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(*^.^*)聴力検査の話


聴力検査の目的

 

耳疾患には難聴を伴うものと、そうでないものとがある。したがって、難聴の有無がわかれば疾患の鑑別に役だつ。また難聴がある場合には、その種類や程度を知ることが診断や治療上たいせつなことである。また、検査結果をもとにして難聴者の職業的・社会的適応について助言を与えることもでき、補聴器の適応を調べるのにも役にたつ。検査は検者の話声や音文が用いられることも、オージオメータを用いて行われることもある。

 

■検査時の注意

聴力検査を受ける者は主として難聴者であるから、難聴者に対する注意が必要なことはいうまでもない(コミュニケーションが円滑にいかない、音による危険の予測ができない等)。検査上の注意も懇切ていねいに説明する。また、時間のかかる検査では疲れて注意力が散漫になるので、適当に休憩をとって気分転換をはかるなどの配慮も必要である。

検査室に1人で閉じ込められるのをいやがる者や、気分がわるくなる可能性のある者には、その点も注意する。幼児の聴力検査ではあせらず、ゆっくり時間をかけ、友だちになるくらいの気持ちがなければ、なかなか正確なところはわからないものである。

 

■方法

(1)純音聴力検査

純音オージオメトリは聴力検査の根幹をなすものである。標準的なオージオメータは、125、250、500、1000、2000、4000、6000、8000Hz(へルツ)の純音を段階的に出せるようにしたものである。

まず、この器械を用いて気導聴力検査と骨導聴力検査が行われ、どのくらいの音で聞こえ始めるかが測定される(最小可聴域値)

・気導聴力検査:

この器械は、レシーバをつけると、音波が空気を伝わって鼓膜を振動させ、耳小骨を経て基底板を振動させて音が聞こえてくるしくみになっている。これを利用して、その聞こえ方を調べる検査が気導聴力検査である。

音をだんだん強くして、聞こえはじめた最小の点(域値)を右側は○で、左側は×

で記し、その間を右側は実線(―○―○―)で、左側は点線(……×……×……)で結ぶ。器械の出し得る最強の音を出しても聞こえないとき(これをスケールアウトという)は↓、↓のように記し、スケールアウトを示す。この点は線で結ばない。

聴力は、その耳の域値と基準の0dB(デシベル)との差であらわされる。これを聴力レベルといい、これに差がある場合を域値が上昇しているという。500、1000、2000、4000の聴力レベルを、それぞれa、b、c、dとして平均聴力を数値で示す場合は  、  、のようにあらわされ、それぞれを3分法、4分法、6分法という。

・骨導聴力検査療:

振動体(骨導端子)を耳後部にあてて、振動が骨に伝わって内耳に達する音の聞こえ方を調べる検査である。最小の強さの音が聞こえる点を右は 、左は で記す。記号間は線で結ばない。スケールアウトは気導聴力検査と同様に 、 のように記す。

・難聴の種類:

骨導は鼓膜や耳小骨などの伝音器官を介さないので、ここに故障があっても聞こえ方には変化を受けない。骨導聴力もわるいときは内耳や神経などに障害があることを意味する。したがって、純音オージオメトリの結果から、次のようなことが考えられる。

 

難聴の種類と域値の比較

気導域値

骨導域値

気導骨導差

伝音難聴

上昇

正常

あり

感音難聴

上昇

上昇

なし

混合難聴

さらに上昇

上昇

あり

・内耳、後迷路機能:

純音オージオメトリは、域値上の音を使って感音難聴の障害部位を内耳性(迷路性)難聴と後迷路性難聴に区別するためにも用いられる。音の強さを周期的に変化させて、どのくらい変化させれば弁別できるかを調べたり(DLテスト、SISIテスト)、左右の耳に聞かせる音をしだいに強くして、両耳での聞こえ方がどのようにかわるかを調べたりする(ファウラー平衡テスト)。小さい変化を弁別できる場合を補充(リクルートメント)現象陽性といい、内耳性(迷路性)姓聴に特徴的である。

