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ヾ(@゜▽゜@)ノ痴呆と鑑別の話


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(^_-)題名:痴呆と鑑別の話

1.意識障害(せん妄)

老年者では脳以外の色々な臓器の疾患あるいは病的状態においても意識障害が出現することが多い。意識障害は、傾眠・昏迷・反昏睡・昏睡の如く単純な形ではなく、これに精神症状が加わったりして複雑である。また、食欲不振、自発性低下、意欲減退、発言減少などが、意識障害に表現であることも少なくはない。

意識障害の存在する場合は、見当識障害があることから痴呆の症状と誤診されることがある。特にせん妄状態は、異常行動をとりえること、痴呆での周辺症候として出現することなどから痴呆と誤解されやすい。

2.うつ状態・うつ病

老年者では自分の病気、配偶者や友人の死など精神的にうつ状態にならざるを得ない環境が多いためうつ状態、うつ病はしばしば経験される。痴呆の初期にはうつ状態を示すことが多いことから先行する必発の症状と考えられ、仮性痴呆と呼ばれることもある。うつ状態は痴呆の一つの症状ではあるが、以下のようなうつ状態と痴呆の鑑別を念頭に入れておく必要がある。

痴呆 うつ状態・うつ病
初発症状 知的能力の低下 抑うつ状態
症状持続 長時間 たいてい短時間
症状の訴え方 症状を軽く言うまたは否認 記憶力低下、知能低下を強く訴える
気分 変化あり 一貫して抑うつ
知的能力 持続的に低下言語理解や会話が困難

日常生活でしばしば介助必要

訴えるほどの知的能力の低下はない言語理解や会話は困難でない

自力で身辺処理可能

脳波 明瞭な異常を認める 著しい異常はない
頭部CT しばしば異常をみとめる 著しい異常はない
薬物反応 抗うつ薬にあまり反応しない 抗うつ薬に反応しやすい

3.慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫は老年者に多くかつ痴呆症状を示すことから、老年者が痴呆症状を示し始めたときは常に念頭におく必要がある。慢性硬膜下血腫は頭部外傷で起こるが、ごく軽度な頭部外傷でも起こりうるため既往として認識されない場合もある。老年者の症例では若年者の症例より髄膜刺激症状がすくなく精神症状を主とした痴呆が顕著である。慢性硬膜下血腫は治療可能のため、早期にCTで確認する必要がある。

4.正常圧水頭症

正常圧水頭症は痴呆・歩行障害・尿失禁を三徴とするもので、発症が50~60歳代であり、脳血管障害、特にくも膜下出血後に出現する。脳血管障害に後遺するものが多いことから、また発症年代が比較的若いことから、脳血管性痴呆との鑑別が問題となるものである。とくに老年者の発症では痴呆を中心とする精神症状が60~65%に出現する。CT上脳室の拡大が著明であるが、脳溝は拡大していないかむしろ狭小化しているのが特徴である。手術により痴呆症状を治療することができるため、本症の鑑別は重要である。

5.神経症

痴呆の初期は神経症と紛らわしいことがある。記銘力障害、記憶障害を訴えても繰り返して質問するとこれらの障害のない場合、あるいはあっても生理的範囲の場合が常である。また、見当識障害は認められない。判断力、感情反応に異常が存在しても神経症では感情的な内的葛藤が原因であり、痴呆では色々な事像の重要性のランク付けが不十分となっているため判断が障害される。神経症では肉体的な異常の訴えが多く見られる。CTでは神経症は年齢相応の脳萎縮像のみであり、痴呆に比べて一般に脳萎縮の程度は軽い。

6.失語症

失語症、特に感覚性失語症、全失語の場合、意思の疎通が不十分なことから痴呆が存在すると誤診しやすい。しかし、これらの痴呆がある場合、外部からの刺激が遮断された形となることから、経過から見ると痴呆に移行しやすい。

7.精神分裂病

老年者では精神分裂病は少ない。老年者では若い時期に発症したものとされている。本症には、記銘力・記憶障害、見当識障害はなく、知的機能は保持されている。精神分裂病では思考過程、その結論については倫理的に承服しがたいところがある。しかし痴呆では回りくどくてもその結果は理解し得ることが多い。分裂症では感情面では動揺が少なく固定した印象を与える。脳波は分裂症では正常のことが常であるが、痴呆では異常が多い。CTでは分裂症で脳萎縮は少ない。若いときの既往を参考にして鑑別をする。

8.甲状腺機能低下症

本症は古くから痴呆症状を呈することが知られている。老年女子に多い。未治療ないし治療を中断した末期には粘液水腫といわれる危篤な状態となり、無表情・精神活動も低下することから痴呆と誤診されやすい。そのほかにも記憶障害や注意力散漫がみられることもある。さらに、うつ状態は幻覚妄想などの精神症状を伴うこともある。身体症状としては頭髪が薄くなる、皮膚のきめが粗くなり浮腫状になる、寒さに対する過敏症、徐脈などが特徴である。

検査所見:TSHの上昇、コレステロール値の上昇

治療:甲状腺ホルモン投与により機能が正常化すれば通常痴呆は治癒する

9.甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症では不安、易刺激性などの精神変調とともに記憶障害、注意集中力の低下などの痴呆症状を呈することがある。抑うつ状態、多幸、分裂病様の精神症状が見られることもある。老年者では振戦・頻脈・落ち着きのなさなどの典型的な症状が見られず、無関心・精神活動緩慢などの痴呆症状が主になることがあるので注意が必要である。

抗甲状腺薬の投与により痴呆症状は改善する。

10.ビタミンB12欠乏症

胃切除や萎縮性胃炎、内因性欠乏などによりビタミンB12の吸収障害が続くと、末梢性神経障害、亜急性連合性脊髄変性症、悪性貧血をきたすが、記憶障害・せん妄・幻覚妄想・抑うつなどの痴呆症状が生じることもある。診断は血清中のビタミンB12が低値を示すことから明らかになる。ビタミンB12の筋注射により神経症状は改善する。

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(^o^)参考文献

医療学習レポート.痴呆と鑑別


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