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(^^;半側空間無視とアプローチの話


(^ム^)題名:半側空間無視とアプローチの話

半側空間無視は空間的に呈示された刺激に対しての反応が低下または欠如する現象である。半側空間無視は感覚障害や運動障害だけでは説明できない症状を示し、感覚性入力としばしば運動を伴う出力(反応)との密接な関係の中で生じる。また、左側から呼びかけても右側を探すというように、視覚モダリティに限らない右方向への反応傾向も特徴である。したがって、半側空間無視は、幅広い感覚モダリティからの入力と運動性または言語性の反応との連関において、空間的偏りが生じた病態である。

 

半側無視と歴史

半側無視の記載は100年あまりにさかのぼり、Jackson(1876)による右側頭葉のグリオーマの症例報告に始まる。ついで、Anton(1893)は右片麻痺で麻痺を否認する症例を報告し、病態失認とよんだが、これも半側無視の一種であった。

その後、Head&Homes(1911)の半側性聴覚失認の症例、Zingetle(1913)の半側身体失認(左上下肢の喪失感+女性の上下肢の存在感)、Babinski(1914)のAntonと同様の病態失認)、Brain(1914)の左半側視空間失認3例、Cobb(1947)の左半側身体失認などの報告が続いている。

このように、右半球損傷者に半側無視をみることが多いことが知られてきたが、Battersbyら(1956)、Cohn(1961)、Weinsteinら(1963)はいずれも、右半球損傷にかたよって発症すると述べている。

Hecaen(1962、1969)は59例の半側無視症例のうち、51例は右半球損傷、4例は左半球損傷、残り4例は両側性損傷であったと述べ、本症状出現に右半球が主であることを実証した。

また、半側無視症状は条件がかわると症状がかわることも知られるようになった。その原点に注意‐覚醒系の障害が存在していため、半側無視の評価の標準化を妨げている一因となっている。

例えば、Benderら(1946)によると、平生慣れた人が左からくる場合には無視するが、知らない人がくる場合にはビックリしたようにいち早く気づいた例を報告し、注意を引くかどうか選択的注意(selective attention)が重要な因子であると述べている。しかし、このような選択性も変動が大きく、条件設定によってことが明らかになっている。

Frederiks(1969)によると、半側身体失認は発病早期には“左腕がなくなった”“他人の手が横にある”などと異常を意識しているが(意識性半側身体失認)、時の経過とともにそのような訴えはなくなり、あたかも腕がないような態度を示すようになる(無意識性半側身体失認)ものである。

意識性のものは、発病初期に一過性であるが、無意識性のものは長く残るものが多く半永久的である多くの場合半側空間失認を伴っているため病像は複雑である。

半側無視の多くの例に半側二重刺激による消去現象が出現することは19世紀から知られているが、Bender(1952)はこの現象を感覚競合の場として捉え、Critchley(1946)も頭頂葉障害にさいしてみられる現象としてとらえ、その後、半側無視の重症度の評価に役立つこととなった。

Denny‐Brown(1963)は、消去現象は半側無視の主な側面であると述べているし、Heilmanおよびその一派は消去現象と半側無視とは本質的には同じものであり、異なった2つの側面を眺めているにすぎないとさえ述べているが、異論もある。

無視に関する動物モデル実験は19世紀にさかのぼり、古くは前頭葉損傷により半側無視をつくり出した報告もみられる。

近時、注目されているものとしてはHeilman(1971)らのサルの実験がある。彼らは頭頂葉一部の除去により、半側無視のモデルをつくりあげている。

また、Heilman、Watsonらは半側無視・不注意は皮質‐辺縁系‐網様体(cortico‐limbic‐reticular system)の障害による注意‐覚醒系の障害とみる考えかたを発表しているが、数ある考えかたのなかで最も支持率が高く、注目されている。

さらにHeilmanらは基底核、視床などの皮質下病巣によっても同様に半側無視が起こりうること、また、前頭葉損傷も、従来考えられているよりは多いこと、しかし、右半側無視は症状が軽いか、発症後比較的早期に消退していくものであると述べている。

さらに、Heilman、Valenstein、Watson、Meslam、Healton、Damasioらによると、皮質‐辺縁系‐網様体系に黒質‐線状体‐尾状核経路を加え、これに意識の座があると考え、これらの回路系の障害により、注意‐覚醒‐意識系の障害が起こるものと考えられるようになり、半側無視を受容系だけでなく、表出系の無視症状(半側低運動症、寡言症など)と橋渡しをしたことになり、その全貌がしだいに明らかになりつつある。

 

半側空間無視と発現機序

1)注意障害説

半側空間無視患者の方向性注意は、視覚刺激が現れると、まず右よりの対象(部分)に注意が向く、常に右側の対象に注意が引きつけられている、右側の対象からの注意の「開放」障害、注意の左側への「移動」障害などの問題点が挙げられる。

注意を向けた方向に視線が向くのが自然であるが、無視患者では健側の右視野内でもより右側の刺激への反応時間が短いことが報告されている。右側の刺激が向きやすいことは、抹消試験がたいてい右側から開始されるからも明らかである。

一方、線分抹消試験をホワイトボード上で、実際に線を消し去りながら実施すると、より左方まで達成できる。これは、右側の刺激に対するoverattentionや、そこからの注意開放障害が無視の一因であることを示唆している。

2)方向性運動低下説

左向きの運動を開始・遂行することの障害が半側空間無視発現の1つの要因である可能性も指摘されており、前頭葉を含む病巣例に比較的多いとされている。しかし、課題が左向きの運動を企図させるものがあれば、運動自体の問題はないことのほうが多い。例えば、印刷した線分を左端から左方へ延長して2倍の長さにする線分延長課題は、無視患者でも容易に遂行できる。

3)注意と運動の連関

半側空間無視が発現する課題・環境では、対象の知覚とそれに対する反応を切り離すことが難しい。多くの課題は手による反応を要求し、それを排した場合でも眼球運動は許されている。したがって、注意と運動は密接な連関を持ち、それに半側空間無視が発現している。

花の絵を模写する際、無視患者であっても手本がヒマワリのような花であることは認知しており、右半分の花と思っているわけではない。しかし、花弁を右側から描き始めると、注意は運動を行っている部分に集中する。これに伴い、注意の左方移動が生じにくくなり、左側の描き落としを発見できなくなると考えられる。一方、線分延長課題では、左向きの運動が企図・開始されやすく、注意も容易に左方へ向けられる。

4)表象障害説

Bisiachらは、思い出したイメージの左側について述べる際にも左無視が生じていることを報告し、イメージを脳内に再現する表象地図の障害に原因を求めた。これを外界からの感覚情報の脳内再現にも当てはめ、表象地図の左側が壊れているために無視が起こるとするのが表象障害説である。

今日、単純な表象障害説で無視を説明することはあまりないが、無視患者の脳内に対象がどのように表象(再現)されているかを追求する研究は続けられている。

 

半側無視と同名半盲に関する違い

半側空間無視患者の視野は、完全に保たれている場合から、左下四分盲、不完全または完全な左同名半盲などさまざまである。

また、視野障害が無視症状を増悪させる要因とは言えない。半盲がない場合、左右の視野を同時刺激すると、左側を検出できない視覚消去現象がみられることが多い。

一方、同名半盲は1点を固定した状態で一側視野に与えられた視覚刺激を検出できない視野の障害である。後頭葉内側面損傷などによる無視のない同名半盲患者は、発症初期を除けば視線を代償的できる。