また同一音を連続して聞かせ、それがしだいに聞こえなくなっていく現象を調べたり(TTDテスト、TTSテスト)する。これは後迷路性難聴の際におこりやすい。また、音の強さが被検者のボタン操作で自動的に変化し、周波数も経時的に変化するようにした器械を自記オージオメータ、あるいはベケシー型オージオメータという。

(2)音叉による聴力検査

音叉による検査も純音を使用する検査で、器具が簡単であり、どこでも行えるのでスクリーニングとして用いることが多い。c(128Hz)の音叉を低音検査、fis4(2860Hz)の音叉を高音検査の代表として用いる。気導のほかに骨導も検査する。

・ウェ一バー法:

ウェーバー法は、前額正中に音叉の柄の端をあてて骨導音を聞かせるときに、左右どちらの耳で強く聞こえるかをたずねる。一個のみの伝音難聴では患側にかたより、感音難聴では健側にかたよる。両側が同程度の難聴であれば、左右同じように聞こえる。

・リンネ法:

リンネ法では、同一側の気導聴取時間と骨導聴取時間とを比較する。乳様突起部にあてた音叉の音が聞こえなくなったら、ただちに外耳道孔に近づけて、気導で聞こえるかどうかを確かめる。聞こえれば気導>骨導でリンネ陽性という。正常または感音難聴である。骨導で聞こえない音が気導でも聞こえなければ気導<骨導で、リンネ陰性といい、伝音難聴を示す。

(3)語音による検査

スピーチオージオメトリによる検査は、前もって録音しておいた語をいろいろな強さで再生して開かせる方法をとる。2から7までの1けたの数字を用いて50%の正解率が得られた域値を語音聴取域値という。また、音の強さと正解率から語音明瞭度を調べる。

伝書雉聴では音を強くしていけば正解率が100%になるが,感音難聴では音を強くしていっても100%にならないことが多い。音は聞こえるが、なにを言っているのかわからないということで、最高正解率がわるいものでは補聴器の使用に困難があることを示す。

(4)インピーダンス―オージオメトリ,耳管機能検査

音響インピーダンスの変化を測定して、伝音機構やアブミ骨筋反射の状態を調べるものである。

・ティムパノメトリ:

これはインピーダンス―オージオメトリの一種で、外耳道内を陽圧から陰圧に変化させながら音を与え、マイクロホンで反射音の音圧を測定して、鼓膜系のコンプライアンスを知る方法である。正常者あるいは感音柾聴者では、陽圧や陰圧の範囲で鼓膜のかたさは増大し、外耳道圧が0のときに最大となる山型を示す(A型)。耳小骨に異常があるとピークが異常に大きくなったり(AD型)、小さくなったりする(As型)。中耳腔が陰圧になっていると、ピークは外耳道圧の陰圧側に移動する(C型)。中耳腔内に液体があったり、鼓膜の可動性がわるくなったりすると、ピークをつくらずに平坦な形になる(B型)。

・耳管機能検査:

耳管機能を検査する(耳管狭窄症・耳管開放症など)、耳管機能検査装置も使用される。

(5)幼児の検査

・COR,ABR:

聞こえているかどうかの応答が得られにくい幼児に対しては、検査に遊びを組み込んだ遊戯オージオメトリ、条件反射を利用したCORテスト、脳波による他覚的聴力検査(ABR)などが用いられている。

 

■看護

聴覚に意識を集中してしまうので、疲労感やめまいを生じることがある。また、防音室という閉所で感覚に集中することで、緊張感や不安を抱く人もいる。

検査中は患者の顔色や表情、反応や行動を継続して観察し、上記の不快・苦痛症状を訴えた場合は、中断し安楽な体位で休息をとる。検査終了後に、めまいや吐き気などの症状が強い場合、症状が軽減するまで安楽な体位で休息をとる。


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