スポンサード・リンク

(*^-^*)全身麻酔薬の話


「全身麻酔薬」の画像検索結果

(1)全身麻酔薬の進行

全身麻酔薬には、外科手術を行う際に患者の痛みを取り去るのみならず、意識消失、骨格筋の弛緩など安全な手術を妨げるさまざまな生体反射の抑制が求められる。しかし、1種類の全身麻酔薬でこれらの条件を満足するものはなく、複数の麻酔薬に筋弛緩薬や麻薬性鎮痛薬などを使用し、バランス麻酔が行われている。

●麻酔深達:最近の全身麻酔はすみやかに作用が発現し、短時間で深い麻酔が得られるが、古典的な麻酔薬では用量や麻酔時間に依存して以下の4段階の麻酔深度が知られている。

第一期(無痛期):痛覚の減弱がおきるが、意識は不完全ながら保たれ、随意運動は可能である。このステージで無痛分娩などが行われる。

第二期(興奮期):意識消失と見かけ上の興奮状態がこのステージの特徴である。意識を含め上位中枢の抑制機構が麻痺することにより、筋緊張の口唇や喉頭けいれんなどの重篤な副作用が発現する。この時期を短く、かつ軽くすませることは、手術による侵襲の悪影響を避け、手術を円滑にするうえでたいせつになっている。

第三期(外科的麻酔期):骨格筋の緊張がとれ、呼吸・循環を除き反射も抑制される。通常、この時期に外科手術が行われる。

第四期(延髄麻痺期):呼吸は浅く不規則となり、血圧も下降しついには呼吸停止にいたり、死をきたす。

●作用機序:細胞膜の脂質二重層に溶け込んで、イオンチャネルなどのタンパク質の立体構造を変化させ、その機能を抑制することにより麻酔作用が発現すると考えられている。

(2)全身麻酔の前後の処置

●麻酔前投薬:全身麻酔を行う前には、原則として麻酔前投薬を行う。麻酔前投薬としては、モルヒネ・ペチジンのような麻酔性鎮痛薬と、アトロピン・スコポラミンなどの抗コリン作動薬またはペンゾジアゼピン系抗不安薬のミダゾラムや制吐作用のある抗ヒスタミン薬を組み合わせて用いることが多い。

これが必要な理由として、①手術に対する不安を除き、眠気をもよおさせる、②唾液および気管支粘膜からの分泌を抑える、③麻酔薬および手術操作による悪影響を予防する、④吸入麻酔薬による麻酔の導入をすみやかにする、などがあげられる。麻酔開始45~60分前に皮下注射をする。

●吸入麻酔薬と静脈内麻酔薬:全身麻酔薬には吸入により使用する吸入麻酔薬と静脈内に投与される静脈内麻酔薬がある。

(3)看護

□患者の特徴

手術を受けに手術室に入室してくる患者は、ほとんどが前麻酔薬を与薬されており、眠っていたり、傾眠状態で落ち着いているようにみえることがある。しかし実際は、患者は見慣れない環境やこれから受ける手術の経過や結果に大きな不安をもっており、じっと静かに耐えようとしていることが多い。

患者は全身麻酔がかかると、意識を失い身体を動かすこともできなくなる。そのため、患者の基本的ニードの充足、安全への対処、権利の主張、プライバシーの保持、手術の操作などのすべてに関して医療者の判断と実施にまかせることになり、完全に依存した状態になる。看護師は患者の安全をまもり手術が円滑に進むように、麻酔医や外科医と協力して、この依存状態にある患者を次に述べるような点から身体的および精神的にサポートする。

□援助の特徴

(1)患者をあたたかく迎え入れ、患者の不安を軽減する。

看護師の落ち着いたあたたかい態度は、患者の緊張感や不安を軽減する、処置を始めつ前に簡潔に患者に説明をしたり、患者がふるえていたらそばで手を握っていたり、寒さを感じないように掛け物を身体になじませたり、保温を確認したりする。これは患者が自分におこりつつあることを納得して受け入れることをたすけ、また余分な不安を軽減するのに役立つ。

(2)患者の代弁者となる。

麻酔中の患者は自分の意思や考えを表現できないため、それらが尊重され保護されるように、十分に配慮する必要がある。とくに、手術部位や手術体位の確認は病棟からの記録や引継ぎの内容ばかりでなく、術前訪問で患者から得た情報とも合わせて確認する。

(3)患者の安全を確保する。

麻酔中の患者は、麻酔の深度、手術体位、装着される器材によって受ける手術侵襲の大きさは異なる。またこれらは術後の回復過程にも大きく影響する。そのため、術中の患者の観察は重要となる。

術中の看護は、麻酔医と協力しながらバイタルサイン・出血量を測定し、体温を保持する。さらに圧迫や過伸展による皮膚の損傷、神経麻痺などがおこらないように手術体位を整え、保持する。また、麻酔中や手術中におこりやすい事故(気道閉塞、意識障害、出血による循環障害、電気機器による火傷・熱傷など)についても熟知しておき、それらを避けるための確実な方法を実施し、注意して観察する。