したがって、半側無視と同名半盲は異なる障害である。

表1 同名半盲と半側無視との違い

同名半盲 半側空間無視
見えにくいのに 気づく 気づかない
半球間の差 半球間の差なし 右半球損傷者に多い
脳梗塞の病変部位 後大脳動脈領域に多い 中大脳動脈領域に多い
病巣 視覚路 主に頭頂葉
障害のモダリティ 視覚のみ しばしば聴覚、触覚などにもおきる

 

半側無視の症状

①半側視空間失認(unilateral visuospatial agnosia)

(a)空間関係の失見当識

身体外の空間というよりも、空間に存在する人物、物品などの位置、配列、大小、方向などの空間関係に対する見当識障害ということができる。その症状が片側性に偏って出現するものを半側視空間失認と称しているが、残りの半側が健常であるとは限らない。半側失認は半側不注意・半側無視の形で気づかれることが多く、その程度は不定で、その時々によって変動が大きい。

例えば、ある時には、左側から近づくナースをまったく無視するかと思うと、見られないナースが来たときには、気がつくといった具合である。しかし、最重症になると、左側に顔も視線もまったく向けなくなり、上述のような変動は少なくなる(right neck rotation)。

アイカメラで視線をフォローをすると視点の探索範囲はきわめて狭く、視線は損傷半球側の固執してしまい、半盲のように、その機能障害を補うために半盲側に顔や視線を向けることをしない。

無視される空間は連続しているとは限らない。一般に視野空間の片側の探索行動がないか、欠けているというパターンをとるが、非無視空間のなかでも局所的な狭い空間のなかに片側無視を伴うことが多い(たまねぎ現象、入り子現象と呼ばれる)

(b)不注意症候群

不注意症候群は半側性と呼んではいるが、残りの半側は健常とは限らない。無視側ほど重症ではないとしても、大なり小なり見落とし、誤りがみられるし、いい加減で“ずさん”なところが多い。すなわち、総体的に不注意が存在するものと考えてよい。

しかも、患者はその注意にも気づいていない特徴がある。すなわち“自分が不注意なこと”に不注意なのである。不注意の程度が軽い場合でもそれを自覚していないという奇妙な不注意なのである。

(c)選択的注意(selective attention)、不注意の注意

本来、選択的注意は多くの情報のなかから一部のものだけを選択的に取り上げ、他のものの閾値を上げて、注意の枠の外へ追いやることであるが、半側無視ではこの選択的注意の障害が、中核症状をなすものと考えられる。

しかし、この選択は1つのルールがあるものと考えられる。文章の場合、無意味になるようなとらえかたはしない。例えば、“今日は暖かいようで寒いおかしな天気です”を横一列に書いて患者に読ませると、“陽気は寒いおかしな天気です”と読んで平然としている。

したがって、選択注意というものの、どこかで選択しているものと考えられ、一見矛盾とも思える奇妙な現象といえる。

これらは“不注意の注意”“無意識中の選択”“不注意の自動制御”とでも呼べる現象である。

(d)想起空間中での無視

興味深い問題として、地誌的想起空間のなかでも半側無視症状がでることがある。

ミラノの聖堂を前にして立った場合と背にして立った場合、想起する建物がいずれも患者の右に位置するものであったという話があるが、Springerによると、ローマにおいても、同様に中心街を北から南に歩くと想像させて、存在する建築物を述べさせたところ、西側(患者の右側)にあるものだけを挙げたが、逆に南から北に歩かせて同様のテストを行った結果、東側にあるものだけを挙げたという。これは実際に視ている空間だけではなく想起空間にも同様の問題がみられた例であり、同様の現象は患者の日常親しんでいる場所(病室や診察室など)で調べてみるとみられることがある。

(e)空間軸の傾斜、空間の変形

半側空間失認患者の住んでいる空間は歪んだ空間であると考えられる。水平軸、垂直軸に傾斜がみられたり、空間があたかも回転し、両者の交わる角度が90°でなくなり、空間が回転し、歪んだ状態と想像できる。どのような機序で空間が回転するかの問題は、まだ推察の域を脱しない。回転の様子は立ったり歩いたりする際の体軸の傾斜、患側肩の下降などの現れるし、絵や文字の行の傾きにも現れる。

(f)空間の崩壊

歪んだ空間はさらに進むと崩壊に至るものと考えられる。崩壊というのは患者が表現する絵、字、立体的形態(粘土細工など)において、形態が異様に崩れ、はみ出し、怪奇ともいうべき形態を示す場合、その患者を取り囲む空間にも同様の変化が起こっているものと推定し、空間の崩壊と呼んでいる。

(g)無視は半側のみか?

半側無視というとちょうど半分を無視するものと解釈されているが、実際に各種のテストをやってみると、必ずしも半分でないことがわかる。

例えば、数種類の図形から1種類の図形を選ぶテスト、線分抹消テストなどを行わせると、軽い場合は左側一部を無視するにすぎないが、重症になるに従って無視範囲は正中線を超えて、右視野内にひろがり、注意が及ぶ範囲は、極端な場合は1/3~1/5の右端領域のみに限定される。

さらに、左側無視に加えて下方無視も加えることが多く、軽い例では左下方一部の無視であるが、重症になるに従って右上方へ無視範囲がひろがっていく。それはあたかも日本列島における桜前線の北上に似ている。

前線の傾斜角度は個人差があるが、その他にも課題の種類や与え方など、その条件によってかなりの影響を受けるものである。

(h)境界線はなぜ傾斜するのか?

おそらく、半側無視患者の空間軸の回転とも深い関係があるに違いないと思われるが、それ以上の機序については明らかではない。従来、半側無視のテストで、最も多く脱落するのは左下端であることはよく知られているにも関わらず、下方への変位する機序についてはあまり深く考えようとしなかったのは不思議なことである。

ここで、上方への注意について考える。“ヒトは一般に対象視野の上下に対する注意は同じではなく、下方に対してやや不注意になる”いう事実である。実際、教壇、演壇に立って話す人は壇のすぐ下の人たちにはほとんど注意を払わないのが常であり、歩行中や運転中、へこみに気づかず足や車輪を落としてはじめて気づくということも少なくない。

また、健常人の眼球の左方への外転は下方への動きを伴うのが普通とされているが、左方への注意が減り、外転が少なくなると下方への注意も減少するのではないかとも考えられている。

また、通常、われわれは課題を遂行する際、上からはじめ、漸次下に移動するという習慣が身についているため、下方は後回しするのが常であり、不注意状態が下方に残るということもありうるものと思われる。

上下に対する注意の配分を検索する目的で、中央に線分(長さ22cm)を縦に引いている縦長方形のテスト用紙を被検者の眼前30cmに垂直に立て(線分の中点が両眼の中央にくるように)線分の中点と思われる点にマークをつけさせる。

