検査である。つぎに書き取りをさせる。また検者の書いたものを写させる。

一般に自発書字が最も障害され、つぎに書き取りがむずかしい。写字はほとんどの失語「症」では侵されない。漢字と仮名について分けて検査するとよい。書字の誤りを錯書paragraphiaという。

⑥ 失行「症」、失認「症」の有無

失語「症」と合併することがあるから、必ず検査する。

⑦ 知能、感情の検査

計算、記憶、感情についても検査しておく。

⑧ 神経学的診察

片麻痺、半身感覚障害、半盲などの神経学的徴候の有無に気をつける。

 

表2 失語「症」の分類

病型 自発言語 復唱 言語了解 文字了解 音読 自発書字 書取り
運動性失語

(表出性失語)

ブローカ(皮質性運動性) × × × × ×
純粋運動性(皮質下性運動性) × × ×
感覚性失語

(受容性失語)

ウェルニッケ(皮質性感覚性) 語健忘

保続

錯語

錯文法

× × × × 錯書 ×
純粋感覚性(皮質下性感覚性) × × ×
全失語(表出 ― 受容性失語) × × × × × × ×
伝導性失語(中枢性失語) 錯語 × 錯読 錯書 錯書
健忘性失語 語健忘
超皮質性失語 超皮質性運動性 ×
超皮質性感覚性 錯語 × × 錯読 錯書

○正常 ×障害 △軽度障害

 

失語「症」の病型と障害部位

言語野 Language Area に病変のある失語「症」

▥ ブローカ失語 Broca Aphasia

会話は非流暢失語を呈し、高度になると無言状態 mute state に陥る。言語了解の障害は軽度であるが、複雑な命令には了解困難を示すことが多い。復唱は障害されている。

構音障害、韻律の障害を伴うものが多く、発語失行 apraxia of speech とよばれている。

文字の音読も困難で、文字了解すなわち読解力も低下することが多い。読解力では仮名文字の障害が漢字より目立つことが多い。自発書字、書取りも障害されている。神経学的にはしばしば右片麻痺を伴うので、右手による書字の検査は不能のことが多い。

また顔面失行 facial apraxia を呈することがある。これは顔面部の随意運動を命令に従って行うことができない状態である。たとえば「口を開けて下さい」、「舌を出して下さい」と指示しても、これに応ずることができない。

障害部位は優位半球の前頭葉(下前頭回の後部、弁蓋部および三角部)に位置するブローカ野とされていた、しかしブローカ野そのものの破壊では、ブローカ失語は起こらず、現在ではその発生にはブローカ野のみでなく、その周辺領域(中心前および後回の下部、頭頂葉弁蓋部、島葉など)の皮質および皮質下白質の広範な障害が関与しているとされている。こうした部位を障害する原因は中大脳動脈の閉塞が最も多いが、脳出血、脳腫瘍、脳外傷でも起こりうる。

▥ 純粋運動性失語「症」Pure Motor Aphasia(純粋語唖 Pure Word Dumbness)

自発言語と復唱は障害されているが、言語や文字の了解や書字は侵されないものである。ブローカ失語の回復期にみられることが多い。障害部位はブローカ失語の場合とほぼ同じとされているが、左中心前回下部の病変が重視されている。

▥ ウェルニッケ失語 Wernicke Aphasia

言語や文字の了解は障害されるが、自発言語は流暢で流暢失語を呈する。すなわち、よくしゃべり、発語には異常はないが、錯語、語健忘、保続、錯文法があり、何を言おうとしているのかわからない。高度になるとジャルゴン失語を呈する。言語や文章の了解障害の程度は、軽いものから重いものまで、さまざまである。復唱は障害される。音読させると、字性または語性の錯読 paralexia がある。自発書字では paragraphia がみられ、書取りはできない。

神経学的には、しばしば同名性半盲(通常右側)を伴うが、片麻痺を合併することは少ない。病巣はウェルニッケ野で、優位半球上側頭回の後1/2とされているが、あまりはっきりしていない。現在はシルビウス溝後下縁から上側頭回、中側頭回の後半部を中心とした領域とみなされている。原因は中大脳動脈皮質枝の閉塞によるものが多い。

▥ 純粋感覚性失語「症」(純粋語聾 Pure Word Deafness)

言語の了解だけが侵され、そのため復唱や書取りもできない。自発言語には異常がない。ウェルニッケ失語の回復期、または初期にみられることが多い。病巣はウェルニッケ野にあるとされている。

▥ 全失語 Total Aphasia,Global Aphasia

自発言語は非流暢となり、言語了解も障害されている。復唱、文字了解、音読、自発書字、書取りもすべて障害される。片麻痺(右)、片側感覚障害(右)を伴うことが多い。同名性半盲(右)をも合併するがよく検査できないことが多い。