(4)手術過程を順調に進めるよう介助する。

□麻酔導入から手術開始まで

(1)気管チューブの固定

麻酔導入時の患者は、麻酔が浅いため、咳嗽反射や体動がおこりやすく、そのため、挿入したチューブやコネクター(接続管)が途中で抜けたり、はずれたりすることがある。患者に挿入される気管チューブは、呼吸の維持に欠かせないものであり、途中で抜けたり、はずれたりすることがおこらないように粘着性の強いテープでしっかりと固定する。

(2)手術に必要な体位の準備

患者に麻酔がかかり、気管チューブをしっかりと固定したら、手術の目的・術式に応じた体位をとらせる。手術に必要な体位には、仰臥位・腹臥位・左側臥位・右側臥位・座位・砕石位・シムス位・トレンデレンブルグ位などがある。これらの体位は、手術中もそのまま保持されるように、しっかり整えて固定する。このとき、圧迫しやすい部位には循環障害をおこさないように、神経の圧迫や腕の過伸展に注意する。

手術が長時間に及ぶことが予測される場合には、体温の低下を防ぐために温水還流マットを用いて保温したり、毛布やシーツで十分におおい、不必要な露出を避ける。また、血流がうっ滞しやすいような場合には、下肢に反復圧迫治療器などを装置し、循環を促すようにする。

□手術開始から手術の進行中

(1)手洗い看護師の役割

手術野の皮膚の消毒を準備し、手術野を清潔に保つために滅菌した布かドレープでおおう。手術が開始されたら術式にそって無菌的な操作で手術の介助をする。

(2)外回り看護師の役割

麻酔が適切な深度(至適麻酔)に安定したら手術が開始されるので、手術中の患者の全身状態を管理するために、麻酔医と協力しながら、患者の観察、出血量の測定などを行う。麻酔医の指示に従って輸血・輸液の準備をする。手術中の患者は、体温の低下をきたしやすいので、大量の輸液をする場合には、輸液を適度にあたためながら行うようにする。

□手術終了から麻酔終了時

(1)気道の確保と危険予防に配慮する。

手術が終了すると、麻酔からさめるように麻酔ガスもとめられる。この時期の患者は急激な変化をおこしやすいので細心の注意をして観察することが必要である。患者は麻酔から覚醒してくると、少しの刺激にも激しく反応することがある。そのため刺激で咳嗽反射をおこさないように、気道内分泌物の吸引は、注意深く静かに行うようにする。

麻酔終了直後の患者には十分に覚醒していないため、気道の閉塞や呼吸抑制が生じやすい。そのため気道の確保に気を配る必要がある。患者の口には必ずエアウェイを入れておき、誤って舌や口唇をかまないように予防する。また体動も激しく、ベッドから転落しやすいので、ベッド柵などを用いるなどして安全確保に十分配慮する。

(2)痛みの緩和、麻酔の覚醒をはかる。

患者によっては、麻酔終了直後から痛みを訴えることがある。手術直後の激しい痛みは、患者に苦痛と不安を与え、さらに呼吸抑制、創傷の安静の妨げにもなり有害である。鎮痛薬を効果的に使用することが重要である。

 

<局所麻酔(硬膜外麻酔)>

局所から中枢神経への感覚伝達が遮断された状態を局所麻酔という。局所麻酔薬は、神経線維のナトリウムチャネルの活動を妨げて、興奮の伝達を遮断することで神経麻痺をおこす。知覚神経は運動神経よりもすみやかに麻痺する。小手術によく用いられる。

●硬膜外麻酔:ペインクリニック領域で広く利用されている方法。がんの痛み、がんこな痛みを和らげる目的で用いられる。仙骨裂孔のなかに針を刺し、硬膜外腔に達したら局所麻酔薬を注入する。最も広く使用される局所麻酔薬は長短時間型のブピバカインであるが、リドカインが用いられることもある。

●副作用:重要な副作用は中枢神経系に対するもので、立ちくらみや鎮静、不安、眼振、けいれんの可能性がある。また、不整脈や低血圧など心血管毒性がある。

●看護:

麻酔の種類に関わらず、基本は全身麻酔の看護と同じである。

□患者の特徴

局所麻酔で手術を受ける患者の場合は、手術中も意識があるため、不安・苦痛が大きい。とくに患者は手術中の医師や看護師のことばに非常に敏感であり、説明の不足や不用意なことばで誤解をし、不安を増すことがある。

□援助の要点

外回り看護師は、患者に明瞭な説明と励まし、苦痛へのねぎらいのことばをかけ、患者とのコミュニケーションをはかることが重要である。とくに、局所麻酔がきいていることを確かめ、十分に鎮痛効果が得られた状況で手術を勧めることが重要である。また、バックグラウンドミュージックなどをかけて患者の緊張を緩和し、患者の意識を手術部位や痛みからそらし、気分をらくにして手術中を過ごせるようにする。

他方、鎮静薬が併用されていることも多く、そのため手術中に入眠し、無意識に体動をおこして手術野を汚染することもあるので、危険の予防、安全の確保には十分に気をつけ、注意深く観察して必要な処置をとらなければならない。

「全身麻酔薬」の画像検索結果


スポンサード・リンク