もし、下方不注意があるとすると、中点と考える点は上方へずれるはずである。健常人、半側無視のない片麻痺、半側無視のある片麻痺患者について行った結果、健常人では明らかに有意に{b/(a+b)}0.5で、その平均値は52.8%であった。他の2群の片麻痺群は判断力の悪さ、健側操作とはいっても非利き手でるためのエラーが入り、バラツキが多く明確な方向づけはできない。

 

②半側身体失認(hemiasomatognosia)

自己身体の一側の認知障害があり、そちら側に注意を払わなくなった状態である。次のように分類される。

(a)病態失認(anosognosia)

麻痺肢に対し“いま動かさないだけ”“明日は会社に行く”などと言い、片麻痺や病気であることを否定するものである〔verval anosognosia(質問すると言葉のうえだけ否定する意味)〕。

それでいながら、毎日治療をうけていることに疑問を投げかけてこない矛盾がみられる。

(b)意識型半側身体失認(conscious hemiasomatognosia)

半側上下肢の喪失感を訴えることが多いが、その他にも“他人の(あるいは死体の)腕や脚が横に転がっている”と訴えたり、何の理由もなく異性の身体と信じ込み、性的空想にとらわれたり、また、別にもう1本腕が生えたような錯覚にとらわれたりすることもある(第3幻肢、Phatom 3rd limb)。

ときには、麻痺した手足に名前をつけて“――ちゃん”などと呼びかけることもある(personification of paralysed limb)。

これらは重症半側無視患者の初期症状としてとらえられることが多く、数週間程度で消失し、後述の無意識性半側身体失認に移行する。

(c)無意識性半側身体失認(nonconscious hemiasomatognosia)

喪失感を訴えることはないが、あたかも喪失したかのごとく振舞うものである。身体半分に関心を失い、移動の際にあとに残すとか、顔半分の髭を剃り残したり、実際には使える上肢でも使おうとしない現象(unilateral hypokinesia)がみられる。

意識型に比して長く続く特徴があり、経時的に多少は軽減するが、半永久的に残存する事が多い。

右半球頭頂葉損傷にみられることが多く、急性期から無意識型をとる場合と、当初意識型であったものが無意識型に移行する場合とがある。無意識型半側身体失認は半側性視空間失認が合併していることが多く、身体内外ともども(intra&extra-personal)半側無視がみられることとなり、ADL上重大な支障をもたらす。

また、無意識型半側身体失認は病態失認による片麻痺否認の一症状ではないかという考えかたもあり、上述の分類には修正の必要があるかもしれない。

FredricksはDenny-Brownの形態統合障害(amorphosynthesis)が無意識型半側身体失認の機序であろうと考えているが、最軽症なものが触覚性消去現象であると考えている。

(d)第3幻肢(Phatom 3rd limb)

幻肢とは本来、喪失した上肢・下肢になお被切断肢が残存するかのごとく感ずるものであるが、片麻痺の場合はべつに喪失したわけではないのに、べつにもう1本存在するかのような幻覚に陥る。これを第3幻肢と呼んでいる。意識型半側身体失認に必ず合併するとは限らないが、合併する事が多い。

第3幻肢は意識型半側身体失認と同様、発病当初一時的にでる性格のものである。その他、うたた寝のような浅い眠りのなかとか、暗黒の部屋にいるような場合、一過性に第3幻肢が出現することもある。時にはこの第3幻肢が真実そのものに感じられるために、患者はそれが幻であることが確認できず困惑することがある。

常識的に考えれば、健側上肢で触れるなり、眼でみて確かめるなりすれば第3の腕が生えているわけではないことは一目瞭然であるにも関わらず、患者はただ奇妙に感じているだけで、自ら確かめようともせず、その意図すら浮かばないように思える。

一般的に、幻肢は心理状態や、性格に関係があるとされており、心理療法や催眠療法で消失する事もある。また、分裂病的性格の人で、教育程度が高く、直感的能力に優れた人にでやすいとされているが、第3幻肢においても同様傾向があるといわれる。

 

③半側聴覚失認(auditory hemineglect)

両側の耳に同一の聴覚刺激を与えた場合、左右の聴力差がないにもかかわらず、一側からの刺激を無視する現象である。

聴覚系は交叉繊維と非交叉繊維の両方が存在するので、片側半球の損傷で、対側温共刺激がなくなるということはなく、聴覚的不注意(auditory inattention)あるいは聴覚的消去現象(auditory extinction phenomenon)によるものである。本来の聴覚失認とは異なる機序によるもであり、混乱を防ぐには“聴覚性半側無視(auditory emineglect)”と呼ぶのが妥当であろう。

半側視空間失認と合併していることもあれば、単独に出現しうる。

 

④半側無運動症・低運動症(unilateral‐akinesia,‐hypokinesia)および寡言症(hypophrasia)

(a)前葉葉性半側無視(frontal lobe hemineglect),非感覚性半側無視(non‐sensory hemineglect),皮質下性半側無視(subcortical heminegrect)

以上のように様々な名称が用いられており、見方の相違による名称の差異はあるものの、本質的には同一あるいはほとんど同一のものと考えてよい。

その症状は動作・行為における半側無視あるいは不注意と寡黙症であり、前者は通常上肢にみられる。

すなわち、上肢は運動能力をもっているにもかかわなず、実際のADLで使おうとしないで、健側上肢による片手動作で間に合わせてしまうものであり、患側上肢動作・行為に対する意図の障害(intentionの障害)と考えられている。したがって、廃用手の場合は分からない。

実際にこの症状を呈する患者は錐体外路系や視床に病変があって、Brunntrom stageのかいふくがは良好であるが、intentionの座である線状体、中でも動作開始の主役である尾状核に直接、間接の障害がみられ、しかも選択的注意の座であるarea7との連絡が途絶えた場合であることが多い。

しかし、実際問題として、このような患者に接した場合、半側低運動症なのか、単にめんどくさくて動かさないのか判断に迷うことが多い。

(b)運動性消去現象(motor extinction phenominon)

同じ患側運動を片側性と両側性で行わせると、後者のほうが拙劣で動作時間が延長、遅延する状態をいう。左右上肢に同一あるいは対称性パターンの交互運動をさせた場合、本来ならば、患側は健側によって促通されるはずであるが、これが逆転する現象であり、これは運動性の不注意によるものと考え、半側性運動無視の鑑別上有用である。

(c)寡言症(hypophrasia,Mutism)

寡言症は半側性低運動症に随伴しやすい症状(akinetic and littlespeech)で自発的な発言の喪失(loss of spontaneus speech)が主症状であり、動作・行為の場合のloss of spontaneus motionと同様の機序であろうと考えられる。

(d)半側性無運動症(unilateral‐akinesia)と半側空間性無運動症(hemispatial akinesia)

同じくakinesiaでも運動性障害、感覚性障害のいずれかが中核をなすかによって、(表2)に示すような相違がみられる。これは“失行”と“失認が根底にあるための行為障害”との関係や、“Broca失語”と“wernick失語があるための表出障害”との関係と一脈通じるものがある。

票2 unilateral‐akinesiaとhemispatial akinesiaの相違点

Unilateral‐akinesia

hemispatial akinesia

左右空間のいずれにおいても片側肢のakinesia

左右肢いずれも片側空間でakinesia

Sensory Inattentionがなくても起こりうる

Sensory Inattentionがある

短期間で改善、消失しやすい

持続性が長い

病巣:皮質下性が多い

病巣:皮質性が多い

寡言である

寡言とは限らない

(e)過書症(hypergraphia)