中大脳動脈の全領域が侵されて起こり、原因は中大脳動脈の梗塞である。回復しにくいが、回復してもブローカ失語に似た状態に移行する。

▥ 伝導性失語「症」Conduction Aphasia,中枢性失語 Central Aphasia

言語や文字の了解はできるが、復唱が著しく侵される。自発言語は流暢であるが、錯語があり、読み違えや、書き違えも起こる。障害部位はまだ確定されていないが、ウェルニッケ野とブローカ野との連絡路である弓状束 arcuate fascile が障害されるからとされていた。しかし、現在では弓状束障害も疑問視され、病巣は多様で1ヶ所には特定できず、優位半球のシルビウス溝上下部に分散した障害によるとされている。

b)境界域の障害による失語「症」

言語野は障害されていないが、その周辺領域が障害されて失語症を呈するのを超皮質性失語 transcortical aphasia とよぶ。

この領域は大脳動脈の境界域 border zone にあたり、脳梗塞で起こることが多く、境界域失語 borderzone aphasia ともよばれている。この型の失語では、復唱が保たれているのが特徴である。

▥ 超皮質性運動性失語 Transcortial Motor Aphasia

非流暢失語で、自発言語は少ないが、言語了解、文字了解、音読、復唱は良好である。病変はブローカ野前方から上方の領域である。ブローカ失語から回復して、この失語に移行することが多い。

▥ 超皮質性感覚性失語 Transcortical Sensory Aphasia

流暢失語で、言語了解、文字了解も障害されているが、復唱は良好である。しばしば反響言語がみられ、いわれたことをおうむ返しにくり返すが、内容は理解していない。錯読・錯書を伴い、特に漢字の読み・書きが障害される。語義失語では漢字の読み書きがほとんどできないが、仮名は流暢に音読できる。しかし、その意味内容の理解は障害されている。

病巣はウェルニッケ野の後方部で、ウェルニッケ失語から回復して、この失語になっていくことが多い。

▥ 言語野孤立症候群 Syndrome of Isolation of Language Area

自発言語も言語了解も障害されているが、復唱のみが残り、反響言語を呈する。

また検者がきまり文句をいいかけると、それを終わりまでいうことがある。これを補完現象 completion phenomenon という。これは言語野は残っているが、周辺領域が広範な障害に陥って起こるとされている。

c)その他の失語

▥ 健忘性失語 Amnestic Aphasia

語想起の障害を主体とした失語で、自発言語は流暢ではあるが、錯語や遠回りないい回し、すなわち迂回操作が混じる。物品の呼称 naming の障害が著しい。患者は示された物品が何であるかはよくわかっていても、その名称がいえない。復唱、言語や文字の了解、音読は良好である。名辞性失語 nominal aphasia は名辞の正しい理解・使用の障害による失語である。

病巣としては左角回または左中側頭回後端部の障害が強調されてきたが、現在では単独の責任病巣をもたない、び慢性障害によるとされている。

▥ 優位半球皮質下病巣による失語

視床、内包および被殻障害による失語が認められている。ことに視床障害による視床性失語 thalamic aphasia は、超皮質性失語と似ており復唱は良好であるとされている。また自発言語の減少、音量の減衰、語句の省略傾向、口頭言語の加速傾向などの特徴を有するとされている。

▥ 交叉性失語 Crossed Aphasia

利き手と同じ側の大脳半球の障害により生じた失語を交叉性失語という。右利きの人での右大脳半球病変で生ずる失語、交叉性失語の症例では総頸動脈内10%アミタール注入試験(和田法)により、言語の優位半球が利き手と同じ側にあることが実証されている。一応、家系に左利きの遺伝があるかどうかを検討すべきである。

▥ 失語「症」を伴わない失読「症」

失語「症」では失読・失書を伴うことが多いが、時に発症時から失語を伴わず、読み書きの障害のみがみられることがある。

①失読失書 Alexia with Agraphia,Alexia-Agraphia

読み書きは全くできないこともあるが、通常は仮名の読みは不良でも、漢字の読みは可能なことが多い。書く方は、仮名・漢字とも障害される。

病巣は左頭頂葉の角回で、失算や構成失行を伴うことが多い。回復するときには、失読が軽快し、失書が残り、頭頂葉性失書に移行する。

②純粋失読 Alexia without Agraphia,Pure Alexia

読むことが強く障害されるが、書字は侵されない。しかし、漢字の想起困難があり、漢字の書字はかなり困難である。書取りは比較的よくできるのに、それを自分で読み返すことができない。しかし、文字を指や筆でなぞらせると読むことができる(なぞり読み schreibendes Lesen〈 G 〉)。写字は障害される。

病巣は優位半球(左)後頭葉と脳梁膨大 splenium corporis callosi にある。

本症では左後頭葉内側面の障害で右同名性半盲がある。このため視覚情報はすべて右半球で受容されている。この情報は脳梁を介して左角回に伝えられる。しかし脳梁膨大の障害でこの経路が離断され(離断症候群 disconnection syndrome)て失読になる。


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