絵や字を書かせるといつまでも書き続ける症状で、紙と鉛筆を目の前においただけで書き始めることもある。半側無視のテストを行う場合、左側を脱落しながらも、右側や上部に過剰な線や点を多数書き続けることで気づく事が少なくない。時計の文字盤に1から100まで書き続けた例もある。

書字中枢に対する右半球の抑制が解除されたためと解釈される。一種の保続現象ともいえる。

(f)対部感覚(allesthesia)

異所感覚(allachesthesia)の一種である。異所感覚は部位錯語症ともいわれ、刺激が加えられた部位以外の場所に感覚が生じる状態である。異所感覚のⅠ型が対部感覚と呼ばれているもので、刺激が反対側の感覚として感じるものである。通常左側に触れると、対側の右側に感じるという形をとる。珍しいものである。

(g)その他

半側嗅覚・味覚失認もありうることであるが、本人も訴えず見のがされている可能性がある。あるとしてもADL上大きな障害となっていないことは確かである。

その他、半側無視の付帯症状として

イ)感情の平坦化

ロ)相手話、表情などに含まれる情緒的表現、隠喩、比喩、言外の意味などの理解が難しい。これらには視覚的なイメージを含むことが多いからということも考えられる。

“真っ赤なうそ”“馬脚”“二枚舌”“雀の涙”などなど。

ハ)感情的刺激に対する自律神経反射の低下

ニ)注意力保持の低下

ホ)運動維持困難症

ヘ)問題解決能力の低下

などを伴う事が多い。

 

半側無視と病変部位

以上に述べてきたように、半側無視の範囲は広く、種類も多い。それに伴って病変部位も広く分布するし、また、ある領域の損傷によりいくつかの症状が合併して出現することもある。

皮質性の多種感覚集中領域として帯状回、視床、中脳網様体、基底核、補足運動野などはいずれも半側無視に関与する部位である。これらの系列は入力刺激に対して“覚醒‐注意”という受け入れ状態をつくり出し、刺激内容を分析し、その重要性を決定する事になる。特に、視床、中脳網様体は“覚醒状態”を保つために重要である。

これらには、辺縁系から協力な投射がなされており、皮質‐辺縁系‐網様体系は前頭葉、基底核とともに、ある反応を起こすのに重要な役割を演じる。

これらの回路網のいずれかの障害により“注意‐覚醒‐活動(意図)”の機能に障害を起こすと、上記のようなさまざまな症状を呈するものと考えられている(Mesulum,1981)

①頭頂葉

多くの剖検データを総合すると、側頭‐頭頂‐後頭葉の接合部(area22後部)、および角回、縁上回(area39、40)(Hecaen,1962)が主要病変部と考えられている。

Heilmanら(1983)の半側視空間無視10人のCT所見では、病変部位はすべて右半球に存在し、側頭‐頭頂‐後頭葉接合部とともに下部頭頂葉が無視を起こすのに重要な役割を果たしていることを明らかにしたLynchら(1977)によると、サルのarea7から記録される電気活性は、視野の一部に食べ物を見せると、放電が急激に増加することを認めている。

サルの頭頂葉下部(area7)と側頭溝上部の両側斜面とを一緒にしたものがヒトの頭頂葉下部に相当するものと考えられている。(Heilman,1970)

Mountcastle(1976),Damasioら(1980)はヒトにおいても選択的注意過程における最も重要な領域はarea7であると述べている。

②前頭葉

Heilman(1972)ら半側視空間失認症状を呈し、身体覚に関しても消去現象のみられる2例を報告しているが、障害部位は前頭葉の背外側部にあり、area 8,9,46に該当するとしている。Damasio(1980)も前頭葉背外側部の損傷により、視・聴覚に対する不注意症状を呈する例を報告している。

前頭葉背外側部は頭頂葉下部同様、視覚、体性覚、聴覚連合野の投射を受けており、皮質と皮質の中継場所的役割を果たす部位として重要な領域といえる。

また、Heilman,Damasioらはともに上述の同じ論文の中で、帯状回、補足運動野の障害による無視症状を報告している。

さらに、Watsonら(1973)はサルの前帯状回の局所的損傷によって、無視症状が出現することを実証している。

前頭葉背・外側部および頭頂葉下部は帯状回と交互に連絡しあっており、いずれの損傷によっても無視症状が出現するものと思われる。

③皮質下病巣

(a)中脳網様体(MRF )

Watsonら(1974)によると、この部位の損傷は、片側性の緊張覚醒状態に障害をきたし、無視症状に呈すると述べている。両側性障害は昏睡状態をもたらす。

この機序はMRFと皮質との連絡を絶つことによるか、MRFの視床網様体核への抑 制作用を除去することによるものと考えられている。

〔視床網様体が働くと視床における情報伝達が抑制されると考えている,Watson(1981)〕

(b)視床

1970~1980年にかけて視床障害により半側無視、半側低運動症を示した例や動物実験などが発表されたが、その後Watsonら(1981)は視床梗塞によって無視症状を呈した例を報告しており、後腹部核(VP核)、centromedian parafascicularis(CM‐PE核)を含む内側核および視床枕(pulvinar)の前下部障害であったと述べている。

視床の中でも内側部障害はとくに運動無視によるakinesiaをもたらしやすいと考えられている。それはCM‐PEは解剖学的にVL核、前頭葉、新線状体のような運動系に関連深いからである。

片側性のCM‐PE障害はその反対側のakinesiaをもたらし、両側性のCM‐PE障害はakinetic mutismをもたらすといえよう。

最近、Velascoら(1978)はVL核の障害による“運動性不注意”を報告しおり、Hassler(1978)は被殻‐視床の障害で“運動性不注意”を認めており、その機序として淡蒼球からVL核に至る神経線維を遮断するためと考えている。

Watsonら(1981)によると、CM‐PEそのものの障害およびCM‐PEとVL核、前頭葉前野、新線状体などとの連絡障害は、刺激に対する適切な反応としての、迅速な準備体制を立てることができなくなると述べている。

(c)基底核

Heirら(1977)は右被殻出血にしばしば半側無視が合併することを発表した。また、Heilmanら(1983)も被殻出血に半側無視を伴いものが少なくないと述べている。被殻出血は錐体路に変化が及びやすく、運動麻痺や感覚障害を伴うことが多く、半側低運動症や運動性消去現象がマスクされていることが多いが、反対側からの音に不注意であったり、定位反応が鈍いものがみられ、また、少数ながら刺激を対側に感じる現象(allesthesia)がみられたという。

Damasioら(1980)は被殻と尾状核の梗塞で半側空間無視を起こした例を報告しているし、Valenstein(1981)は一側尾状核の障害により対側肢の半側運動無視を呈し、明らかな運動性消去現象のみられる例で、感覚性の無視症状はみられなかった症例を報告している。

また、Marshallら(1974)は新線状体(尾状核と被殻)と黒質の連絡を絶つことにより、無視症状呈した例を報告している。

以上、多くの報告を総合すると、基底核のおもな部位はCM‐PF、VL核、前頭葉背外側、頭頂葉下部など、無視をもたらす部位と直接連絡しているので、その損傷が無視症状を起こしやすい機序が理解できる。

④病変部位の左右について

従来、多くの報告では右半球障害に多いことが知られているが、Denny‐Brownらは1956年すでに無視現象は左半球損傷でも起こりうるとしており、最近はさらに左半球損傷にもかなり多いことが認識されてきている。

左半球損傷による半側無視の患者は失語を合併しているものが多く、テストがやりにくいこともあるが、皮質性のものが主で、症状がそもそも軽度であり、また比較的早期に消退することが多いのも見のがしやすい原因であろう。

しかし、皮質の損傷にしても〔Albert(1973)、Heilman、(1973)〕、皮質下の損傷にしても〔Hier(1977)、Damasio(1980)、Heilman(1983)〕、右半球障害が圧倒的に多いことを示している。

 

半側無視と障害学

障害学上、半側無視の占める意義は非常に大きい。半側無視はADL阻害因子の最大のものになる事が多く、社会生活の復帰となると100%不可能と考えてよい。

半側無視は単一の症状ではなく、いくつかの病態の組み合わさった複雑なもので、例えば、半側視空間無視+半側身体失認+病態失認+意欲消失+全体的注意のパターンはよくみられる組み合わせであり、多くは同時に存在する高度の感覚障害や廃用上肢とともに、リハビリテーション・プログラムを著しく妨げ、一般に復職をはじめ、社会生活の復帰はもちろん、ADLの自立も困難なことが多い。

病態失認や疾病無関知のために、患者は明日にでも会社にいけるようなようなことをいうし、家族は訓練によって手足さえ回復すれば元どおりい仕事ができると簡単に考えていることが多いものである。

障害の受容の最も悪い片麻痺の1つともいえるもので、患者側(家族を含め)と医療側とのゴールが大きくくいちがうものの1つである。

しかも、回復意欲に欠ける場合が多く、訓練をやりたがらず、なんとか訓練をやっても、懸命に取り組む姿勢がなく、また、不注意であるために学習がなかなか進まない。面白くないからさらに訓練を嫌うようになるといった具合である。

ADL上も、歩行ができないにもかかわらず、不用意に立ち上がって歩こうとしたり、立ち上がるとき介助者を呼ぶように指示しても、その時は理解できても、また同じ誤りを繰り返す。

歩けたとしても、半側無視や不注意のために家具にぶつかったり、転倒したりしやすい。

片麻痺患者の転倒骨折(とくに患側大腿骨)のうち、半側無視に起因するものが少なくないことを考える時、“一刻の油断も許されない患者”なのである。

しかし、軽症なものは指導・訓練により、ADLが自立しうるものである。

職業復帰は、軽度なものでも無理と考えてよい。仮に戻ったとしても、それが同族会社の名義だけの役職でない限り間もなく脱落しやすいものである。

聴覚性半側無視はそれ自体はあまり障害にはならないが、視空間半側無視などに合併している場合には、むしろそれによって能力障害や社会的不利は決定づけられ、代償手段の1つを失うことになる。

触覚性半側無視は触覚が残存していることが前提となるので、多いものではない。それだけでは、ADLの自立を妨げるものではない。

運動性半側無視そのものだけでは、患側上肢を使えるのもかかわらず使おうとしないものであり、ADL上決定的な障害にはならない。また、寡言になり、声量も乏しくなるが、コミュニケーション上の障害になるようなこともない。

社会生活上もintention、motivationの障害が大なり小なりハンディキャップになることは否めないが、視空間や身体の感覚性半側無視のような決定的打撃にはならない。

 

半側無視診断と評価

その診断・評価にさいしては次の項目が大切である。

①半側無視の存否

②存在する場合は何種類が合併しているか

③重症度

いずれも標準化されたものではないが、その主なものは次の通りである。

 

①顔、眼、ベッド上での体位など

急性期で十分検査ができない時、役立つときがある。

左片麻痺で頚を右に回旋し、眼も右に向いている事が多い場合は左半側無視がかなり

疑われる。また、頭、躯幹のベッド上での位置がいつも左右いずれかへ偏って寝ている

場合にも半側無視が疑われるので、注意して経過をフォローすべきである。

ベッドサイドで寝かたを観察すると、ベッドに対して足は右側に、頭は右向きで左側に寄せて斜めに寝ているのが観察されることがある。このようなベッドサイド評価では、座位バランス、注意力・集中力などを評価する必要がある。症状の詳細を把握するために、家族に「食事の食べ残しは?」「患手を探すしぐさは?」などを尋ねたり、本人にも「悪いほうの手足が動きますか?」「手がどこにあるか分かりますか?」などと質問するとよい。

診察室

車椅子:ブレーキ、フットレスト操作を忘れる

移動:患側にあるものにぶつかる

移乗:上下肢の置き忘れ、性急かつ強引

ADL

食事:患側を食べ残す

更衣:衣服の上下が分からない

精神面

楽観的:重度障害での平気な顔をしている

注意散漫:注意が持続しない、おおざっぱ

問題意識がない:他人の世話をやこうとする

自分勝手な行動:立ち上がろうとする(要監視)

 

②消去現象を利用したベッドサイドにおけるScreening test(対座法)

患者と椅子座位で相対し、検者の顔を凝視させ、検者の両手を眼の高さにあげ指を動かす。左右どちらが動いていたかを問う。

数回行ってどちらか一方を見落とす率が高ければ、半盲、半側無視、あるいは両者の合併を疑う。

視線がどちらに動くかを観察することは非常に重要である。片側ばかり動く場合は半側無視の可能性が大である。(半盲では代償的に半盲側に視線を向けようとするので片側に視線が偏る事はない)。この簡単な方法で、ある程度重症度の推定が可能である。消去現象の出現する程度はかなり半側無視の重症度と比例するものと考えられ(Heilman)、表3に示すような5段階に分け(福井)、かなり広く用いられているが、1と2、および4と5の判別が必ずしも容易でないので、実用的には次の3段階に分けたほうが便利である。

 

表3 片側性空間失認の重症度

Grade

症状

1

時には、片側空間の物体を認知しないこともあるが、ADL上ほとんど支障をきたさない。

2

両側から同程度の視覚的刺激を与えると、片側の全部または一部を見落とす(extinction phenomenon)。しかし、片側からだけの刺激は全部認知できる。

3

片側のみからの刺激に対しても末端部分を見落とす。

4

片側のみからの刺激に対しても全部分を見落とす。空間軸変位、崩壊現象などを示す。

5

片側をまったく無視し、頚を回すことも、視線を向けることもしない。空間軸変位、崩壊現象などを伴う。

(a)軽症

左右両側からの同時視覚刺激(同質、同量)で片側をときどき見落とす。

左右べつべつの刺激では認識可能。

(b)中等症

左右両側からの視覚刺激で片側をつねに見落とす。左右べつべつの刺激では認知可能

であるが、末端部分を見落とすことがある。

(c)重症

左右べつべつの刺激でも片側を全部無視する。最重症では片側にのみ顔や視線を向け

て反対側をまったく無視する(right neck rotationの形をとることが多い。)

 

③机上試験

抹消試験、線分二等分試験、模写・描画などを組み合わせて実施する。

(1)抹消試験

多数の線、文字、シンボルなどを散りばめた検査用紙を患者の正面に呈示し、標的のすべてに印を付けさせるものである。刺激が標的のみで構成されるものと、何種類かのの中から標的のみに印を付ける選択的抹消試験がある。前者の代表が線分抹消試験であり、Albertの原法に近いものが後述するBehavioural Inattention Test(BIT)にも採用されている。重度の半側空間無視例では右端の一列にしか印を付けられないことがある。一般的には左側の見落としが多い無視ありと診断するが、無視された範囲から離れた右側の一部の見落としも稀ではない。軽度例では、左下(手前)の見落としが生じやすい。

選択的抹消試験としては、BITの文字抹消試験や星印抹消試験のほか、さまざまな検査用紙が用いられている。

選択的注意の負荷が高まるために無視の検出率は向上するが、健側での見落としが増える場合がある。

比較的軽度の例では、線分抹消試験で左端まで到達したのに、選択的抹消試験では広範囲に左側を見落とすことがある。「半側」空間無視といっても、無視される一定の空間が定まっているわけではない。

(2)線分2等分試験

水平な線分を患者の正面に呈示して、目分量で左右の真中と思うところに印(短い縦の線)を付けさせるのが基本的方法である。線分の長さは20cm位が適当である。健常人(32名)が20cmの線分を右手で2等分した際の真の中点からの偏位量(右方を+とする)は、-0.9㎜(SD2.4㎜)であった。したがって、4mm以上の右方偏位は異常と考えられるが、一般的には1cm以上の右方偏位の時、無視ありと判断するのが妥当である。

非常に短い2.5cm位の線分になると、、半側空間無視患者はしばしば左よりの2等分を示す。この傾向は、軽度例では10cm位の線分でも見られることがある。なお、複数の線分を印刷した検査用紙を用いるよりも、1本ずつ呈示するのがよい。

スクリーニングとして、20cmと15㎝の線分を用い、患者の正面正中、左半側空間(左端を正面に合わせる)の各位置で2回ずつ2等分させていく。右方への偏位量は、一般的に左空間で大きく、右空間で小さくなる。他の検査成績が良好となっても、いずれかの条件で2等分が不正確でばらつきが大きい時は、無視の残存が疑われる。

(3)模写・描画試験

模写には、ヒマワリのような花の絵(欧米ではdaisyと呼んでいる)を用いることが多い。単一の花を用いた場合、典型的な典型的な半側空間無視例では右半分の絵となるが、より軽度の無視では右に比べて左側で花弁数が少なく隙間があいた模写となる。

複数の対象の組み合わせからなる手本を用いたほうが無視の検出率は高くなる。自発描写としては、立っている人の正面像を描かせることが多い。模写に比べて描く内容に個人差が大きく評価がやや難しい。左右差に注目して、絵の左側で上下肢、目、耳などの欠落、配置の異常、輪郭の不足などがあるときには無視ありと判定する。

時計文字盤の描写も古くから無視の診断に用いられているが、その成績と無視重症度との相関は低い。無視が重くても言語性IQが高いと12‐6‐9などの順で主要な時刻を記入してから残りを書き入れる方略を用いて、左側まで描けてしまったりすることが少なくない。ただし、9時を左側に書いた後、7、8、10、11時、またはその一部を書かずに終えた場合は無視ありと判断する。一方、12、1、2、3…の順に間を詰めて11時まで右回りに記入し、左側に空白を残すパターンが古くから無視の表現とされてきた。しかし、これは無視の重症度とは関係が乏しく、言語性IQ低下との関連がみられる。

(4)読み、書きのテスト

漢字の1文字(例えば鉄、清)をみせて読ませたり書かせたりする。もし、失、青と呼んだり、書いたりすれば半側無視ありとする。また、左から始まる横書きの文章を音読させ、行の左端の単語を見落としたり、次の行い移る時に戸惑ったり、文章の筋が通るように、見落とした部分を適当に補って読んだりする場合は半側無視ありと判断する。ただし、このテストが失語症患者に不適切なことはいうまでもない。

 

リハビリテーション

半側空間無視に対する治療は訓練室での訓練が始まってからでは遅く、ベッドサイドから始まる。

①転倒予防

脳卒中患者の病院内での転倒事故が右片麻痺患者よりも左片麻痺に多く、左片麻痺では慣れた環境、特にベッドサイドで起こしやすいことをDillerらは報告している。重度の麻痺を持った患者は大腿骨頚部骨折の危険性が憂慮され、転倒の予防が重要となる。

立ち上がり訓練や歩行訓練時、さらしを腹部に軽く巻いてベルトの代用とすると転倒の防止に有用である。また、患者本人に病識のない場合が多いので繰り返し勝手に立ち上がらないように指導する。

②無視サイドからの刺激

無視サイドから刺激を入れることは重要で、ベッドは無視側を入り口側に向けるように配置する。個室でも、日中は入り口のカーテンを開けておくようにさせ、常に注意を無視側に働かせるようにする。大部屋の場合は麻痺側と部屋の入り口とを考慮してベッドを決める。車椅子座位の場合も麻痺側から話しかけるようにする。

③正しい姿勢の保持

座位が十分にとれなくても正しい姿勢、肢位を保たせるのが重要で、患側に倒れこんだり、後ろに寄りかる姿勢は始終チェックして直さなければならない。

患者が車椅子からズレ落ちないように滑り止めのネット上のゴムを車椅子に敷いて使用すると良い。これはホームセンターなどで数百円程度で市販されているものである。

車椅子駆動も患側に回り込むが、常に気付かせて自己修正させることが肝要である。安全な場所であればあえて手を出さず、壁にぶつからせて自分で気付かせて、自己修正させる。

④外泊訓練

意識状態の改善、および本人の意欲を引き出すために自宅退院を踏まえ、早期からの外泊訓練が必要である。医師は初診時からいつ外泊訓練ができるか相談したうえで検討し、自宅へのベッド、ポータブルトイレの手配も前もってしておく。外泊時に指摘された問題点を帰院時家族に確認する。これは翌週からの訓練に活用するためである。

また、家屋改造が必要と思われる例では医師、理学療法士、作業療法士が外泊時に患者宅を訪問し、移動方法の検討や改善のアドバイスを行う。

⑤患者、家族教育

半側空間無視患者の精神機能としては、病識がなく、楽観的で、他人の世話までやこうとしたり、勝手に立ち上がろうとしたり、注意が散漫で持続しないこと等が挙げられる。患者本人には勝手に立ち上がらないよう、そして左側が見えていないことを繰り返し教えなければならない。そして、顔を患側に意識的に向けるよう習慣付けさせる。家族に対しては患者の自立を促すため、患者が自分でできることは時間がかかってもそれを見守ることを力説する。“手は出さず、目は離さず”を心掛けたい。

⑥理学療法

理学療法では急性期、半側空間無視に対する特別な治療を考えるのではなく、粗大運動を中心に、立ち上がり訓練、移乗訓練、車椅子駆動を実施する。

遷延性弛緩性麻痺が合併する場合には長下肢装具を処方し、早期から立ち上がり訓練や歩行訓練を行う。長下肢装具は訓練用装具としての使用であり、短下肢装具に切り直しての実用歩行を意図したものである。立ち上がり訓練は健側下肢の筋力強化のみではなく、バランス改善および患者の意欲を引き出す効果もある。

歩行訓練はT字杖よりも立脚基盤が大きいside stepperが歩行での安定性がよく、健側にシフトした荷重(患側にはかかりにくい)状態で支持性がよい。重度の半側空間無視患者では自立歩行になることは少なく、退院後も監視レベルに留まる。

⑦作業療法士

半側空間無視患者の場合、作業療法はADL訓練として初期より関わりを持つ。作業療法では①無視側への注意の喚起、②無視側への感覚刺激、③両手動作、④ADL訓練、♯反復訓練が原則として行われる。

無視側への注意の喚起、刺激が必要であり、それを反復する事が重要である。ADL訓練では特にトイレ動作に焦点を当てている。患者はベッドからポータブルトイレの移乗を何度も訓練する。

病室にベッドとポータブルトイレが配置されていることが望ましい。そして訓練室では病室と同じ配置でトイレ移乗を練習する。

 

Dillerらの方法

①動く目標の眼による追跡+抹消課題(文字の列から特定の字の抹消など)

これにより他種類の抹消課題、声を出して読む、筆算、書字などの直線追跡課題に(コントロール群よりも有意に)、程度に限りがあるが改善がみられている。

なお、このような課題を施行するのあたって、落ち着かないで、急いでそそくさとやってしまう患者は少なくない。あたかも面倒がって、いい加減にやるかのようにみえる。

このような場合は抹消するたびにその字を発音させるとか、数を数えさせるかして確認のフィードバックとともに、時間をかけさせる習慣をつけることがよい訓練になる。

②身体表面上の距離と外空間における距離を比較し修正する訓練

これにより線分2等分線や身体中心の定位に著明な進歩を示し、同時に①で得られたと同様な成果も得られる。外空間の異なる場所(例えば左前方空間と右手前空間)における長さの比較検討(それぞれの空間で同じ長さにみえるものがそろえて比較するとどの程度違うかを繰り返し自覚させ、目測基準を修正させる)も効果的とされる。

③障害半球の対側空間での構成課題訓練

追跡課題とは関係ないような課題(Raven MatricesやFigure Ground Testなど)に改善をみる。

これらの訓練で最初に改善するのは直線的な追跡能力であるといわれる。

視空間的認知の機序は階層的になっていて、直線的追跡機序がその基礎を構成しており、最もはやく改善するものと考えられている。

しかし、実際に訓練を行ってみると、なかなか予定通り順調に運ぶものではない。

すぐ疲れてしまう人、訓練中、あるいはちょっと待たせただけで居眠りする人、訓練意欲・興味のない患者などは上述の訓練には乗りにくく患者であり、あらかじめいろいろな過程を経てからでないと無理である。

具体的には…

(a)まず2~3分の会話から入る。しだいに7~8分にのばしていく。その内容は患者の興味を引くような趣味的なものが良い。本来会話は難しいことを話すのではない限り自動的なものであり、脳活動の中で最もエネルギー消費が少ないものであるから導入的作業としては適切である。

(b)カードの色分け作用(5色がそれぞれ8枚ずつ)

(c)指尖追跡

検者の示指を患者の前(眼のレベル)に出し、指尖を眼で追跡させる。通常、患者の左から右へ移動するほうが効果的とされる。指尖と顔との距離は最初は20cmからはじめ、しだいに30、40、50cmとのばしていく。

(d)鉛筆によるタッピング

鉛筆の頭で机の上を10~15回たたくように命じる。1回/秒の頻度が適切である。机上に3つの円を描き、命じた円の中にタッピングさせる。というようないろいろな変形が試みられる。

 

Siev,Freishtatらが推奨する訓練方法

①感覚統合アプローチ

視覚的、空間的、形態的認識過程は、視覚をはじめ、前庭覚、触覚、固有感覚などからの情報が統合された結果として得られるものと考えられる。したがって、ある種の感覚系に障害がある場合、他種感覚刺激を与えて、障害された機能を補償しながら、統合能力をたかめることを期待し、失われた感覚性機能が改善することを期待した方法である。この方法は、発育期にある子供に対しても効果的とされているが、成人脳に対する効果については否定的な考えもある。

しかし、最近、脳の可塑性、シナプスの可塑性などが実証され、練習、学習による軸索輪送量の増加、シナプス伝達物質の増加、伝達速度の短縮など、訓練効果は否定できない時代になりつつある。

Andersonは同様の考え方から、片側性視空間失認や身体失認に対して次のような方法を推奨している。

(1)患者の注意が無視側にいきやすくするための無視側刺激

イ)患側上肢を注目させながら、セラピストが手、あらい布切れ、ブラシ、氷片、バイブレータなどで刺激する(視覚、触覚、深部覚、冷覚、振動覚、聴覚などの統合)。

ただしこの場合、患肢の痙性を高めないように注意する

ロ)閉眼で同様の操作を行う(上述の感覚から視覚を除いたもの)。

ハ)患者自身が健側手を用いてイ)と同様、患側をみながらこれを摩擦する。

ニ)机上においた患側上肢を半円を描きながら、中心線を越えて健側へ水平屈曲を行わせる。患側上肢で介助してもよい。患肢を注目させながら行わせるこのコツである。

肩甲帯が弱い場合はローラースケートのような車のついた台を利用するとやりやすい(視覚、触覚、固有覚)。

(2)患者が無視側をみることを強化する訓練

患者自ら無視側をみたり、注意を向けるようにするための訓練で、場合によっては食べ物や現金などを刺激に用いると効果的である。

イ)検者が鉛筆の頭についている消しゴムを身体の中央線を越えながら、いろいろの方向に動かし、患者にはその後を指尖で追いかけさせる。

ロ)検者は“右手を左肩へ”“左手を右肩へ”のような中央線を越える動作をやってみせ、患者に模倣させる(視覚、触覚、固有覚)

ハ)正中線より左側で各種作業をさせる(コイン並べ、ペグボードなど)

ニ)患者の前に、数字を書いたカードを1列に並べ右から順に読ませていき、誤りは訂正する。患者が正しく読んだカードはその列の一番左側に並べ直し、徐々に患者の注意を左側に移していく。その際、患者が列を機械的に暗記してしまわないよう、その場に応じ、適時に配列を変える事が必要である。

 

②機能的アプローチ

ADLの中で機能をたかめるテクニックを教えることである。作業療法、看護部門で好

んで用いられ、次の2種類に大別できる。

(1)代償(Compensation)

無視側に対し、頭や眼を向けさせるようADLのなかで繰り返し指導する。食事中には患者に手がかりを与えたり、見落としを注意する人を付き添わしたりするとよい。更衣にさいして同様の目的で付き添いをつけるもよいし、鏡を利用して更衣しやすくするのもよい。

(2)順応(Adaptation)

患者に欠けている面に対し、外部環境を変えて順応を容易にする方法で、無視、不注意そのものを改善しようとするものではない。例えば、食べ物をできるだけ健側におくとか、途中で左右を逆にするなどの工夫である。本を読むにあたって、ページの左半分を無視するような場合、下記のような視覚的手ががりを与え、各行を読み始める前に、左側に注意を向けるように訓練する。

イ)各ページの左側に赤線を引く。

ロ)目印としてページの左側にクリップを付ける。

ハ)自分の指をページの左側におかせる。

いずれも各行を読み始める前に、それらの目印を確認してから読む習慣をつけるためである。

また、患者をより適応しやすい状態におくためには…

イ)食べ物を健側におく。

ロ)電話、ナースコールなどを健側におく。

ハ)患者の健側に立ち、健側から話しかける

などの工夫が役立つことがある。しかし、この方法はdisability levelの改善を目的としている場合の方法であり、impairment levelの改善を目的とするリハビリテーション早期(少なくとも3ヶ月以内)は使わないほうがよい。

 

医療現場と取り組み

①理学療法

(1)発症早期

半側空間無視は経過とともに何らかの改善を示すことが知られている。発症早期かでの半側空間無視の問題は、覚醒水準の低下と全般注意障害を背景としている。廃用症候群の予防のみならず、半側空間無視への基本的な対応として、可及的早期の車椅椅子座位保持を施行する。右向き傾向のあるような重篤な無視例の場合、左空間から声をかけてもかえって右を向くような事態が少なからず起こる。このような場合にはまず、右空間から刺激し、その注意を次第に左へと移行する方略が望ましい。すなわち「重症例ではまず右から左へ」である。

車椅子座位が可能となった時期から、方向性注意を変容するために体幹回旋、後頚部筋の電気刺激などを適宜用いる。すなわち、左半側空間無視例の注意の方向性を左に向かわせるためには、体幹を左に回旋することが重要である。

早期からの歩行により左半側空間無視の改善がみられたという報告もある。

(2)在宅での取り組み

慢性期、特に在宅での訪問理学療法における半側空間無視への取り組みについては、これまで報告されていない。在宅であっても医療機関であっても理学療法の内容は基本的に等しいものである。したがって、方法自体は従来の考え方を基本として、適応の際に自宅での生活を考慮し、家族の協力を得られように簡潔なかたちの治療プログラムを提示することが必要である。

 

②作業療法

silvらは、脳損傷患者の高次脳機能障害に対する治療アプローチを、機能的アプローチ、学習転移アプローチ、感覚統合的アプローチ、神経発達学的アプローチの4つに分類している。

(1)機能的アプローチ

これは実際の作業療法場面で最も多く見られるアプローチの1つであり、ADLやIADLなどに結びついたある特定の行為をターゲットとしてその学習を促すものである。その目的は無視症状自体の治療ではなく、実際の行為の習得にある。

一般的には更衣訓練や文章の読み・書き訓練などであり、教材における刺激の密度の段階的調整や行為のステップの分解など学習を容易にするための配慮がなされる。

最近のものとしては、院内で迷うことが多かった半側空間無視の症例に、院内の目的地への到達訓練を行った三井らの報告がある。その内容は、院内の見取り図を使用し、そのマップ上でのリハーサルの後にその通りに行ってもらうという訓練を繰り返し行うというものであった。結果として、4ヶ月の訓練を通して院内での迷子になるという問題を解決する至ったことを報告している。このアプローチは、訓練に用いたその活動自体を習得することは可能であるが、他の活動に汎用化しにくい点は否めないと考える。

(2)学習転移アプローチ

このアプローチの基本的仮説は、特定の認知課題に関する訓練の効果が他の認知課題にも及ぶというものである。

能登らは、半側空間無視を呈する一症例に対し、右手で左右反対に置かれた木琴を演奏する訓練を行わせた。その結果、机上検査や壁や人にぶつかるなどのADL上での問題点も改善したことを確認した。これは右手の左方向への動きを誘発する課題を用いた事が、半側空間無視の抑制に効果的であったためと解釈できる。

また、Smaniaらは、持続的無視を示した患者に対して、部屋や道路などの良く知っている場所についての詳細な報告を求める視覚的イメージ課題と、いくつかの動作を憶えてもらい、その動作を合図に従い、順番にイメージすることを求める動作イメージ課題を訓練として行った。それにより、イメージ課題以外の神経心理学的テストや日常生活の中においても無視が軽減したことを報告している。

(3)感覚統合アプローチ

これは、神経生理学的原理と発達的法則に基づいて、特定の感覚入力をコントロールし、適応的反応を引き出すことによって脳の感覚運動機能の統合に影響を与えることができるというAyresの理論を利用したものである。

山田らはシングルケースデザインを用いた実験において感覚統合的なアプローチとして風船バレーを行った。それにより視覚的追跡による視知覚と風船を叩くという運動の改善が共同して左側を視空間として意識できるようにし、線分抹消課題においてだけでなく、食事、更衣動作などに半側空間無視の影響の低下が認められた事を報告している。

(4)神経発達学的アプローチ

これは、徒手的な操作を加えて異常な姿勢運動反応お抑制と正常な姿勢運動反応の誘発を促す中で、左右の感覚入力の均衡を図っているとみられるものである。いわゆるボバース学派に固有の考えに基づくとみなされている。淵らは、半側空間無視の症例にこのようなアプローチを行ない、その結果、左側無視が軽減したことを報告している。

(5)アウェアネスの促しによるアプローチ

このアプローチの目的は、患者にアウェアネスを促すことにより、自身の障害を自覚し、その障害を克服する手段を自ら発見し、日常生活において代償行動の使用を促すことにある。

Soderbackらは、作業療法において、4名の半側空間無視患者に対し、3種の家事動作をビデオ録画し、そのビデオをセラピストと患者が共に見ながら戦略を話し合うというビデオフィードバックを用いた結果、フォロー時においても効果の持続があったことを報告している。

Thamらは、縦75cm、横100㎝のボード上に一辺3、5cmの立方体16個を均等に並べるというBaking Tray Taskを行う中で、患者に彼らの無視行動をフィードバックする際に、ビデオによる手法と従来の言語による手法を用いることの効果を14人の半側空間無視患者を対象に比較した。その結果、ビデオを用いた患者群での有意な改善を報告している。これは左空間における成績不振をテレビモニタの右空間に提示することが患者のアウェアネスを促すのに有効であったものと理解される。

さらに、Thamらは、4名の半側空間無視患者を対象に彼らが日常生活の中で自身の能力障害をどのように経験し、気付き、処理するのかを質的に調査した結果、その過程の7つの特徴を発見し、患者が自発的な代償的戦略を使用するためには障害の理解が不可欠であると述べている。

村田らは、単一障害に対して病識の促しが半側空間無視を軽減するかどうかをシングルケースデザインを用いて実験した結果、介入により多少の効果は確認されたが、その効果は定着しにくく、また左側無視以外の要因による負の効果も確認されたことを報告した。これらの原因としては、欠点の反復的な指摘が心理的なストレスを誘発可能性、注意喚起の方法が患者からみて受動的なものであったことなどをあげてる。

 

③看護

リハビリテーション治療における看護の役割は、患者の24時間の生活全体を把握したうえで、ADLの介助を行うとともに、患者・家族への教育的な働きかを実施する事にある。

すなわち、病棟生活で具体的に困難な生活を抽出して各訓練部門にフィードバックしつつ、訓練室での成果を最大限に発揮して、安全で自立・自律した生活を再構築できるように、個々の生活場面で患者・家族を援助している。

(・ω・)参考文献

医療学習レポート.半側空間無視とアプローチ


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